放送番組審議会

10月(第52回)

概要

岩手朝日テレビの第52回番組審議会は10月24日(水)、ホテルメトロポリタン盛岡ニューウィングで開かれ、北三県共同テレビ広報番組「恵みの楽園~北の旨いもの紀行~」(10月8日放送)と「放送全般について」審議した。

「恵みの楽園」については、北東北の食べ物と風物が短時間でうまく描かれており、首都圏の人々に見てもらいたい番組であると評価された。また放送全般に関しては、最近のテロ問題でのニュースステーションの役割が高く評価された。一方、ニュース報道はあくまでも冷静で客観性を持つべきだとの意見も出された。

出席委員は、及川 和男副委員長、石井 三郎委員、植本 花子委員、小川口 柳太郎委員、笠川 さゆり委員、松尾 正弘委員、松本 直子委員、宮野 裕子委員の8名。

欠席委員は、増子 義孝委員長、大坊 忠委員の2名

議事録

1.    平成 13年 10月 24日(水)午後4時30分~

2.    ホテルメトロポリタン盛岡 ニューウィング3階「桂」

3.委員の出席

委員総数 10名

出席委員数 8名

副委員長 及川 和男

委員 石井 三郎

委員 植本 花子

委員 小川口 柳太郎

委員 笠川 さゆり

委員 松尾 正弘

委員 松本 直子

委員 宮野 裕子

欠席委員数 2名

委員長 増子 義孝

委員 大坊 忠

会社側出席者名

専務取締役 桑折 勇一

専務取締役 村上 昇

取締役 横舘  英雄

業務局長 河邊 喬

報道制作局長 星井 孝之

技術局長 菊地 一行

番組審議会事務局長 佐々木 瑞夫

4.議題

(1)11月の番組編成について

(2)番組合評

  「恵みの楽園」

(3)フリートーキング

  「放送全般について」

(4)次回の審議会

開 催 日:平成13年11月28日(水)

合評課題:「スーパーモーニング」

(5)閉会

5.概要

▽北東北の食べ物や風物が短時間で上手く描かれていた。またブナ森や自然保護を訴える内容も上手く盛り込まれていた。

▽泉谷しげるさんのキャラクターが案内人としてマッチしていた。

▽北東北の良さが滲み出る番組で、是非首都圏の視聴者にも見て欲しい内容であった。

▼内容が盛り沢山で30分では紹介しきれない部分があった。

▼番組中にコマーシャルが入らない為、番組の流れの区切りがつきにくかった。

6.議事の内容

佐々木事務局長

 只今から第52回番組審議会を開催いたします。始めに弊社、村上専務よりご挨拶申し上げます。

村上専務

 本日はお集まり頂きまして有難うございます。弊社蓮見社長は本日所用のため欠席させて頂いております。また専務の桑折は途中から出席をさせて頂きます。

 本日の合評番組であります「恵みの楽園」は、北三県の県予算を集めましたコンペの結果、弊社が制作いたしました。このコンペでは企画内容のみならず、ネット的な放送枠も重要なポイントでありました。北三県はともに、各県の情報を特に首都圏に流したいという狙いがありまして、岩手地区の民放4局のコンペにおいては、テレビ朝日の放送枠が取れることが重要なポイントでした。何んとか、テレビ朝日は11月30日に放送できることになりまして、この事が企画内容と共に大きなポイントとなりまして、岩手朝日テレビが制作することになりました。番組内容については、後ほど忌憚のないご意見を頂ければと思います。

 それから昨日、テレビ朝日の広瀬社長が記者会見を行いました。特に今、テロ対策報道に力を入れておりまして、ニュースステーションを中心にアフガンの報道体制を60人規模、海外に出しまして取材に力を入れております。後ほど、放送全般についてフリートーキングがございますから、ご意見を出して頂きたいと思います。それでは今日はどうぞ宜しくお願い致します。

