放送番組審議会

11月(第113回)

概要

 岩手朝日テレビの第113回番組審議会が平成19年11月29日(木)、盛岡市盛岡駅西通の岩手朝日テレビ社内で開かれた。

 合評内容は 「30人31脚岩手大会2007」。

  • 作りものではない、生の迫力や感動が伝わってくる内容だった
  • 参加校をもっと増やす努力や工夫が必要
  • 単に勝負にこだわらず完走した喜びや充実感をうまく伝わってきた
  • 参加した子供達のその後を追ってみてはどうか
  • 負けたチームへの配慮が欠ける部分があった

という意見が出た。

出席委員は、増子義孝委員長、稲垣義孝委員、小田島利昭委員、笠川さゆり委員、松尾正弘委員、松本直子委員、宮野裕子委員、村田久委員、吉田政司委員の9名。欠席委員はなし。

議事録

1.開催日時 平成 19年 11月 29日(木)午前11時~

2.開催場所 岩手朝日テレビ 3階 会議室

3.委員の出席

委員総数 9名

出席委員数 9名

委員長 増子 義孝

委員 稲垣  義孝

委員 小田島 利昭

委員 笠川 さゆり

委員 松尾 正弘

委員 松本 直子

委員 宮野 裕子

委員 村田 久

委員 吉田 政司

会社側出席者名

代表取締役社長 川崎 道生

常務取締役営業局長 幾度 恭嘉

取締役報道制作局長 小椋 和雄

取締役番組審議会事務局長 横山 博文

技術局長 佐々木 正樹

編成業務局長 小林 直 紀

報道制作部 佐々木 織 恵

番組審議会事務局 佐藤 祐介

4.議題

(1)社長あいさつ

(2)12月単発番組および11月視聴率について

(3)合評課題について

「30人31脚岩手大会2007」

(4)次回審議会

開 催 日:平成20年1月31日(木)午後4時~

ホテルメトロポリタン盛岡ニューウィング

11階「マーキュリー」

合評課題:「ふるさとCM大賞inIWATE2007」

放送日時:12月24日(月)午後2時~3時25分

5.概要

*作りものではない、生の迫力や感動が伝わってくる内容だった

*参加校をもっと増やす努力や工夫が必要

*単に勝負にこだわらず完走した喜びや充実感をうまく伝わってきた

*参加した子供達のその後を追ってみてはどうか

*負けたチームへの配慮が欠ける部分があった

6.議事の内容

横山事務局長

 本日もお忙しい中、お集まりいただきありがとうございます。

 これより、第113回番組審議会を始めさせて頂きます。

 本日は、今年最後の審議会となります。また、本日は合評番組の制作担当といたしまして、報道制作の佐々木織恵が出席しておりますので、後ほど合評の際、よろしくお願い致します。

 お手元にたくさんの資料をお配りしておりますが、その中に「3千粒のゴマ煎餅」というものがありますが、これは自社制作番組の「楽茶間」でアナウンサーの登田が思案し、巌手屋さんの協力のもと商品化させたオリジナル商品でございます。どうぞご賞味ください。

 それから、今回から毎月「BPO報告」資料も配布させていただきますので、後ほどご覧いただければと思います。

 それでは増子委員長、議事をよろしくお願い致します。

増子委員長

 今年も今回が最後ですか。

 それでは川崎社長、一言お願いします。

川崎社長

 只今、横山も話しておりましたが、12月は休会ということで本日が今年最後の審議会となりました。1年間、真摯にお付き合い頂きまして、ありがとうございました。

 今年1年を振り返ってみますと、大阪の関西テレビで放送しておりました、「発掘あるある大事典Ⅱ」のねつ造問題が年明け早々に発覚し、大きな社会問題となりました。

 この結果、関西テレビは民放連から除名処分を受け、また、再発防止の観点から、放送法の改正審議が現在も進められているところであります。私どもも対岸の火事という立場ではなく、我々にも何時起こりえるかもしれない問題と捉え、改めて気を引き締めなければいけないと、考えさせられる1年でもありました。

 一方、昨年10月に岩手県の民放4局は地上デジタル放送をスタートさせ、2011年のアナログ停波に向け、現在もデジタ中継局を建設中ですが、当県の場合は、本州で一番広大な面積であることに加え、小規模な地域がたくさん点在していることもあり、現在6局の中継局が開局しましたがカバーエリアは67%、例えば、青森県、宮城県の場合、2局の中継局を作れば約90%、福島県では同じ6局作ることで約87%のエリアをカバーできるとされ、まだまだ多くの問題が残されている状況であります。今後も引き続き、この課題をどうクリアーしていくかを、岩手県知事と4局の社長との間で協議を進めてまいるところでありますが、進捗状況等につきまして随時ご報告申し上げていきますので、この件も含めまして来年もどうぞよろしくお願致します。

