放送番組審議会

3月(第6回)

概要

 4月の番組編成について、業務局長から説明し、質疑があった。  今回は番組講評はやめ、番組審議会のあり方について話し合った。最初に局側から、今なぜ放送界で番組審議会が問題になっているのかについて経過の説明があり、続いて各委員が番審観を述べた。他局で長年番組審議委員をしてきた人は、番組審議会の活性化は古くて新しい問題、委員会の意見は言いっぱなし出ではなく文書で残すべき、との意見だった。また、女性委員は、局は番組審議会だけではなく、視聴者モニターからも意見を求めたほうが広がりが出る、と述べた。ローカル局の番組審議会の意見がキー局にも届く仕組みがほしい。放送された番組について意見をいうだけでなく、制作、編成する段階から委員に説明があるべき、との意見もあった。委員側からの反省としては、番審委員はモニターと違うので、意見のいいっぱなしは無責任、方向性を出せるような意見の集約をすべき、との意見もあった。

 次回開催は4月25日(金)。

議事録

1.開催年月日   平成9年3月27日(木)

2.開催場所    株式会社岩手朝日テレビ本社演奏所会議室

3.委員の出席
          委員総数   12名
          出席委員数  10名

  出席委員の氏名
    奥寺一雄委員長、大橋瑠璃子副委員長、大島正蔵委員、佐々木明子委員
    佐々木友江委員、箱崎敬吉委員、箱崎安弘委員、三好京三委員
    盛内政志委員、山口徳治郎委員

  欠席委員の氏名
    大堀勉委員、瀬戸内寂聴委員

  放送事業者側出席者名
    望月代表取締役社長、蓮見代表取締役専務、桑折常務取締役、升谷業務局長
    河邊業務局次長、山口技術部長

4.議 題
  (1)4月の番組編成について
  (2)番組審議会のあり方について 委員の意見
  (3)次回開催日および議題について
  (4)その他

5.議事の概要
 4月の番組編成について、業務局長から説明し、質疑があった。
 今回は番組講評はやめ、番組審議会のあり方について話し合った。最初に局側から、今なぜ放送界で番組審議会が問題になっているのかについて経過の説明があり、続いて各委員が番審観を述べた。他局で長年番組審議委員をしてきた人は、番組審議会の活性化は古くて新しい問題、委員会の意見は言いっぱなし出ではなく文書で残すべき、との意見だった。また、女性委員は、局は番組審議会だけではなく、視聴者モニタ-からも意見を求めたほうが広がりが出る、と述べた。ロ-カル局の番組審議会の意見がキ-局にも届く仕組みがほしい。放送された番組について意見をいうだけでなく、制作、編成する段階から委員に説明があるべき、との意見もあった。委員側からの反省としては、番審委員はモニタ-と違うので、意見のいいっぱなしは無責任、方向性を出せるような意見の集約をすべき、との意見もあった。
 次回開催は4月25日(金)。

