放送番組審議会

11月(第43回)

概要

 年末年始単発番組編成とレギュラー番組のミッド改編について説明。

 続いて課題番組「年中夢中!コンビニ宴ス」(毎週金曜夜6時58分)について審議、

  • 「番組の企画力・独創性は評価出来る」
  • 「内容的に盛沢山だが、構成がしっかりしている」
  • 「日常、身近にあるヒット商品には、実はこんな苦労話があったという秘話は、ドキュメンタリーとして面白い」

反面、

  • 「魔法のレストランコーナーはいささか陳腐ではあるが、意外性を楽しむということで…」
  • 「現代の社会現象として把らえるという意味で“ドンチッチ”店頭のお客さん達の風景なども紹介して欲しい」

などの意見があった。

出席委員は、増子 義孝 委員長、植本 花子 委員、荻野 洋 委員、及川 和男 委員、斎藤 五郎 委員、松尾 正弘 委員、松本 直子 委員、宮野 裕子 委員の8名。

欠席委員は、照井 章夫 副委員長、山川 清 委員の2名。

議事録

1.  平成12年11月29日(木)午前11時~

2. 岩手朝日テレビ会議室

3. 委員の出席 委員総数 10名

出席委員数 8名

欠席委員数 2名

出席委員の氏名 

増子 義孝委員長 植本 花子 委員 荻野 洋   委員

及川 和男 委員 斎藤 五郎 委員 松尾 正弘 委員

松本 直子 委員 宮野 裕子 委員

欠席委員の氏名 

照井 章夫 副委員長 山川 清 委員

岩手朝日テレビ側出席者

桑折 専務 河邊 業務局長 佐々木営業局長

横舘 報道制作局長 升谷 事務局長

4.議 事

(1)12・1月の番組編成について

(2)番組合評「年中夢中!コンビニ宴ス」について

(3)系列番組審議会委員代表者会議の報告

(4) 次回の開催日時および議題について

5. 議事の概要

 年末年始単発番組編成とレギュラー番組のミッド改編について説明。続いて課題番組「年中夢中!コンビニ宴ス」(毎週金曜夜6時58分)について審議、「番組の企画力・独創性は評価出来る」「内容的に盛沢山だが、構成がしっかりしている」「日常、身近にあるヒット商品には、実はこんな苦労話があったという秘話は、ドキュメンタリーとして面白い」反面、「魔法のレストランコーナーはいささか陳腐ではあるが、意外性を楽しむということで…」「現代の社会現象として把らえるという意味で“ドンチッチ”店頭のお客さん達の風景なども紹介して欲しい」などの意見があった。

6. 議事の内容

升谷事務局長

 第43回番組審議会を開催いたします。議事に入ります前に桑折専務よりご挨拶申し上げます。

桑折専務

 今日はお忙しいところ有難うございます。年末が近くなりまして、私どもの社長をはじめ出張者が多く、失礼を申し上げます。

 さて、テレビ業界の今いちばんの話題は、明後日から始まりますBSデジタル放送です。BSデジタルは民放5局とNHK3チャンネル、WOWWOW、スターチャンネルの10チャンネルがあります。高画質と高音質が楽しめるということで視聴者の皆さんはとても期待していると思います。私ども地上波のローカル局として非常に気になりますのは、BSデジタルが軌道に乗りますと私どもとは間違いなく競争関係になることです。今のところ、BSデジタルの受像機器がまだそれほど普及しておりませんから、すぐには影響は出ないと思いますが、将来的には必ずや競争関係になると思います。最新の数字では、テレビCM量は民放127社8局で、年間2兆1千億円ほどです。BSデジタル放送もCMで成り立っていきますから我々の経営も将来的に非常に危惧されます。

 2006年には地上波もデジタル化しますが、我々も将来を見越して対策を模索しております。11月25日には、初めてインターネットと連動した「メールdeゲット」という番組を放送しました。番組で協賛スポンサーとそのプレゼント商品を紹介して、インターネットかファックスで申し込むという企画です。第1回目としては非常に反響がありまして、メールで1500通、ファックスで250通を越す応募を頂きました。回を重ねていくことで、新しい可能性が生まれると思います。

