放送番組審議会

2月(第35回)

概要

 毎週金曜日夜9時から放送の番組「ターニングポイント」について、審議があり、「勇気を与えてくれる内容」「“転機”の時を自分自身に置き換えて考えることが出来る」「取材力のすごさを感じる」「進行役のユースケ・サンタマリアはまじめだし、優香の評価も良くて好感が持てる。」「被写体になっている人の起伏、波乱万丈ぶりを描いて、視聴者に“しっかり生きていけ”との激励の意図が伺え、好感を抱ける」。反面「番組の展開が忙しい」「山本寛斎の生かし方に工夫がほしい」などの意見も出された。

 出席委員は、増子 義孝 委員長、照井 章夫 副委員長、植本 花子 委員、及川 和男 委員、荻野 洋 委員、斎藤 五郎 委員、松本 直子 委員、宮野 裕子 委員の8名。

 欠席委員は、松尾 正弘 委員、山川 清 委員の2名。

議事録

1. 日時

平成12年 2月25日(金)午前11時~

2. 場所

岩手朝日テレビ会議室

3. 委員の出席

委員総数 10名

出席委員数 8名

欠席委員数 2名

出席委員の氏名 

増子 義孝 委員長 照井 章夫 副委員長 植本 花子 委員

及川 和男 委員 荻野    委員 斎藤 五郎 委員

松本 直子 委員 宮野 裕子 委員

欠席委員の氏名 

松尾 正弘 委員 山川    委員

放送事業者側出席委員

蓮見 社長 桑折 専務 村上 常務

河邊 業務局長 佐々木 営業局長 横舘 報道制作局長

菊地 技術局長 升谷 事務局長

4.議事

(1)3月の番組編成について

(2)番組合評「ターニングポイント」について

(3)次回の開催日時および議題について

5. 議事の概要

 毎週金曜日夜9時から放送の番組「ターニングポイント」について、審議があり、「勇気を与えてくれる内容」「“転機”の時を自分自身に置き換えて考えることが出来る」「取材力のすごさを感じる」「進行役のユースケ・サンタマリアはまじめだし、優香の評価も良くて好感が持てる。」「被写体になっている人の起伏、波乱万丈ぶりを描いて、視聴者に“しっかり生きていけ”との激励の意図が伺え、好感を抱ける」。反面「番組の展開が忙しい」「山本寛斎の生かし方に工夫がほしい」などの意見も出された。

6. 議事の内容

升谷 事務局長

 定刻となりましたので、第35回番組審議会を開催いたします。

 審議に入ります前に社長から一言、お願い致します。

蓮見 社長

 おはようございます。お忙しい中お集まり頂きまして有難うございます。

 2月は、大きな編成時期である4月と10月の内の4月編成の方向を出す時期です。先週のテレビ朝日系列の社長会に、テレビ朝日から4月編成の基本方針が出ました。IATもその基本方針に乗っ取って番組編成を組むことになります。

 4月編成に対するテレビ朝日の目標は3つありますが、1つは『ゾーン別のターゲット編成の明確化』です。これは、ゴールデン・プライム枠、つまり19時台から23時台、各々の時間帯のターゲットを明確にしようということを打ち出しています。

 次に、“フライングタイム”。他局でも実施しておりますが、ゴールデン或いはプライムの放送枠を正時ではなく、19:00からの番組でしたら18:54、22:00からのニュースステーションなら21:54から、23時台は23:09から放送する、他局がCMや番組のお知らせをしている時間帯、その隙間を狙って、早くスタートする、視聴率の問題もありますから、その手助けの一環としてやろうというものです。番組の視聴率は本質的には内容に問われることですが、補助的な手段としてやります。

 それから、最近、23時台は若者のテレビの視聴が非常に深い時間になってきました。想像を絶することに、深夜の2時、3時に2%台の視聴率を獲っている番組が我社始め、他局にもあるという状況ですので、『23時台以降を本格的な娯楽化の方向へ』持っていこうという3つが4月以降の特色ですので、ご理解を頂きたいと思います。詳細は後ほど編成担当から説明があると思います。

