放送番組審議会

10月(第12回)

概要

 事務局より放送改正に伴う施行規則の変更点などを説明した。審議内容の公表の為、報道制作の取材クル-が入り議事経過を取材した。

 瀬戸内寂聴委員から代わった、瀬川理右エ門委員が今回から出席した。

 いつものように営業局長が11月の編成内容を説明した。ロ-カル関係の特番では、22日の「水沢市長対談」、29日の「IAT杯 富士大学旗争奪 第20回全国高校柔道選手権岩手県大会」など。

 「家政婦は見た!」の番組講評をした。中高年向けを意識したドラマであることが他局にない視点。テ-マも「遺産相続」、「3世代同居」、「コンビニエンスストア」など今日的な問題が多い。主役の市原悦子についてはどの委員も文句なしにほめたが、一部委員からは舞台臭さが出すぎるとの指摘もあった。10月から開始したロ-カル番組「ト-クいわて人」は身近な人が登場して親しみが持てるとの声があった。

議事録

1.開催年月日     平成9年10月30日(木)

2.開催場所      株式会社岩手朝日テレビ本社演奏所会議室

3.委員の出席     

            委員総数   12名

            出席委員数  10名(うち1名紙上参加)

          

  出席委員の氏名

    奥寺一雄委員長、大橋瑠璃子副委員長、大島正蔵委員 大掘勉委員、

    佐々木友江委員、 佐々木明子委員 瀬川理右エ門委員、

    箱崎安弘委員、盛内政志委員、箱崎敬吉委員(紙上参加)

    

  欠席委員の氏名

    三好京三委員、山口徳治郎委員

  放送事業者側出席者名

    桑折常務取締役、升谷営業局長、横舘報道制作局長、菊地技術局長、

    河邊営業局次長

4.議 題

  (1)11月の番組編成について

  (2)番組「家政婦は見た!」の講評について

  (3)次回開催日および議題について

  (4)その他

5.議事の概要

 事務局より放送改正に伴う施行規則の変更点などを説明した。審議内容の公表の為、報道制作の取材クル-が入り議事経過を取材した。

 瀬戸内寂聴委員から代わった、瀬川理右エ門委員が今回から出席した。

 いつものように営業局長が11月の編成内容を説明した。ロ-カル関係の特番では、22日の「水沢市長対談」、29日の「IAT杯 富士大学旗争奪 第20回全国高校柔道選手権岩手県大会」など。

 「家政婦は見た!」の番組講評をした。中高年向けを意識したドラマであることが他局にない視点。テ-マも「遺産相続」、「3世代同居」、「コンビニエンスストア」など今日的な問題が多い。主役の市原悦子についてはどの委員も文句なしにほめたが、一部委員からは舞台臭さが出すぎるとの指摘もあった。10月から開始したロ-カル番組「ト-クいわて人」は身近な人が登場して親しみが持てるとの声があった。

6.議事の内容

◎桑折事務局長

 それでは第12回番組審議会を始めます。

 本日はお忙しい中、ご出席いただきありがとうございます。今日から農協中央会、副会長の瀬川先生に委員として加わっていただきます。よろしくお願いいたします。

 本日、望月社長と蓮見専務は所用の為、欠席させていただきます。それから三好委員、箱崎敬吉委員、山口委員も欠席です。

 本日は取材が入っています。お手元に資料をお届けしていますが、10月から放送法が改正されまして、この番組審議会の模様を公表しなければならないと明確に決められました。そのひとつの方法としまして、自社のメディア、私どもでしたらテレビのニュ-ス等で必ず放送することを義務付けられました。といっても詳しい話の中身まで紹介するのは不可能ですので、皆さんの顔触れ、議題、議事の概要というものを伝えることになりますので、ご承知いただきたいと思います。

 それでは次第に従いまして、議事を進めていただきたいと思います。奥寺委員長、お願いいたします。

◎奥寺委員長

 本日から新しく、瀬川さんがいらっしゃいました。どうぞよろしくお願いいたします。

 それではまず、営業局長から11月の番組編成についてご説明願います。

◎升谷営業局長

 お手元に11月の単発一覧表がいっておりますので、ご参照いただきたいと思います。レギュラ-の番組は前回の例会で申し上げた通りです。 

 まず、11月1日(土)、11月2日(日)の2日間、「PHILIP MORRISCHAMPIONSHIP」というゴルフの中継があります。11月2日(日)「第29回全日本大学駅伝対抗選手権大会」があります。愛知県の熱田神宮から三重県の伊勢神宮までのコ-スです。この日の日曜洋画劇場は「陽のあたる教室」。7日(金)の25時からは「OH相撲」。8日(土)16時からは朝日放送制作の「おいしい京都!夢ツア-」。京都新駅舎ビルができましたが、それに伴い、ジャニ-ズJrと原田伸郎が一日就学旅行という形で京都の魅力を紹介する番組です。