 テレビ業界にとって難しい時代に入りましたが、新しいアイデアを取り入れながらやっていかなくてはならないという印象であります。

 本日はよろしくお願い致します。

升谷事務局長

 それでは議事に入らせて頂きます。委員長、お願いします。

増子委員長

 まず、番組編成についてお願い致します。

河邊業務局長

 年末年始と1月のレギュラー番組のミニ改編から、主だった番組についてご説明いたします。年末年始の最強化週は12月25日から1月7日までの2週間です。

12/2(土)16:30~17:25「高校柔道岩手大会」11/24に行われた第23回全国高等学校柔道選手権大会岩手県大会の模様を放送します。全国大会は来年の3月です。圧倒的に盛岡中央高校が強かった大会でした。

12/3(日)12:00~14:30「福岡国際マラソン」平和台陸上競技場→香椎折り返しのコースを生中継で放送します。

12/16(土)18:58~20:54「30人31脚決勝大会スペシャル」、岩手県代表は久慈市の長内小学校です。

12/25(月)20:58~23:14「ネイチャリングスペシャル キング・オブ・アフリカ」、南部アフリカ6カ国を貫いてインド洋に至る大河ザンベジ河流域を、サックス奏者渡辺貞夫さんが取材します。

12/27(水)18:30~20:48「芸能界さよなら20世紀 激突!最後の直接対決 今夜必ず決着させます」ワイドショーを賑わせた美川憲一、デヴィ夫人、野村沙知代らが今世紀最後のバトルを展開するという内容です。

12/28(木)18:30~20:48「全日本究極のドケチ大集合 第9弾」全国のドケチを自称する兵ものが大集合して、そのドケチぶりを競って貰おうという内容です。

12/29(金)12:00~14:55「ワイドショー年末特番 世紀末・これは事件だ!あの人は今…大追跡スペシャル」レギュラー番組の「ワイドスクランブル」の大和田獏、大下容子が司会で、今年1年の社会の動きや芸能界の出来事の中から、関心の高かったものについて“人物”を切り口に再検証する、3時間生放送の番組です。同日18:55~22:44「ミュージックステーションスペシャルスーパーライブ2000」2001年秋で15周年を迎えるMステ、今年は21世紀を迎える記念すべき年末ということでの4時間の生放送スペシャルです。

12/30(土)12:00~13:55「第13回全日本おもしろニュースグランプリ」テレビ朝日系列の年末恒例スペシャルです。

同日14:00~16:21「兄弟」ビートたけし、豊川悦司が出演する、なかにし礼の自伝的小説をドラマ化した、テレビ朝日40周年記念企画ドラマで、再放送の要望が多いので編成を検討中です。

1/1(月)7:00~10:00「30人31脚スペシャル」。

12/16の同スペシャルでは全部の学校を紹介しきれないので、大会の全記録を紹介する内容のものを編成しております。

同日10:00~13:25「温泉リゾート大改造サミット パートI・パートII」、引続き13:30~17:25「戦うお正月 志村VS所ジョージ パートI・パートII」と、大枠の編成となっております。その後は17:55~20:48「スペシャルライブ生放送 HAPPY NEW CENTURY!THE GREAT LIVE2001」、20:54~23:09「タイムショックスペシャル」が続きます。

1/2(火)10:00~10:55「みちのく豊漁紀行」、東北ブロック6局共同制作番組です。東北は奥羽山脈から派生して太平洋と日本海に伸びる稜線が生活の舞台となり、大いなる恵みを与えてきた。地勢と水と生命の巡りがもたらす自然の恵みを、東北6県の海の幸を訪ねて伝えるという内容です。岩手県は宮古の鮭を取り上げています。

