心のアーカイブ 伊波伴准

5年前 静かな街を思い出す

街を歩きます。

車道に車が行き交います。

人が歩いています。

日常が、ここにあります。東日本大震災の記憶が薄れていくのを感じながら。

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2011年3月12日、夜明け前に、私は盛岡市内を歩いていました。

震災が発生。緊急放送が続き、この先どうなるのか不安でいっぱいだった時です。

長時間の対応を見据え、私は一時帰宅することを申し出て、午前3時だったか、午前4時だったか、

徒歩で盛岡市内を移動しました。

停電で電気は一つもついていません。信号機も、建物も。

そして車もほとんど通っていません。

月明かりが、やけに明るく感じた時間。恐ろしさと戦いながら歩道を歩きました。

あれから数日、ガソリンも足りなかったため、車が街からめっきり減りました。

歩いている人もとても少なく、とにかく静かな街が怖く感じました。

こういう小さな記憶は、年を追う事に忘れていってしまいます。日常を奪った災害の記憶です。

災害にどう向き合うのか、なにが大切なのか、思い出すための「3.11」がやってきます。

2016 年 3 月 4 日 18 時 25 分 47 秒