放送番組審議会

2月(第125回)

概要

 岩手朝日テレビの第125回番組審議会が平成21年2月26日(木)、盛岡市盛岡駅西通の岩手朝日テレビで開かれた。

 合評内容は「IATスーパーJチャンネル」

  • 地域間の交流が大事な時代に石垣島との交流を大切に15年も続いた、ことはとても良いことだ。
  • 最後のところの中継が途切れて気になった。技術的な部分の向上を望む。
  • Jチャンのスタートがその日の出来事の映像から入るのは以前に比べとても評価できる。
  • Jチャンで東京のグルメ情報は地域密着の点で問題がある。
  • かけはし交流の中で石垣島での米の生産に対し菅原さんから助けてもらったことを少し丁寧に詳しく伝えて欲しかった。
  • 作り手側の視点で内容の説明ばかり先行し沖縄の地元の方の話を盛り込むと見る側にも寄り内容が詳しく伝わる。
  • 岩手公園の雪明り中継の細かい情報が短く一度だけなので視聴者に不親切に思う。
  • かけはし交流のコーナーはもっと掘り下げた取材をして欲しかった。またポイントを絞って放送しないと中途半端な番組になってしまう。
  • Jチャンはローカル番組として地域で生活する人々大切な情報源であるから、岩手県の情報等の位置付けを固めて人選や生きるうえでの身近なものをテーマにしてほしい。

という意見が出た。

出席委員は、増子義孝委員長、小田島利昭委員、笠川さゆり委員、弭間俊則委員、松尾正弘委員、松本直子委員、宮野裕子委員、村田久委員、吉田政司委員の9名。

議事録

1.開催日時 平成 21年 2月 26日(木)午前 11時~

2.開催場所 本社3階 会議室

3.委員の出席

委員総数 9名

出席委員数 9名

委員長 増子 義孝

委員 弭間 正則

委員 小田島 利昭

委員 笠川 さゆり

委員 松尾 正弘

委員 松本 直子

委員 宮野 裕子

委員 村田 久

委員 吉田 政司

会社側出席者名

代表取締役社長 富永 健治

常務取締役 辻 一成

取締役報道制作局長 小椋 和雄

技術局長 佐々木 正樹

編成業務局長 小林 直紀

報道制作部課長 伊波 伴准

番組審議会事務局長 横山 博文

番組審議会事務局 佐藤 清一

4.議題

(1)番組合評

「IATスーパーJチャンネル」

(2)3月単発番組について

(3)次回審議会

開 催 日:平成21年3月26日(木)11時~

本社 3階会議室

合評課題:「ザ・ルーツ 俺たちの盛岡冷麺」

放送日時:3月8日(日)12:00~12時55分

5.概要

☆ 地域間の交流が大事な時代に石垣島との交流を大切に15年も続いた、ことはとても良いことだ。

☆ 最後のところの中継が途切れて気になった。技術的な部分の向上を望む。

☆ Jチャンのスタートがその日の出来事の映像から入るのは以前に比べとても評価できる。

☆ Jチャンで東京のグルメ情報は地域密着の点で問題がある。

☆ かけはし交流の中で石垣島での米の生産に対し菅原さんから助けてもらったことを少し丁寧に詳しく伝えて欲しかった。

☆ 作り手側の視点で内容の説明ばかり先行し沖縄の地元の方の話を盛り込むと見る側にも寄り内容が詳しく伝わる。

☆ 岩手公園の雪明り中継の細かい情報が短く一度だけなので視聴者に不親切に思う。

☆ かけはし交流のコーナーはもっと掘り下げた取材をして欲しかった。またポイントを絞って放送しないと中途半端な番組になってしまう。

☆ Jチャンはローカル番組として地域で生活する人々大切な情報源であるから、岩手県の情報等の位置付けを固めて人選や生きるうえでの身近なものをテーマにしてほしい。

6.議事の内容

横山事務局長

 それでは、只今より、第125回岩手朝日テレビ放送番組審議会を始めます。本日は合評番組の制作担当として、報道制作局の伊波が出席しております。後ほど合評の際よろしくおねがいいたします。