佐々木事務局長

 それでは、本日は増子委員長がお休みでございますので、議事の進行を及川副委員長、宜しくお願い致します。

及川 副委員長

 それでは11月の番組編成についてお願いします。

河邊業務局長

 それでは説明させて頂きます。10月は第1週、2週は殆どが期末期首スペシャルの番組編成でして、やっと先週辺りからレギュラー番組に変わってきておりました。

 視聴率その他出揃っておりませんし、そういった意味ではまだ10月改編の総括も出来ておりません。次回、お話しさせて頂きたいと思います。

 それでは11月の単発についてご説明させて頂きます。11月はマラソンや駅伝のシーズンでして、我が系列でも4日「第33回全日本大学駅伝対校選手権大会」、18日「第23回東京国際女子マラソン」、25日「第19回全日本大学女子駅伝」が編成されております。その他のスポーツ中継としましては、7日「サッカー日本VSイタリア」、10日・11日「伊藤園レディース」がございます。また大相撲福岡場所が始まりますので「大相撲ダイジェスト」も放送されます。

 また、4日「日曜ワイド 岩城滉一・男のこだわりバイク旅~北の大地・大激走ツアー」では、北海道の大地の全行程2500kmの道のりをバイクで走る、という企画に賛同するバイク仲間たちが北海道ツーリングに行く途中、盛岡の街を散策する内容もあり、三和旅館が登場します。詳しい内容は今の段階で分かりません。それから、17日16:00~16:30IAT制作「楽園で人生第二章を謳う~北東北移住記~」。今日の合評番組になっております10月8日放送の「恵みの楽園」の第2弾、北三県共同テレビ広報番組です。今回は、青森・岩手・秋田の各県に移住した人達の、第二の人生を紹介します。第1弾ではリポーターとして泉谷しげるさんが登場しましたが、今回はナレーションで登場します。この番組も、第1弾と同様、青森朝日放送、秋田朝日放送、テレビ朝日にネットしますので、ご期待頂きたいと思います。また30日には恒例の「朝まで生テレビ!」が編成されております。

簡単ですが、以上でご説明を終わります。

及川副委員長

 今の番組編成について質問等、ございますか。

 それでは、「恵みの楽園」の合評に入りたいと思います。松尾委員からお願いします。

松尾委員

 先月の合評番組の「これが北のウマいもん!」は各県が競い合う形で魅力を紹介してましたが、今回は青森・秋田・岩手の三県をあまりはっきり分けずに入り乱れて、三県全体の魅力を紹介する形だったと思います。30分という短時間にこれでもかという程、凝縮されていたと思います。また、泉谷しげるさんはキャラクターを如何なく発揮していたと思います。彼は好きなタレントなので楽しく見ました。美味しいものを伝える他にも、ブナ森や自然保護を訴える内容も少しあって感心しました。様々な料理が紹介されましたが、一番食欲を呼んだのはシジミ料理でした。また、男鹿半島の石焼鍋の紹介はスローモーションで音がグツグツと聞こえるような作りでした。私は一度、あの石焼鍋を体験したことがありますが、あの料理は、熱い石を鍋に入れた瞬間にバッと湯気が上がって、一瞬にして沸き上がるところに醍醐味があると思いますので、スローではなくてそのままで、驚く泉谷さんの表情を見せて欲しかったです。

植本委員

 全体の雰囲気が良く、北東北がまるで北海道のように大きく取り上げられていて、非常に良い印象を持ちました。首都圏でも放送されると先ほど村上専務よりご紹介頂きましたが、自慢できる番組だなと思います。以前に合評番組の「スポットライト」という湯田町のお年寄り達の劇団のドキュメンタリーを拝見しましたが、その時のような、作り手の暖かさが伝わってきました。音楽や題字がとても素敵で、細かな所まで行き届いたクオリティの高い作りだと思います。その辺も、全体の雰囲気の良さに繋がっているのではないでしょうか。取り上げている食材や自然や地元の人々のどれをとっても、地元人としても興味深いものばかりで、私は前沢牛と松茸のすき焼きが食べてみたいなと思いました。この辺は首都圏の方なんかはさぞびっくりするだろうと思います。また、「心温まるひとときをありがとう」などちょっとした泉谷しげるさんのコメントが読まずに文字だけで表現されていましたが、当然、目が不自由な人は見れないので、もしかしたらナレーションがもっとあれば親切かなとは思いました。泉谷しげるさん独自のキャラクターが自然に出ていて良かったと思います。以上です。

