放送番組審議会

3月(第96回)

概要

 岩手朝日テレビの第96回番組審議会が平成18年3月23日(木)、盛岡市盛岡駅西通の岩手朝日テレビで開かれた。

合評番組は「STAR LIGHT カシオペアFMの挑戦」。

  • 家族が興味をもって見られる番組構成にして欲しかった。1時間は長い。
  • 番組としてなにを訴えたいか良くわからない。
  • 放送内容がより具体的でほしかった。もう少し地元の情報がほしかった。
  • 地域の人が、ラジオを聞いて感想を述べる場面では、テレビを見てる人にも どの様な内容なのか理解できるようにして欲しかった。
  • カシオペアFMは存続するのか疑問に思う。
  • 建物の中の映像が多すぎた。もう少し二戸の風景等も取り入れて欲しかった。
  • 全体として仲間意識もあり安易に流れた嫌いがある。ラジオとテレビの異なる点をしっかり表現してもらいたかった。

という意見が出た。

出席委員は、増子義孝委員長、小田島利昭委員、笠川さゆり委員、松本直子委員、松尾正弘委員、宮野裕子委員、村田久委員の7名。欠席委員は、石井三郎委員、高橋真裕委員の2名。

議事録

1.開催日時

平成 18年 3月 23日(木) 午前11時~

2.開催場所

岩手朝日テレビ 3階 会議室

3.委員の出席

委員総数  9名

出席委員数 7名

委員長 増子 義孝

委員 小田島 利昭

委員 笠川 さゆり

委員 松本 直子

委員 松尾 正弘

委員 宮野 裕子

委員 村田 久

欠席委員数 2名

委員 石井 三郎

委員 高橋 真裕

会社側出席者名

代表取締役社長 川崎 道生

常務取締役営業局長 辻 一成

取締役 小倉 潔

監査役 齋藤 芳朗

報道制作局長 小椋 和雄

報道制作局次長 大島 具視

報道制作局 伊波 伴准

技術局長 佐々木 正樹

総務局次長 宮 孝志

番組審議会事務局長 佐藤 清一

4.議題

(1) 4月単発番組について

(2)番組合評

「STAR LIGHT カシオペアFMの挑戦」

(3)次回審議会

開 催 日: 平成18年4月23日(木) 11時~

合評課題: TVイーハトーブ 「土曜のてっぺん」

放送日時: 毎週土曜日12時~12時55分

5.概要

*家族が興味をもって見られる番組構成にして欲しかった。1時間は長い。

*番組としてなにを訴えたいか良くわからない。

*放送内容がより具体的でほしかった。もう少し地元の情報がほしかった。

*地域の人が、ラジオを聞いて感想を述べる場面では、テレビを見てる人にも どの様な内容なのか理解できるようにして欲しかった。

*カシオペアFMは存続するのか疑問に思う。

*建物の中の映像が多すぎた。もう少し二戸の風景等も取り入れて欲しかった。

*全体として仲間意識もあり安易に流れた嫌いがある。ラジオとテレビの異なる点をしっかり表現してもらいたかった。

6.議事の内容

佐藤事務局長

 第96回放送番組審議会を始めます。

 放送番組審議会に入る前に、弊社川崎より、放送確認改ざんについての最終対応についてご報告をさせていただきます。

川崎社長

 先月の番組審議会で、大枠のご説明を申し上げましたが、当時は最終の調査報告書をとりまとめる追い込みの状況にございまして、十分にご理解いただけるご説明ができなかったと反省しております。

 配布資料にありますが、2月15日、放送確認書に関する2件の改ざんがあった事実を公表した後も、念のため継続して調査を行いましたが、結果、新たな事実はありませんでした。

 こうした事を前提にし、二度とこうした事態を惹起する事がないよう、再発防止等が求められ、弊社として取り組みが若干出遅れていたコンプライアンス関連の確立や社員教育の充実に取り組む事を謳った報告書を、去る2月28日民放連や関係諸団体、さらには総務省等に提出いたすとともに、岩手朝日テレビとして、失った信頼を回復のために努力する決意なども込め経営責任を明らかにする必要があると判断し、資料通りの内容を決定致しました。また、在籍する当時の営業部員に関しては、例え、上司の了承を得たうえの行為だったとは言え、当社の名誉を傷つけた事実は否定できず、社内の規定に基づき「譴告」処分と致しました。