13:00~13:30「新春知事対談」毎年恒例の番組です。

13:30~15:25「第5弾!!ついに最終決戦!名球会VSビートたけし&芸能界ドリームチーム」これも恒例の番組です。

1/3(水)20:54~23:09「はぐれ刑事スペシャル」

1/6(土)土曜ワイド劇場「菊次郎とさき」ビートたけし主演の人気の映画を編成します。

1/7(日)日曜洋画劇場は早くも「鉄道員」を編成します。

こういったラインアップになっております。次に、1月からのレギュラー番組のストーリー系ドラマのミニ改編についてご説明致します。木曜19時からは「八丁堀の七人」シリーズ第2弾です。片岡鶴太郎、村上弘明らのレギュラーに、萬田久子もレギュラーとして加わります。同じく木曜20時からは「京都迷宮案内」、京都の伝統産業や京料理、さらに古くから伝わる風習などをストーリーの中に巧みに織りこみ、個性派新聞記者たちの世代間対立などの人間模様もしっかり描き出して好評を博した、シリーズ第3弾です。21時台は「木曜ドラマ お前の諭吉が泣いている」を編成します。また、23時台には、金曜ナイトドラマ「愛は正義」(仮)。元極道の妻で現在はやり手の女弁護士という破天荒なキャラクターを中村玉緒が演じ、「21世紀の石原裕次郎を探せ」の準グランプリ・木村昇が新米弁護士役でデビューするのも注目です。土曜ナイトドラマ「ココだけの話」、日常の中に潜む、さまざまな物語をオムニバス形式で描く新感覚ドラマです。

以上で番組編成についての説明を終わります。

増子委員長

 番組編成について、質問その他ございますか。

 それでは「年中夢中!コンビニ宴ス」の合評に入りたいと思います。斎藤委員からお願い致します。

斎藤委員

 桑折専務からBSデジタル放送についてお話を聞きましたら、合評どころではないという危機感に襲われました。合評番組はここで意見を述べるために見るという意識からか、1回目は番組の構成や進行・段取りばかりを見てしまい、2回目以降は内容を見るようになりますね。これは自分に対する、自省ですが、審議会のために見ましたでは無かった、いつも見ていることが前提であったはずです。毎回番組を見ることで、内容の面白さが初めてきっちり理解できました。1回や2回見て意見を述べるのはおこがましいことだな、深入りすることで初めて面白さに気付いた、としきりに自省しました。

 このことを前提にして、「年中夢中!コンビニ宴ス」は面白い番組だと思いました。けれども、他局の似通った料理番組と比較するとという思いもあります。魔法のレストランの料理は、コンビニの食材で作る“代用食”ですね。料理番組では他局の「どっちの料理ショー」のように、むしろゴージャスなものを取り上げて欲しいと思います。この番組の場合、魔法のレストランの料理は遊び心だと思いますが、ちょっとみみっちい感じがします。

 それから、これは首都圏のコンビニでの話だと思いました。盛岡辺りのコンビニには食材なんて置いてありませんから。それから、ヒット商品誕生物語はとてもためになりますね。ブルガリアヨーグルトは日ごろ何気なく食べておりましたが、あんな苦労があったと思うと食べる時に有難さというか、緊張感が湧きますね。これを番組として見れば、面白いし、笑わせるし、きっちりと納得させてくれるし、教養娯楽番組だと思います。

 先ほど、他局の番組との比較について触れましたが、火曜日のサンケイスポーツに視聴率30位まで載りますが、朝日系列の番組はなかなか載らないです。他局の番組との競合性でいけばということを念頭に置いてという含みで言ったことでございます。以上です。

増子委員長

 有難うございました。それでは宮野委員お願いします。

宮野委員

 最初は他局の「伊藤家の食卓」にとても似た番組だなという印象を持ちました。番組は4つの構成で、それぞれのコーナーに主張があってとても面白いです。実際に市ケ谷の“ドンチッチ”に行ってみました。立地条件は少し悪いですが、店内にテレビカメラが無ければ本当に普通のコンビニと変りない造りでした。

 番組の初めのうちは“商品開発部”と“ドンチッチ”の連携があまり感じられなかったのですが、だんだんに本部と出先の連携が取れてきていますね。テレビ朝日系列としては異色な番組だと思いますが、これからも引続き見たい番組だと思いました、みのもんたさんの司会も心和みますね。

 “魔法のレストラン”は、こんな料理もあるのかと思う反面、でも作りたいとは思わないと感じました。

 “ヒット商品誕生物語”はどこかで見たような気もしますが、違う視点から入っていますので楽しく見れますので、変わった番組ではありますが、少しずつ改善をしていけば、もっと楽しい番組になると思います。以上です。

松本委員

 内容が盛り沢山ですが、見やすい構成になっていると思います。女性方はお昼の番組でみのもんたさんの喋りや影響力を知っていますが、男性陣は、この番組で、みのもんたの喋りの面白さや説得力に感心していたというのが印象的でした。

