放送番組審議会

1月(第84回)

概要

 岩手朝日テレビの第84回番組審議会が平成17年1月27日(木)、盛岡市のホテルメトロポリタン盛岡で開かれた。

合評番組は「ふるさとCM大賞 in IWATE」。

  • この番組も3回目となり、番組の流れがスムーズになりとても見やすい。各市町村も少ない予算の中、地域の良さを訴えるため手作りで一生懸命につくっている。IATと県民にとっても、存在意義のある番組である。
  • 市町村の県内での位置の示し方、地区の名産品のワンカット紹介、タイトル文字など随所に工夫が見られる。
  • 審査員でもある山本晋也監督の司会ぶりは評価できるし、審査員のコメントも的確であり、審査員の人選もいい。
  • 大賞になった田老町の作品は、大津波に対する住民の思いがこもっていて感銘深い。スマトラ沖大地震・津波による惨状を見ても、この作品は保存して学校などの教材にして欲しい。
  • NG集が面白かったが、あまりに短い。もっと長くしてもいいのではないか。
  • もう一方の司会者である樋口アナと、参加市町村の代表者にインタビューする三橋アナの出番が少なかったのが気になった。

という意見が出た。

出席委員は、増子 義孝委員長、笠川 さゆり委員、宮野 裕子委員、村田 久委員、大坊 忠委員、松本 直子委員、松尾 正弘委員、小田島 利昭委員の8名。欠席委員は、高橋 真裕委員、石井 三郎委員の2名。

議事録

1.開催日時

平成 17年 1月 27日(木)午後4時~

2.開催場所

ホテルメトロポリタン盛岡

3.委員の出席

委員総数 10名

出席委員数 8名

委員長 増子 義孝

委員 小田島 利昭

委員 笠川 さゆり

委員 大坊 忠

委員 松尾 正弘

委員 松本 直子

委員 宮野 裕子

委員 村田 久

欠席委員数 2名

委員 石井 三郎

委員 高橋 真裕

会社側出席者名

代表取締役社長 川崎 道生

代表取締役専務 村上 昇

代表取締役常務 伊東 正義

取締役営業局長 辻 一成

技術局長 佐々木 正樹

報道制作局次長 浅田 英利

報道制作局課長 中嶋 勝則

番組審議会事務局長 小倉 潔

4.議題

(1)2月単発番組について

(2)番組合評

「ふるさとCM大賞 in IWATE」

(3)次回の審議会

開催日:

平成17年2月24日(木)

合評課題:

「新しい風になれ~グルージャ盛岡の1年~」

2月1日(火) 19:00~19:54

5.概要

○この番組も3回目となり、番組の流れがスムーズになりとても見やすい。各市町村も少ない予算の中、地域の良さを訴えるため手作りで一生懸命につくっている。IATと県民にとっても、存在意義のある番組である。

○市町村の県内での位置の示し方、地区の名産品のワンカット紹介、タイトル文字など随所に工夫が見られる。

○審査員でもある山本晋也監督の司会ぶりは評価できるし、審査員のコメントも的確であり、審査員の人選もいい。

○大賞になった田老町の作品は、大津波に対する住民の思いがこもっていて感銘深い。スマトラ沖大地震・津波による惨状を見ても、この作品は保存して学校などの教材にして欲しい。

○NG集が面白かったが、あまりに短い。もっと長くしてもいいのではないか。

○もう一方の司会者である樋口アナと、参加市町村の代表者にインタビューする三橋アナの出番が少なかったのが気になった。

6.議事の内容

小倉事務局長

 第84回放送番組審議会を始めます。

増子委員長

 それでは川崎さん、一言お願いします。

川崎社長

 本年もよろしくお願いいたします。年始の挨拶まわりをしますと、一昨年よりも好意をもって迎えられることが多くなった気がします。励ましの声も頂けるようになりました。これも皆様方のお陰であると感謝しております。

 来年の秋には地上デジタル放送の本放送が始まりますので、今年の準備が極めて重要になります。遺漏なきよう繋げていかなくてはと思っております。

 また、災害時の緊急取材体制の構築を急ピッチでしております。

昨年の中越地震の取材体制で分かりますように、災害発生から24時間ぐらいで東京からの応援部隊が到着します。その本隊が来るまでの間、最低限の報道をすることが我々の使命だと思いますので、その構築を進めております。

 それから、来年のデジタル化と同時に当社は開局10周年を迎えます。ステップアップのための10周年と位置づけ、テレビ局としてのステーションイメージを県民の皆様にもっと認識して貰うべく、考えていこうと思います。

増子委員長

 2月の単発番組についてお願いします。

辻営業局長

 ご説明いたします。2月1日(火)19:00-19:54「新しい風になれ~グルージャ盛岡の1年~」。‘Jリーグチームを盛岡に作る会’発足からの1年を追ったドキュメンタリーです。この番組は来月の合評番組ですのでご覧下さい。