 この問題は、民放連としても、永年に渉って築きあげてきた公正な広告取引上の基本に反する行為であり、徹底して再発防止に努めて欲しいとして、先週、3月16日(木)民放連営業委員会の委員長であるTBSの井上社長から私どもに対して「厳重注意」が口頭で通知されました。

 もう一つ、コンプライアンス問題につきましては、資料にある通り、「憲章」や「行動基準」を策定する処までこぎつけましたので、今後社員教育の強化も含め、各部局のコンプライアンス・リーダーなどを中心に実のある形で実践して参ろうと考えております。

 それと、配布した資料に、当社の業務組織の改正図があります。先ず、コンプライアンス関連を推進していく部局として、「経営企画室」を新設いたしました。もう一つ、業務の分散化・機能をはっきり分ける事が望ましいという事で、これまで、営業局にありました編成業務部を、局として独立させました。

 一方、役員などの変更に関してですが、組織改正に伴い、辻常務が編成業務局を担当と致します。

 また、健康を害して長期休んでいる伊東常務についてですがご本人から、退任致したいとの強い要望があり、慰留に努めましたが、そのご意志は変えられませんでした。残念であります。

 今年3月末日を以って退任されることとなりました。これに伴い現在、伊藤常務が担当していた総務局及び総務局長については、4月1日以降当分の間、私、川崎が担当いたすことにしました。

 今回の案件については、番組審議会の先生方にも大変なご心配をお掛け致しました事に改めてお詫び申し上げます。そして、これを機に、公共の電波を預かる放送局としての責務を再確認するとともに、会社としても、社員個人としてもこれまで以上に高い倫理感を身に付けられるよう努力して参る所存です。

 どうぞ、今後ともよろしくご指導頂きますようお願い申し上げます。

増子委員長

 それでは議題に入りますがよろしいでしょうか。

 それでは、先ず、3月の番組についてお願いします。

辻常務

 渋谷が本日出張のため、代わりにご説明申し上げます。4月の番組についてですが、期首編成を除き、ご説明申し上げます。

 まず単発ですが、7本で、4月29日にはスーパーベースボールの試合が放送されます。今年のプロ野球に好影響を期待していますが。

 4月28日には朝まで生テレビの放送があります。

 4月の単発は以上です。

 それから、視聴率をつけてあります。今年全体の部分がわかりますが、下から2行目、2005年度12ヶ月トータルが全日7.4ゴールデンが14.1プライム14.0とめんこいテレビ次いで2位そして、ゴールデン、プライムとも2位は開局以来初めてでございます。

 ゴールデン、プライムともに視聴率は上がっているのに対し全日が上がっていないのは、ローカルがもっと頑張らないといけない事です。

 それから、視聴者の方からの応答対応についてですが、特に問題となるような苦情は入っておりませんでした。13件頂いております。後ほどご一読ください。

増子委員長

 それでは「STAR LIGHT カシオペアFMの挑戦」の合評に入ります。

小田島委員

 今回の番組の名前を聞いて一体どんな番組だろうと思い、テーマは「地域おこし」のような感じかな?と地味なテーマに取り組んでいたと思います。地味なテーマの中での、制作は大変だったのではないでしょうか。一時間の放送が長く感じられました。家族で放送を見ましたが、できれば興味を持って見られるような内容にしたらどうでしょうか。地域おこしは興味がありますが、FMの良いところや、町の声なども、もっと聞ければ関心を持ってみる事ができたと思います。

 本当に1時間見るのは大変だったように思います。長く感じました。30分の番組でも良かったのではないでしょうか。

笠川委員

 とても長く感じました。絵はとても綺麗で、ナレーションもとてもよかったと思います。二戸の朝や夜の様子、コントラスト綺麗に写っていました。ラジオ局の立ち上げまた、本放送までの期間などとても細かく取材していたように思います。国への申請や社員募集に関してなどよく取材していたと思います。

 気になった事は、4人のパーソナリティのところで、見ていたら、最初は中心となってその人たちが本放送までの成長過程が見えてくるのかと思っていたら、結局最後まで1人の女性で他の3人の方たちかもしくは一番下の方、連絡が行っていなかったら突然切れたとかを取り上げたのは良かったと思いますが、山口さんだけを取り上げていたのは不自然じゃないかと思いました。二戸にはあまり行くことがないので、カシオペア連邦の事ははっきり知らなかったので、あぁなるほど。カシオペアFMなんだと思いました。その説明があった事や、二戸市の紹介があった事、そして地域おこしと言いますかそういう視点の番組と思えば、二戸の紹介もできて良かったと思います。