宮野委員

 テーマ曲が軽快だなというのが第一印象でした。泉谷しげるさんは昔から好きな歌手でもありますので、そういった意味では見易くて、北東北にはぴったり合った人だなと思いながら見ました。紹介されるのは北東北ではとても有名なものばかりでしたが、岩泉町のまつたけ研究所はつとに有名で、ふるさと創生資金で作った研究所ですね。今年は松茸が不作だと聞いていましたが、紹介された山には沢山あって驚きました。紹介されるものが点、点でしてちょっと目を離すとあれっという感じがしましたが、見終わってみると急ぎ足の観光案内のようで、一般に知らせる為には良い、ただし知ってる人には物足りなさが残ります。北東北全体を漠然と見せるには丁度良い番組だったと思います。出来れば、後続で紹介された点、点をもっとじっくり見られる番組を作って欲しいと思います。特に十三港の歴史的時代背景や十三湖の辺りの日本海に沈む夕陽も男鹿に勝るものがあると思います。植本委員とちょっと意見が違いますが、文字だけで表現されてナレーションが無かったのは、泉谷さんの雰囲気が出ていて良かったなと、私は個人的には思いました。30分にいろいろと凝縮されていて、三県のバランスもあって作り手の側も大変だったろうなというところです。以上です。

石井委員

 県の広報番組ということで、コマーシャルが無かったので一味違う印象を受けました。逆に言えば、CMが間に数回入るとそこで間が空きますから、番組に切れ目があります。様々な食材、料理、シーンが登場しますが、その繋ぎ目がCMなしで展開していくので、切れ目がよく分からない部分があったと思います。岩泉町の説明の途中に三大珍味の解説が入ってまた岩泉町に戻る。それから、秋田も男鹿半島の説明途中に、日本海・三陸・津軽海峡の三つの海の紹介が入って、それからまた男鹿の料理の説明に戻る。と、一体どういう構成になっているのか一度見ただけでは分かりづらかったです。ですが、30分という短時間に様々な要素を盛り込んだ訳ですから、多少は仕方ないとは思いますが、各県ごとに大きな見出しを付けた方が、全体の流れがスムースに頭に入ったのではないかなと思います。

 それから、各県の案内人は比較的年配の方が中心で、すき焼きや石焼鍋を野外でアウトドア感覚で食べいましたが、若い人にも感心を持って見て貰える、見て欲しいと考えた場合には、案内人若しくは何らかの形で若い人も加えたら、もっと雰囲気の違う番組に仕上がったかなという気もします。反面、ベテランの方々が登場したことは、東北の素朴さを紹介する案内人という面では良かったかも知れません。

 また、岩手と言えば「前沢牛」というのは仕方ないのですが、食材があって料理なしと言いますか、もっと手を加えた料理を首都圏の人達に見て貰えると、共感を得る効果があると思います。岩手県には外食産業協議会がありまして、これは全国では岩手県と大阪府にしかありません。岩手県の外食産業の方々が、地元の食材をどう加工し、料理し、美味しく提供しようかをテーマに活動を行っております。機会がありましたら、こういった番組を作られる時にお話しを戴けると、色々な意味で情報提供が出来ると思います。

最後になりますが、秋田は酒どころということで「酒」のPRがありましたが、岩手も吟ぎんがや葛巻ワインがありますので、岩手も酒をPRされてはどうかなと思いました。以上です。

笠川委員

 北東北の三大珍味の生産計画は新聞等で知っていましたが、実際に岩泉のトリュフや釜石のキャビアの映像を見て、岩手県も頑張っていることに興味を持ちました。また、料理や食材ばかりではなくて、ブナ林の、ブナと水との自然の成り立ちの会話が番組に自然に入ってきているのが良いなと思いました。それから、1時間番組が出来そうな内容が30分に収められていたので、展開が早すぎて落ち着かない印象を私は受けました。最後に、食べ物を頂く時の泉谷さんの表情がとても良いなと思いました。以上です。

