放送番組審議会

3月(第26回)

概要

 冒頭、蓮見専務から、ダイオキシン報道、放送と人権等権利に関する委員会決定、静岡第一テレビのCM間引き問題について説明があった。

 4月の新番組、単発番組について局側から説明した。今回は特定の番組についての講評はしないで、「最近の放送番組全般」について意見を述べあった。

 報道番組に対する意見が多かったが、データの多い込み入った問題についてテレビでは説明しきれない場合があるとの指摘があった。活字メディアと協力しあい、翌日に詳しいデータを新聞に掲載することを考えるべき。またテレビ界はタレントに頼りすぎであり、専門分野でないことも何でもやらせるため、深みが無くなっている。タレントにもアナウンサーにも勉強の機会を与えるべきだ。

 ダイオキシン報道に関しては、キャスターが後に謝罪していたが、誠意は感じられなかった。ダイオキシン汚染を指摘したこととその後の行政の対策が動きだしたことで功罪を相殺する説明は止めるべきなどの意見が出た。

議事録

1.開催年月日    平成11年3月25日(木)

2.開催場所     株式会社岩手朝日テレビ本社演奏所会議室

3.委員の出席

          委員総数     12名

          出席委員数    7名

  出席委員の氏名

    奥寺一雄委員長、大橋瑠璃子副委員長、大島正蔵委員、

    佐々木明子委員、箱崎敬吉委員、箱崎安弘委員、三好京三委員

  欠席委員の氏名

    大堀勉委員、佐々木友江委員、照井章夫委員、盛内政志委員、

    山川清委員

  放送事業者側出席者名

    蓮見博民代表取締役専務、桑折常務取締役、横舘報道制作局長、

    菊地技術局長、佐々木営業局長、河邊営業局次長

4.議 題

  (1)4月の番組編成について

  (2)「最近の放送番組全般」について

  (3)次回の開催日および課題について

  (4)その他

5.議事の概要

 冒頭、蓮見専務から、ダイオキシン報道、放送と人権等権利に関する委員会決定、静岡第一テレビのCM間引き問題について説明があった。

 4月の新番組、単発番組について局側から説明した。今回は特定の番組についての講評はしないで、「最近の放送番組全般」について意見を述べあった。

 報道番組に対する意見が多かったが、データの多い込み入った問題についてテレビでは説明しきれない場合があるとの指摘があった。活字メディアと協力しあい、翌日に詳しいデータを新聞に掲載することを考えるべき。またテレビ界はタレントに頼りすぎであり、専門分野でないことも何でもやらせるため、深みが無くなっている。タレントにもアナウンサーにも勉強の機会を与えるべきだ。

 ダイオキシン報道に関しては、キャスターが後に謝罪していたが、誠意は感じられなかった。ダイオキシン汚染を指摘したこととその後の行政の対策が動きだしたことで功罪を相殺する説明は止めるべきなどの意見が出た。

6.議事の内容

◎桑折事務局長                        

 それでは第26回番組審議会を始めます。本日は年度末ということでお忙しい方が多く、5人の委員が欠席です。それから本日は郵政省の方から、番組審議会の模様を放送しなさいという指導がありますので、取材が入っております。よろしくお願いします。それでは蓮見専務から一言ご挨拶申し上げます。

◎蓮見専務

 おはようございます。本日は年末のお忙しいところをお集まりいただいて有難うございます。今日は「最近の放送番組全般について」ということでお話をいただくことになっていますのでよろしくお願いします。テレビ朝日系列の最近の番組で新聞やテレビの報道でちょっと話題になったものに触れてみたいと思います。まず所沢のダイオキシン問題のその後について、3月11日にテレビ朝日の伊藤社長が衆議院の逓信委員会に出席しました。テレビ朝日としては誤認報道ではないということで基本的には訂正放送をするつもりはないということですが、目下慎重に検討していくといことで推移している次第です。

 それから放送番組全体では、放送と人権に関する問題がありました。民放連の中にBRCという委員会がありまして、その中で色々と苦情処理をします。放送によって人権が傷つけられるたとき苦情がそこに来ます。かなり前に「帝京大学ラグビー部の暴行事件」というのがありまして、テレビ朝日と日本テレビが、暴行した学生以外の学生まで犯人と思われても仕方がないというような放送をワイドショーの中でやったといようなことを指摘されました。テレビ朝日としてはこういう指摘について慎重に検討しまして、今後の放送に十分配慮するということで答えを返したというような問題がありました。