 2月11日(金)14:00-15:25「ふるさとCM大賞in IWATE」の再放送です。

 2月26日(土)15:00-15:55「IAT CUP APPI スノーボード選手権」2月2?6日に安比高原スキー場で開催される同大会の模様を放送します。

 その他、系列各社の企画番組が多数編成されます。

 2月26日16:00-16:55 KBC制作「アジアへGO! 中国 幻の桃源郷シャングリラ伝説」、2月27日(日)14:00-15:25 HTB制作「人間ビジョンスペシャル第14弾 青いツバメ」、24:25-25:20同じくHTB制作「TOYOTA BIG AIR」など、いずれもレギュラー化をしております単発が編成されております。また注目される番組は2月9日19:00-21:33「2006FIFAワールドカップアジア地区最終予選 日本×北朝鮮」であろうかと思います。是非ご覧頂けたらと思います。

 1月の視聴率、視聴者応答につきましてはお手元の資料をご覧下さい。

増子委員長

 それでは「ふるさとCM大賞 in IWATE」の合評に入ります。

小田島委員

 審査員で司会者の山本晋也監督が上手に仕切っていたと思います。番組が楽しかったので、収録をした会場内はもっと面白かったことでしょう。各市町村の紹介の順番もエリアごとに区切って、工夫がなされていましたね。要望としては、提供チェンジの時流れたNG集的なものや、制作中の苦労話などが面白かったので、これを再編集して番組に出来たら、これもまた面白いなと思いました。

 樋口アナは出番が少なかったのでもっと露出し、市町村の紹介も樋口さんがやっても良かった。

村田委員

 市町村の位置を示す工夫や、名産物のワンカットなど非常に分かりやすくてよかった。タイトル文字も分かりやすくなりましたね。山本晋也さんの司会は言うまでもなく面白いのですが、樋口さんがもっと遠慮せずに絡み合ってもよかった気がします。山本晋也さんの問いかけに返答が返ってこない場面が何カ所かありました。遠慮してるんじゃないかと思いました

 この番組も3年目なので、プロ的な上手すぎる作品が増えるのではと心配しましたが、そうではなく、各市町村が少ない予算で頭を捻った作品だったのが嬉しかった。自分たちの市町村をPRする努力の跡がよく見られました。特に地域住民を前面に出した作品が多く、方言でPRする姿に勉強させられる部分もあり、その面でCM大賞は面白い番組になってきていると感じました。

 また審査員の批評もプロの視点、女性の視点と様々で、その批評を見るのもまた一つのドラマだなと思った。全体的に、工夫していてなかなか面白かった。ただ、番組にコマーシャルが入ると番組の流れが途切れてしまうので、コマーシャルの入れ方にもう少し配慮してもよかった。去年よりも見応えがある番組でした。

 大賞を受賞した田老町の作品は、丁度のタイミングでスマトラ沖大地震が発生しましたし、おばあさんの語りとフィルムの細かな使い方と、宝物のような気がしますね。

宮野委員

 この番組は大好きです。3回目になり番組の流れがスムーズになり上手くまとめていますね。とても見易かった。私も田老町のCMのタイミングの良さに驚き、また田老町でなくては出来ないCMだと思いました。田老町は宮古市と合併しますが、津波に対する思いはずっと持ち続けるでしょうし、そういった意味で貴重な番組です。どんなに地名が変わっても地域は変わりませんから、この映像は保管して学校の教材にしても良い作品だと思います。

松本委員

 これまでも十分楽しかったのですが、例年と比べ、更にテンポ良く中だるみを感じることなく見ました。山本監督の出演者への声のかけ方が良いこと、審査員の言葉の選択が非常に上手で、こもらない、吃らない、淀まない、的確なコメントで聞きやすく感心しました。提供チェンジ時のNGやメイキング集は効果的だと思いますし、田老町のアニメは秀逸だったと思います。村田委員もおっしゃいましたが、回を重ねるごとに各市町村がプロフェッショナルになるのではなく、素朴さも残しながら一生懸命に取り組んでいるのを見てとれるのがとても良いですね。その意味では各市町村の作り手の方々にはすれないで欲しいなと感じました。

 気になった点は、壇上の市町村の代表者の氏名が紹介される場合とされない場合があったのでその違いは何かという点と、三橋アナが画面に映る出番が1回だけだった点です。いずれにせよ、3回目を迎え、存在感を示すには十分な番組になったと思います。

笠川委員

 3回目ともなると、3回出場している市町村と初参加のところでは差が歴然でした。事前に受賞作品リストを番組審議会で頂戴していたので、照らし合わせながらなるほどと楽しみました。