 “大発掘!新商品”では前回はふぐの子糠漬けでしたが、ここで取り上げないと私たちの目には全く触れない商品だと思います。

 “ヒット商品誕生物語”のエピソードはとても面白くて、子どもたちは社会科の勉強をするかのように夢中で見ています。

 “魔法のレストラン”のコーナーには賛否両論あるようですが、私はとても面白いコーナーだと思います。前回の“ひじきデイカ墨スパゲティ”は翌日に友人が早速作って、結構美味しくて、ひじきの使い方の発想が凄い、やってみるもんだと報告してくれました。そのうち1冊のレシピ本になるのでは、と思って見ています。

 それから、ドンチッチの売上の数字を流しますが、単に数字だけではなくて、お客さんの反応も知りたいと思いました。ドンチッチは1店舗だけではなくて、例えば系列の各局のロビーにドンチッチのコーナーが出来たりしたら、視聴者がテレビ局に足を運ぶきっかけにもなると思います。家族でわいわい言いながら見られる楽しい番組だと思います。以上です。

及川委員

 コンビニエンスストアをとりあげて番組を制作するという企画力や独創性は多いに認めたいです。またこの番組は“ドンチッチ”という1店舗のコマーシャルの性質があって、今までに無い異色の番組でもあるわけです。

 ヒット商品誕生物語はドキュメントとしても面白くて、私はこのコーナーを一番楽しく見ました。みのもんたは若者にとって魅力あるキャラクターなのか、ミスキャストの印象があります。登場人物が多すぎるし、魔法のレストランではハチャメチャな実演があったりして忙しすぎる印象があります。しかもコンビニのインスタント素材でいわゆるグルメを作る、一面には面白さがありますが、何か侘しい感じを抱かざるを得なかったです。

 また、コンビニ利用の風景や実態・データから浮上する何か物語性のようなものを発見できたら面白いと思います。1日の売上平均が58万円から65万円に伸びたというデータの紹介がありましたが、この数字は、ほかのコンビニと比較するとどうなのかとか、もっと知りたいと思う点も多くありました。

 見始めた時はコンビニの店舗の様子だとか、深夜の風景、タレント志望の店員の様子などが映らないことが不満でしたが、11/18の回では初めて店頭風景が描写された点は良かったです。視聴者側の不満・反響を直ちに改善している印象を受けました。

 見続けているうちにターゲット層がどこなのかはっきりしない印象も持ちました。コンビニの現代風俗をもっと照らし出していけたら面白い番組になると思います。厳しいコンビニ競争のなかで戦っている姿まで映し出せたら、より身近に感じられる番組になると思います。切り口として大変に面白い、独創性のある番組を作っているとは思いますが、ここから受け取る情報にどれほどの意味や価値があるのかという疑問もうっすらと覚えているようなところです。

 斉藤委員がおっしゃったように、続けて見ると制作者側の努力で改善され魅力が高まっていくプロセスが見て取れて良かったなと思います。以上です。

荻野委員

 テレビ東京系列では、町やお店を紹介する番組がありましたが、テレビ朝日系列では珍しいというのが第一印象です。今、経済情報に飢えていますので切り口としては面白いし、この類の番組をもっと増やす方向にテレビ朝日が向かうといいと思います。

 元々、テレビ番組にはニュース性とフィクション性がありますが、娯楽番組というフィクション性と、実際に購買という経済行動に結び付くのは非常に面白いです。娯楽番組として、そして経済的番組として見ると、毎回変化していくことがコンセプトになっているようなので、柔軟性があって、これから切り口もどんどん変わっていくだろうし、視聴者の要望が変われば取り上げ方も変わっていくだろう、それがコンビニ宴スという番組ではないかと私は感じます。コンセプトもこれから変化していくだろうと予想される、そこに拘らないというのは、番組として面白いと思います。そういう切り口の番組は今まであまり無かったですし。

 魔法のレストランのコーナーの“凍らせ豆腐の酢豚”を見ましたが、正直「そこまでしなくても」と思いました。ですが、純然たる真面目に見るよりも、娯楽番組として見れば、豆腐で肉と同じ食感と味を得られることを言いたかったのかと思えば、非常に面白い切り口だなと思って見ました。

 新商品の発掘のコーナーは、採用・不採用を決める時は、娯楽性を重んじているせいか、売れる売れないよりも、その時のタレントさんの商品の紹介の仕方だとか、気に入った入らないで決めていたようですね。ですから不採用の理由が不鮮明で可哀想だと思った商品が中にはありました。採用を望んで真剣に提案をしているので、この決定を曖昧にしないで欲しいと思います。