 それでは、増子委員長、議事をお願いいたします。

増子委員長

 それでは富永社長、一言お願いします。

富永社長

 本日もお忙しい中、お集まり頂きましてありがとうございます。

 アメリカは2月27日にデジタル完全移行を決めていました。しかし、オバマ政権が今年の6月12日に先送りした事を先日発表致しました。

 1998年の秋にデジタルをスタートしましたが、当時、移行期間を8年間で2006年と決めていました。9・11やイラン・イラク戦争等で普及がすすまなかった事があり、2009年2月と延期していました。しかし、再度延期となり、4ヶ月延期と期間は短くはなっていますが、世界経済危機もあり、日本の完全移行も影響が少なからず、あるのではないでしょうか。

 また、視聴者のデジタル受信相談センターや共聴施設の改修、受信者支援センターが全国で40ヵ所合わせまして、51ヶ所の地域センターが開設しております。岩手県でもNHKと民放より5名が選出されています。

 本日は「IATスーパーJチャンネル」の合評ですが、夕方の地域ニュースは局の顔だと思っております。自社制作番組が少ない事もあり、夕方のニュースが看板番組と思っております。ローカルのニュースをいかに掘り起こし、視聴者の為になるまた、喜んでもらえる番組を放送できるかが、わが社にとって重要な部分と思いますので、委員の先生方に貴重な意見を頂戴し、今後の制作に検討していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

増子委員長

 ありがとうございました。

 何かご質問等ございませんか?

 それでは、3月の単発番組と視聴率についてお願いします。

小林編成局長

 3月の最終週は期末で、レギュラー番組の拡大版が多く入っております。また、WBC日本代表対巨人の試合があります。

 3月5日から本戦の試合を放送しますが、かなりの数字を期待しております。しかし、WBCの組み合わせがややこしい状態で、5日に日本が勝てば7日に放送となり、日本が中国に勝った場合と負けた場合では放送の時間が変わってきます。

 その他、自社制作番組としてIATジュニアカップを纏めたものを放送致し、ハンドボールの模様も編成で対応いたします。7日には学のたびの放送、8日には次回合評課題であります、「ザ・ルーツ 俺たちの盛岡冷麺」を放送致します。

 視聴率ですが、2月第2週は思った通りの成果が出ました。

 ゴールデン、プライム共にその週はトップを取る事ができました。翌週はレギュラー編成に戻り、若干数字が落ちましたが、ゴールデン・プライム共に第3位でした。

増子委員長

 ありがとうございました。何かご質問ございますか。

 では合評番組に移ります。

弭間委員

 今回の合評は、IATスーパーJチャンネルということで、どういう切り口で評価してよいのか難しいです。2月3日の内容で言いますと、石垣島の交流の話題でしたが、良いテーマであると思いました。地域間の交流が大事な時代に石垣島との交流を大事にしている事はとても良いことだと見ていて思いました。北と南、かなり離れている場所との交流が15年も続いている、出来ればこの交流の背景にはこんな事があってというように掘り下げたところを細かく見てみたかったですね。

 非常に良いテーマ、良い編集だったと思います。少しだけ気になったところは最後のところの中継が途切れていたところがありました。技術的な部分がもう少し上がればもっと良い番組になると思いました。

小田島委員

 以前にもこの番組を合評として取り上げていましたが、前回より比べると、とてもレベルが上がっていると思います。

 司会のアナウンサーの山田さんや杉山さんも慣れてきて見ていても聞きやすいし良いと思いますね。

 スタートする最初の話題も、アナウンサーからの紹介から始まるのではなく、その日の出来事の映像から映し出されるところも非常に良いと思います。

 以前にもお話しましたが、天気予報を毎回見ているので、明るいイメージでお願いしたいとお話しました。農業関係の仕事をしているので、季節の花々がバックの映像に映し出されたりすると関心がわきます。もちろん、花々だけではなく、曜日ごとに何曜日は観光、何曜日は風景、何曜日は花というような選び方はどうでしょうか。

 これも前にお話したと思うのですが、東京のグルメ情報を放送するのは地域に密着していないので、あまり良く思わないとお話しました。いまは地域密着な情報や、未来図といったように県内の情報が中心でとても良くなったと思います。

 最後にかけはし交流の中で石垣島でのお米の生産に対して菅原さんに助けてもらったというところを、もう少し丁寧に詳しく放送して欲しかったと思います。以上です。

笠川委員

 今、小田島さんからお話に出た、かけはし交流の件ですが、2月3日の放送では、少しがっかりしてしまいました。

 洋野町の裁判の話からスタートして、かけはし交流の話題になりました。かけはし交流では放送にまとまりがなく、最初にマラソン参加、冷害、2008年に事件が起きたというような作り方で、菅原さんの功績などがあまり紹介されずに、いま小田島さんからそのような事があったんだということを聞いて、今理解できました。あまりにも内容が一方的になっていました。こちらの側だけの視点での内容の説明ばかりで沖縄の地元の方の話を盛り込むと見る側にも内容が伝わるのではないでしょうか。10日、17日の放送を録画で見ましたが、岩手の未来図はなるほどと思い見ましたが、3日の放送だけはちょっとなぁ。という感想でした。