 山本監督が、素人なら見過ごしてしまう映像を、いかに苦労して撮っているかという説明をして下さるのも良いですね。ただ、都会と田舎の違いと言うと語弊がありますが、子どもたちに接する監督の言葉がきつくて、子どもたちも一瞬たじろぐ場面がありましたね。見ている分には楽しいかも知れませんが、子どもたちは壇上にいるだけで緊張していますから、きつすぎるのもどうかなと思いました。

 また、この先CM大賞に各市町村で予算がつくことは難しいでしょうから、少ない予算でいかに作るか、手作り感が残る良い作品がこれからも出品されると思います。

大坊委員

 山本監督が、3回目を迎えて作品のレベルが向上したとおっしゃっていました。セミプロ的ともいえる作品が多くて私も楽しめました。各市町村の名産品を映像で紹介するのも良いアイデアですね。更に岩手県の地図で市町村の位置を紹介するのも良い。審査員の選択も良かった、地域の良さを掘り起こして批評している点も評価できます。田老町の大賞受賞には誰も異議がないでしょう。個人的には葛巻町が入ってないのが残念です。

松尾委員

 今回、44市町村の応募作品を90分番組にまとめるのは大変だったと思います。半面、良い面もありまして、名産品の紹介が短かった点。これはかえって良かったと思います。受賞作品はいずれもインパクトがあり、妥当な受賞だったと思います。また審査員が素晴らしく、福井さんと吉田さんは非常に聡明な方々で、一般人の目線で感じたことを語ってくれました。審査員の選択は上手だったと思います。

 審査発表会の当日、会場に来ることができなかった市町村が何箇所かあったのが残念ですね。担当者の都合が悪かったとしても、少しでも関わった方が出ても良いのではと思います。NG集はとても面白く、物足りなさを感じるほどでした。次回からも検討して頂ければ。

 参加が3回目となる市町村はかなり苦労したと思います。地元の祭りや名産などを様々な角度から見つめ直し、作品を作り上げたと思います。地元を見直すという意味でも、ふるさとCM大賞の存在意義を感じました。

増子委員長

 今回は明らかに深化が強く感じられます。初回、2回目はおつきあいで応募している感があったのですが、今回は一生懸命に考えてよくここまでの作品を作りあげたなという感じがします。ふるさとCM大賞はしっかりと認知されたと思いました。恐らく、次回はどんな作品を作るか各市町村はすでに考えていることでしょう。もう辞められない番組になったと思います。

 審査会場が一緒になって楽しんでいるし、見られる番組になっていましたね。

 私も審査員が素晴らしかったと思います。実に温かいコメントをしていました。

 とにかく、年々深化する有り様に敬服しました。

宮野委員

 CM大賞に直接関わる市町村の担当者は、やる気を持ってやっている若者が多いのです。そして受賞したとなると、役場や担当者はとても喜ぶわけですが、それをいかに地域住民に告知するかが非常に難しい。もっと役場で宣伝して良いと思うのですが、自分たちの功績をひけらかさない県民性なのでしょうか。地域住民が案外と知らないケースが多い。CM大賞もそうですし、30人31脚の全国大会に出た陸前高田小学校も知らない地域住民が多かった。

 また、私は年末が忙しかったのでお正月にビデオ録画でCM大賞を見ました。番組を編成する時間がお正月というのも良いのかも知れませんね。

増子委員長

 こちら側から放送予定などは告知してるのですか。

辻営業局長

 受賞作品の放送予定は事前に各市町村にお出ししております。それを広報誌に掲載するところもありますし、ホームページで告知したりと各市町村で活用頂いております。

増子委員長

 中嶋さんのお話も聞きたいですね。

中嶋報道課長

 貴重なご意見ありがとうございます。NG集は審査会の収録終了後にいくつかの市町村にお願いして頂戴したVTRから自分なりに面白いものを抜粋しました。あまりに多用しますと、その映像自体が意味を持ってしまいますので、提供チェンジのタイミングが妥当であると判断しました。

増子委員長

 番組を担当されていて、これまでと違うと感じた点はありますか。

中嶋報道課長

 やはり作品のレベルが高くなってきておりますので、審査が難しくなってきたことです。審査の現場にも立ち会いますが、やはりその点を強く感じます。

増子委員長

 ありがとうございます。それでは次回の予定をお願いします。

小倉事務局長

 次回は2月24日(木)です。

 合評番組は2月1日放送予定の「新しい風になれ~グルージャ盛岡の1年~」です。

増子委員長

 それでは終了します。ありがとうございました。

7.審議機関の答申または改善意見に対してとった措置

特になし

8.審議機関の答申または意見の概要の公表

1/29付 朝日新聞岩手県版に審議概要を掲載。

系列各局に議事録を送付。

本社受付に議事録を常備、閲覧に供す。

インターネットホームページに掲載。

9.その他の参考事項

特になし

10.配布資料

◎ 2月度単発番組編成予定表

◎ 1月岩手地区視聴率

◎ 視聴者応答記録(11,12月分)

◎ ふるさとCM大賞審査会結果