6.議事の内容
◎桑折事務局長
 本日は瀬戸内委員と大堀委員がご欠席です。10人の委員の皆様にご出席いただいております。
それでは望月社長からご挨拶申し上げます。
◎望月社長
 年度末、諸先生方におかれましてはお忙しいところご出席いただきまして、誠にありがとうございます。今回は4月の番組編成と、番組審議会のあり方ということですが、どうぞよろしくご指導賜りたいと思います。31日にはテレビ朝日系列24局のネットワ-ク完成記念パ-ティがあります。当社の経営状態につきましては、現在のところ順調であることをご報告申し上げたいと思います。私は他の会合と重なりまして、途中で中座させていただきます。どうぞよろしくお願いたします。
◎奥寺委員長
 それでは第6回番組審議会の進行を進めさせていただきます。今日の次第は4月の番組編成を業務局長からご説明いただいて、次に番組審議会のあり方について各委員のご意見をいただきたいと思います。最後に次回の開催日、議題について局の方からお話いただきたいと思います。始めに升谷業務局長からお願いたします。
◎升谷業務局長
 それでは4月の番組編成についてご説明いたします。4月の改編で重点的に考えたことは、プライム枠、19時から23時のですが、そこの強化に努めました。ご覧いただいておわかりのように月曜から金曜まで、太枠で囲っているところがあります。月曜日のドラマイン「ふたり」、水曜日「XファイルIII」「はぐれ刑事 純情派」、木曜日司馬遼太郎の「功名が辻」、木曜ドラマ「最高の食卓」。以上の5番組がプライムタイムのものです。特に木曜日の20時台は従来の番組とは違いまして大作、名作といわれているもののドラマ化でその第一弾がこの「功名が辻」です。
  それから夕方18時からはネットのニュ-ス番組、「ス-パ-Jチャンネル」、18時30分からはロ-カルニュ-ス番組、「IATス-パ-Jチャンネル」を編成しています。従来は、17時30分からロ-カルニュ-スを編成しておりましたが、今回から18時30分から、単なるニュ-スということではなくて、身近なライフスタイルに合わせた色々な情報を折り込んだ内容にしました。IATの編成としては17時台、「はぐれ刑事純情派7」というシリ-ズを月曜から金曜で編成します。この時間帯は他局はロ-カルニュ
-ス等の編成になっていますが、私どもはドラマのリピ-トという形で対応することにしました。
 それから、土曜、日曜の編成ですが、若干の変更があります。主なものでは従来8時30分からやっています、「朝だ生です旅サラダ」を30分拡大しまして、8時からの編成とします。それに伴いまして若干の移動があります。以上4月の主な改編を申し上げました。
 次に単発編成について申し上げます。お手元に3ペ-ジほどの単発一覧(4月)があります。4月の期首編成について申し上げます。19時台、レギュラ-番組の中で拡大スペシャル番組が主なものです。レギュラ-番組で高視聴率を取っております「ミュ-ジックステ-ション」とか「日曜洋画劇場」、「土曜ワイド劇場」などもスペシャルな内容です。目新しいところでは「テレビ朝日番組祭り」というのを初めて企画いたします。私どもバラエティ-にかなり結果を出していますので、それに伴って、そういった番組の人気のゲ-ムやクイズ等を取り入れた3時間の編成です。1日の19時からです。それからシ-ズンですのでゴルフ番組や野球の中継などが組み込まれております。
◎奥寺委員長
 本日は課題番組はありませんので、次に、番組審議会のあり方についてお話をいただきます。その前に事務局の方からから、ねらいなどをご説明いただけますか。
◎桑折事務局長
 それでは番組審議会のあり方が、なぜ今問題になっているかという背景を説明させていただきます。IATの番組審議会はまだ6回目であり、いわばスタ-トしたばかりであります。また、委員の先生方もようやく番組審議会とはこんなものかとお分りになってきたところだと思います。こういう時期にいきなり番組審議会のあり方について取り上げるのは、なにか議論の為の議論をお願いしているようで心苦しい次第です。
 テレビ側の問題、具体的に申しますと、TBSのオウムビデオ事件とか、テレビ朝日の椿発言とかが背景にあって、テレビに対する周りの目が大変厳しくなっております。郵政省や自民党もこのままにしてはおけないということで、もと東大の学長だったと思うんですが、有馬先生という人が委員長になって「多チャンネル時代における視聴者と放送に関する懇談会」が生まれました。これは郵政相の私的な懇談会で、諮問機関ではないのですけれど、昨年暮れに意見書をまとめました。
