心のアーカイブ 伊波伴准

まもなく盛岡さんさ踊り

8月1日から、いよいよ「盛岡さんさ踊り」が始まります。

盛岡市内では、夜になると、学校の体育館や集会場などいたるところで
太鼓を叩く音が聞こえてきます。
多くの団体は6月頃から練習を始めますが、早いところでは4月からの練習もあるそうです。

学校や保育園、企業、団体などが参加しますが、参加には条件があるそうで、
太鼓の数と踊り手の数は1:5の割合で決まっているそうです。
踊るだけではなく必ず太鼓も必要なのです。
「世界一の和太鼓」のまつりらしいルールです。

このため、踊りの練習を見るよりも太鼓の練習を熱心に取り組む様子のほうが
なんとなく目立つような気がするのです。
IATの目の前には盛岡駅西口の人口地盤があるのですが
ここでも毎日のように夕方太鼓の音が聞こえてきます。

あすは前夜祭。盛岡駅周辺はさんさの熱気に包まれ
日曜日からは毎日、盛岡の中心部は熱気に包まれます。
楽しみですね!

2009年さんさ踊り

去年の盛岡さんさ踊り

2010 年 7 月 30 日 17 時 10 分 42 秒

暑い夏 夏の風に吹かれて

球場の入口には大きな組み合わせ表があります。
残り1試合。7月13日から刻まれてきた72試合の記憶が1枚のボードに刻まれ、
その最後の記録をされるのが、きょうの決勝戦です。

一関学院が試合の流れを完全につかんで勝利する決勝戦でした。
きょうの試合は、盛岡大附属側・3塁側スタンドでの仕事をしていましたが、
盛岡大附属も決して悪いプレーではありませんでした。
一方で一関学院は完全にタイミングのあったバッティングで盛附を圧倒する試合となりました。

3塁側スタンドには在校生の他、父母会、さらにOBなど大勢が詰めかけ、
在校生の応援に合わせて、大きな声援を送っていました。

吹奏楽部では、決して人数が多くなく、先生までもが演奏をしています。
おそろいの”盛附ベンチタオル”を首に巻いた応援団は、
どんな場面でも懸命な声援を送っていました。

試合は、一関学院が先制。
3回表、9番の菅原瑛真が出塁すると、1番の荒木俊樹がレフト前で繋ぎ、
その後3番のキャプテン・宮本涼のタイムリーで2点を取ります。

そのウラ、盛岡大附属は、9番の今上智が大会13号ホームランで1点を返しますが、
結局、この3回の攻防が試合の流れを決めました。
打力に力のある一関学院が終始試合を優位に展開し、終わってみれば8対2で
甲子園行きを決めました。

盛岡大附属のスタンドは、劣勢の中で沈黙の時間が長くありました。
なかなか一本が出ない状況で、相手の攻撃が長く感じ、辛い時間でもありました。

そんな中、ライト側から吹き付ける風が気持ちよく、
それがあと一本が出ない試合展開で逆につらさも感じる風でした。
心地よい風の中で応援できるのに、グラウンドの選手たちは苦しい戦い…

負けがはっきり分かった瞬間から、しばらく、3塁側はさらに長い沈黙に包まれました。

それでも、試合中はあきらめずに応援する控えの野球部員や父母会、
さらに声をからして応援を送る応援委員会の姿勢は素晴らしいものがありました。

閉会式のあと、メダルをかけてもらった一関学院・盛岡大附属のナインが
グラウンドを1周します。

すると、父母会のお母さんたちが、一斉にフェンスに駆け寄ってきました。


熱戦を終えた我が子の最後の勇姿を目に焼き付けようと、かけよってきたのです。
涙を流すお母さんもいますし、じっとグラウンドを見つめるお母さんもいます。
これが高校野球のもう1つの側面なのだと実感しました。
育ててきた我が子への愛情を感じる場面でした。

閉会式後に盛岡大附属の桜井将貴主将は涙をこらえながら取材を受けていました。
「思い出すのはセンバツの甲子園でプレーしたこと」と話したあと、
「これからも、岩手の高校野球の応援を皆さんにしてほしいです」と気丈に話していました。