 私からは以上です。

増子委員長

 ありがとうございました。何か質問等ございませんか。

 それでは、12月の単発番組と視聴率についてお願いします。

小林編成局長

 それでは12月の単発番組についてご説明させて頂きます。

 12月1日から24日までの年末年始の特別番組を除いてご説明させて頂きます。

 スポーツ系では1,2,3日と3夜連続で野球、北京五輪アジア最終予選の模様を、また、15,16,17日にはフィギアスケートのグランプリファイナル戦を放送いたします。現在、浅田真央、中野友加里がファイナルの出場権を得ておりまが、今週行われるNHK杯の結果で、安藤美姫が加われるかどうかで、視聴率的な部分が気になるところであります。

 ドラマは、8日に土曜ワイド劇場30周年特別企画「半落ち」また、16日には日曜洋画劇場特別企画「敵は本能寺にあり」が放送されます。

 ローカル番組では、次回の合評課題でもあります「ふるさとCM大賞inIWATE2007」が24日14時から放送されます。

 なお、年末年始の番組はまだ時間帯が決まっていませんが、年明けにテレビ朝日開局50周年を記念してのドラマ「鹿鳴館」を、また戦国の武将上杉謙信をえがいた時代劇「天と地と」を、さらに「相棒」の2時間半スペシャルを予定しております。

 次に、11月の視聴率ですが、全日は7.9%で前年同率、ゴールデン、プライムは僅かながら数字を落としましたが、プライム2で1%前年を上回ったことで、なんとか同率キープという結果となりました。

 以上です。

増子委員長

 何か質問などございませんか?

 それでは合評番組にうつりたいと思います。

稲垣委員

 今回「30人31脚」を初めて見ました。1時間見て強烈な印象はなかったのですが、無理やり盛り上げるような昨今のスポーツ番組とは違って、勝ったチームの表情、負けたチームの表情なども上手いタイミングで映し、単に勝負にこだわらず完走した喜びや充実感が自然に伝わってくる内容でした。

 走っている姿も、前から見るのと横から見るのでは迫力も違っていて、カメラアングルを変えて紹介していたところなどはよく工夫されていたと思います。

 気になった点としましては、ルールの中でよくわからなかったところで、ゴールラインを全員こえたときがゴールなのか? 一人がゴールに入ったらそれでいいのか? 写真判定はしているのか? 見ていて、いま一つわからない部分でした。

 もう少しその点は、丁寧に紹介すべきだと思います。

 以上です。

小田島委員

 毎年この番組は番審でも取り上げられていますが、年々完成度が高くなっていると感じました。アナウンサーの山田さんが会場で実況、そしてナレーションは樋口さんと、どちらも子供達の元気に負けないくらい勢いがあり、良かったと思います。

 前半は予選の様子、後半は決勝戦の様子を放送していましたが、前半の予選の映像は2回走りタイムの良いほうを見せていましたが、もう少し時間を割いて両方見せてもよかったのではないでしょうか。

 最後に、決勝トーナメントで負けたチームのキャプテンの一言「私たちにとって30人31脚は宝物です」のコメントは、悔しさを抑えながらも、一つのことを皆でやり遂げたという、達成感や充実感が伝わってくる、素晴らしい一言で、本当に感動しました。

 以上です。

笠川委員

 同じ年頃の子供を持つ親として、毎年楽しみに見させていただいております。今回は息子が小学校の時に担任で御世話になった先生が出ていたり、スポーツ少年団で顔見知りの子供達が出ていたり、いつもとは違う楽しみ方ができました。

 今年も、感動させられる部分が多かったのですが、少し気になった点としましては、特定のところにスポットを当て過ぎでしたね。特に女の子です。一人を追い過ぎて、偏った制作になっていたように思えました。

 また、昨年の決勝戦で残念ながら転んで負けたチームの姿も映されておりましたが、そのチーム、特にも転んだ子にとっては辛い思い出が今年も繰返され、忘れたい嫌な気持ちが蘇る映像だったと思います。当事者のことを思うと可哀想で、同世代の子供を持つ親としては、その辺の配慮が欠けているのではないかと感じました。注意してもらいたい点ですね。

 以上です。

松尾委員

 私も子供が同じ年頃なので、いつも、親近感を持って見ています。番組の完成度はこれ以上望めないところまで来ていますね。

 現在、盛岡市の小学校でも、30人に満たない学校が約4分の1あり、人数が少なく、出場したくても参加できない学校もあります。また、一学年40人の学校では2チームに分散し20人の編成をしても、人数不足。次に40人の内、足の速い子供たち30人にしぼり編成してもルール違反で参加できないようで、特にも人数の制約については、今後さらに少子化が進む中にあって、検討が必要な時期ではないかと思いました。