 また、IATにおきましては、『IATスーパーJチャンネル』のローカルニュースを扱う時間帯が去年の4月から1年間、17:40から15分間、また天気予報等を18:50位から放送していますが、これを開局当初に放送をしておりました18:30~19:00に改めて、30分枠に拡大し、今までと違った内容のニュース番組にしようと考えておりまして、4月から実施したいと思います。内容については後ほど報道局長から説明をさせて頂きます。

 4月からはゴールデンでも新しい番組もかなり編成されますので、後々、委員の先生方にもご意見を頂戴したいと思いますので、よろしくお願い致します。

升谷 事務局長

 それでは早速、審議に入りたいと思います。委員長、お願いします。

増子 委員長

 ではまず、3月の番組編成についてお願いします。

河邊 業務局長

 それでは説明させて頂きます。3月のレギュラー番組については特に変更はございません。毎改編期と同様ですが、期末期首スペシャルで20日以降はスペシャル番組が入ってまいります。レギュラーの拡大が主な編成です。では、3月の単発番組についてご説明致します。

3/4(土)16:00~16:30「市長に学ぼう!~後藤晨水沢市長特別授業」。市長特番は随時制作・編成しますが、今回は趣を変えまして、水沢市立常盤小学校の小学生と水沢市長との対話を中心に編集しました。同日21:00~22:51土曜ワイド劇場特別企画『橋田壽賀子2000年ドラマスペシャル 想いでかくれんぼ』。出演は渡哲也、江角マキコ、神田正輝、沢村一樹。家族愛をテーマに、小さな料亭を営む兄と家出同然に家を飛び出した妹の心の葛藤を描く内容です。数々の名作を生み出してきた橋田・石井ふく子コンビで制作されております。

3/5(日)14:00~15:25サンデープレゼント『伝説の超2尺巨大イワナを追え!!(仮)』。出演は甲斐崎圭。北海道・日高山脈に棲む驚異の大イワナを探して探検するという内容です。15:30~17:25、日曜ワイド『瀬戸朝香オーストラリア初体験の旅!感動!パースに住みたい』。出演は瀬戸朝香、アジャ・コング。大の親友同士の二人が、憧れの地、西オーストラリアのパースを旅し、散策やイルカウォッチングを楽しむ内容です。

3/11(土)24:40~25:10「OH!相撲」。大相撲3月場所の事前番組です。

3/12(日)14:00~15:25サンデープレゼント『第37回 輝け!ゴールデンアロー賞 発表!グランプリ』。3月6日に東京プリンスホテルで行われる授賞式の模様を、映画、演劇、音楽、放送、芸能の各部門において本年度活躍した芸能人の中から各一名づつと特別賞、話題賞の2賞が選考されます。15:30~17:25日曜ワイド『三枝・極楽とんぼの一流を探せ!!inハンガリー(仮)』。世界のパフォーマーが集うハンガリー最強のフェスタ「国際サーカスフェスティバル」出場を目指して極楽とんぼが厳しいレッスンに取り組む。また桂三枝等は、ハンガリーの伝統料理「グヤーシュ」に魅せられて、一流のグヤーシュを作ろうと、シェフに弟子入りするという内容です。それから先ほど申し上げました、

3/12(日)~3/26(日)「大相撲ダイジェスト」。大相撲3月場所は大阪府立体育館で行われます。

3/14(火)、スポーツのシーズンを迎えまして、15:00~16:50プロ野球オープン戦「西武×巨人」をお送りします。

3/15(水)19:00~20:54キリンビバレッジサッカー2000「日本×中国」を神戸総合運動公園ユニバー記念競技場からお送りします。

3/18(土)14:00~14:55Jリーグ1stステージ「名古屋×磐田」を編成します。

3/19(日)15:30~17:25日曜ワイド「はぐれ刑事純情派スペシャル」。再放送です。

3/20(月)15:00~16:50「第22回高校柔道選手権大会」。岩手県からは、男子団体に盛岡中央高校、女子個人体重別に63キロ級の育山梨沙(盛岡中央高校)始め7選手が出場します。17:54~19:54「スーパーJチャンネルスペシャル」。報道色よりも、最近若者の間で話題のものを取り上げて、ゴールデンに初めてチャレンジします。