 それから先週の土曜日、テレビ朝日系列で放送しました、ビートたけし主演の「兄弟」というドラマがありました。これがテレビ朝日としましては近来にない非常に良い成績を収めまして、視聴率は25、5%という高視聴率でした。非常に評判を呼びまして、テレビ朝日には再放送を求める声がかなり来ています。このドラマの内容を見ますと、F1層はあまり見ないのではないかと思いましたが、かなり見てらっしゃったという思いがけない結果がでているという報告をうけております。テレビ朝日は意外とドラマは苦手な方でして、あまり高視聴率を取るようなものはなかったんですが、やはりいいものを放送すればそれなりの結果が出るということです。

 それから我々の系列ではないんですが、民放局としては非常に残念なことが最近また起こりました。静岡第一テレビがCMの間引き事件を起こしました。この問題は我々民放に対する世の中の人たちの信用を傷つけたということで、3月18日行なわれた民放連の会議で、最終的に静岡第一テレビは民放連から除名という、民放連始まって以来の大変な処分を受けました。このような非常に残念な問題も起きています。

 その他、青少年に対する番組の配慮、内容及び放送時間についての問題、これらについても放送局としては重要な問題ですので、検討していかなければならないと思います。

 本日は先生方からも色々な角度から貴重なご意見をいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 それからちょっと付け加えさせていただきます。お手元に「日中友好の翼」というパンフレットがあります。番組とは直接関係はないのですが、これは奥寺委員長の盛岡タイムスさんから今回岩手朝日テレビが企画等を引き受けさせていただきましてた。今回は東北銀行の加藤頭取に団長をお願いしまして、6月3日から6月10日に実施することになりましたので先生方にもぜひご参加いただきたいですし、また知人の方などにもご案内していただければ有り難いと思います。よろしくお願いします。

◎桑折事務局長

 それでは奥寺委員長、議事をお願いします。

◎奥寺委員長

 では最初に4月の番組編成を佐々木局長から説明をお願いします。

◎佐々木営業局長

 それでは4月の番組編成について説明します。皆様のお手元に岩手朝日テレビ新番組一覧表と、単発一覧のプリントがございますが、それに基づいて説明させていただきます。

 4月から多くの番組が変わります。特に今年の4月の番組編成では、ゴールデンタイムでキー局のテレビ朝日がかなり大がかりな改編を行ないました。エンターテイメントレボリューション・娯楽革命と名しまして、ゴールデンタイムの約半分の番組が新番組に変わります。かなり力が入っています。

 12日(月)スタート 19時から20時「熱血!島田塾~おれたちホンキ宣言~」。島田伸助が司会をする番組ですが、中・高校生の悩みとか問題を聞きながらいっしょに解決するというユニークな番組です。 同じく12日(月)スタート 20時から20時54分「月曜ドラマ・イン あぶない放課後」。今までになかったティーンズを対象にした番組です。人気絶頂のジャニーズJrを主役にした番組です。

 水曜日21時から21時54分「はぐれ刑事 純情派」が復活します。シリーズ12作目で、30才以上の女性に非常に人気があります。出演は藤田まこと、梅宮辰夫、真野あずさ他です。今回の話題はハリウッドスターのショー・コスギの息子のケイン・コスギが新刑事役で登場するということです。これも期待できます。

 15日(木)スタート 20時から20時54分「木曜ミステリー 舞妓さんは名探偵!」。舞台が京都のミステリードラマです。酒井美紀扮する舞妓と原田龍二扮する新進日本画家の2人が京都の町で事件を解決していくというものです。普段馴染みのない祇園の花街の生活や習慣なども数多く取り入れるのも話題の一つです。

 同じ15日(木)スタート 21時から21時54分「木曜ドラマ 恋の奇跡」。この時間帯にはTBSの「渡る世間は鬼ばかり」という看板番組がありまして、それに挑戦するということになります。20代の女性をターゲットにしたドラマというのはこの時間帯に編成されていませんので、そこを狙ったドラマです。これは講談社の人気コミックのドラマ化です。葉月里緒菜の特殊メイクが話題です。