松本委員

 以前に、三上寛さんが案内人を務めた食紀行の番組をこの審議会で取り上げたことがありました。その番組とついつい比較して見てしまいました。あの時も一つ一つの素材をじっくり見たいなと思った記憶がありますが、今回もあれだけの素材ですから観光案内のようにバァっと流して見てしまっては勿体無いな、30分では勿体無いな、もっとゆっくり見たいなと思いました。三大珍味については、岩手県は本当に自然の恵み豊かなところなんだなと、改めて岩手に住んでいることを誇らしく思い、また再認識しました。かたや、前沢牛と松茸のすき焼きは一度食べたことがありますが、一見豪華に見えますが、相乗効果ではなくてお互いの味を殺してしまって勿体無かった思い出があります。王様同士を掛け合わせても潰し合いにしかならなかったので、放送のあのシーンを「勿体無いな」と思いながら見ました。泉谷さんは美味しそうに食べていましたが、本当にそうかなと思ってしまいました。以上です。

小川口委員

 タイトルが「恵みの楽園」と聞いて、また私があまり見ない食べ物番組たなと思いました。しかし番組の途中で白神山地のブナ林で、森と水や川の関係そしてそれに結び付く食材の良さまでをじっくりと語っておりました。ここに恵みがあるのではないか、凄く良かったなと思います。それから、岩木川や十三湖の映像と字幕が流れましたね、非常に良い文章でした。誰が考えたのか知りませんが非常に良いなと思いました。岩手の陸中海岸の北限の海女を紹介している場面のBGMがとても良かったですね、海の中を写している時の。但し、岩手~青森~秋田と紹介していって突然、陸中海岸の紹介をして、それでまた秋田男鹿半島の紹介に戻るといった順番には多少の違和感を感じました。30分番組では勿体無いほどの情報が入っていて、いずれにしても北東北は自然の宝庫、食の宝庫、住んでいて良かったと思う番組でした。以上です。

及川副委員長

 ありがとうございました。前回も食べ物番組でしたので、また今度も食べ歩きなのかという先入観と、泉谷しげるはなかなか面白いがクセがあってぱっと見た瞬間、薄汚れた印象がありまして、それがどう印象を与えるかなということと、北東北三県の共同特別番組ということでスポンサー、行政側の宣伝臭、この三つの危惧が見る前にあった訳ですが、この三つの心配は見事に砕かれた、非常に印象的なドキュメンタリーになっていたと思います。30分という時間なのに、かなり充実し過ぎていたという面もあるかも知れませんが、それはやはりコマーシャルが無いにせよ、このようにまとめた構成のみょうといいますか、それとカメラワークも冴えていたように思います。以前に、東北の海の幸の番組の合評で、空撮も取り入れたらいいんじゃないかと言った覚えがあるのですが、非常にカメラワークも良かったと思います。冒頭に、北東北三県の第4回知事サミットでの北東北食糧基地宣言が明示された。だから単なる食べ歩きじゃない、生産者側の意気込みのようなものを予感させた、と受け取りました。その後は岩泉の松茸や前沢牛はありきたりですが、白樺林での野外のすき焼きという点では、美しい画面になったと思います。秋田では白神山地のブナ林の素晴らしさ、恵みを、森の案内人がガイドする。非常に心に染み込んでくるような、青池の神秘的な美しさも含めて非常に美しい画面で、それが自然にシジミのほうに流れていくということで、しかもシジミのバター炒めやシジミ汁やシジミおこわといった家庭料理。塩汁と昆布出汁で味噌が隠し味というシジミ汁は、大変新鮮な印象を与えたと思います。それを食べる泉谷を見守る三人のお母さん達の顔がとっても魅力的だったなと感じました。秋田ではなまはげ役の桧山さんがなまはげの仮面を取るとなかなか魅力的なおじさんで、この辺りで泉谷がはまり役と言うか、紹介人としての適役さが出てきているなと思いました。男鹿の産物が紹介されて、ここで食べるのかなと思ったところで、岩手の小袖の海女そして雲丹、ホヤ、しかも水深40mの海底映像を見せるというのに転ずるわけです。そして陸奥湾の帆立から津軽海峡の烏賊、いずれも美しい画面で紹介していたのですが、この時に唐突な感じ、つまり潜入感で次はここの紹介だろうと思って見ている視聴者側をおやっと思わせるような、飛んで戻ったのですけれども、言ってみますとありきたりの3分割で構成するやり方を廃して、北東北三県の一体性を感じさせようというような、総体としての恵みを描き出そうという意図があったと受け止めています。最後に、日本海の落日の美しさを見ながら泉谷が「潜在意識の景色に符合する 何か胎児の時に見てきたような」という独白がありまして、「恵まれているよな~」というここが非常に効いていて、彼は見事に紹介役の務めを果たしたのではないかと私は思いました。それでラストに子どもサミットを出したのも、未来性というようなものを感じさせるやり方で良かったと。まとめとして、三県というエリアの一体性を印象付ける構成で、類似番組のマンネリ化を打破する新鮮な切り口があったと思います。繰り返し見ても見ごたえがあるドキュメンタリーになってたと思いますし、こういうものは大都市生活者に向けて発信する点で、繰り返し活用出来る中味じゃないかな、そういう感じがしました。そんなところでございます。