3/21(火)20:00~21:48「人気者でいこう!スペシャル」。レギュラー番組の拡大版です。3/22(水)19:00~20:54「目撃!ドキュンスペシャル」。これもレギュラー番組の拡大版です。21:00~22:24「はみだし刑事情熱系スペシャル」。レギュラー番組の拡大版です。

3/24(金)19:00~20:54「ドラえもんスペシャル」。

3/25(土)13:00~13:55「米村傳次郎先生の科学不思議体験教室 `99デジタルドリーム・キッズ実験室」。これはSONYさんの協力を得ました自社制作です。盛岡市こども科学館で地元の子ども達と米村先生が様々な実験を行い、身近な道具や材料を使って楽しみながら科学を学んでもらおうというものです。

14:00~14:55「知事出演特別番組21世紀のいわての人づくり(仮)」。出演は増田寛也県知事、片岡鶴太郎、福田繁雄(グラフィックデザイナー)。昨年4月に岩手初のNPOの法人取得を受けた花巻文化村の運営主体「花巻文化村協議会」が宮沢賢治の「羅須地人協会」の現代版を目指し、若いアーティストたちの育成や地域文化、芸術の振興を目的に設立されたこの団体の活動を紹介し、岩手の新しい人材づくりについて対談する内容です。

3/26(日)14:00~15:25サンデープレゼント「21世紀への伝言 学校」。品川区立伊藤中学校3年5組の約1年間の記録。生徒たちが勉強だけでなく、家庭、友人関係など様々な問題にぶつかり悩む姿を追い、学校が持つ意味を改めて問いかける内容のものです。15:30~16:30「SPEED SPECIAL」。96年デビュー以来、一貫してJ-POPの最前線を駆け抜けたSPEED。3月31日の解散を前に、「ミュージックステーションスペシャル」内で行う「SPEEDラストライブ」のリハーサル風景や、本人たちへのインタビューを盛り込みながら、デビューから今までの活動を振り返るスペシャル番組です。

16:30~17:25「宮尾すすむの出前カラオケ 沿岸スペシャル(仮)」。司会は宮尾すすむ、高橋香有(IATアナウンサー)。岩泉町の小本温泉を舞台に、一般応募のペアたちがカラオケを披露。宮尾すすむの軽妙なトークと温かい突っ込みで和やかで楽しいステージを繰り広げる。

3/27(月)14:00~15:50大リーグプレシーズンゲーム「西武×メッツ」。西武ドームからお送りします。16:00~16:45「第53回日本選手権競輪中継」。

3/28(火)にも同じく競輪中継があります。同日の20:00~21:48「所さんの大脱出!!2」。出演は所ジョージ。好評だった「大脱出!!」スペシャル第2弾。古今東西の世紀の大脱出劇を集めておくる。なぜ彼らは驚くべき脱出に成功したのか、その真相に迫る。

3/29(水)20:00~21:48「はみだし刑事情熱系最終回スペシャル」これもレギュラー番組の最終回拡大版です。

3/31(金)19:00~21:48「ミュージックステーションスペシャル」。司会はタモリ、下平さやか。スペシャルにふさわしい豪華なアーティストたちをゲストに迎えてお送りします。

以上、手短ではございますが、説明を終わります。

増子 委員長

 ありがとうございます。何か質問はございませんか。

及川 委員

 社長のお話しにありましたが、フライングタイムの効果はありますか。

河邊 業務局長

 通常の1時間番組は54分枠で編成しておりまして、次の番組が始まるまで6分間あります。その間に視聴者はチャンネルをどうしても替えてしまう。そこで、番組を早くスタートすることで、IATを見ている視聴者に続けて番組を見てもらえるし、また他局からもチャンネルがまわってくるという効果もあります。

