心のアーカイブ 伊波伴准

目標とは達成すべき結果

朝日新聞盛岡総局と岩手県朝日会が開いた
「清水宏保講演会」に、司会としてお手伝いをしました。

清水さんと、朝日新聞盛岡総局次長の志方浩史記者とともに講演会を進めましたが、
清水さんの気さくな人柄や真剣に頂点を目指した姿勢、
さらに志方記者の取材者としての気持ち、などとても勉強になる場でした。
集まったおよそ150人の皆さんも、とても良い時間を過ごしているようでした。

清水宏保さんは、ご存じの通り長野冬季オリンピック
スピードスケート男子500メートルで金メダルを取りました。

1974年2月、北海道帯広市生まれ私と同じ学年です。

今回の司会の話が来たときに運命的なものを感じました。
私のシステム手帳には清水さんが金メダルを取ったときの
朝日新聞の記事のコピーがいつも挟んであります。
その記事にはこんなことが書いてあります。

「競技者である前に、人間としてやるべきことをきちんと見つけていかなければ」という気持ちです。いま、「意識の新陳代謝」が始まっているのを感じます。表彰台に立たなければ、そんな気持ちになることはなかったかもしれません。(中略)いろんな出会いに恵まれて、ここまで来ました。金メダルは人生の通過点。僕がひとつの「峠」を越えられたのは、テレビで応援してくださった方も含めて、本当に皆さんのお陰です。「我以外皆我が師」。ありがとうございました。
(朝日新聞1998年2月23日付け紙面から)

この金メダルを取ったとき、私は24歳。清水さんは24歳になろうとするところ。
同じ学年・同じ年代の選手が金メダリストになったことに感激したことに加え、
その金メダルを「人生の通過点」と表現したことにも感銘を受けたのです。
自分は一体何を目標にすべきか、と当時自問自答を繰り返したと同時に
自分はテレビの世界でもっとやるべきことがあるのでは、と強く思ったきっかけ、
つまり心の支えになった記事だったのです。

清水さんと講演会の前の打ち合わせで、勝手ながらそんな話をしたところ
「そうなんですか」と驚いた様子でした。

ぜんそくという病気と付き合いながら金メダルを取った清水さんは、
がんで亡くなった父親の話になると、こんなことを話していました。

「父親が亡くなった時に、お通夜の日に走りに出かけた。
 病気で見舞いに行っても、ここに来る時間があれば練習しろ、と言っていた父は
 いま、僕が走った方が良いと言うと感じた」

清水さんが自分自身で強くなるためにはどうすればいいのか
幼い頃から自分で考え、行動するという力が既にあったのだ、と本当に驚きました。

さらに講演では
「ぜんそく患者だからスポーツで一番にはなれない、と言う人がいるが、
 まずやってみなければいけない。
 出来ないという前に、出来るためには何をするべきか計画を立てて
 しっかりと行動することが重要」
と話しました。

決して高くない身長、ぜんそくと向き合いながらのスポーツ…
その全てを自分の力として、最高にたかめていった精神力・人間力は
本当に素晴らしいと感じました。

その中で言ったコメント。
「目標とは、達成すべき結果なのです。」

自分の目標に向かって力強く進む、本当にすごい人だなと感じました。

今年ももうすぐ終わり。私も自分自身が次に何に取り組むどう進んでいくか、
見つめ直さなければと、強く思いました。

清水さんや、志方記者、またこの講演会の開催・運営にあたった皆さんに感謝したいと思います。

2010 年 12 月 27 日 16 時 57 分 39 秒