 ヒット商品誕生物語は皆さんが指摘しているように、開発の舞台裏というのは大変に面白いと思います。紹介されるのが番組のスポンサーと同じだったのですが、スポンサー商品をこのコーナーで取り上げることを利用してもいいと思います。スポンサーにとって有力番組になってもいいですし。スポンサー枠として毎週スポンサーが変わっていくのもいいと思います。スポンサーが喜ぶ番組に一歩踏み込んだということも、テレビ朝日系列としては珍しい、非常にいいと思います。これからも変化しながら継続して頂きたいし、私たちに「なるほどな」と思わせる番組をこれからもどんどん作って頂きたいと思いました。以上です。

松尾委員

 この番組は、毎週一視聴者として面白く見ています。

 “大発掘!バカ売れ新商品”は、不採用になると勝俣さんが頑張ってPRをするのですが、駄目で可哀想になりますね。やはり不採用の時の対応をきちんとして欲しいと思います。

 “魔法のレストラン”は安っぽい、陳腐だなという感想です。このコーナーは実際に作るよりも、見てゲーム感覚で楽しむのだと思いました。どこまで安く出来るのか、どこまで意外な食材を使うのか、ということを楽しむのかなと思いました。

 “ヒット商品誕生物語”は私がいちばん興味を持って見ています。コンビニから少し外れるのかも知れませんが、誕生経緯を見ることも興味深いですし、伝記的に見ることも出来ると思います。若い人に限らず、我々は苦労をして何かを成し遂げたり、失敗しても挫けないということに欠けてきていると思います。それが、昔の偉人の伝記を読むよりも、身近な普通の会社員の成功例があって、これなら自分でも出来るのではないかという気を起こさせる内容で、これはあらゆる世代の人に見て欲しい番組だなと思います。私はコンビニということを離れて、これを番組の柱として見ています。

 いくつか気付いた点としては、私もレギュラー陣が多すぎると感じました。各世代の男女を揃えて意見を聞くという狙いは分かるのですが、多すぎて各人の個性が未だに掴めないでいます。番組自体がごった煮で、何でも取り上げるのでポイントが把握し切れないのですが、コンビニ自体が何でも揃っているものですから、良くも悪くもコンビニを表しているのかなとも思いました。以上です。

植本委員

 一通り見て、私も主婦になったら覚えてを使ってみようという感覚は残るのですが、私の興味の問題かも知れませんが、次も見ようとは思えない印象でした。ライフラインとして、21世紀へ向けての理想のコンビニを目指して、ドンチッチをモデルケースにしていくという内容は、やらせっぽい、作り物っぽい番組が多い中では、成果が翌週には解るというリアリティがあって興味は惹かれますが、次回も見たいという何かが残りませんでした。

 細かい点では、ドッグ・クリッパーという商品が不採用になっていましたが、類似品を海外お土産か何かで頂いたことがあります。またふぐの子糠漬けが採用になっていましたが、匂いが凄くてほんの少し戴く程度で、レギュラー陣がとても良い反応をしていましたが、それ程の商品だという印象は無かったです。新商品の選択やアイデアとかが、だんだんに商品になっていくのだろうなと思いました。以上です。

増子委員長

 ありがとうございました。この番組には、よその番組にない独創性と企画力が感じられるし、試行錯誤しながらいい番組を作り上げようという意欲がはっきり出ていると思います。ただし、凝った料理を作るのが面倒だからコンビニに来るのだから、魔法のレストランは単に料理の技をみて楽しむコーナーだとは思いますが、あえて無くてもいい気がします。むしろ、町興しや村興しに一役買える番組になれると思います。ふぐの子糠漬けのケースのように、全国の町村は地域興し商品の売り込みに必死だと思いますから、積極的に発掘して優れものを売るのもいいと思います。

 それから、キャッチフレーズとして“ライフライン”がありましたが、この番組がライフスタイルを変えるきっかけの一つになれると思います。番組中で曲がった野菜や桃太郎ではないトマトを売っていたと思いますが、それでもいいじゃないか、ライフスタイルを変える宣伝をしてみるのも試みだと思います。

 また、社会を映す鏡として“ドンチッチ”を利用してもいいと思います。あまり強調しすぎますと説教じみてしまいますが。例えば、よく売れる商品があるとしたら、それは何故売れるのか、一歩踏み込んでみるという気持ちがあれば、番組にもう少し広がりと深みが出てくる感じがします。

