心のアーカイブ 伊波伴准

高校野球2015 もっと長く野球がやりたかった

花巻球場第1試合はシード校専大北上と
大東の対戦。
試合は、シード校を相手に、大東が奮闘する展開の大接戦でした。

両校の先発、
専大北上は背番号10のミヒニャック晏治英(アンジェイ)、
大東は、藤森淳史(ふじもり・あつし)。
両校の先発の力投で、序盤はゼロ行進。

得点が動いたのは5回。
大東は、ヒットとエラーで出たランナーを送って、
1アウト3塁2塁の場面。
バッターは1番・玉沢吉弘。
玉沢は、きっちりスクイズを決め、1点。
試合の均衡を破ります。

その後専大北上は
1番原田凌晟(りょうせい)、2番小野仁の連打のあと、
3番の吉田開の左中間を破るタイムリーで1対1の同点。

7回に大東も専大北上もランナーを出すものの得点にならず。

両校ともに点数のきっかけをつかめないまま延長戦に。

専大北上は11回ウラ。
途中から出場のキャプテン・千葉雅幸がセンターフライで1アウト。
この先どうなるのだろう、と思った矢先。
5番の2年生熊谷真人が、ライトスタンドにたたき込むソロホームラン。
2対1、サヨナラホームラン。一振りで試合を決めました。

試合後、一人でこの試合を投げ抜いた大東の藤森淳史ピッチャーは
本当は泣きたいのを我慢し、笑顔でインタビューに答えてくれました。
仲間をかばいつつ、全力であきらめない野球が出来たことに喜びながら。
しかし、同じ3年生の話を聞くと急に涙目になり声を詰まらせ、
「もっと、もっと長く野球をやりたかったです」と話しました。

本当は大泣きしたいのをぐっとこらえる姿に、1試合投げ抜いたエースらしさを感じ、
この夏の大会の期間でも、高校球児が成長していることを実感させられます。
少しでもその思いを伝えられるようにしなければ、と思うのです。

そして高校球児から、たくさんの勇気や、力を、もらっているのを実感します。

2015 年 7 月 19 日 16 時 28 分 27 秒

高校野球2015 「沿岸勢の仲間のために」

花巻球場の第1試合は、一関工業と釜石商工の対戦。

この両校は、去年の3回戦でも対戦しています。このときは3対0で一関工業が制し、

その後、去年の一関工業はベスト8まで勝ち残りました。

 

今年の試合は、一関工業ペース。
釜石商工は3回ウラ、
相手エラーでもらったランナーを2塁まで進め、
1番・川向幸太郎がレフトへ運び、これで1アウト3塁1塁。
続くバッターは2番・2年生の鈴木孝輔。
しかし、セカンドゴロ。セカンドからのバックホームで
3塁ランナー山崎優が刺され、得点できません。
なおも2アウト2塁1塁。
バッターはキャプテンの三浦潤太。ここでもピッチャーゴロ。
一関工業・千葉健志の打たせて取るピッチングで
釜石商工、チャンスを生かせません。

一関工業は4回表、
3番の伊藤力也、4番の小野寺将が連打で出塁。
これを送って2アウト3塁2塁。
打順、7番吉田拓で、バッテリーに痛いミス。
ワイルドピッチで一関工業が先制します。

1点先制された釜石商工。
6回ウラ、ノーアウト1塁で、
この回から変わったばかりの一関工業・2年生菅原英斗から
3番・キャプテン三浦潤太が左中間を破るタイムリー。
1対1と同点にします。
一関工業は8回表、4番・小野寺将が大会18号、2ランホームランで
一気に3対1と勝ち越します。
このあと9回表にも、2番・三浦蓮と4番・小野寺将のタイムリーで5対1。

釜石商工は最後2アウト2塁1塁まで粘りましたが、
最後はサードゴロがフォースアウトでゲームセット。

試合後、釜石商工の三浦潤太キャプテンは
「沿岸勢の仲間たちが敗れ・・・勝ちたかったんですけど、一本がでなくて・・・」
と言葉を詰まらせました。

このようなインタビューで「沿岸の仲間たち」という言葉を聞くことはあまりありません。
チームだけではなく、沿岸、という地域にも思いを馳せてプレーをしていたのです。
岩手の代表チームは「岩手のために」という気持ちで甲子園でプレーをしますが、
岩手大会の中でも地域のことを考えていた気持ちに、エールを送りたいと思います。