 少し気になったのは山田さんと杉山さんの間にお花がありますよね。それが目立ちすぎているように思います。もう少し控えめなお花のほうが良いかな。と思いました。

松尾委員

 一番中心となった、岩手のかけはし交流15年がメインと思い、IATファンの方にとって沖縄出身のアナウンサーのナレーション、内容になるほど。と感じました。

 この15年間の当時の映像などをうまく取り入れていたと思います。IATの歴史がまだ浅いこともあって過去の映像はどうしたのか時になるところもありましたが、データベストしてストックされていて、他の局に負けていないとうれしく思いました。

 24日の未来図を見たときに、池田先生が出ておられました。2004年に初めて千厩高校に赴任した当時の映像があるのとないのでは雲泥の差が出てくると思います。当時の映像が映りそれに先生の語りがあれば見る側に伝わる重みが全く違ってきます。話だけではなく映像、過去の映像等を盛り込む事は大事な部分だと思いました。

松本委員

 スーパーJチャンネルの放送の時間帯はどこの局でも地元のニュース番組を放送しています。その時に話題を見ていて自分が興味を持つ内容を細かく放送している、明確に情報を伝えてくれる局のニュースを視聴者は選ぶと思います。

 そういうところで、視聴者の立場で考えてみると、自分の求めている部分が伝わってこない、そこを知りたいのにわからない。うまくはまってこない。そこのところが残念に思います。

 かけはし交流では、式典の様子が非常に長く、当時の映像などをもう少し入れて欲しかったと思います。

 当時IATは開局前なので、当時の映像を入手するのも困難なのかと思いますが、他局からの提供や、県にお願いするなりの努力でいくらでも協力してくれると思うのです。画像がもっと出ていれば菅原さんの素晴らしさ、大変さが視聴者に伝わったことでしょう。

 岩手公園の雪明りの放送の中でも、いつからいつまで何時まで。とかの細かい内容を一度だけしか言っていませんでした。それでは行きたい人も情報がわからないので不親切に思います。もう少し視聴者の立場に立って視聴者のために伝わる努力が必要だと感じました。

宮野委員

 家にいるときは必ず見るようにしています。

 何故かと言うと山田アナウンサーを好意に思っています。

 彼の声は非常に聞きやすくて好感があるからです。

 かけはし交流についてお話させていただきますが、数日前にどこの局だったか覚えていませんが、菅原さん一家がテレビに出演されていて、お話されていました。その後、Jチャンネルのかけはし交流で菅原さんが出ていて見ていましたら、菅原さんの紹介は何もないので、一家が出ていた番組で菅原さんの情報がわかっただけでした。15年前の状況をアナウンサーは果たして知っているのでしょうか。当初出来たお米はまずくて食べられませんでした。そんな状況をナレーターは知っていたのでしょうか。当時は食の危機感もありましたし、次の年は豊作でした。そんなところも踏まえて内容を考えて放送して欲しかったと思いました。

 特集をくんだことは非常に良いと思います。もう少し掘り下げた内容にして欲しかったと思いました。

村田委員

 先ず、アナウンサーの座っている位置が同じ角度で、毎日同じなので、もう少し変化をもたせ、工夫をされると良いと思います。

 女性のアナウンサーも前とは違ってとても良くなってきていると思います。

 かけはし交流について私もお話しますが、ドキュメンタリー番組でもないし、ニュースの位置づけとも違う。この手の番組はポイントを絞って放送しないと中途半端な番組になってしまいます。

 内容も関係者が見れば納得できるところはあると思いますが、視聴者から見れば、この方は何をした人?何の話題?内容もあちこちに飛んでいて、さっぱりわかりません。碑の除幕式やら、田んぼの風景だけとか、そこだけ見ても何の感銘も受けられません。