では、放送全般についてというもう一つのテーマについて、フリートーキングに入りたいと思います。小川口さん、何かご意見はございますか。

小川口委員

 先日、朝日新聞のモニターをしている東京の友人から聞いた話しですが、メールでのアンケートに答えたところ、登録されている他のモニターの氏名や個人情報が画面に一気に表示されたそうです。ということは、自分の情報も他人に知られているということです。友人は情報漏洩したことで朝日新聞に抗議したそうです。一係りの単純なミスだったそうですが、マスコミは個人情報を沢山持っていますから、そういったことには充分注意して貰いたいと思います。芸能人と一般市民は違うということをきちんと理解して欲しいと思います。

 それから最近、小泉内閣の支持率など数値が報じられますが、統計学にはあまり詳しくありませんが、日本国民1億2千万人いる内の、どのくらいにアンケートをとっているのか、数字の根拠を知りたいと思っています。誰に聞いているんでしょうか。以上です。

桑折専務

 ニュースステーションでもよくそういった数値が報道されますが、統計学と推計学から出しているようですが、これ位の数字であれば、調査の精度的には問題ないだろうという判断で行っておりますね。

河邊業務局長

 その時には、サンプル数によっての誤差はプラスマイナスどの位あるかということは表示します。統計学の数式がありまして、それに従っております。

及川副委員長

 それでは、松本委員お願いします。

松本委員

 三つ申し上げようと思います。

 一つは、ドラマスペシャル「反乱のボヤージュ」「恋人はスナイパー」をどちらも見ました。両方とも面白かったです。久しぶりに腰を据えてドラマを見ました。PRビデオを前回の番審で見た時に、「反乱の~」の主演、岡田准一さんがクランクアップの時に涙を浮かべて花束を受け取っているシーンが印象的だったのですが、なるほどさもありなんと思いながら見させて頂きました。

 それから、最近テレビ朝日はいい所に着眼していると思います。例えば10月22日のスーパーJチャンネルで電車の乗車マナーについて取り上げておりました。これは6月に放送した続きということでしたが、堅い話題ではあるけれども大事な所を取り上げているなと思いました。継続して放送することで、意識も変わってくるのでは、効果が出るのではないかと期待しながら見ました。

 また、今朝のやじうまワイドでは、アフガニスタンで拘束されたと云われる日本人ジャーナリストを取り上げていましたが、単に拘束されたとか身の危険だとかだけでなく、何故彼らはそういう危険を冒しているのか、いかに彼らの身分が不安定なものであるのかという、そういった視点で取り上げていました。同じ話題を取り上げるにしても、取り上げ方の角度を変えるだけで、これほど人を惹き付けるのかなと感じました。以上です。

笠川委員

 子ども番組について最近思ったことは、新番組の「ジャングルブック」に興味を持ちました。子どもたちが落ち付いてテレビを見られる19時台に動物番組があることも珍しいですし、世界で動物が措かれている状況を解り易く、子どもによる子どもの為の動物番組であることが嬉しいです。世界中にいる動物達の可愛い姿ばかりでは無くて、交通事故に遭ったコアラや、密猟で母親ゾウを亡くした子ゾウが人間に心を開いていくまでの様子が、小さな子どもでも解る番組の作りになっていることがとても嬉しいです。、自然との共存をこれから考えて行かなければいけない子どもたちをターゲットにしたこの番組に、とても興味があります。それから日曜朝の子ども向け番組はこれからも続けて欲しいです。以上です。