 2日(金)スタート 23時25分から23時55分「あ、た、り」。司会は研ナオコ。

 10日(土)スタート 18時から18時30分「長島三奈の熱闘!スポーツM18」。

 17日(土)スタート 19時から20時「ドキドキ世界大冒険」。家族皆で楽しめる大自然アドベンチャーものです。出演は高嶋政伸、久本雅美。

 17日(土)スタート 20時から20時54分、この枠は今まで時代劇を編成していましたが、それをがらりと変えまして浅田次郎原作の「サタデードラマ プリズンホテル」を編成します。ターゲットは20台後半から30台の女性が中心です。出演は武田鉄矢、松本明子他です それから3日(土)スタート 23時から23時27分「今週の所さん」。所ジョージの感性を生かした番組です。

 4日(日)スタート 9時30分から10時「チャレンジ夢・スポーツ~21世紀への挑戦者たち~」。これはスポーツ界の明日のスーパースターなどを取り上げた、スポーツドキュメントです。

 4日(日)スタート 18時30分から18時56分「100人の20世紀」。これは朝日新聞の日曜版に連載されている、「100人の20世紀」を映像化したものです。

 18日(日)スタート 18時56分から19時56分「神出鬼没タケシムケン」。ビートたけしとと志村けんの二人が組んだ番組。近ごろあまり元気のないおじさん達にエールを送る番組ということで大変ユニークなイタズラ感覚のバラエティー番組です。

 18日(日)スタート 19時56分から20時54分「稲妻!ロンドンハーツ」。これは今木曜の深夜にやっています、「ぷらちなロンドンブーツ」という番組があるんですが、その進行役のロンドンブーツ1号2号の二人を主役にした番組です。

 それから「IATスーパーJチャンネル」が大きく変わります。5日(月)から17時から19時で編成されます。ローカルは17時40分から編成されます。以上が4月から始まる新番組の説明でした。

 次に4月の単発番組についてご説明します。2日(金)10時30分から11時25分「今甦る!海に沈んだ文明~沖縄海底遺跡の謎2~」。これは琉球朝日が制作した番組で、グラハム・ハンコックの与那国島調査に密着します。

 同じく2日(金)16時15分から16時30分県知事候補者、増田寛也さんと菅原則勝さんの政見放送を放送します。

 4日(日)21時02分から23時22分「日曜洋画劇場 ダイハード3」。

 5日(月)19時から20時「新学期だよ!!ドラえもんスペシャル」。

 それからいよいよプロ野球公式戦がスタートしますが、7日(水)19時から20時54分「ゴールデンナイター ヤクルト対巨人」の模様を神宮球場から生中継します。解説には今回から落合博満が加わります 9日(金)20時から21時54分、先程も話が出てきましたが、スペシャルドラマ「兄弟」のなかにし礼さんを「驚き・ももの木・20世紀スペシャル」で取り上げます。ドラマとの関連から視聴率が期待されます。

 11日(日)14時から15時25分「サンデープレゼント 青木功と地井武男 遊びも達人 アラスカ厳冬編」。青木功と地井武男の2人がアラスカの旅を満喫します。

 同じく11日(日)21時02分から23時09分「日曜劇場 007/ゴールデンアイ」。15分拡大です。

 17日(土)14時から15時55分、Jリーグ中継「ジュビロ磐田対横浜Fマリノス」。

 20日(火)「ゴールデンナイター 広島対巨人」を広島球場から中継します。

 24日(土)、25日(日)の2日間に渡りまして「キリンオープンゴルフ」の第3日目、最終日の模様を、茨城ゴルフクラブからお送りします。

 25日(日)16時30分から17時25分「日曜ワイド 新ニューヨーク物語~幻のジュエリーに魅せられて」。女優の麻生祐美がニューヨークのジュエリー工房に行ってニューヨークのジュエリーやファッションを紹介します。以上かい摘んで4月の編成についてご説明しました。

◎奥寺委員長

 ありがとうございました。季節のせいかスポーツものも多いように感じました。次の議題に進んでもいいでしょうか。では本日は「最近の放送番組全般について」、闊達なご意見をうかがいたいと思います。では大島さんからお願いします。