 番組全体で、何を捉え、誰をひろってというところを明確にしてやっても良かったのでは。と思います。

松尾委員

 カシオペアFMが出きるまでの経緯が説明されていて、カシオペアアカデミーがあり、連邦があって、その下地が10年あった事。そして県北地方の情報伝達が必要だったという事や株式会社じゃなく、NPOで、全く専門の方じゃなく、一般の人4人が立ち上げた事。その最初の6~7分がとてもスマートでわかり安かったように思います。

 その中の、申請書を作るだけで1年かかった。という所の説明というか、細かい内容がなかったので、私は学生時代から音楽が好きで、FMを毎日聴いていまして、とても身近な存在でした。

 アメリカには非常に多くのFMがあり、クラッシックやジャズなど音楽もジャンルに別れていると聞いています。

 それに対して、日本はNHKだけで羨ましく思っていました。日本では電波の法律が厳しいということで、腹ただしく思っていたのですが、一年かかった・・・というのは見ていてなるほどと思いました。

 それから、コールサインやタイトルコールを何度も練習するシーンがありましたが、本放送が始まる緊張感と言いますかドキドキ感が良く伝わってきました。カメラも入っていた事もあり、彼女達の緊張感がますます高まり、少し気の毒に思いました。

 物足りないと感じたところは、放送の内容が具体的ではなかったので、何の放送をしているのかわかりませんでした。放送会社自己紹介、音楽かけます!という所などだったと思います。

 高校生が、生放送で出演していましたが、地元の声をもっと取り上げるとかそういった意気込みは見えましたが、もう少し具体的な内容まで放送すると良かったと思います。

 20歳から主婦まで、それぞれ4人のアナウンサーが登場しましたが、その方々の個性、どんな分野を担当するとか、今ひとつ見えませんでした。そして当初の目的である、情報伝達、地域おこし等実際どう達成されつつあるのかなど放送すれば良かったと思います。まだ始まったばかりですが、その辺が不満として残りました。

松本委員

 このカシオペアFMを番組とは関係なく、新聞やNPO関係の雑誌などで見ていまして、どうしてNPOなのか、興味を持ってもわからなかったのですが、スマートに流れを伝えてくれていましたので、疑問にいたところが一気に解決しました。

 大変わかりやすく構成されていて前半はひたすら感心して見ていました。そして、IATさんの素材として、ストーリーを良くみつけ、密着したなぁ。と感心し、二戸は現在、農業の面や、地域おこしなど、個人的に注目していましたから、感心しました。人材も豊富なんだなぁとも思いました。

 後半は、ドキュメンタリーなのか、何なのか。淡々としていて、何かハプニングはないのか。と待っていましたら、番組終了の時刻のやりとりはハプニングだと思います。でもあれは内々の話だったのですが、ハプニングだと思いますが見ている私たちにはつまらないハプニングだと思いました。

 地域の人がラジオを聞き、感想を述べる場面がありましたが、耳を傾けるシーンがあったのか。テレビを見ている人にもどんな放送なのかまたどんな表情で聞いているのかをもっと伝えて欲しかったです。

宮野委員

 当初の4人の人たちが青年会議所の方でしたので、一緒に活動した人でしたので、懐かしく感じました。

 全体の流れとしては、ローカル番組としては非常に良くやったのではないかと思います。日にちを追って、1時間を半年、1年かけて追っていく難しさがあるんじゃないか。という目で見させていただきました。中身は、二戸の人たちがあの番組を見てFMを盛り上げてくれるのが一番良いんでしょうね。

 私たち岩手県人が二戸に目を向けるのが大事です。細かいところは皆さんが言っていた通りですが、私はカシオペアFMが存続するかな?と感じました。二戸市はIBCのラジオも入らないし、それ以外の時間は配信を受けるそうですね。あの番組を見て、どのぐらい関心を持ってくれるかですね。とても気になります。

 二戸は昔から何も変わりません。FMができて、何か変わる要素があるのか、また、地域おこしにつながり、メディアがどうやって手伝えるのかだと思います。番組の成り立ちとしては良く頑張って作っていたと思います。

村田委員

 どうしても、FMのパーソナリティをやっているので、そちらに視点がいってしまったのですが、一般の人が見ても前半は面白かったんじゃないでしょうか。楽しみにしていたのですが、素人が集まって、FMを立ち上げていくところは、ストーリーになっていて、合格点じゃないでしょうか。