 その中に、「放送事業者以外の表による評価」という項目があり、番組審議会を活性化しなさい、視聴者から意見や苦情があった場合、それを公開しなさい、放送に対する苦情の対応機関を作りなさい、と3つのことを提言しています。
 苦情対応機関というのは外部の機関ですから、それに縛られるのは放送局として非常に困るということで、民放連などが強く反発したため、これは消え去りそうになりました。が、自民党、郵政省、民放連、NHKがその後微妙に変化してきまして、この苦情機関については認めましょうというなり、民間放送連合会とNHKとの間で費用を分担しながら作るようになったようです。番組審議会の活性化は民放連は必要だと認めました。そこで3月に放送法の改正案が国会に提出されました。字幕放送や、解説番組を充実させる、放送番組審議機関の整備、有料放送の規制緩和の3点がうたわれています。番組審議会については答申意見を尊重して、放送事業者が講じた措置の内容を明らかにしなさいということ、2つ目は訂正放送制度を実施、まちがったときの訂正放送をもっとしっかりしなさいということ、3つ目は番組に対する苦情、その他意見の概要を番組審議会に報告しなさいということです。つまり以上の3点はいづれも番組審議会に局の側が、その都度報告しなさいというということです。従来、ここまで明確に放送法では言っていなかったようです。もう1つ大きな柱は、番組審議委員会に答申した内容それから意見は公開しなさい。そしてそれに対して取った措置も公開しなさいということです。従来より番組審議会の権限を強化するというのが今度の柱です。堅い説明で分かりにくいかと思いますが、どういうことでも結構です。盛内先生のように何年も前から番組審議委員をやっていらっしゃる方もあれば個々ばらばらです。それぞれの思っていることで結構です。ご意見をお願いたします。
◎奥寺委員長
 私は放送法など全然知らなくて、改めて六法を開いて読みました。率直な感じ、こういうふうに法で縛られているので、明治時代の新聞紙条令みたいでびっくりしました。やっぱりこれは免許のせいもあるのかなと思ったり、政治の入ってくる部分も多いと思います。
 先にしゃべらしていただいて恐縮ですけれど、今の朝日テレビに対する世評っていうんでしょうか、こういう意見を言われたよ、こういう意見はどうですかというようなことも委員さんから吸収するような審議会であってもいいような感じは持っています。もちろん色々な意見はそういうのをすべて集約なさっているとは思っているんですが、こういう苦情が委員さんの所にあったというのでもよろしいですから、そういう点を含んで、山口委員からお願します。
◎山口委員
 分からないことばかりなんですが、番組審議会とキ-局との位置づけというのはどうなんですか。
◎桑折事務局長
系列24局の番組審議会代表者会議というのが年に2回ぐらいあります。この間も長崎で開催されまして、奥寺委員長と行ってまいりましたが、その場で番組審議会の意見交換をしております、今回番組審議会でまとまったご意見がいただければ、そこで報告しようと思っております。
◎山口委員
 恐縮ですけど、質問を重ねながら意見を述べさせていただきます。3月の国会に提出された新しい法案というのは可決されたんですか。
◎桑折事務局長
 通ることはまちがいないだろうと言われています。
◎山口委員
 そもそも何故そういうことになったかというのは、いくつかの理由があるわけですが、番組審議会に限っては、番組審議会はあったけれども、活性化していなっかったという認識ですかね。
◎升谷業務局長
 そういう面もあろうかと思うんですが、ただそれはすべてではなくて、オウム事件や椿発言などからなんらかの規制をしなければならないという意見が自民党内から出ていました。しかし、それはあまりにも露骨すぎるというので、今各局が持っている番組審議会をチェック機関として活発化してほしいということになっているようです。
◎山口委員
 そうしますと、この場に出される問題が何が問題で、どんな経路でいっているかと、はっきりいってもらえば、課題がはっきりして意見をしぼりやすい。あるいは実際の苦情が出てきて、それはこうなんだと説明してもらえばそれに対しての意見交換が出来ると思います。この前いただいた新聞記事の中に第3者による苦情機関というのがありまして、それにありましたように大変難しい問題です。それぞれの局において範囲と課題とをきちっとやっていけば、その第3者云々というのがなくてもいいという気がいたします。