石井委員

 ミステリーものやドラマは、目を離したり、毎週見ないと解らなかったりで、私の見るテレビ番組は、ニュース番組にどうしても偏ってしまいます。

 ニュース番組、これは各局に共通することですが、一つのテーマ、今はアフガンにとらわれ過ぎて、他の重要なものを疎かにしていないかという点です。例えば狂牛病については、危ないと警鐘を鳴らすことは勿論必要ですが、狂牛病の実態についてもっと突っ込んで教えて欲しいとか。食品がどれだけ危険で、またどれだけ安全なのかとか。報道機関としてある程度責任を持って、後追い報道をして欲しいと思います。勿論、アフガニスタン関連のニュースが主になるのは仕方ないですが、構造改革問題と並んで、この狂牛病問題は日本人にとって今一番重要なテーマになりつつあると思いますから、焦点の当て方が弱いと思います。日本人は一つの方向に流れていく癖がありますが、マスコミは冷静な対応、もっと時間をとって報道して欲しいと思います。ニュース以外では、新番組の23時台のニュースエンターテイメント番組でしょうか、それをたまたま見ましたが、あの番組はあらすじなり構成なりがよく解らない、一体何の番組なのかよく解らない部分が多分にありました。もう少し、番組自体の構成をしっかり組み立てたほうが良いと思いました。

宮野委員

 「ジャングルブック」は子どもが面白い番組だと言って見ています。子ども達が面白い番組を自分で見つける能力は大人以上かなと感心しました。それから「運命のダダダダーン」も非常に為になる、超おもしろいと言って子どもは見ています。理屈云々ではなくて感性で見るものを求めているという点では、大人と子どもの違いなのかな、非常に良いことだと思います。

 ニュース番組を見て思うことは、その中で「こうなんだ」と言い切ってしまうと、本当にそうなんだと思ってしまうこと、知識の無い人は特にそう思ってしまうと思います。例えば田中眞紀子外相を巡る報道については、最初の頃は悪いことなんて一つも言わなかったのが、最近になってようやく、批判ではありませんがこういう点が駄目なのでは、おかしいのではないかという報道がなされてきた。やはりマスコミが報道しなければ、いいとこどりで世論が偏ると思います。利害関係がありますので色眼鏡で見ないわけにはいかないのですが、公平な目で見て、様々なことを教えて欲しいと思います。

植本委員

 テロ事件以降、サンデープロジェクトやニュースステーションを見る機会が多くなりました。この一連の報道について、どういう姿勢で追いかけていくのかが、朝日は非常に明確だなと思います。あまり詳しくはありませんが、テロやタリバン、また日本の自衛隊などについての問題は、テレビ朝日のニュース番組で勉強させて頂いております。以上です。

松尾委員

 先ほどから話題に上っております「ジャングルブック」ですが、裏番組に「伊東家の食卓」があるんですね。私も子どもに「ジャングルブック」を見せたいと思って第1週は見たのですが、2週目は大変申し訳ないことに逆転してしまいました。どうしてもCMでチャンネルを換えてしまってそうなってしまったのです。それから「伊東家~」はずっと家族で見ていたので申し訳ないなと思っています。

 それから、ニュースで取り上げる内容はテロや幼児虐待など生々しいものがあります。やはり夕方のニュースは子どもも見るものですから、子どもが目にする時間帯のニュースは、生々しい表現などに注意して欲しいと思います。またテロ・アフガン問題につきましては、最近は落ち着いてきましたが、悪戯に恐怖心を煽るような報道も随分あったように思いますので、冷静な報道であればあるほど信頼が置けると思って私は見ています。それから、黒柳徹子さんのアフガニスタンの番組は、日曜午後の放送でしたので、見れた人が限られていると思いますので、こういう時期でもありますし是非ゴールデンの再放送を希望します。以上です。