 今回が2回目になります、「27時間テレビ 熱血チャレンジ宣言’97」があります。8日(土)18時から9日(日)20時54分までです。小学生による30人31脚の全国大会が注目されるところですが、岩手県からは山岸小学校の6年2組が参加します。そして「大相撲九州場所」が始まりますが、そのダイジェスト版を9日から23日の間放送します。13日(木)10時から11時25分までは、精神障害者、そして彼らと共に生きようとしている様々な立場の人たちを描く番組、「あなたの夢は何ですか?」。15日(土)、16日(日)は「伊藤園レディス」。それから16日(日)は日曜ワイド「ザ・ジャパンオ-ディション」。これは日本音楽事業者協会が主催する最大級のオ-ディションでして、国立代々木競技場で開催されるフェスティバルと最終審査の模様をお伝えします。

 20日(木)「ようこそ日本美術展覧会のホ-ムペ-ジへ」があります。日展の歴史その他をインタ-ネットで紹介する番組です。そして22日(土)には毎月恒例になっている、市長対談番組があります。今回は水沢市長です。23日(日)「全日本大学女子駅伝対抗選手権大会」。コ-スは大阪の長居スタジアムから御堂筋新橋までです。それから同じ23日(日)14時40分からは「サンデ-プロジェクト スットプ ザ エイズ 20の赤いバラ」。首都圏で放送されたエイズ防止キャンペ-ンの番組やCMの制作に取り組んだ人たちの姿を描くというドキュメンタリ-ドラマです。23日(日)16時10分から17時25分までは「日曜ワイド 日本人闘牛士奇跡の復活」 。怪我で左半身不随 になった日本人闘牛士、下山敦弘の再起をかける奮 闘記です。そして29日(土)には 「IAT杯・富士大学旗争奪 第20回全国高等学校柔道選手県大会 岩手県大会」があります。30日(日)12時から14時55分までは「’97東京国際女子マラソン」、16時からは「日本シニアオ-プン」があります。

 11月の単発編成については以上です。

◎奥寺委員長

 では次に講評に移ります。今回は番組「家政婦は見た!」についてです。大島委員からお願いします。

◎大島委員

 先週の10月23日に見ました。まず感じたのは、ドラマなので感想めいた話になりますが、他局はトレンディな若者向けの編成というのが多いと思うんですが、ズバリ中高年、あるいは女性向きのドラマだと感じました。そういう意味では非常に高齢化が進んでいる中で、他社と違った切り口の番組だと思いました。

 番組の中身なんですが、遺産相続に絡んだものでしたね。例えば法律的に専門的なことなども取り入れていまして、中産階級意識のある日本人にとっては非常に興味が持てると思いました。

 また、本日放送予定のものは「3世代同居」がテ-マですね。これも中高年層が興味をもつ題材ですね。以上です。

◎大堀委員

 私は3つとも見ました。3つとも面白かったですね。俳優さんがうまいのは、もちろんですが、とくに主役の市原悦子さんが非常にうまいと思いました。家庭にある色々な問題、悩みを上手に取り上げて演出しているドラマだなと思いました。

 ドラマでありますから盛り上げる必要もあるかと思いますので、その内容がちょっとどぎついかなという感じがないわけではないのですが、最後が一件落着という形なので、ホッとしますね。この市原悦子という俳優は個性がありますし、好奇心と正義感があるという役がうまいですね。今度はどんな内容のものがでるのかなという楽しみができました。◎佐々木(明)

 以前から知っている番組ではありましたが、タイトルから受ける印象はもうちょっとおどろおどろしい推理ドラマかなにかと思っていました。覗くということは一歩間違うと下世話なのものになりがちなんですが、それをうまくカラリとアッサリと仕上げているところに人気の秘密があるのかなと思いました。