 未来図は次に週と比べて見てみました。最初は北欧のドイツ家具を扱っているお店の話題。そして、次の週はコッペパンの話題。ギャップがあるのは悪くはありませんが、未来図を描く内容でしょうか。西洋家具は我々に身近なものでしょうか。日本の家屋に西洋家具を入れると言う事は土台から作り直さなければいけない問題もあるだろうし、直接未来図に関係があるとは思えません。福田パンの内容も履歴書を説明しているだけの内容に思いました。

 全体的に前よりは良くなっていると思いますが、岩手県の情報等位置づけを固めて人選や生きるうえでの身近なものをテーマにして欲しいと思います。ローカル番組は地域で生活する人々の大切な情報源なのですから。以上です。

吉田委員

 Jチャンネルと言うようなニュース番組を放送するのは難しいのではないでしょうか。

 例えばビジネスとして、重要度、緊急度予め取り組むもの、また近いものを取り込んで放送する。他局との競争等複雑に絡み合って一定の枠に入れるまさに神業に近い分野だと思います。

 今回の特集や天気予報いろいろな放送内容がありますね。かけはし交流では、93年には私は仙台に住んでいましたが、全国冷害でお米が出来ない年でありました。戦後最悪の被害の年だったと思います。その当時の世相、新聞の見出しだとかそれを映像で写すだけでもインパクトが強くポイントとなります。効果的に世代への印象を強くするのも良いと思いますよ。

 また城跡からの音声が一部途切れるハプニングがありましたが、生放送であそこを入れようとした努力は評価したいと思います。しかし再発防止策は十分に検討していくようにしないといけませんね。

 最後に全くの印象ですが、アナウンサーの髪型が気になります。また表情も始めと終わりの表情で、終わりは穏やかな表情ですが始まりが少し硬すぎます。もう少しリラックスした表情の始まり方の方が良いと感じました。

増子委員長

 久しぶりに皆さんから厳しい意見が出ていますが、かけはし交流について視聴者はすごくそのことを知っていてそれを前提にして作られていると思っていました。これだけ良い材料があってようは作り方しだいなのです。私が思うには取材が十分ではないと思います。取材というのは、たくさん取材してそれが放送されるのは十分の一ぐらいなのですよ。どうして石垣島だったのか、また、そういう議論が出たのかまた菅原さんはどうしてそこで選ばれたのか。余人を持って替えがたい方ならどんな方なのか。その辺を詳しく説明しないと見る側はさっぱりわからないし理解できないと思います。

 もう少し掘り下げないと浮き上がってこないんです。

 当時の被害は県内でも大変な状況だったと以前副知事に聞いたのですが、その辺のところを細かく取材やら調査をしてそれを映像で出せば視聴者にも伝わる事ですよね。もう少し掘り下げた作り方を検討してください。

 北欧家具についてですが、相当お金のある方でないと購入できないのではないでしょうか。それがどうして未来図と繋がるのか不思議です。

 テーマに沿った内容で制作していただきたいと改めて思いました。以上です。制作された方反論をお聞かせください。

報道制作伊波

 皆さんから貴重なご意見ありがとうございます。

 かけはし交流は15年前からの取り組みであり、もっと調べるところ、映像等、もっと改善していかなければいけない部分がたくさんあると思いました。

 IATが開局する前から交流を続けており、取材の経緯等、次回取り上げる機会があれば、今日いただきました内容を元に十分取材をして岩手の当時の状況やどうして交流を続けているかなど取材していきたいと思います。

増子委員長

 交流にウエイトを置きすぎたのではないでしょうか。15年経つと忘れている部分も多少あるだろうし、これを単独の番組として取り上げるのも良いかもしれませんね。交流というのは姉妹都市交流からいろいろ生まれるものでありますからね。

増子委員長

 何か他にございませんか。では次回についてお願いします。

横山事務局長

 では次回についてですが、「ザ・ルーツ 俺たちの盛岡冷麺」を合評課題にしております。是非ご覧になって貴重なご意見をお願いいたします。

増子委員長

 それでは終了します。ありがとうございました。

7. 審議機関の答申または改善意見に対してとった措置

ご指摘頂いた点を、今後の番組作りの参考とすることとした。

8. 審議機関の答申または意見の概要の公表

3/19 朝日新聞岩手県版に審議概要を掲載。

系列各局に議事録を送付。

本社受付に議事録を常備、閲覧に供す。

インターネットホームページに掲載。

9. その他の参考事項

特になし

10. 配布資料

◎ 3月単発番組編成予定表

◎ 2月、岩手地区視聴率