 以上です。

松本委員

 今年は参加した子供達の中に甥がいましたので、これまでよりも興味深く見させていただきました。

 気になった点としましては、決勝トーナメントの方法ですね。予選は2回走りタイムの良いほうを記録としていますが、決勝は一発勝負。アクシデントとはいえ、今回転倒したチームの子供達は、諦めきれない悔しさが、ずっと残る様な気がして仕方ありませんでした。

 この大会は、勝負の厳しさを伝える大会ではなく、心と心の絆を伝える大会だと思います。

 子供達の心理的な部分にも配慮したルール作り、そして番組作りに今後期待します。

 最後に、個人的に見たいシーンとしては、今回参加した子供達が、どんな表情で卒業していくのか、その後の成長の様子なども見たいですね。

 以上です。

宮野委員

 番組の流れとして、とても良いと思いました。

 山田アナウンサーの最初の掛け声も元気が湧いてくる力強い一言でしたね。

 気になったことは、笠川さんと同様、今年は女の子にスポットを当て過ぎていたような気がしました。

 しかし、今の女の子は元気がいいですね。時代がそうなんでしょうか?

 また、先ほども出ていましたが、昨年の映像を映し出す場合は、良いところが映るのは問題ないのですが、失敗したシーンが今年も映し出されるのは、本人が可哀そうです。大人から見れば何ともないかも知れませんが、同世代の子供の心理から言えば辛く感じるはずです。注意が必要ですね。

 最後に、出場した学校が7校14チームと、少ないのは残念でした。この大会は、「勝ち負けよりもチーム一丸となり一生懸命一つの目標に向かい頑張る」という、学校での普段の学習を超えた教育的にもとても良い大会だと思います。

 来年はこれまで以上にたくさんの学校が参加されるよう、関係者の努力に期待します。

 以上です。

村田委員

 我が家では毎年、家族全員楽しみにしている番組で、今年も孫と一緒に見ていました。

 今年は特に、カメラアングルが素晴らしく、正面、横とスピード感、臨場感がさらに伝わってくる作りでした。年々うまくなってきていますね。また、試合のルールも非常に分かりやすく紹介されていて良かったと思います。

 少し気になった点としましては、先程どなたかも話しておりましたがが、負けた小学校の映像シーンですね。一緒に見ていた孫が、そのシーンを見て泣いていました。「転んだ子供は、皆から攻められるのではないか?」という心配を、自分に置き換えていたんでしょう。その子の気持ちを考えれば、大変気の毒なアクシデントで、その事を今後引きずらなければいいな、と心配になりました。物事の捉え方は大人と子供は違うと思います。子どもが責任を背負って、心の中で葛藤しないよう、制作する側は、十分気遣い、配慮した作り方をお願いしたいです。

 最後に、この番組は回を重ねることで少し平坦な内容になってきているような気がします。どうでしょう、準備の様子や計測方法さらに決勝ラインのマットを支える裏方の様子なども交えて放送してみては如何でしょうか?

 少し角度を変えれば、また違うあじが出てくると思います。

 以上です。

吉田委員

 この番組は、競技を淡々と紹介するパターン化された内容にもなりがちですが、その辺を上手く工夫し、事前の取材、参加者、応援団からのインタビュー、迫力ある映像処理等、丁寧な番組作りで飽きさせない内容となっておりました。

 制作者の一番の目的は、「30人31脚を再び盛り上げたい」というところですよね。競技の前にアナウンサーが「全国大会に行きたいか!」と言ってましたが、どうでしょうか、キー局との連携で、昨年の全国大会優勝チームの走る姿や喜びの表情など交え「全国大会で優勝したいか!」と、地区のレベルアップや、さらに上を目指すメッセージを込めてみては如何でしょうか?盛り上がり方が少しは変わってくると思いますよ。

 また、参加数が年々減少しているようですが、これまで出場された参加校の地域、学年などの傾向や分析、そして先程松尾委員からも話が出たように、参加しやすいルールの改正、また大会の運営方法の検討等、改善の余地がないかを考えてみてはどうでしょう。

 教育的な活動の一環として考えるのであれば、参加することの目的や、狙など、教育現場の先生方からのコメントや、家庭でのお母さんお父さんからのコメントを入れ、この大会をPRしてみては如何でしょうか。これだけでも伝わってくる部分があると思います。

 少し気になった点は、1スポンサーが同じCMを1時間の間に4、5回繰り返して流していたところですね。見ている方は飽きてしまいますよ。また、演歌系のCMも流れていて、番組内容とかみ合わず少しチグハグな感じがしました。

 最後に、残念ながら負けてしまった和賀西の、大会後の様子も紹介してほしかったです。ちょっとしたアクシデントで負けたにせよ、「元気になったかな~」と気になるところでもあります。

