心のアーカイブ 伊波伴准

気仙地区に初めての「観光旅行」が

震災後、各地で復旧・復興のために全力で頑張っている人たちがいます。
その中の一つ、グリーンツーリズムを進めようという市民団体「もさばロハス倶楽部」が、
盛岡市のIGRいわて銀河鉄道の観光部門「銀河鉄道観光」と連携して、
震災後に気仙地域では初めてとなる観光客を受け入れました。

そのツアーは「東北道の駅スタンプラリーの旅」。
これまでに銀河鉄道観光が、県北部で実施していたものですが、
初めて気仙地域などの道の駅(種山ヶ原、さんりく、遠野風の丘)を回る旅を
企画しました。

関係者に伺うと、もともと地震の前から計画していた「着地型観光」のツアーでしたが、
震災後、黙って待っていても何も始まらないと
力強く、関係者らが手を携え、旅の実施を決めたそうです。
私も、取材で同行しました。

一番印象的だったのは、食事。
漁業は当分無理なんじゃないの?と思っている方も多いと思いますが、
漁は少しずつ再開しています。

この日の「スタンプラリーの旅」は陸前高田市で唯一といっていい、影響が少なかった文化施設「気仙大工左官伝承館」で昼食だったのですが、
大船渡市で採れたタコ・ワカメ・銀ザケが調理され、
タコとワカメの酢の物、銀ザケのすり身汁となって出されました。

地元の最高のおもてなし。
そして、次はいつ採れるか分からないという意味では、貴重なお膳なのです。
決して高価なものではないかもしれませんが、
どんなフルコースの食事よりも、おいしく、輝いているように感じました。

旅の受け入れをしている「もさばロハス倶楽部」でも、
まだ観光客を受けいれることに抵抗のある部分もあるそうです。
しかし、
復旧・復興に相当な時間がかかることを考えると、
今すぐ、観光客を集めなければ、地域の活性化がないと考え、
積極的に観光客誘致を進めることにしたそうです。

銀河鉄道観光が企画したこの旅にはいろいろな意味があります。
道の駅を巡ることにより、地元に少しでもお金が落ちます。
これはとても大切なことです。
さらに受け入れの人々が元気に活動することそのものにも意味があります。
また、ボランティアに行く体力はないけど、何か地元のためにしてあげたい
という静かな協力を切望している人々に対して、このようなツアーは貴重な存在です。
ツアー参加そのものも、立派な復興支援なのです。

当然、被災エリアを巡ることに関しては様々な配慮が必要ですが、
「どうぞ、いらしてください」という気持ちがある所には
内陸から、そして県内外から、多くの観光客が今だからこそ行くべきなのです。

私は、勧められて「道の駅種山ヶ原」で住田町産の鶏ハラミを買いました。
自宅に戻り、タマネギと一緒に炒めて食べました。
炒めただけのハラミは、驚くほど絶妙な味付けで、歯ごたえもばっちり。
これだって復興支援。おいしい復興支援。みなさんもどうですか?

2011 年 7 月 28 日 21 時 14 分 28 秒