負けたものの、高校野球を応援してくれた人たちへの心遣いを話した姿に、もう一つの強さを感じました。

1塁側、勝った一関学院のナインは取材が一段落したあと、
グラウンドで甲子園での勝利にむけて胴上げが繰り広げられました。

キャプテンの宮本君のユニフォームをみると「Gakuin」と書かれた刺繍は
ぼろぼろになっていました。
先輩からもらったユニフォームで、直すことなく、そのまま着続けたと話しています。

先輩たちが果たせなかった甲子園、さらに負けた73校の分まで甲子園での活躍を
心から期待します。

最後に県営野球場からIATへと帰る時、
球場に設置されていた大きな組み合わせ表は、既に撤去されていました。
夏が過ぎていくことを目で見て実感した瞬間でした。

岩手大会の熱戦は多くの人の胸に刻まれ、
次は甲子園での一関学院の活躍への願いに変わっていく、そんな一日でした。

2010 年 7 月 26 日 23 時 22 分 40 秒

暑い夏 スタンドが作り出す流れ

県営野球場では、決勝進出を決める準決勝2試合
(一関学院対盛岡一、盛岡大附対盛岡四)がありました。

試合は終わってみると、一関学院、盛岡大附属の両校が終始有利な試合運び。
結局、どちらもコールド勝ちで決勝進出となりました。

きょうは白球ライブ!2010の中でスタンドリポートを入れ、
私は1塁側スタンドで、制作の仕事に携わり、様々な情報を畑山アナウンサーと収集していました。

第2試合の盛岡大附属は、25人前後の吹奏楽部と野球部が一体となって応援。
人数が足りないので、吹奏楽部の顧問の先生も演奏するという忙しさでした。
また、毎年恒例の、ベンチ入り出来なかった3年生の部員に対して
背番号「21」(ベンチ入りが背番号20までのため)を与え、
その部員たちも懸命に応援する姿を放送することができました。

第1試合では、父母会の結束の強さが光りました。
試合開始前に先発メンバーを場内放送でも紹介しますが、
そのあとに、父母会のメンバーが大きな声でかけ声をかけ始めます。

なにが起きるのだろう?と思っていたら、
スタンドの席に大きな輪を作り始めたのです。
選手がベンチ前で円陣を組むように、スタンドでも父母会が大きな輪。
そして、全員で手をつないで気勢を上げたのです。

この思いが通じたのか、コールド勝ち。
チームだけではなくスタンドから試合の流れを引き寄せ、作るということが
高校野球にはあるのだな、と感じました。
特に、得点を挙げた直後の歓喜の瞬間は、より選手に勇気を与えてくれます。

もちろん、3塁側の盛岡一高の伝統的なバンカラ応援、そして盛岡四高の大人数での声がぴったりあった応援も素晴らしいものがありました。

グラウンドだけではない高校野球も大きな魅力です。

2010 年 7 月 25 日 20 時 41 分 36 秒

暑い夏 思いは2年生に

花巻球場では、公立同士の第2試合が非常に盛り上がりました。
26年ぶりの甲子園を目指す大船渡と、32年ぶりの甲子園を目指す盛岡一高という
伝統校同士の準々決勝。

試合は大船渡が先制。
3番の2年生氏家規元がセンターへのヒット。
その氏家が盗塁し、続く4番の藤原圭貴はセカンドへのあたり。
その打球をセカンドが取りましたが1塁へ暴投。相手のエラーで1点を取ります。

さらに、4回にも相手のエラーで2点を追加し3対0。試合を優位に進めます。

しかし、盛岡一高も追い付きます。
6回にはエラーで9番の千葉奨之が相手エラーで出塁。
その後2アウトまで取られますが、3番途中出場の上杉直人、4番の小野寺健太の連打で1点。
さらに7回は、満塁の場面で大船渡の先発・2年の上野史人が押し出しで1点を献上。
ピッチャー代わって、リリーフの及川晋矢もデッドボールを与え3対3の同点。