◎大島委員

 まず3月7日、一日中テレビを見ていたんですが、9時30分からの「キラリ」、コクドの女子アイスホッケー部の優勝にむけてのドキュメンタリーでした。非常に頑張っている感じが出てよかったです。

 19時からは「サンデーパワーテレビ カメラは見た 壮絶夫婦げんか ダメ夫に妻ブチ切れ」を見ました。見た後で気持ち良かったと思う番組と、面白いんだけれど見た後で馬鹿馬鹿しい、虚しいと感じる番組がはっきりしていると思います。私が比較的いいなと感じる番組が見ることのできない時間帯で、ゴールデンなどの時間帯にはやっぱり視聴率を意識した番組であるなとと思いました。番組は視聴者が選ぶのではあるのですが。

 それから3月24日に朝日新聞に「筑紫哲也さんに聞く新聞づくり」というのが載っていました。その中で「多事争論というのをやっている。でも自分がかなり面倒臭い話をやろうとしているときに、テレビでは印象付けることはできるけれど、とても説明しきれるものではないという思いがあります。」と言っていました。それが「ニュースステーション」にも言えると思います。「ニュースステーション」は意識して難しい問題を取り上げます。もちろん色々パネルなどを作って説明するんですが、難しい問題を取り上げれば取り上げるほど、印象としては残るけれど視聴者にきちっとしたことを伝えられるのかという疑問もあります。そういった問題は我々がビデオでも取ったらいいんですが、そんなことはしませんよね。「ニュースステーション」などで取り上げたことを翌日の朝日新聞と提携した形で、データなど頭には残らなようなものを取り上げるというようなことも考えたらいいのではないかと思います。

◎佐々木(明)委員

 最初にお尋ねしたいことがあるんですが、今県内で放送されている民放4局のキー局によって特徴をそれぞれ打ち出そうとしていると思うんですね。例えば、この局は報道、この局はドラマといったような。それを教えていただきたいんですが。

◎河邊営業局次長

 日本テレビはスポーツとバラエティー、巨人戦を持っていますので。TBSはドラマと報道と昔から言われています。フジはバラエティーですね。「面白くなければテレビじゃない」というキャッチフレーズもありまして、若い層をターゲットにしています。それからテレビ朝日は「ニュースステーション」に代表されるように、報道のテレビ朝日と呼ばれています。逆にドラマなどが育たなかったので弱い。昔は時代劇とアニメというイメージがテレビ朝日は強かったんですが、今はだんだんそういうイメージがなくなってきました。こういったところです。

◎佐々木(明)委員

 ありがとうございます。なるほどというところもありますし、そうなのかというところもあります。といいますのは、番組審議委員をやらせていただくようになりまして、お陰さまでずいぶんテレビを見るようになったんですが、どのチャンネルをまわしても似たりよったりで、ある局でひとつドラマが流行ると時をおかずして似たようなドラマが始まる。ニュースにしてもバラエティーにしても日本中傾向が似てきたのかなとと最近思っていまして、それが悪いというのではないんですが、逆に各テレビ局にとってそれがプラスになっているかマイナスになっているかという点ではやはり考え直さなければならないと思います。

 何故そんなにも似たような傾向に私の目に映ってしまうのかなと考えたときに、タレントであれ歌手であれアナウンサーであれ、出演者に色々なことをさせすぎているのではないかと思います。マルチタレントということを売り物にしているタレントさんもいるんですが、ひとりの人がある時はグルメ番組で食べていて、ある時はトークショーに出ていて、ある時は歌を歌っている。色々なことをやるのはいいことで、また使い回しもきいて、番組からすればとても楽なんでしょうけれども、何でもできるだけに芸が浅いというか、薄っぺらい。この人はこれをやらせればすごいというのがあまりないですね。何をやってもすごい人はいますけれど。タレントさんにしろアナウンサーにしろ、もうちょっと勉強させたらいいのではないかと思います。

 今のご説明ですと、テレビ朝日は報道に力を入れていて、ドラマとかは得意ではないということでしたが、先程蓮見専務のお話にもあったように、「兄弟」というドラマは高視聴率だったと言うことでしたが、いいものを放送すれば必ずいい結果がでるということですよね。苦手意識とかではなく信念を持って作っていただきたいです。