増子 委員長

 雑誌の号数はひと月ずれていますが、全局が時間をずらすということはないですか。

河邊 業務局長

 その時はまた違う企画を立てなくてはいけないでしょうね。

蓮見 社長

 個々に(フライングタイムを)やっている局はありますね。テレビ朝日系列の事情をお話ししますと、NHKが4月から夜10時のニュースを始めますと、ニュースステーションと真っ向勝負しますので、多少なりとも早めにスタートして、出来るだけニュースステーションの視聴率を保ちたいという面もあります。先ほど申し上げましたように、ゴールデンの1時間番組は54分枠のものが多いので、ニュースステーションが21:54からスタートしますと、その前後の番組も当然54分にスタートしないと入らないという事情もあります。それと、先ほど業務局長がお話しした、視聴者を逃がさない、掴んでいこうという両方の面があると思います。結果がどうなるかはやってみないと解らないですが。本質的には、番組の質が高くなければ視聴率がとれないことは間違いありませんが、その手助けといいますか、補助的な手段として一度やってみるということです。

河邊 業務局長

 TBSさんでは、22:54から「筑紫哲也のニュース23」を編成していますが、以前は23:00からでした。やはりそれは(ニュース23の)前の番組とくっつけて視聴者を取り込みたいからでしょうね。

荻野 委員

 私は率直に言って非常に効果があると思います。私個人のライフスタイルから言うと早く始まったほうがいいと感じます。実験してその効果をみる、よく踏ん切られたなと感じました。

蓮見 社長

 系列全体では、こういう狙いは良いという意見が多数でした。

増子 委員長

 それから、「市長に学ぼう」はシリーズか何かでずっと続いているものですか。

桑折 専務

 これまでは対談形式でしたが、こういう形式では初めてです。この前、知事が県立大学で特別講義をしましたが、それに類似したものです。

佐々木営業局長

 これは、後藤晨水沢市長が今回選挙で選ばれまして、各局が市長特番を編成しておりますが他局と同じでは面白くないので、水沢市役所と相談しまして、では市長と子どもたちのふれあいの番組をやろうじゃないかということで、昨日、収録をしましたものを放送します。水沢市としても、初めての試みです。

増子 委員長

 他の市長もさせてくれと言って来るかも知れませんね。

 質問は以上でしょうか。では、番組合評「ターニングポイント」に入りたいと思います。

升谷 事務局長

 委員長、では松尾委員から合評を頂いておりますので、代読させて頂きたいと思います。

『ターニングポイントについて、感想を述べさせていただきます。月曜から金曜、夜9時台の朝日テレビの番組は、自分の周辺で話題にのぼることがよくある。注目されている時間帯だと思う。

 取り上げる題材にもよるが、ターニングポイントは興味深い番組。何よりも、見ることで元気が増すことが嬉しい。

 18日放送の「思い込み力」はまさにそうだった。演歌歌手、ガン患者、歴史上の人物など、実例を挙げながら映像、歌声、本人のコメント等で綴り、科学的な根拠も示す。少々カットの切り替わりが忙しいような気もするが、全体としてはよくまとめられていると思う。

 気になるのは、大竹まこと、加賀まり子両人が、その都度ちゃちゃを入れること。最初は、あれは単なるギャグで、番組が真面目すぎる印象を与えることを防ぐためにやっているのであろうと思っていた。また、そのつもりのキャスティングであろうと。実際、番組のテーマそのものは非常に真面目である。

 番組終了後、こんなことを考えた。この日採りあげたテーマは「普通はあり得ないことだが、精神作用によって、可能になる場合がある」ということである。これを推し進め過ぎると、宗教の世界になってしまうのではないか、という点。番組では「何としても娘の結婚式に出て謝辞を述べたい」と強く願った結果、ガンが治癒した例が報告されていた。これは誰にも普遍的に起こり得ることではない。示された科学的根拠も、「そういう可能性もないわけではない」というレベルであった。が、しかし、視聴者はそれを絶対的なことと思い込んでしまう危険性がある。そうなることを防ぐため、あえて大竹、加賀両人に面白おかしく反論めいたことを言わせているのではないか。100%信じ込みつつある視聴者の頭を冷ます役割を果たしているのではないか、と。

 もう一つ。山本寛斎氏は偉大な芸術家だと思うが、そのあたりが今ひとつ生かされていないように感じた。』というご意見です。

増子 委員長

 ありがとうございました。では皆さんのご意見を聞いていきたいと思います。

植本 委員

 2/4の放送では持田香織さん、ダライ・ラマ14世、木村大さんを採り上げていました。ちょうど、12/4にギタリストの木村大さんのリサイタルが盛岡市民文化ホールの小ホールで行われて聴いていたので、親近感を持ってこの回は見ました。