及川副委員長

 ありがとうございました。実は明日、番審の委員代表者会議に出席するものですから、そこでどう発言するかが頭にありまして思ったことなのですが、当社は開局5年を経て6年目に入っている訳ですが、私は番審3年目ということですが、今日もお聞きのように、それぞれ審議委員の方達が率直な意見表明を展開していまして、会社側が自主的自立的に番組を改善していく参考になさっているという関係が生まれていることについて、非常にそれはいいことじゃないかと思っております。それと、今まで番審の中でそれぞれ違う角度から色々なことを言う訳ですが、共通して出されていたものとしては、自主制作のドキュメンタリー、良いものを、地域に根ざしたものを作って欲しいという意見がありました。そういった点でもご努力なされて、最近ではプログレス賞は逸したものの「スポットライト」では湯田の高齢者たちの劇団のドラマを、生き生きとした姿の下に描いておりました。それと、岩手の山として県民共通の想いを持っている岩手山が、火山活動で入山規制されていたのが、7月1日に一部規制緩和された、その1日から10日後の11日に「みなみらんぼう岩手山に登る」という非常に良いドキュメンタリーをお作りになった。これはやはり岩手県民から共感を呼び支持を受けたと私は捉えている訳です。そういう、地方局の地域に根ざしたそして視聴者に支持される仕事を積み上げて来られている。これは岩手朝日テレビとしての経営的な基盤を強化しているだけではなくて、いろいろな放送に対する主に権力側の介入とか抑圧が生じたような時に、そういうものに抗して放送の自由を守り通していくという点で、放送の自主性や自立性を貫いていく、その基盤そのものでもあると思います。そういった点で我々の要望が反映されて、東京から流されるあまり良くない番組も消えたり、或いは改善されたりとか、当社としてはなかなか良いドキュメンタリーを作り出すようになってきているという、そういったことに本当に敬意を表しております。それから、この前も申し上げましたが、最近は9月11日の同時多発テロ、翌日狂牛病になるわけですけれども、最も今ニュースが注目されている世界状況の中で、どうしてもニュースに目が行ってしまうわけですが、やはり報復戦争の現場での取材については危険が伴うと思いますし、アメリカと同盟を結んでいる日本の今の進め方からいきますと、わが国の中でもテロが発生する危険性は充分あるわけでして、ニュース報道においては注意して頂きたいと思います。今までのお話しの中にも出ていましたように、こういう時であればあるほど、冷静に慎重に正確な情報を提供し、久米さんがニュースステーションを休暇中にテロが起きてイタリアから戻ってくるのにちょっと時間がかかりましたけれども、復帰した時の番組で、日本という国柄といいますか憲法のもとでの、この前やれなかったという批判を受けて、「show the flag」ということに対してすぐ乗っかるという傾向、流れに対して、「日本としての信念を持つべきだ」と、所謂、客観報道の下に個人の意見が消えてしまいがちなところに批判性をもった発言をしたことは、貴重だろうと思います。それから、9月21日の昼と夕方のJチャンネルでの黒柳徹子さんのアフガンレポート、これがテロ発生から10日目の段階ですが、熱くなっていた報復やむなしみたいな流れの中で、あの番組の後、何かマスコミ全体の報道の仕方と言いますか、潮流の変化があったように私は感じているわけで、これは非常に貴重な仕事だったと思います。そんなことを最近のテロ報道に関連して思った訳です。

それではフリートーキングですので、何かございましたらどうぞ。

桑折専務

 確かに、対テロ報復の為の戦争でいいのか、このままなだれ込むようなことではどうかという久米さんの指摘は早かったですね。

及川副委員長

 黒柳さんがユニセフ大使として行った時のでしょうが、結局、アフガニスタンの女性が全く無権状態で、しかも長く続く大国の干渉の元での貧困や飢え、最も抑圧の被害を受けている女性と子どもを照らしていましたから。黒柳さんは一言もアメリカやアフガンに対する批判は言っていないのに、人類的な視点をちゃんと突きつけた。あの効果は非常に大きかったような気がしますけれども。

桑折専務

 石井さんのお話しについてですが、狂牛病については要するにもっと……。

石井委員

 要するに、政府がなかなか情報を出しているような、いないような。そこを報道機関がもう少し引き出すというか。政府はもっと情報を持っているのではないかという疑心暗鬼が国民の側にあると思います。そこの追求を報道機関に期待しております。