 ラヂオもりおかがあって、江刺にもあって、これが一つのきっかけになり、地域の活性化に結びつけば良いのでは。

 ある意味、この番組はよかった。役に立つのでしょうか。しかし一般の人より、行政の人にとってのほうが良い番組じゃないですか。

 実は、二戸の馬淵川に釣りに通っているんですが、お酒とかカーリングとか風景とか、もう少しとり入れたら良いのではないでしょうか。箱の中の映像ばかりが多すぎでした。

 朝の挨拶は、早かったとか、失敗した。なんてあまり必要じゃないと思う。身内の問題であって、そういうところは、もう少し省いて、見る側にはあまり関係のない事で、例えば、過疎化の事とか、なぜ、ラジオを立ち上げてやらないといけないのか。という雰囲気。二戸には駅前はあるけれど、駅前に何もない。昔からそういうところで、寂しいですね。そういう場面をちょっと映しながら、なぜ二戸は、カシオペア連邦は寂しいのか。焦点として、アングルを向けたり、閉鎖された商店を映して、こういう状況なのだ。と見せて欲しかったです。

 それからFMの難しさは、ラジオの難しさで、許可制なので地域おこしになるのかどうか。一石を投じたと言う意味では良かったと思いますが。

 山口さんという女性だけにスポットを当てていた気がしました。主婦の方がパーソナリティをやっていましたが、主婦の方の家族の話とか、その辺りのものも面白かったんじゃないでしょうか。苦労して制作したのはわかりましたが、もう少し掘り下げて地域の問題をピックアップしても良かったと思いました。

増子委員長

 好意的な評価なので敢えて、問題点を言います。

 第一に、さっき、NPOがやるとわかったと言っていましたが、全然わかりませんでした。フランスは先ず、建物探しから苦労し。数千万円かかるだろう。でも、二戸のは建物もちゃんともう建っていて、放送されてCMされて、NPOは数千万円なんて集まりませんよ。行政からのお金が凄く入っているんでしょうね。そのお金が出るまでには色々議論があったはずです。そういった過程があったはずだと思います。ひょっとしたら、行政が丸抱えのNPOかもしれませんね。NPOという冠がつけば何でもできる時代は過ぎています。NPOとつくと、安易にお金をだしてしまう。中身をきちんと吟味して、納得いくように放送するべきです。

 そして、身内の学芸会の舞台裏を見ているように思いました。

 素人の発声練習の風景なんて、どうでも良いのです。ローカル局なのだから、地元のずうずう弁で話せば良いのです。天気予報もやっていましたね。テレビと同じ文言でやっていますよね。

 少なくとも、テレビとラジオとでは、どう違うか。どうやって、差を出していくか。その努力が伺えませんでした。

 それと地域のFMであれば、地域にどんな問題があって、それを取りあげて、中にどんどん入っていかなければ、ダメです。

 どう発音したらとか、発声したら、ばかり。そういうことじゃなく、4人のパーソナリティが町に入って、問題を取り上げてといった努力は一向にありませんでした。取材の過程が全くありませんでした。僕はつまらないと感じました。

 地域おこしって簡単に言うけれど、近頃の行政のお金の出し方は、地域おこしってなると、安易にお金が出る。

 地域おこしって、どんな形になるのか、地元にとってはどんな意味を持つのかという取材が全くなかった。箱物ばかりじゃつまらないです。紫波町に私は住んでいますが、ワイナリーができました。誰がそんなワインを持つのか。といった風に町民は笑っているのです。町民とどう結び付けてゆくか。もっと深く掘り下げていくべきと思います。

 物凄くきつい事を言いましたが、あとで反論を伺いたいです。

全体として、手慣れたテーマ、仲間内のテーマ。ということで少し安易に流れたところがあるのではないかと思います。

佐藤事務局長

 次回は4月27日(木)です。

 合評番組は「土曜のてっぺん」です。

増子委員長

 それでは終了します。ありがとうございました。

7.審議機関の答申または改善意見に対してとった措置

特になし

8.審議機関の答申または意見の概要の公表

3/29付 朝日新聞岩手県版に審議概要を掲載。

系列各局に議事録を送付。

本社受付に議事録を常備、閲覧に供す。

インターネットホームページに掲載。

9.その他の参考事項

特になし

10.配布資料

◎ 4月度単発番組編成予定表

◎ 3月岩手地区視聴率

◎ 2月視聴者応答記録