 ターニングポイントは以前から見ていますが、登場する人の真面目な部分を採り上げて、若い人にとっては勇気や夢を与える番組で、とてもいいなと思います。また、登場する人の転機を知るというのは、自分自身に置き換えて思い出すので、初心に帰る気持ちになって面白いというか、とてもいい番組だと思います。全体にとても早く進んで切り替わりも良くてテンポ良く見られるのですが、何か不完全燃焼的な印象が残りました。何故かなというのは解りませんが、そんな印象でした。また、取材も随分きちんと時間をかけてやっていると感心しました。例えば木村大さんの場面では、コンサートの本番のステージの絵や、舞台裏での緊張しているシーンもあったし、家庭での家族の様子や自宅でギターの練習をしているシーンですとか、クラシック業界に確実な一歩を踏み出した意味で、CD店でのイベントをやったり、曲を書いてくれたロサンゼルスの作曲家のところまで取材に行ったりとか、一人のドリーマーとして出ていたのですが、これほど沢山取材されているのを見て、凄いなと思いました。

 また、2/11の神田うのさん、渡辺貞夫さん、アームレスラーの近藤忠さんの回もそれぞれ面白くて、特に渡辺貞夫さんがアメリカで活動するきっかけなども興味深く見られました。ただ、アーティストの山本寛斎さんのコメントや立場が今ひとつ掴みきれずに、そういうことも不完全燃焼的な印象が残った一つの要因なのかなと思いました。全体的にはとても良い番組なので続いて欲しいなと思います。以上です。

荻野 委員

 残念ながら今回は都合がつかずに見ることが出来ませんでした。合評時期以前、2ヶ月程前に見たことがありますが、率直な意見としては、植本委員が言われたように、コメント自身にはっきりしないものがあるということです。以上です。

及川 委員

 毎回、ナビゲーター、ドリーマー、インスピレーターの3人のゲストが出るわけですが、前回は構成がちょっと変わったようでしたね。総体的には、司会のユースケ・サンタマリアが基本的に真面目な態度で好感を持っていますし、山本寛斎もある意味アクの強いタイプなのに喋り過ぎないで、短い言葉だけで済ませているのがかえって良いと思います。

 また、被写体となる3人は日本人好みのサクセスストーリーというか一定の成功を収めている人が多いわけですが、それぞれの起伏、波乱万丈の人生を通して、運命や決断のポイントを照らし出して、結局は『しっかりと生きて行け』という励ましが番組から伝わってくるという点で、非常に好感を持っているわけです。

 2/4の持田香織は『落ち込んだ時はとにかく食べて切り替える。…もういいと思っては駄目。もっともっとと思うことが大切だ。』と。2/11の神田うのは、篠山紀信の少女革命で人気がでたのに、テレビに出て喋りすぎてイメージが破壊されたということで非難されたのですが、『誤解を恐れないで我が道を行く。……甘やかされている今の状態から飛び出してもっと大きくはばたきたい。』という本音を言ってみたり、渡辺貞夫さんも『妻の励ましで決断した。思いっきりチャンスを生かすことが大切だ。自分のやりたいことを追求して行くと、様々な出会いつまりチャンスがある』ということを語るわけです。

 こういった言葉が視聴者、特に若者に届いているのではないかと思います。基本には夢を持って努力して生きていくという共通の姿勢があると思います。どんな時代でも行き悩み佇んでいるのが、その時代の青春であろうとは思いますが、その青春にむけて、しっかり生きて行けという励ましを与えている番組ではないかと思います。

 俗悪番組が多い中で光っているなと思います。松尾委員の意見で、2/18の大竹まこと、加賀まり子の件がありましたが、その意見とは逆に私は大竹まことが台無しにしていると思います。加賀まり子がプラシーボ効果について喋っているのに、彼がそれを拡散してしまう。また3人もコメンテーターを並べて、番組の意図もあるかと思いますが、もっと数も減らして、適切なコメンテーターやゲストを呼んで、もっと深めていくことが大切だと思います。

