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放送

制作日記



今回の番組を作るにあたってまず考えたのは、岩手を舞台にした(もしくは岩手で撮影された)映画がどれ位あるのか? ということでした。……実は日本では、映画の舞台になる場所というのは、非常に限られています。大都市圏、撮影所のある京都、ロケ地めぐりだけでガイドブックができてしまっている函館など……要は、「移動が便利か」「特異な景観があるか」ということが、制作者たちに対するアピールポイントになってきたのは間違いありません。そんな中、こと「岩手」では何本の映画が撮られてきたのでしょうか? 


 リストアップしてみたところ、下記にあるような作品名が出てきました(本当はもう少しあるのですが、比較的メジャーな作品のみをピックアップしてみました。)宮澤賢治、石川啄木、そして「北上夜曲」をネタにしたもの……やはり「ご当地映画」が多いのは、これは致し方ないところでしょう。しかし、中にはちょっと面白い作品もあります。あの「トラック野郎」シリーズの主人公、一番星・桃次郎が、実は岩手出身なのだということも、番組のリサーチの中でわかったのでした……『トラック野郎 一番星北へ帰る』は、そんな設定を活かしながら大々的に岩手を扱った作品です。諸事情で今回の番組の中ではご紹介できなかった作品ですが、機会あったらぜひ見て頂きたい一本です。なかなか二ヤリとさせられることでしょう。『時代屋の女房』は、原作にはない盛岡のシーンが大幅に加わったことで、作品に深みが出た好例でした。これも、ぜひ実際にチェックして頂きたいところです。近年では、「えさし藤原の郷」の広大な平安建築を使った、ダイナミックな時代劇も増えてきました。地元の江刺市では「東北のハリウッド」を標榜しています。もっともっとロケを重ねて、その夢を現実にしてほしいなぁ……と願わずにはおられません。

盛岡市映画館通り
 さて、作品群から消去法でご当地映画を消していった時に気がついたのは、山田洋次監督の関わった作品の多さでした。『家族』『同胞』『イーハトーブの赤い屋根』『男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎』『息子』『釣りバカ日誌6』……実に6本です。何が監督を岩手に惹きつけたのだろうか?これが番組作りの中で最初に浮かんだ疑問でした。後にその理由は、インタビューを快諾していただいた山田監督の口から明らかになりました。それは、番組の中でぜひご確認ください。(ディレクター・阿部哲也)

岩手で撮影された主な映画作品■
「情熱の詩人啄木」1936 「馬」1940
「風の又三郎」1940 「花くれないに」1957
「大いなる旅路」1960 「北上夜曲」1961
「北上川の初恋」1961 「われ一粒の麦なれど」1964
「家族」1970 「愛と死」1971
「同胞」1975
「八つ墓村」1977
「イーハトーブの赤い屋根」1978 「トラック野郎 一番星北へ帰る」1978
「時代屋の女房」1983 「男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎」1984
「風の又三郎 ガラスのマント」1989 「息子」1991
「釣りバカ日誌6」1993 「(ハル)」1996
「わが心の銀河鉄道 宮澤賢治物語」1996 「宮澤賢治 その愛」1996
「五条霊戦記 GOJOE」2000 「私の骨」2001
「陰陽師」2001 「壬生義士伝」2003
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