 市原悦子さんは見かけからいっても普通のオバさんなんですよね。でもあなっどってかかると痛い目にあうっていうか、非常に実力のある方ですね。確か毎年歌ったり、踊ったりのステ-ジをやっていらっしゃいますね。今時、大変貴重な女優さんですね。近頃はアイドルとか歌手とかを主役に持ってきたドラマが流行っているようですが、中核に実力のある人を据えたドラマというのはそれと比べても支持率、特に中高年層の支持率は高いと思います。視聴率的にはどうなのかわからないけれど、これは大丈夫そうな番組だと思います。スト-リ-に対しては毎回々違うでしょうし、好みもありますので、特に感想は控えさせていただきます。

 それから、さっきカメラマンさんと一緒にいらっしゃった、伊波アナウンサ-がクイズのキャンペ-ンか何かやっていましたね。あれが私の周りで話題を呼びましたので、ご報告させていただきます。以上です。

◎大橋委員

 私も同じく、大変楽しく見ることができました。ただ現代ありそうな話題ではありますが、1時間の中に盛り込むものですから、あの家族が皆何か秘密を持っているといったような家族があるかなという気もしました。まぁドラマですからね。

 市原悦子さんは服装だとか仕草だとかがとってもうまいですね。市原さんだけではなくて、脇役の方々も上手で、魅せられてしまいました。この後も期待できる番組だと思います。出かける前とか帰ってきたときに、家政婦さん同士の場面も楽しいですね。あの家政婦さんたちがからんだような話も出てくると、もっと面白いかなという気もしました。1つ目の話のガンコなおじいさん、あんなガンコな人が今いるかなとか、2つ目の話の休む時間がほしいから発注を家政婦さんが断ってしまうとか、3つ目の話の家政婦さんが誰かの味方に付くとかいうよなことに対して、もしかして本当の家政婦さんのほうから何か意見が出てくるのではないかという気もありました。以上です。

◎佐々木(友)

 楽しく見させていただきました。何となく知らない世界を覗いてみたいということはありますし、コンビニを経営するのもいいなと思っているときに、裏の事情があんなだったら、私も少し考えなければいけないなと思いました。

 市原さんのセリフで、「不思議なものね人生なんて」というのがありましたが、あれがまたすごくいいなと思いました。おばさんのようで親近感を感じさせるのかもしれません。私は市原さんの結婚式に出席させていただきましたが、彼女もああいう年になったんだなと思いました。テンポが私たちぐらいに合っているから、時間が短く感じるのかなと思っております。

 最後に仲間といっしょにお茶を飲んで笑っている場面で、この章は終わりだよとピチッと切ってくれるところが見事だなと思っております。

◎桑折事務局長

 次は瀬川先生ですが、第1回目の出席ということですので、何かあればお願いします。

◎瀬川委員

 花巻市農協の女性の方々に、この番組についての感想を聞こうと思っていたんですが、本日間に合わなかったので、次によろしくお願いします。

◎箱崎(安)

 私は10月9日と10月16日の2回見ました。多分この番組だと思うんですが。昔見た記憶があるんですよね。最初に大沢家政婦紹介所という事務所が出てきましたよね。昔は都電か世田谷線が走っている脇の2階建ての建物でしたが、今はウォ-タ-フロントの所に移っていましたよね。時代の変化なのかなと感じました。10月9日はもと判事の家庭でしたが、現代病の一つに心因性の病気というのがありますが、それをテ-マにした番組だったのかと思いました。この番組は現代のテ-マを扱っていると思いました。

 番組全体が何か不倫ぽいですよね。どことなく何か陰でやっているといったような雰囲気が流れておりまして。

 市原悦子は名優ですが、あの声のキ-が高くて疲れるんですよね。見終わって、何となくくたびれてしまいました。10月16日はコンビニを経営している家庭が舞台でしたね。盛岡でも酒屋を廃業して、コンビニに変わっているところが結構あるんですね。ですからそういった面で、よその出来事ではないと感じました。この2つの番組に共通しているのは、最近はメンタルヘルスというものが必要となってきているるわけですが、利を求めるがために無視する部分もある時代なわけですよね。そういった面からいっても、メンタルヘルスの重要性を訴えているかなと感じました。以上です。