 或いは、最後に山本寛斎さんがもう少し喋ることによって深まると思います。いつも寛斎さんが最後に言うことは『しっかり生きて行く。ひたむきに生きる。』という当たり前の事ですが、今の時代には大事なメッセージだと思います。以上です。

照井 委員

 結論から申し上げますと、次は自ら進んで選局して見たいという番組ではありませんでした。どの年代をターゲットにした番組かということもありますが、取材自体はかなり真面目で感銘を受けましたが、それを台無しにしたのはゲストの発言ではないかと感じました。その辺りを変えるようであれば、また番組の良さもでるのではと思います。以上です。

斉藤 委員

 ターニングポイントのキャリアはどれくらいですか。

桑折 専務

 去年の10月からですから、4ヶ月目ですね。

斉藤 委員

 結論から言うと、可もなく不可もなくずば抜けて良い時もあったのかも知れないが、今は水準のプログラムだなという事です。山本寛斎さんがこんな番組に出るとは驚きましたが、彼は冠で出ていると思って見ました。また、加賀まり子と大竹まことが災いしているという意見もありましたが、私は逆につっこみとボケがないと教養番組になってしまうと思います。同一方向に統一しないで散漫なところに面白さがあると思います。

 神田うのが、この番組はインタビューの番組なのかというような事を言ってましたが、私も彼女が言ったこと確かだと思います。インタビューや写真ばかりでなく、もっとVTR等を活用したほうが良いと思います。

 またこの番組を見て、人に歴史ありと思いました。歴史の背景、意外性、知らないことを知らしめてくれた点では良い番組だと思いました。予備知識がないと、アームレスリングなどは知りませんし、もちろんダライ・ラマさんが時計修理をするなんて思いませんし。ですから番組の狙いは達成していると思います。硬い番組にならずに、面白くやったほうがいいと思います。

 それから2/18では「思い込み力」というテーマを設けていましたが、そのせいで、逆に転機というメッセージ性が弱くなったのではと思います。でも、楽しみな番組ではあります。以上です。

宮野 委員

 1時間に3人登場しますが、どの人物に興味を持って見るかは年代によっても違いますが、どんな人物かをさらっと知ることが出来ていいと思いました。

 ユースケ・サンタマリアもいい俳優ですし、軽いタッチで番組を進めていくのですが、その中にダライ・ラマさんや渡辺貞夫さんが出てきて引き締まったり、さらっと流す場面もあったりでいいと思います。

 山本寛斎さんに関しては、この番組においては締め役、存在感を特に強調しているのかと思います。亡くなった人物を紹介する番組は他局にありますが、これは生きている人物に的を絞っていて、そんな切り口もいいと思います。以上です。

松本 委員

 面白いと思ったのは、有名な人と無名な人を一つの番組で取り上げますが、必ずしも有名な人の生き様が必ずしも魅力的には映らずに、むしろ無名な人のほうがとても輝いて見えたり魅力的に見えることです。

 ですから、いかに魅力的な人間を採り上げることが出来るかに懸かっていると思います。せっかくターニングポイントという題名がついているのですから、転機にもっと的が絞って番組を構成すれば、視聴者にもっと届くものがあると思います。切り替わりが早すぎて物足りないという意見にも賛成でして、一人だけを採り上げてじっくりと見せて欲しいです。そうすると、一所懸命取材したものも生きてくるのではと思います。せっかく良い人物を採り上げているのだからもう少し突っ込んで欲しい、物足りなく見終わることが多いです。以上です。

増子 委員長

 ありがとうございました。私からも一言。若い人のターニングポイントなんて……と思って見始めたのですが、これが非常に面白かった。委員の皆さんから『若い人に勇気を与える。届いている。』という意見がありましたが、私も大学で学生達にどうしたらメッセージを届かせることが出来るかと悩むのですが、この番組で発せられるメッセージは確実に若者達に届いている感じを受けました。神田うのを含め、それぞれが面白い。なのに、何故カタログ雑誌のように画面が切り替わってしまうのか。私は天童よしみさんのを見て、さあこれから面白くなると思ったのに、次の話題に行ってしまう。つまり、採り上げているのは非常に個性の強い人たちなので、一人でも番組が作れるだろうと思います。

