心のアーカイブ 伊波伴准

高校野球 若き監督

県営野球場の第1試合では1990年生まれの監督が率いる一関高専が登場。
結果は負けてしまいましたが、最後まで伝統校を苦しめました。
創立87年の伝統校・黒沢尻北。ただ、夏の大会の最高はベスト4。甲子園にはまだ出場していません。
一方の一関工業高等専門学校(一関高専)は、夏の大会過去最高が3回戦進出。
それを上回るためにも初戦突破は至上命題です。

そのチームを率いるのは、1990年生まれ、現在20歳の菊地健斗監督。
一関高専野球部OBで、現在は一関高専の専攻科に在籍しています。
まだ学生という身分で、5年制学校の高専チームの中の「高野連チーム」(16~18歳の選手によるチーム)を指導しています。

自分の授業や研究などがあるので、指導する時間が限られる中、
選手たちに年齢が近く、兄貴的な存在で「最後まであきらめない」「中途半端なプレーにならない」ことを懸命に教えてきました。
そして「全力でプレーする選手たちをぜひ見てください」と笑顔で話す、若き指揮官です。

試合は序盤、一関高専の9番の田頭祐也が内野安打で出塁。
それの田頭を送ったあと、2番佐藤俊のヒット。
3番佐藤裕樹がフォアボールを選んだあと、
4番佐藤光がレフト前ヒット。1点を先制します。

一関高専のピッチャー佐藤光と中里祐介のバッテリーが巧みに黒北打線をかわし、
5回まで無得点に抑えます。

しかし、6回表、集中打で黒沢尻北が一挙4点。
試合の流れをつかみます。
一関高専は6回ウラの攻撃で代打・佐藤雅典のタイムリーで4対2に。
さらに、
7回ウラは、5番佐々木俊耶の大会17号ソロホームランで4対3。
決して大量リードではなく、試合の流れも分からない状況に追い込んでいきます。

9回ウラでは、この回先頭の代打藤原健汰が二塁打。
さらに代走の千葉倫太はワイルドピッチで3塁まで進みます。
ノーアウト3塁。誰もが同点に追い付くのでは、と思いましたが、
続く8番村田晨、9番田頭、最後の代打赤坂旭も三振でゲームセット。
あと一歩の所まで黒沢尻北を追い込んだ一関高専。最後まで良いゲームを見せてくれました。

試合後、キャプテンの佐藤裕樹君は
「まだ1・2年生に何を言うか、考えていないが、来年は強い高専でベスト8,ベスト4になって欲しい」と話していました。

菊地監督は「最後は、スクイズは考えなかった。ノーアウト3塁だったが、犠牲フライとか、とにかく打って点数を入れて欲しい、それが私のイメージでした」と
静かに試合を振り返りました。

この大会唯一の国立チーム、さらに「高専」という5年制の学校ならではの特徴があり、
これまではなかなか上位進出がかなわなかった一関高専。
しかし、若い菊池健斗監督のもと、最後まで本当にあきらめない、素晴らしいプレーを見せてくれました。

今年のチームの主力は2年生。佐藤キャプテンの思いをつなぐ1・2年生たちがきっと来年活躍してくれるでしょう。
黒沢尻北 000004000=4
一関高専 001001010=3

試合後の一関高専

2011 年 7 月 17 日 17 時 34 分 00 秒