◎桑折事務局長
 番組審議会に、例えば局側が諮問するということがあるんですけれど、それは全国的にみても、3件か4件しかない。やっぱり活性化していないという責任は局側にもある。では、活性化するにはどうするかですが、それには、番組審議会の権限も強めなければいけないし、色々局側の説明も必要です。だから今度は、問題があったときは番組審議会に報告しなさいと義務付けられていますね。
◎蓮見専務
 山口先生がおっしゃった、活性化の問題ですけれど、これは何回も言われているんです。その度に番組審議会を強化しなさいと。それでも尚且つそういう問題が出てくるということは、事実それが整備されていないということです。それで問題は、テレビは東京のキ-局が中心で各系列局がありますね。地方局でもほとんどの番組が中央の制作です。だから、先生方のご意見の伝達方法をしっかりしなければならない。年に2回の系列局全体での番組審議会でのなかで、やはり先生方のお話をキ-局に対してしっかり伝えなければならない、という責任が局側にあるわけです。番組審議会のあり方を色々言われているのは、そういうことがきちんとなされていなかったということですね。これは、今後の課題です
◎盛内委員
 私は他の局で番組審議委員を12年やりました。それで最初に感じたのは、ここの議事録が大変立派にできていることに感心しました。例えば私が、娯楽番組等のBGMが高すぎてセリフがほとんど聞こえないということを話したら、それもきちんと載っていました。そういうことも単にこちら側の議事録というだけではなくて、上部に行って通るようであれば、間接的には番組審議委員の声も上の方に届くかなという感じがします。それからもうひとつは、この改正案のなかに答申ということばがありますが、今まで私たちがやっていたのは、意見の交換というか、言いっぱなしというか、要するにこれこれこうしてほしいという、答申の意味でのものはなかった。とすると、今度は番組審議会で話し合われたことを、答申書のようなもので書類にして出すのか。言いっぱなしではなくて、文章として、議事録という形ではなくてだすことになるのか。その辺によっては活性化につながるのではないかと思います。先程、専務さんからこの問題は何度も出たという話がありましたが、その通りで、私ももう20年も前にその話を聞いたことがあります。つまり、テレビと番組審議会の問題は、古くかつ新しい問題ではないかと思います。色々な意見が答申書のような形でキ-局に伝わっていくようになれば本当の活性化ができるのではと私は思います。
◎奥寺委員長
 ありがとうございます。
◎桑折事務局長
 答申についてはこれは文書にしなさいとかは、何も言っていないようです。例えば私どもでは第2回の定例会の時に、番組の基準というのを申し上げました。あれが一種の諮問であり、ご意見をいただいておりますので、あれが答申だと思います。
◎奥寺委員長
 別な質問をしますと、こういう議事録のようなものは、朝日系列の別の局からはキ-局に行っているんですか。
◎桑折事務局長
 議事録については、他の系列局、キ-局、郵政省にも届けております。これがテレビ朝日の中で、どこまで広く読まれているのかどうかということはひとつあるんですが。
◎蓮見専務
 こういう議事録は、各局からテレビ朝日の各部署にきます。テレビ朝日の番組審議会のなかではこれをいただいても、自分のところのことだけでこれについてはやらないんですよ。ですから、私は問題にするべきだと思いますが、各局の問題についてキ-局はもっとやらなければいけない。それをしないと意味がありません。ですから先生方のご意見をきちんと取り上げるような場を作らなければいけないと思います。
◎三好委員