9回、盛岡一高は1アウトから3番の上杉が3塁打。
この場面で大船渡が取ったのは「満塁策」。
2者連続でフォアボールを与え、1アウト満塁という作戦。

そして最後の最後、盛岡一高・6番の鬼柳裕介はレフト前サヨナラタイムリー。
4対3、劇的な幕切れでした。

試合後、大船渡ナインはほぼ全員が泣いていました。
吉田亨監督は「私の采配ミス」と選手たちをかばいました。

新沼俊希キャプテンは試合後に
「みんなで甲子園を目指して頑張ってきたのに、足りなかったようです」と
自分自身を責めるように言葉を振り絞りました。

全員がベンチで泣き崩れる中、真っ先に用具の片づけを始めた選手がいます。
3年生、背番号1の千田直明君です。

2人の2年生ピッチャーをまとめる役割の千田君。
きょうはどの段階でピッチャーの交代があるのか分かりませんでしたが
どんな場面でも、ブルペンで投球練習をしてすぐに出られるように用意をしていました。
9回の場面でもブルペンで練習をしている姿がありました。

事前の取材でも、2年生のどちらが打たれてもいつでも出られるようにして
しっかり投げたいと話していた千田君。
最後の試合に登板の機会はありませんでしたが、
試合終了後に涙を流しながら誰よりも先にバットなどの容疑の片づけをしている姿は
しっかりとした3年生らしい対応だなと感じました。
一番悔しさを感じる学年が、泣きながらチームのための働きをしている姿は
人間としての成長を垣間見る思いがしました。

悔しさは、きっと2人の二年生投手に引き継がれ、
きっと、来年の活躍につながることでしょう。

2010 年 7 月 23 日 20 時 05 分 13 秒

暑い夏 快心の攻撃 そして場外には

誰もが予想しない展開が高校野球には必ずあるものです。

ベスト8をかけた県営野球場の第2試合、第2シードの花巻東が敗れました。
対戦相手は盛岡中央。この2校はここ数年で夏の大会の対戦をしています。

去年は花巻東が14対3、8回コールドで勝利。甲子園出場を決めました。
おととしは、準々決勝での顔合わせで3対0、盛岡中央が勝ちました。
2005年は決勝戦の対戦。4対3のわずか1点差で花巻東が甲子園へ。
どちらにとっても負けられない、思いのこもった一戦です。

試合は、盛岡中央が終始有利に展開。
初回、1番の泉田凌介が相手エラーで出塁。泉田を2塁に送ったあと、
4番の小杉涼太がレフトへのタイムリーツーベースヒット。
1点を先制。

さらに3回の攻撃では、1番泉田のツーベースをきっかけに、
2番村田陸はフィルダースチョイスで出塁。
ノーアウト1塁3塁で、3番のキャプテン佐々木龍太郎がセンターへの二塁打で3対0。
なおも、5番の正路拓也のタイムリーで追加点。

加えて、4回にも、ノーアウト満塁から4番小杉の走者一掃のタイムリーも飛び出し、
試合は結局8対0。
夏の甲子園連続出場を狙う花巻東は、
先発の吉田陵、続く長原拓、伊藤創、大谷翔平と4人のピッチャーを送り込みましたが
試合の流れをつかむことは最後までできませんでした。

盛岡中央の佐々木大介監督は試合後に
常に戦うのは自分の弱い心だ、と選手たちに指導していたそうです。
きょうも、プレーの中でそれが一部見えたそうですが、
試合後には、次にどんな試合の動きが来てもまず自分の気持ちをしっかり持つようにと声をかけたそうです。

練習で鍛えてきた精神と心が、強豪校同士の試合を制しました。

次は盛岡四高との対戦。打線が好調な対戦が楽しみです。

その試合が終わったあと・・・
県営野球場の一塁側には、傾斜がきついのり面があるのですが、
この斜面のてっぺんに、カモシカの姿が。

熱戦が続く雰囲気を感じ取ったのか、気になったのかもしれません。

2010 年 7 月 22 日 18 時 37 分 30 秒