桑折専務

 確かに警告や注意喚起という意味で積極的に取り上げることは大事だと思いますが、それが一方で恐怖心を煽ったり、いたずらな不安感を生む。報道機関側にもジレンマがあると思いますね。

石井委員

 政府が情報を出さないと、なかなか安全という認識にも繋がっていかないですし。

宮野委員

 食料品関連の仕事をしている主人は、なぜ、農水省の怠慢さをきちんと指摘してくれないのか、牛肉の安全性をもっと前に証明できるし、それをしない限り食品に対する悪いイメージは払拭できない言って、と不満そうでした。一連のテロ報道で、胸を撫で下ろしたのは農水省かも知れませんね。批判的な報道をしろとは言いませんが、やはり、農水省の対応のまずさはきちんと報道して欲しいですね。今回の農水省の対応は、この関連を職業としている人達にとっては死活問題だったのかなとは思います。理詰めで話せるような政府の体制、農水省の体制が欲しかったです。

及川副委員長

 それから石井委員がおっしゃた、後追いの報道、フォローは大事なポイントだと思います。マスコミは新しいことが起こるとそちらに行ってしまいがちですが。今年は小泉フィーバー、参院選があり、歴史教科書問題、靖国問題、今度はテロ、狂牛病と、次々にいろんなことが起きている訳で、最もホットな所に焦点がいくのは止むを得ないことだとは思うのですが。じゃあ景気はどうなったのか、構造改革はどうなったのか。所々できちんと整理した問題提起的な報道を行う必要があると思います。

桑折専務

 その通りですね。しかし、いろいろな事象が次々に起こるために、それに追われる面があるわけですね。話は違いますが、「恵みの楽園」は全般に好評なのですが、三県分の内容が詰まりすぎていた面があって、じっくり見せる部分があっても良かったかも知れませんね。

石井委員

 コマーシャルが入ると40分番組くらいの長さだったかもしれませんね。もっとメリハリを付けて、区別けをはっきりするとよく解ったと思います。

村上専務

 視聴率は、青森朝日が6.1%、秋田朝日が4.8%、岩手朝日が6.0%、九州朝日が5.0%と、まあまあの評価を受けております。ただお話しにあったように、30分で盛り沢山の内容でして、北三県分の情報を入れるとあの位になってしまうと思われます。

松本委員

 狂牛病の話にもう一度戻したいのですが、岩手県は米、野菜と並んで畜産は三本柱として、農業生産に占めるウエイトも大きいです。だからこそ、狂牛病にもっとスポットを当てて取り上げて頂きたい。いたずらな風評被害を抑えることの出来るのが、やはりマスコミではないかと思います。これで死活問題になっている、流通や食品業者や農家が沢山います。三本柱の一つである畜産を失ったら岩手県は大変なことになりますから、もっと危機感を持って伝えて頂きたいと期待しております。

石井委員

 肉は大丈夫ですよといくら報道しても信用して貰えない。ですから、イギリスやフランスはどうだったのかとか、外国の事例を紹介してくれたらいいのかも知れません。報道が足りないから、私は狂牛病関連の本を読んで勉強しておりますが、今回のこの問題については情報がまだまだ足りないという気がしてなりません。

桑折専務

 マスコミは繰り返しの報道は嫌がるのですが、やはりこういったことは、繰り返し報道が必要ですね。

及川副委員長

 それでは時間も押して参りましたので、次回の開催についてお願いします。

佐々木事務局長

 次回の開催は11月28日です。

 合評番組は「スーパーモーニング」です。次回はテレビ朝日から番組の担当者をお呼びして合評を行いたいと思います。詳細が決定次第、改めてご連絡いたします。

及川副委員長

 それでは番組審議会を終了致します。ありがとうございました。

7.審議機関の答申または改善意見に対してとった措置

特になし

8.審議機関の答申または意見の概要の公表

10/31 付 朝日新聞岩手県版に審議概要を掲載。

系列各局に議事録を送付。

本社受付に議事録を常備、閲覧に供す。

インターネットホームページに掲載。

9.その他の参考事項

特になし

10.配布資料

◎ 11月度単発番組編成予定表

◎ 10~12月タイムテーブル