 及川委員もおっしゃっておりましたが、売上65万円とはどんな意味があるのか、コンビニ業界全体の平均売上がどの位で、ドンチッチはそれと比較してどうなのか、遊びではなくて本気で商売していることを示せば迫力も出てくると思います。普通のコンビニであればとっくに潰れている売上なのか、または結構売上があるほうなのかという興味も広がって、面白くなる気がします。以上です。

皆さん、ご意見はごさいませんか。

宮野委員

 店員さんはタレントの卵だそうですが、彼らをもっと番組の中でクローズアップしたらいいと思います。コンビニ店舗の模様をもっと映して、彼らの顔も売れるし、いいかなと思います。

松本委員

 魔法のレストランについて、私以外の皆さんに凄く不評だったので付け加えたいと思います。料理をする女性は、出来るだけ調理に手をかけない女性と、そうではない、素から自分で料理を作りあげていくことに喜びを感じる女性に2極分化している気がします。後者にとって、魔法のレストランは話題提供にもなるし、主婦のネタにもなって作ってみようという人も多いと思います。

及川委員

 “バカ売れ新商品”があるからといって、ドンチッチへは行かないと思います。市ケ谷近辺の住人が他のコンビニからドンチッチへ通うようになることはあるかもしれませんが。

増子委員長

 ですが、番組の影響力は凄いですね。ブルガリアヨーグルトの誕生物語を放送した翌日、スーパーでは売り切れていましたから。毛穴すっきりパックも家族が買いに行ったら売り切れていました。

及川委員

 量販品はどこでも買えますが、ドンチッチの限定品は市ケ谷まで行かなければ買えないですから。経済効果はそれ程ありませんですね。

増子委員長

 ドンチッチの試みを、全国のコンビニなりスーパーなりが積極的に取り上げるところまで影響力を持てば、この番組も大成功ということになりますね。

 ご意見がなければ、次の議事、系列番組審議会委員代表者会議の報告に入りたいと思います。宮野委員、お願いします。

宮野委員

 このような機会を与えて頂きまして有難うございます。

 議題は「放送番組全般について」でしたが、私はローカル番組である“IATスーパーJチャンネル”で北東北3県のニュースを3県同時に放送リレーをしていることを話しました。

 委員の先生方のお話でいちばん興味がありましたのは、倉本聰さんの言葉を引用されまして、『今のテレビ番組は、渋谷辺りの若者を中心に作っているのではないか』という言葉です。言われてみればそうかなと思って聞きました。

 また、デジタル放送に対する危機感が強かった印象があります。その他の意見で特徴的であったものは、『キー局の支援やブロックごとの協力体制を整えて、地方局が力を発揮できるようにしていったらいいのではないか』とか『アウトソーシングの問題で、取材等のトラブルがよくあると聞くが、取材する側とされる側のマナーについてどうなっているのか』といった、番組審議会とは何かと思うような質問も結構ありまして、非常に考えさせられた会でした。

 桂委員長がおっしゃっていましたが、『審議会は個々の番組について審議するばかりではなく、公取違反等の審議など、自主自立の改善をするための役割を果たしていければよい』など、審議会とはどの程度すればいいのか、岩手の審議会の在り方とテレビ朝日の審議会の在り方の違いをもっと委員が解っていたら、統一した見解を出せたのではないかとか、各々の審議会にばらつきがある印象を受けました。

 また会議後のフリートーキングで東日本放送さんが、『もっと若者を出したほうがいいという意見が前回もあったが、今回の会議も高年齢の男性が多い。』という意見を述べましたので、私も『前回その発言をしたのはIATの委員長である。私が若者や女性の声を代弁できるとは思わないが、やはり若者の声を取り上げる場を作ったほうがいいのではないか』というような発言をさせて頂きました。個々の考え方だと思いますが、代表者会議であるから、代表者であれば誰でもいいという意見もありましたが、やはり代表者であれば委員長や副委員長が行くべきかなとも感じた次第です。

河邊業務局長

 補足させて頂きますと、若者の代表者会議を別途に設けたほうがいいという意見が出ました。いずれにしても、3分間の発表で委員の意見を代表して述べるには短いという意見が出ました。

桑折専務

 審議のテーマも最近は「放送番組全般について」という漠然としたものですし、それだけ語り尽くせないということでもありますが、どうも審議が散漫なまま終わってしまいますね。言いっぱなし、聞きっぱなしという印象がありますよね。