 

2015 年 7 月 18 日 17 時 24 分 50 秒

高校野球2015 大槌のこころ

花巻球場の第1試合は、岩手と大槌の対戦。

結果、8回コールド9対2で、岩手高校が試合を制しました。

大槌のキャプテン・妙中健人君は、取材資料を見ると、一人だけ県外出身者。

これには理由がありました。

 

2011年の東日本大震災で家が被災。

このため、父親の勤務先である岩手県外へ移り住むことになりました。

しかし高校進学の時に「もう一度、大槌に戻って、仲間と一緒に野球がしたい」と

大槌高校に進学したのです。

大槌に戻る、といっても祖父母と一緒に仮設住宅での暮らしです。

最初は周囲の人たちも驚いたそうですが、

結果、3年間野球を続け、部員の投票でキャプテンとなりました。

きっといろいろなことがあったと思いますが、たくさんの仲間と素晴らしい関係を築いていたことを感じさせます。

 

きょうの3塁側、大槌応援スタンドにはお母さんとおじいちゃん・おばあちゃんの姿がありました。

結果試合は負けてしまいましたが、スタンドで家族は成長を喜んでいたに違いありません。

試合後に妙中キャプテンのおばあちゃんは「ただ、とにかくお疲れさん、と言いたい」と話していました。

同時に「孫に元気をもらいました」とも話していました。

高校野球は、試合だけではなく、スタンドに、球場の外に、たくさんの素敵な「こころ」があります。

2015 年 7 月 16 日 17 時 29 分 48 秒

高校野球2015 最後までわからない

花巻球場第3試合は、盛岡北と福岡の対戦。

8回が終わった段階で、2対2の同点。

9回に入って、どこで試合の決着がつくのか全くわからない試合です。

9回表、福岡は6番の馬渕悠が内野安打で出塁しますが、その後打線が続かず無得点。

そしてウラ、盛岡北の攻撃。

相手エラーで7番の富樫優希也が出塁し、続く8番の熊谷伊吹がレフト前で出塁。

その後、盗塁などを決め2アウト3塁2塁。

盛岡北は打順が1番に戻り、キャプテンの小田駿がレフトへのサヨナラタイムリー。

ぎりぎりの緊迫した9回の攻防。3対2で、盛岡北が試合を制しました。

試合後、福岡の選手たちの多くは泣き崩れていました。

しかし、インタビューに答えてくれた湊英成主将は「自分のミスがエラーにつながってしまった」

と冷静に振り返りました。

試合には敗れましたが、福岡の最後まであきらめないプレーは多くの人に伝わったはずです。

1、2年生はこの思いをバネに、来年、活躍することを期待します。

2015 年 7 月 15 日 18 時 18 分 19 秒

高校野球2015 独立チームとして

花巻球場の第2試合は、シード校花巻農業と葛巻の対戦。

葛巻は、去年秋は伊保内高校と沼宮内高校との連合チームで県大会に出場。1勝しました。

そして今年の夏は独立のチームとして、1年生5人を迎え、出場。

きょうのスタメンも1年生が4人いました。

しかし、打線がつながらず、得点ができないまま夏が終わりました。

1番バッターで主将の三沢遼選手は、普段は生徒会長も務めるキャプテン。

きょうの試合でもヒット2本の活躍で、チームに1点を導くために全力を尽くしました。

6対0という一方的な展開。悔しさも大きかったことと思います。

しかし試合後のインタビューでは冷静に自分のプレーの反省点を淡々と分析し、

それでも「一緒に野球をやってきた3年生の仲間には感謝したい」と話していました。

秋の連合チームでもキャプテン。野球が大好きでキャプテンらしい雰囲気が漂う選手です。

ユニフォームは泥で真っ黒。「なんとか点数を取りたいという思いで必死にベースまで走った」

というスライディングのあと。

白球を一心に追いかける姿に、いつも私は胸が打たれると共に、

その思いを2年生、1年生たちにしっかり引き継いで欲しいと感じるのです。

2015 年 7 月 14 日 18 時 09 分 54 秒