◎盛内委員

 皆さんにはこの番組は大変好評なようですので、ひとりぐらい憎まれ口を叩くのも良いのではないかと思いますが。

 これは実は監督が池広一夫という人なんですが、この人は映画会社大映の監督なんです。

 3週見て結論を言うと、家政婦協会に人を頼むと、家中のぞき見されるのではという懸念を持たれるのではないかと思いました。それで家政婦協会から苦情が来るのではないかと感じました。極端な話ですが、弁護士のことなどをああいうスタイルで描いたとしたら、日弁連から強硬な抗議がくるのではないかと感じました。

 市原悦子は達者な女優さんですが、独白、つまり独り言が多すぎるんですね。これは演劇の世界ならば重要なことなんですが。大半が独白なんですよ。それがちょっと耳障りでした。ドラマであって、舞台の演劇ではないのですから、その辺の脚本を研究するべきではないかと思います。

 それから元判事の家庭ですが、話の筋がちょっと込み入りすぎている。ちょっとドタバタに近い感じだったと思います。どの家庭ももう少しシリアスな面もあるわけで、そういうもの視点のうちに入れたらよかったかなという気もしました。2つ目の酒屋がコンビニに転身する話は一つ目よりは現実味があると思いました。が、セリフの中で、「あんたたちほとんど会長さんに似てきたわね。」というのがありましたが、「ほとんど」は「似てない」につながるわけで、日本語の混乱の一つはテレビのせいと言われる恐れがありますね。

 それから第3回目ですが、あの家政婦さんはのぞき見好きで探偵趣味があるものですから、頼まれている病人を放っておいて勝手に外出しますね。ああいう家政婦さんは雇ったら困る。やっぱりちょっとおかしい気がしますね。でもこれから先はどんなふうなものが出るか楽しみですね。「家政婦は見た!」については以上です。

 それから市長対談ですが、今の首長さんたちがどういう考えをしているかをざっくばらんに意見を述べていただくという番組はロ-カル局として大事なことだと思いますので、今後も続けていただきたいと思います。

◎箱崎(敬)委員(紙上参加)

 「エリ-ト法律一家の家庭法廷」(10月9日)、および「コンビニ家族の秘密」(10月16日)を視聴した。

 共通した感想としては、家族のあり方に視点を当てた現代社会の暗部をえぐる興味深い番組である。

 一見、幸せそうなエリ-ト法律家も、事業拡大に走ったコンビニ家族も明暗が同居しており、家族崩壊の一歩手前の状態は決して他人ごとではない。今の世相を浮き彫りにした、見応えのあるドラマである。

 何よりも、家政婦役を演ずる市原悦子のすばらしい演技力が光る。丹波哲朗、財津一郎といったベテラン役者を配したドラマを盛り上げている。この調子で、番組を継続してほしい。

 それから新番組「ト-クいわて人」2週視聴したが、身近な番組として大変参考になる。

◎奥寺委員長

 以上、番組講評をおわりますが、他に何かございませんか。

◎大島委員

 ちょっと一点だけ。テレビ朝日系列は比較的若者をタ-ゲットにしていないような気がしますがどうでしょうか。

◎升谷営業局長

 そういうわけではないんです。月曜日のドラマ・インとか、結構若者向けの番組もあります。でも確かにある意味では男性、あるいは年齢層のちょっと高めな方々に強いということは言えるかも知れません。ただ、23時台など深夜にはかなり若者向けのものを組んでおります。

◎河邊営業上局次長

 番組編成構造上、22時台に「ニュ-スステ-ション」を組んでいるので、ドラマとかの枠が限られてくるわけですね。この「家政婦は見た!」もタ-ゲット的には22時台でもいいとは思いますが。そういう事情があります。

◎桑折事務局長

 視聴率はどうなっているんですか。

◎河邊営業局次長

 だいたい15%から16%ですね。高いほうですね。

◎奥寺委員長

 ありがとうございました。

◎桑折事務局長

 次回の開催日は11月27日(木)、講評番組は月曜日の19時からの「あなたに逢いたい」でお願いします。以上で第12回番組審議会を終わらさせていただきます。ありがとうございました。

7.審議機関の答申又は改善意見に対して取った措置及びその年月日

 議事録をキ-局と系列各局及び関係機関に送付した。

8.審議会の答申又は意見の概要を公表した場合におけるその公表の内容、方法

 特記事項なし。

9.その他

 前回欠席した委員(2名)に対し委員委任状(任期1年)を渡した。