 若い人達は飽きっぽいからというのもあると思いますが、一人でも充分メッセージは伝わると思います。それから、大竹まことさんが天童よしみさんの「思い込み力」のところで『黙っていて上手くなる訳じゃない。その間に努力するって事がスポッと抜けている。』と全く画面を否定することを言っている。冷めているわけです。若い人にうけるかも知れませんが、天童よしみさんのように素材が良くて、新聞風に言うとニュースがある人、せっかくのものを彼が駄目にしてしまっているという印象を受けました。

他にもどんどんご意見をどうぞ。

宮野 委員

 1時間一人で引っ張る方法もありますし、3人で1時間でちょうどいい場合もありますね。どこにターゲットを絞るかにもよると思います。

斉藤 委員

 この時間帯はNHK以外は全てバラエティですから、やはり面白くなければというのが基本にあると思います。ここで教養番組、人生訓をやっては視聴率は落ちるということです。ですから、面白くやって見た後に『ああそうか。』と思わせる狙いはいいと思います。ただ、朝日テレビさんのタイトルの付け方は決して上手ではないと思います。『ターニングポイント』よりももっといいタイトルがあるのではないでしょうか。『はぐれ刑事純情派』と『はみだし刑事情熱系』にしても全く似た題名ですし。

桑折 専務

 制作の狙いはとても真面目なんですよ。その人の転機を探るという。

斉藤 委員

 ですから、真面目なものをふざけて見せているその裏には、非常に硬い番組であるというのが分かるようなタイトルですとか。

桑折 専務

 照井委員はふざけすぎているという印象を受けたわけですよね。

照井 委員

 ふざけすぎというよりも、取材なり素材なり前段の良さが、後からのコメントなりで消されてしまっていると感じたので。ターゲットとしている年代はどこですか。

河邊 業務局長

 夜9時台ですから、ファミリー全体ですが、その中でも若い人を若干意識しています。「知ってるつもり?」とか同じ類の番組はありますが、現在活躍しているタレントだとか、スポーツ選手だとかをゲストとして呼んでおりますので。

及川 委員

 講演で、中学生や高校生にお話しをすることがありますが、ノンフィクションの具体的な事実には食いつきますが、そこから何が学べるかという教訓を引き出すと、もう届かなくなる。『ターニングポイント』では、登場するタレントや有名人が自分の事を自分の言葉で言うからメッセージが届きやすいんだと思います。インタビューや取材の中で本人の言葉で届くようなメッセージを引き出すことが難しいと思います。それさえ出来ていれば、脇からそれに対してのコメントをあまりつける必要もないと思います。

 2/18の回では「思い込み力」というキーワードを設けて番組が進んで、転機はどうなったのかと思いました。かえってそれ以前のやり方、インタビューなどを通じで本人の言葉から、あの時のあの決断、という転機が鮮明になるように番組を作ったほうがいいと思います。

村上 常務

 ゴールデン枠は視聴率が2桁を超えますと成功とされますが、お陰様で2/18は11%を超えました。皆さんのお話しのように、だんだんメッセージが届き始めたのだと思います。及川委員がおっしゃったように、2/18からは「思い込み力」というキーワードで突っ込んでいました。次回からもキーワードを設けた番組になるようです。

増子 委員長

 そういったキーワードを設けると、安手な作りになってしまいますね。やはり本人が凄いのだから、あまり妙な作為をしないほうがずっと迫力がある気がします。ほかにご意見はありますか。

松本 委員

 この時間帯、他局は娯楽番組ばかりですから、逆に同じような番組ばかりだからこそ、この番組にチャンネルを合わせるという層もいると思います。むしろ、そういった面では、選択の余地の中にこの番組があってもいいなと思います。