 それからもう一つお願いしたいことがあります。個人的なことなんですが、落語の番組をぜひとも復活させていただきたいんです。昔よく30分ぐらいの寄席中継とかがあって楽しみに見ていたんですが、このごろテレビで落語を全然見ていないんですね。ぜひ笑いの少ない時代ですので質のいい笑いというということで、落語なども時々見せてもらいたいです。

◎大橋副委員長

 色々見ました。ダイオキシン問題、臓器移植、都知事選前哨戦、医療ミス、だんご三兄弟、海上警備の問題などをどこの局でも扱っていまして、その中で一番私が関心を持ったのは、臓器移植に関しての報道でした。3月の某日、大阪大が移植の経緯について公表したんですが、それを見ました。NHKだったでしょうか、「自分たちの手順ミス」だとか「家族はもう止めましょう」と言ったとか詳細に報告していました。感心したというか、隠すところなく情報を伝えていただいたということで、初めての試みということで色々あったとは思うんですが、あのような報道、発表の仕方というのは今後、臓器移植だけではなくて各分野における情報公開ということで、正直に国民に知らせてくれるという方向に進んでいくのではないかと思って、大変良かったと思いました。

 でも見ていまして、脳死についてはなかなか分かりづらいですね。今後脳死移植が実際に行なわれていなくても、続けて移植に関する番組を時々やっていただいて、私どもがこの脳死移植についてよく分かるようにしていただきたいものだなと思います。

 その他3月2日の「ニュースステーション」で臓器移植についての報道をしたんですが、その時「岩手県庁のホームページにドナーカードについて出ています」というのが全国に放送されました。これからも県内だけで取り上げるのではなく、岩手県から全国に発信できるものがどんどん出ればいいと思います。

 それから3月21日に「サンデープロジェクト」で「都知事候補に聞く」という企画をやっていました。これも非常によくわかって良かったのですが、都知事だけではなくて県会議員などにも一つの議題にたいするああいう討論の場を作れば、県民が色々と評価を付けられていいんじゃないかと思います。大変面白いし、また良くわかって取り上げ方がとてもよかったです。

 それから注意がいるなと思う点がありました、3月5日の「スーパーJチャンネル」の中だと思いましたが、岩手県知事候補の紹介がありました。その時菅原候補の写真がでたんですが、頭の部分が真っ白になっていました。あれは当人が了解した写真なのか非常に心配でした。気分が良くない写真でしたので気になりました。

 もう一つ、これはダイオキシン等の問題もありますが、数字の扱い方ですね。ジョー・デマジオの紹介で「37試合連続ヒットとお伝えしましたが、56試合の間違いでした」と訂正していました。数字というのはそのぐらいに考えて扱わなければいけないんだなと思いました。六本木の噴水もある局では40メートル、ある局では50メートル、また30分間水が出る、別なほうは1時間も水が出ると言っていました。これも10メートルぐらい違っても大したことではないんですが、どちらが正しいのかこだわる人もいると思いますので正しく放送してほしいと思います。正しく分からないときにはすぐに言わなくても次にのばしてもいいのではないかなと思いました。

◎箱崎(敬)

 最近の放送番組で反響の多かったのは、所沢のダイオキシン問題、それから各社とも同じですが、脳死判定、臓器移植の過熱的ともいえる報道ではなかったかと思います。その他に某テレビ局のCM間引き事件がありました。これらは放送界のみならず、視聴者の側にも報道の在り方を考えさせられる問題提起になりました。