 審議会の権威を高め、機能を強めるため、何をするべきかというのが宿題だったわけですね。中津文彦という小説仲間が、やっぱりテレビ岩手の番組審議委員なんですよ。聞くところによると、述べた意見とか委員の感想などをかなり取り上げて番組に反映しているということです。そういう意味では庶民の声、あるいは苦情の声を反映する機関として、月1回のペ-スで続けて行かれるべきではないかと思いました。それから、やはり有識者の意見を大いに取り入れて、番組の質を高めなければいけないと思います。曽野綾子さんはテレビから小説のネタを探すというようなことを言っていましたが、日本のオピニオンリ-ダ-のような方々もテレビから人間の生き方などのヒントを得る場合があるんですね。そういった方々からご意見をいただくという機会があってもいいかと思います。もちろん局内では、番組の検討、視聴率だけでなく、質を高めることにも頑張っていらっしゃるでしょうが、その体勢を、よそから文句を言われないような体勢を作っていけばいいと思います局自身が質の向上に努力しているし、庶民の声も取り入れているし、識者の意見も聞いて質の向上に努めているという、そういう姿勢を取ればいいと思いました。以上です。
◎箱崎(安)委員
 今日の話を私なりに、大体大きく分ければ3つの視点でもって考えて見ました。ひとつは番組審議会のイメ-ジを考えてみました。多チャンネル化ということになりますと、視聴者の選択肢が非常に増えてきたんですね。そうなりますと、番組審議会の意見がキ-局に通りにくくなるという感じがします。逆にロ-カル局としますと、自主制作番組もあ
りますから、むしろIATの番組にウェイトをかけていったほうが番組審議委員会とてはいいのかと思います。当初の方は番組の中立性ということで説明を受けて、そういうことを強く認識していたわけです。視聴者側にたってどんな番組がいいのかなということで見ますと、キ-局レベルの問題としては、日本は大きな規制緩和という問題を重ねているわけです。これに対する各業界の取り組みなどはばらばらなものですから、そういったものについての識者の意見も含めた番組をながす必要があると思います。それから、ロ-カル局レベルで見ますと、もうすでにIATでやっているんですが、市町村の首長さんの意見を出せばいい。今、増田知事が観光立県ということを盛んに言っているわけですから、それに対するビジョンとか、各業界の意見というものを、岩手県の問題というものを知らせるという番組をやると地元の視聴者は関心を持って、視聴率に結びつくのではないかと思います。それから、今度の秋田新幹線ではないですけれども、今経済でも非常に広域化されているものですから、いわゆる、秋田にも青森にも同じ系列局があるわけですから、その話題番組の交流を積極的にやりますといいと思います。
 最後に番組審議会のあるべき姿ですが、私はIATの番組審議会にこだわったほうがいいと思います。こちらの局に対しても、苦情や意見があるでしょうが、そういうふうなことを聞かせてほしいということと、それに対する局の対応を聞きたいと感じました。そしてそれを参考にして今後の講評番組を決めるほうがいいと思います。
 それから視聴者の放送への積極的な参加の呼び掛けというところから見ますと、番組審議委員が何人かモニタ-のような人の意見をそえて、ここに出てくるようだといいと思います。そうすれば、多少視聴者の参加ということに対する広がりがあるのではないかと思います。以上です。
◎箱崎(敬)
 まず番組審議会の目的に、放送番組の適性、内容の向上、あるいは諮問に応じて答申すること、そしてその公開ということがきちんとうたわれているわけです。そのかぎりにおいては、その通りにやっていれば、何も問題はないはずですけれど、こうして諮問のあり方、公開性の問題が騒がれているとすると、結局機能をはたしていないということですね。それは運用面の改善で解決できることなのか、あるいは法的に不備があって、それを改善しなければならないのかとなると議論してかかるべきだと思いました。最近はテレビ局が独自に番組審議会の講評番組、会の内容を考査するという試みがあちこちで始まっているということもありますので それでもまだ不十分なのかという感じがします。通常、諮問を受けて委員の皆さんがそれに対する色々な意見を述べて、事務局サイドでそれをまとめて答申案を作ってとなると、かなり事務局側に負担がかかるということも配慮しなければならないと感じました。それから苦情対応機関、第三者機関ですね、がやるべきことは何なのか。現在でも視聴者センタ-とか社外モニタ-とか、そういうもので対処しているのに、さらに強化するのか、それとももっと重大な権利を侵害するものだけを扱う為だけに作るものなのか。その辺が明らかでないので分かりませんが、その辺を配慮して進めるべきだと思います。
 それから番組の内容につきましては、岩手県が問題にしていることを考えていく番組、より地域に密着した番組、21世紀に担う青少年に夢を与えるような番組をぜひ作っていただきたいと思います。以上です。
◎大橋委員