斉藤 委員

 出演者によっても視聴率は違うものですか。

村上 常務

 先ほど申し上げた天童よしみさんの回は、ファミリーに人気の天童さんということで11%の視聴率だったかも知れませんが、今後の推移を見ないと分かりません。

河邊 業務局長

 天童よしみさんは下積み生活が長く、一躍有名になったというイメージが視聴者にあると思いますし、「ターニングポイント」という番組に非常に合ったゲストだと思います。

村上 常務

 天童よしみさんは若い人にも支持されていますし。やはり、若者に夢を与える“ドリーマー”を色々な形で採り上げるというのが、視聴者にも感銘を与えていると思います。最近は1時間番組を1社提供して頂けるのは珍しいのですが、ホンダさんが番組内容にも共鳴して提供して下さっています。

斉藤 委員

 司会の優香さん、彼女についてはジャーナリズムも絶賛していますね。文春や新潮も採り上げてましたね。出来るだけ若者のチャンピオンを登場させて、若者に夢を与えるものを作って欲しいですね。

増子 委員長

 番組を見ていますと、やはり現代のサクセスストーリーですよね。普通の子が波乱万丈の人生を送って成功をする。若い人達に勇気を与えると思います。昔の偉人の話しではなくて、今いる人の話しですから。他にご意見はありませんか。無いようですので合評を終わります。では、次回の開催についてお願いします。

升谷 事務局長

 次回の審議会は3/23(木)11時からです。合評番組は、毎週日曜9:00~9:30『新・題名のない音楽会』、同じく毎週日曜23:00~23:30『素敵な宇宙船地球号』、毎週金曜16:00~16:15『うじきつよしのワンダーポケット』の3本です。

河邊 業務局長

 2月の視聴者対応につきましては、応答は総件数95件で、応答数のうち85件は質問でした。

 今回、質問の大部分を占めていたのは我が社の事業に関するもので、「ドラえもん試写会」「IAT海外探検隊」についてでした。

 次に多かったのは5日(土)に放送された「朝だ!生です旅サラダ」についての質問でした。この回は、三陸の旅と題して花巻の温泉等を旅する特集が放送され、ここで紹介された花巻の温泉についての問合せが寄せられました。

 また、今月の苦情は8件、意見は2件ありましたが、14日(月)の「ニュースステーション」内で、岩手県知事が、外形標準課税に賛成だと意見を述べたことに対する反対意見が寄せられました。以上です。

蓮見 社長

 3/4(土)の21:00~22:51土曜ワイド劇場特別企画『橋田壽賀子2000年ドラマスペシャル 想いでかくれんぼ』が放送されますが、この作品は、橋田壽賀子さんが石井ふく子さんとのコンビでテレビ朝日で初めて制作します。ご承知のようにこのコンビは、TBSで長年ドラマを制作してきました。この作品は渡哲也さんが主演でテレビ朝日としては初めて制作しますので、是非この番組は見て頂きたいと思います。出来ましたら、TBS系で作っていたドラマとどのように違うかという感想を聞かせて頂けたらと思います。私も非常に関心を持っていますので、皆さんにもぜひ見て頂きたいと思います。

升谷 事務局長

 では、よろしくお願いします。今日は貴重なご意見をありがとうございました。それではこれで締めさせて頂きます。

7.審議機関の答申または改善意見に対してとった措置

    特になし

8.審議機関の答申または意見の概要の公表

3/1 付 朝日新聞岩手県版に審議概要を掲載。

系列各局に議事録を送付。

本社受付に議事録を常備、閲覧に供す。

インターネットホームページに掲載。

9.その他の参考事項

特になし

10.配布資料

◎3月度単発番組編成予定表

速報

岩手朝日テレビの放送番組審議会(委員長増子義孝県立大学教授)は、2月25日(金)、第35回定例審議会を盛岡市盛岡駅西通の同本社で開き、3月の番組編成について説明を受けた。

 この日は毎週金曜日夜九時から放送の番組「ターニングポイント」について、審議があり、「勇気を与えてくれる内容」「“転機”の時を自分自身に置き換えて考えることが出来る」「取材力のすごさを感じる」「進行役 ユースケ・サンタマリアはまじめだし、優香の評価も良くて好感が持てる。」「被写体になっている人の起伏、波乱万丈ぶりを描いて、視聴者に“しっかり生きていけ!”との激励の意図が伺え、好感を抱ける」などの意見が出された。