 中でもダイオキシン問題は「ニュースステーション」という番組であったばかりに最もインパクトの強い社会問題に発展したと思います。この問題が発生して、「ニュースステーション」の場ではどのように対処するか注目をして見ていましたけれど。大分経ってから久米キャスターのお詫びがあったものの、誠意が感じられませんでした。一方で放送をきっかけに関心も高まって、行政の動きも出てきているような効用面も上げたりしていましたが、問題が問題だけにプラスとマイナス面を一緒に論じて功罪を相殺するような言動は取らないほうがいいと思いました。いずれにしてもテレビの影響の大きさと恐さというものを、改めて知らされたような出来事でしたけれども、大騒ぎしたわりにはなにか尻切れとんぼでうやむやに終わってしまうような、後味のあまり良くない印象を受けます。先程4月からの新番組の紹介がありましたけれど、番組は生活、教養、娯楽といったような色々な分野にわたりますけれど、やはりニュースを始めとする報道番組は、筋の通った、しっかりした信頼性がないと他の番組にも影響するのではないかと思います。そういう点で「ニュースステーション」は報道番組を代表するような存在だと思います。けれど、ややマンネリ化の感もしますので、少し目先を変えて新鮮味を入れたほうがいいのではないかと思います。ダイオキシン問題について、「ニュースステーション」の今後に期待しての少し辛口の感想でした。

◎箱崎(安)委員

 私は臓器移植関連と都知事選の報道に興味を引かれました。臓器移植について私は前半の部分のところしかよく見ていなかったんですが、報道の使命とプライバシーの問題の難しさを感じました。最初テレビを見ている時に高知の病院の前に報道関係者が集まっているんですね。もうすでに人が死んだという前提で取材をしているのではないかとある人は言っていました。そういう言葉はすこしどギツイでしょうが、担ぎ込まれた家族にすれば急にそういう病状になったんでしょうから、非常に精神的ショックがあるわけですよね。そういう配慮と報道しなければならないということの配慮が非常に難しいという感じを持ちました。特にあれは法律が制定されての第1号だったというニュースバリューがあったんでしょうが、第1号であるからこそ厚生省などが報道、公表してほしかったと思いました。そこに患者やその家族があるわけですから、そういう面でもうちょっと工夫あるべきではなかったかと思います。どちらがどうというわけではなく、大変難しい問題だということを教えられたという感想です。

 それから都知事選ですが、これは最初から見ました。この間色々ありましたが、それぞれの人がビジョンというものを出しまして、それに対する質問や反論が出たりと都民にとっては大変理解が深まって良かったと思いました。ただ、回が重なるにしたがって、相手を卑下するような言葉もありまして、もうちょっと冷静にやっても良かったと思います。都知事選は我々は有権者ではないのですが、非常に興味のあることは事実です。しいて希望を言えば、コメンテーターがいつも同じような人なんですね。やっぱりああいうときは色々入れ替えをしながら、出してもらえれば面白いのではないかと思います。

 それから私はドラマとかはあまり見ない方なんですが、先程も4月の番組紹介で、琉球朝日からのものがありましたが、地方局、ローカル局が作った番組というのは真面目さがあって非常に好きなんです。地方局の作った番組というのをこれから多いに増やしていただければ、有り難いです。以上です。

◎三好委員

 私は料理番組とスポーツ番組が好きなものですからなんとなくそういうものを見てしまいます。3月11日の「PAKU PAKU グルメんぼ」の最終回を見ました。「知られざる京都の旅と美食」という題でした。京都は私の憧れの街ですから、とても懐かしいような感じで、ちょっと付き合いのあるお店も出てきたりしてとても楽しかったです。

 それから3月20日には「全国高校柔道選手権」を見ました。私たちの時代は剣道か柔道かどちらかをやらなければならないという時代でしたので、やはり柔道を見るとときめきました。アングルとか場面の切り替えとかが非常に見応えがあったと思います。スポーツファンとしてはとてもいい番組だったと思います。

 それから3月24日の「目撃ドキュン!」を見ました。「春だ 桜吹雪と女の涙スペシャル」。……小説のタイトルにはとても恥ずかしくて付けられないような題名でした。助言者というかゲストの皆さんが本気になって怒っているんですね。迫力がありました。

 それから天気予報の花粉情報、あれなどはさり気ない善意ですね。ああいうのもテレビのいいところですね。

 それから先程蓮見専務が「青少年に対する番組内容について」ということでお話されましたが、これは悩みます。私の尊敬するある作家は「性教育は家庭では何もやらない。エロ雑誌や週刊誌を見て、一人でわが子は性のことを覚えたようだ。」と言っていたのが印象にありますが、窮屈できちっとばかりやっていたら、テレビの生命はなくなりますね。ある作家は「小説には娯楽を提供する任務がある」と言っていましたが、それは大変貴重だと思うんですね。あまり固くならずに青少年も喜ぶロマンチックな番組もいいと思います。