 これまで様々な意見が出されましたが、それを参考年、年々番組作りも進化していってもらえばと思います。

 以上です。

増子委員長

 私も毎年見ていますが、毎回見ているので、今回は見ているうちに飽きてしまうかな?と思いました。しかし、全然飽きることなく最後まで興奮して見ていました。

 作り物ではない生の迫力ですね。感動しました。

 どうしてこの競技に参加したのか?と児童に質問をしたら、「みんなが仲良くなれるから」と答えていましたね。我々が子供の頃は殴り合い、お互いを認め合い仲良くなることが普通でしたが、今はそのような体のぶつかり合いなどもない時代なので、この大会は「一緒に汗を流し何かを成し遂げる」そこから調和や協調性を学ぶ大変すばらしい大会だと思います。

 先程、松本さんも話しておりましたが、この大会も12回目となったようで、第1回目に参加された子供達の今の様子も見たいものですね。クラス会とかあったら取材してみてはどうですか?

 最後に、出場校が少ないことは非常に残念ですね。参加校を増やす策を真剣に考えてみて下さい。素晴らしい大会なのでもったいないですよ。

 以上です。

増子委員長

 委員の意見を聞いて何かございますか?

報道制作局 佐々木

 貴重なご意見大変ありがとうございました。

 その中で、一人にスポットをあて過ぎではなかったか。というご指摘がありましたが、今回は1時間の中に初めてドラマ的な部分を取り入れようと、あのような構成となったところです。どなたかの意見で、毎回同じことの繰り返しでは視聴者に飽きられるのではないか?とのご意見のとおり、これまでとは少し違った内容も取り入れてみたところであります。

 その他のご意見も、次回以降、参考となるものばかりでした、ありがとうございます。

 なお、来月全国大会の放送が予定されておりますので、こちらも是非ご覧下さい。

増子委員長

 来年参加校を増やすために何か方法はありますか。

小林編成局長

 現在も、検討を進めているところですが、今回は、先ずは見ていただいて、この大会の様子や趣旨を分かって頂こうと、予選大会が終了した直後に約424校の小学校に対し、放送のご案内というダイレクトメールをお送りしました。

川崎社長

 出場する学校は、既に夏前から練習が始まっているようで、この間、夕方からの塾の時間やスポーツ活動、夏休み中の練習時間など、今の子供達は、忙しいスケジュールの中、なかなか練習する時間もなく大変なようですね。

 しかし私は、それに勝る教育効果がこの競技にあるんだ。というところをどのように理解していただくかがポイントかと思っております。

松本委員

 「30人31脚」のハードルが高くなっているというイメージもあるのではないでしょうか?たくさん練習しないといけない。速く走らないといけない。

 第1回目の時とは2秒ぐらい早くなっていますよね。だんだんタイムが速くなってきていて、参加するのを止めてしまっているのかもしれません。

村田委員

 PTAに声かけるのも一つかも知れませんね。

増子委員長

 タイムじゃなく、「競技に参加して仲良くなろう」というキャッチフレーズでお葉書を出したらどうでしょう。

増子委員長

 他に何かございませんか。

 それでは、議題の「その他」として私の方から、先日開催された系列24社番組審議会代表者会議の報告をさせていただきます。

 会議では、前回の審議会で、村田さんから発言があった「亀田親子に対する報道姿勢」について、それと、団塊世代に向けた番組が少ないことなどを話してきました。

 他の委員からも様々な意見が出され、約3時間有意義な意見交換となりましたし、続く懇親会、翌日の視察会と、来年の岩手大会に向け、いろいろ勉強してまいりました。

 これから準備にとりかかると思いますが、委員会としてもお手伝いできる所はおおいにバックアップし、来年10月の大会を迎えたいと思います。皆さん宜しくお願いいたします。

 以上です。

増子委員長

 その他何かございませんか。

 それでは、次回の審議会についてお願いします。

横山事務局長

 次回の審議会は、来年1月31日木曜日、場所は、ホテルメトロポリタン盛岡ニューウィングで開催いたします。

 合評課題は、「ふるさとCM大賞inIWATE2007」です。

 なお、審議会終了後、恒例の新年会を予定しておりますので、宜しくお願いいたします。

増子委員長

 それでは終了します。ありがとうございました。

7.審議機関の答申または改善意見に対してとった措置

ご指摘頂いた点を、今後の番組作りの参考とすることとした。

8.審議機関の答申または意見の概要の公表

朝日新聞岩手県版に審議概要を掲載。

系列各局に議事録を送付。

本社受付に議事録を常備、閲覧に供す。

インターネットホームページに掲載。

9.その他の参考事項

特になし

10.配布資料

◎ 12月単発番組編成予定表

◎ 11月岩手地区視聴率

◎ 11月視聴者応答記録

◎ 次回合評課題参考資料

◎ BPO報告書