 番組審議会に出るときは、家族に色々意見を聴いてから出ますが、それとは別に他の局ではモニタ-の会だとか視聴者の会だとかが番組審議会の他に設置されているようです。そういうものを年に何回か番組審議会に持ち込んで、そこの結果や意見を踏まえて話し合うことがあれば、自分の考えだけでなく、他の考え方や見方があるということがわかって、審議するのに役立つと思います。それから地方の番組審議会と中央の番組審議会というのは地方の意見を吸い上げるという意味の中央ではないようです。労働関係でも福祉関係でも地方と中央は別なのですが、テレビの場合、キ-局というのがあるわけで、地方の考え方がキ-局に届くようなシステムが強化されればいいと思います。地方ではこんな意見が出ているということを分かっていただきたい。
 この前いただいた資料をみると、番組の適正をはかる為というのがどこの文章にもありました。適正というのは何かと考えたんですが、例えば番組を作る趣旨などがわかれば適正というものがわかるかと思います。でもそれは番組を編成する段階で十分に考えて作るのでしょうから、番組審議会で取り上げることではないかとも思います。しかし時には編成する側の態度もわかれば、審議の時に色々な考え方が皆さんから出るのではないかと思います。
 それとは別に今日の会議があるものですから、各チャンネルを回して色々な局のテレビを見ました。どこも同じだと感じました。遅い、早いの違いはあっても重大なニュ-スはどこの局でもやりますし、どこでもドラマもクイズもあります。そして、そこから選んでチャンネルを回します。私のように動物の好きな人は、毎日動物番組を見ることができて、ある意味でテレビというのは専門的に勉強できるというところもあります。それから、もう少し視聴者の焦点を絞ったほうがいいと思います。少年向けのサッカ-番組など、青少年が主役になれるような、またはゲストに入っているような番組がもっとあればいいと感じました。
 それから全体をみて感じたことは、事件物のあとでまるで自分がそこへ行って見てきたかのように声色を変えて、自ら動作をしながら説明するんですね。あれは非常に聞きにくく、あまりオ-バ-な表現はどうかと思います。アナウンサ-の言葉使いも非常に間違いが多いし、アクセントなんかもこれでいいのかなということをあちこちで感じました。せわしい、忙しい番組が多くて、持ち時間の中で取り上げる量が多すぎるのではないかと思いました。以上です。
◎佐々木(友)委員
 私の所へ12月28日、29日にNHKが「女性が変わる、東北が変わる」という題でもって、まる2日間取材にみえました。でも、放送になったのは3分間でした。一番私としては言ってほしくなかったことがその3分間の中に入ってしまって、あの2日間、12月の大変忙しい時期になのに一体何だったんだろうかと思いまして、いらしたプロデュ-サ-の方に一体あなたは何を見て編集したのですかという抗議を申し入れました。ですが、実際取材して集めたものを編集するには僕ではない、別の人がやったのだから、僕には責任はないというようなことを言われました。一般の私たちにはテレビというのはどのようにしてできていくのかわからないのものだなと思いました。どこにも意見を申し上げられないものなんだと感じましたので、今回ここで番組審議会委員というのを引き受けて、どういう役なんだろうということを今改めて勉強しているところです。
 色々な会に出てみて思うことは、議題もこのように立派に刷られていますが、ほんのちょっとの会議があるだけで、形式ばかりの会議が多すぎるのではないかと思います。この審議会が色々な私たちの意見を吸い上げて、新しいテレビができるといったようなロ-テ-ションができればすばらしいのではないでしょうか。お役所は、これはだめ、あれはだめと減点式でやるんですが、番組審議会は加点主義で、いいことをたくさん取り上げるような方法で日本の新しい人材を育成する為の番組になったらいいと思います。以上です。
◎佐々木(明)委員
 前回欠席しまして、家の方に資料をどさっと送っていただいた時に、しまったと思いました。何故かというと、当初番組審議委員を引き受けたときに、モニタ-とは全然違うんだと説明されて、どういうものか分からないですけれど、やらせていただこうかなと思いまして、約半年経過しました。確かにモニタ-とは違いましたけれど、逆に審議会という字面から受けるすごく堅い、厳しいものとは、また違うものではあるなと思っていたのですが、もっと私としては、ある番組に対して、カンカン、ガクガクの論争とかが行なわれて、ある一定の意見なり方向性なりが提示されていったりと、そういう難しいことを当初イメ-ジしていただけに、もっと真面目に真剣にテレビのことを考えながら、やっていかなければならないのに、それをやっていなかったから、こういうことになったのかなと、そこまで考えてギクッとしました。