◎奥寺委員長

 ありがとうございました。報道のテレビ朝日ですから、がんばっていただきたいと思います。

◎蓮見代表取締役専務

 先程の佐々木さんからの質問で、4局の特徴というのがありましたがこれは、確かに先程営業局次長が申しましたような時代はありましたが、ただ最近は佐々木さんが言われた通り、どの番組も似通ったものが多いです。作る人たちも、当たる番組というのがあるものですから、どうしても似通ってしまう。TBSはドラマと報道とずっと言われてきましたが、他局の方がむしろ色が強くなっていますし、バラエティーのフジは報道も強い。柔軟性のある局なので、特ダネ的なものが強いです。逆に言うと報道、情報のテレビ朝日といいますが、先程のダイオキシン問題など基本的な取材が欠けていることもある。そういうことがあるので必ずしも分類できません。スポーツは日本テレビとは言われましたが、スポーツは最高のエンターテイメントですので、各局競争して放送権を取りにいっています。ただその局の体質はありますよ。日本テレビはスポーツ好きが多いですし。でも局の特徴というのは無くなってきたというか、平均化されてきたと思います。

◎桑折事務局長

 それから箱崎先生がおっしゃていた「ニュースステーション」お詫びの仕方はけじめがついていないという印象ですか。

◎箱崎(敬)委員

 あれでけじめはつけたようなことですけれど、例えば社長のコメントでも「適切を欠く表現ではあった。それについてはお詫びをします。ただ誤報ではないので訂正放送はしません。」とありました。それに対して他のマスコミや政府の介入がでていますね。これから尾を引いていくでしょう。決着というのもたいへんでしょうが、当面、埼玉の当事者の方々はどのようになっているのか、抗議に対する答えはどのようになっているのか、そういった意味です。

◎蓮見代表取締役専務

 あれは終わりになったわけではないんです。実際、賠償金問題も出ています。この問題については慎重に取り扱っていきます。ただ、久米宏の態度があまりいい印象を持たれなかったんでしょう。テレビ朝日としてはこれで終わりというわけではありません。

◎横舘報道制作局長

 農林水産省関係の折衝がまだ残っていまして、まだ結論はでていません。

 それから先程大橋副委員長がおっしゃいました、菅原氏の写真の件ですが、当日スイッチのミスがありまして、普通写真はそのままテレビの画面に映せばいいのですが、スーパー処理というのをするときに、写真をそのスーパー処理というのにしてしまいまして、瞬間的に頭の部分が抜けてしまったということでした。誠に申し訳ございませんでした。今後気を付けたいと思います。

◎蓮見代表取締役専務

 それから先程箱崎さんがおっしゃった「報道とプライバシーの問題」は確かに難しいんですが、報道に一番問題のあるのがワイドショーなんですね。ショー的にものを見せたがりますから。

◎箱崎(安)委員

 一応はワイドショーも対象は、公人ではないのですか。芸能人を含めまして。

◎蓮見代表取締役専務

 今までワイドショーで一番問題になったのは飛行機事故なんです。これは遺族に対する取材の仕方があまりにもプライバシーを無視しているという大きな問題が出ました。ワイドショーはそういった意味で危険ですね。

◎奥寺委員長

 それでは次回の開催日等についてお願いします。

◎桑折事務局長

 次回の日時は4月22日(木)、講評番組は「IATスーパーJチャンネル」でお願いします。この番組は今度からキー局からのネットを含めまして、17時から19時になります。我々のローカルは17時40分からです。月曜日から金曜日ですのでぜひご覧いただいて、講評をお願いいたします。

 以上で本日の番組審議会を終わらせていただきます。ありがとうございました。

7.審議機関の答申又は改善意見に対して取った措置

  議事録をキー局と系列各局及び関係機関に送付した。

8.審議会の答申又は意見の概要を公表した場合におけるその公表の内容、方法

  この日の自社番組「IATスーパーJチャンネル」の中で審議内容を報道。

  インターネットホームページに審議の概要を掲載。

9.その他

  特記事項なし。