河邊業務局長

 そういう意見もありました。テーマを事前に出して、持ち寄って審議してはどうかという意見もありました。

増子委員長

いずれにせよ、3分間で意見を述べよと言われてもそれは無理な話ですし、出来るだけ沢山の委員の皆さんに、代表者会議とはこういうものかというのを体験して欲しいです。

宮野委員

私も実際、代表者会議に出席してみて、審議会とはこういうものかというのを初めて解りました。

河邊業務局長

 代表者会議では、デジタル化に向けての地方局のあり方や方向性について、また強化されているメディア規制への対応についても話し合いが持たれました。そのメディア規制についてはその他の議題として、升谷事務局長にお話頂こうと思います。

増子委員長

それでは次回の開催と併せて、お願いします。

升谷事務局長

次回は1月24日(水)です。合評番組は1月2日放送の東北ブロック6局共同制作「みちのく豊漁紀行」です。

 次に、自民党が検討している「青少年社会環境対策基本法」について民放連・放送番組審議会は11月15日に同小委員会の田中直紀委員長に質問状を提出しました。民放連を始めマスコミ団体やメディア法学者らの強い反対にも関わらず、同党が法案の国会提出の準備を進めていることは、極めて遺憾だとして、早急な回答を求めているということです。質問事項は次の4つです。

1. 法案は、青少年の性的な逸脱行為や暴力的な残虐行為を誘発、助長する「おそれがある場合」に、行政は事業者に指導・助言、勧告・公表の措置ができるとしている。「おそれがある場合」は、誰が何を基準に判断するのか。

2. 規制の対象は「商品・役務の供給方法等」とされているが、具体的にはどの範囲を想定しているのか。「放送番組」も規制対象に含まれるのか。

3. 行政の恣意的な解釈と運用を許さないための判断基準は何か。

4. 公権力による行政措置に際し、審議会への諮問・答申を行わず、マスメディアを含む事業者側に異議申し立ての反論さえ認めないのはなぜか。

というように、縛りがいろいろと出てきておることに対し、民法連としましても、申し上げたような質問状を提出して、規制をかけないでくれという行動をとっていることを、ご報告いたしました。以上です。

増子委員長

何故、今になってこのような規制が浮上してきたのでしょうか。反論を認めないというのも酷い話ですね。

升谷事務局長

最近多発している事件、例えばバスジャック事件などの青少年による犯罪を、誘発している周辺には、テレビ番組もあるのではないかと言われていることなどからだと思います。

及川委員

この規制法自体が違憲だと思います。言論の自由を守るためにはこの法案に乗ってはいけないと思います。桂委員長も前回の代表者会議で『放送番組審議会の根本の任務は、報道の自由を守ることにある』とおっしゃっておりましたし。

升谷事務局長

基本的にはやはり言論・表現の自由を脅かすものがあってはいけないということです、おっしゃるとおりです。この規制に関しては、また動きがございましたら、ご報告いたしたいと思います。以上です。

増子委員長

ありがとうございました。ではこれで審議会を終了いたします。

7.審議機関の答申または改善意見に対してとった措置

特になし

8.審議機関の答申または意見の概要の公表

12/2 付 朝日新聞岩手県版に審議概要を掲載。

系列各局に議事録を送付。

本社受付に議事録を常備、閲覧に供す。

インターネットホームページに掲載。

9.その他の参考事項

特になし

10.配布資料

◎ 12・1月度単発番組編成予定表

速報

 岩手朝日テレビの第43回放送番組審議会(委員長・増子義孝県立大学教授)は、29日盛岡市盛岡駅西通2丁目の同本社で開かれた。

 本社側から年末年始単発番組編成とレギュラー番組のミッド改編について説明があり、続いて課題番組「年中夢中!コンビニ宴ス」(毎週金曜夜6時58分)について審議した。

出席委員から「番組の企画力・独創性は評価出来る」「内容的に盛沢山だが、構成がしっかりしている」「日常、身近にあるヒット商品には、実はこんな苦労話があったという秘話は、ドキュメンタリーとして面白い」反面、「魔法のレストランコーナーはいささか陳腐ではあるが、意外性を楽しむということで…」「現代の社会現象として把らえるという意味で“ドンチッチ”店頭のお客さん達の風景なども紹介して欲しい」などの意見が出された。