 確かに番組審議会を活性化させたいというのはわかるんですが、普段委員のみなさんを見ていますと、大変多忙で、その中でなんとか時間を作って集まっていると思うんですね。そういうメンバ-の事情に対して今やっている内容は、考えられていると思うんです。きちんと議題を提示して、議事進行もしっかりやっていて、内容的にはいいと思います。が、これは私個人の反省なんですが、もっと普段から、勉強していなければだめだなと。一番反省したのが、感想みたいなことを言って、それでよかれとしていた自分が、番組審議委員といて怠慢であったことです。感想から言うのがこの会に参加しやすいというのはあるんですが、もっと自分でも勉強して、テレビというものをよくして、もっと視聴者に対してアピ-ルできるようにするにはどうしたらいいのか普段考えてやらなければ、委員としての責務は果せないと思いました。
 番組審議会はどうあるべきかという議題に関して、これが私の答えになっているかどうかわかりませんが、やはりただ意見を言えばいいだけのものではないですし、方向性というか、互いのやりとりの結果のまとまった意見がたまにでも出れば、テレビに対してもよりよい方向性が生まれるのではないかと思います。確かにこの番組審議会は、必ずしも完璧な審議がなされているとは思いません。ただ、時間的制限がありますし、それを考えれば最善は尽くしていると思います。以上です。
◎大島委員
 審議会の機能を高めるという方向性について、先程、桑折常務が3点ほどお話になりましたが、私も同感です。これは私の誤解もあるかもしれませんが、新聞とテレビの違いを考えてみたのですが、新聞は独自に主張する存在であって、故に論説委員がいて、社説欄がある。ところがテレビというのは基本的には公平な存在であり、むしろ自らは発言しません。ですから識者や論説員の意見、町の声などを登場させる。それは間接的に主張しているんですが、主張を持たない存在であろうとしているのは実際には新聞以上に世論を左右している事例が実際にはあるということからだと思います。端的な例が椿発言だと思います。そのテレビに論説委員に代わるものがあるかどうかというのはわかりませんが、少なくとも番組審議会がより充実した方向にいくのは、色々な外部の圧力から局自体を守るためにも自主的な存在であるべきだと思います。ただ問題は、キ-局とロ-カル局の問題で、ロ-カル局の番組審議会で全部やろうというのは実際には難しいかと思いますし、キ-局的な番組審議会のしっかりした母体が必要だと思います。
◎奥寺委員長
 ありがとうございました。新聞も公平なつもりなんですけれど。
◎大島委員
 そうですか。でも新聞は主張をもって、右だ左だと言ってもいいんですよね。
◎奥寺委員長
 ただ宿命的に、テレビ局は許認可でしばられているということはどうしてもアキレス腱なのではないですかね。公平だと大島さんはおっしゃいましたが、あの程度でやられては困るなと思ったのは、ひとつの例で言えば、秋田新幹線が開通したとき、NHKの解説で秋田新幹線に投じられた巨額な金額は果たしてよいのかということをさらりと言っていました。今回のあの鉄道の工事費というのは新技術ですから、約550億でやった。ところが秋田県で試算したのは約3000億です。どうして巨大な無駄使いをしたと言わんばかりのことを言うかと思い、NHKでもこんなものかと思いました。
◎桑折事務局長
 今日のご意見はまとめまして、6月にあります、系列の番組審議会の代表者会議に反映させていただいて、また皆さんに報告申し上げたいと思います。
 それでは次回の例会について。次の講評番組ですが金曜日の夜9時から「驚きももの木20世紀」というのがありますが、これでお願いしたいと思います。日取りは4月25日(金)でお願します。
 以上、第6回番組審議会を終わらせていただきます。

7.審議機関の答申又は改善意見にとった措置
 議事録をキ-局と系列各局及び関係機関に送付した。

8.審議会の答申又は意見の概要を公表した場合におけるその公表の内容、方法
 特記事項なし。

9.その他
 特記事項なし。