放送番組審議会

4月(第117回)

概要

 岩手朝日テレビの第117回番組審議会が平成20年4月24日(木)、盛岡市盛岡駅西通の岩手朝日テレビ社内で開かれた。

 合評内容はIATスーパーJチャンネル・毎週水曜日番組企画「おしえて!おらほのまち自慢」

  • 各地の隠れた観光地などを取り上げている姿勢に好感をもった。
  • ローカル局の特性を生かした良い企画
  • (紹介した地域を)再訪できるよう詳しい地名や地図データを入れてほしい。
  • 案内役にNPO(非営利団体)など地域で頑張っている人をもっと出してほしい。

という意見が出た。

出席委員は、増子義孝委員長、稲垣義孝委員、小田島利昭委員、笠川さゆり委員、松本直子委員、宮野裕子委員、村田久委員の7名。欠席委員は、松尾正弘委員、吉田政司委員の2名。

議事録

1.開催日時 平成 20年 4月 24日(木)午前11時~

2.開催場所 本社3階 会議室

3.委員の出席

委員総数 9名

出席委員数 7名

委員長 増子 義孝

委員 稲垣  義孝

委員 小田島 利昭

委員 笠川 さゆり

委員 松本 直子

委員 宮野 裕子

委員 村田 久

欠席委員数 2名

委員 松尾 正弘

委員 吉田 政司

会社側出席者名

代表取締役社長 川崎 道生

常務取締役営業局長 幾度 恭嘉

取締役報道制作局長 小椋 和雄

取締役番組審議会事務局長 横山 博文

技術局長 佐々木 正樹

編成業務局長 小林 直紀

報道制作局 齊藤 恵

番組審議会事務局 川村 茂

4.議題

(1)社長あいさつ

(2)前回審議会のご意見を受けて(報告)

(3)5月単発番組及び4月視聴率等について

(4)合評課題について

IATスーパーJチャンネル・毎週水曜日番組企画

「おしえて!おらほのまち自慢」

放 送 日:4月9日(水)午後6時29分~ など

(5)次回審議会について

開 催 日:平成20年5月30日(木)午前11時~

合評課題:IATスーパーJチャンネル・毎週火曜日番組企画

「いわて元気プロジェクト~いわての未来図」

放送日時 5月13日(火)午後6時17分~など。

5.概要

※ 各地の隠れた観光地などを取り上げている姿勢に好感をもった。

※ ローカル局の特性を生かした良い企画

※ (紹介した地域を)再訪できるよう詳しい地名や地図データを入れてほしい。

※ 案内役にNPO(非営利団体)など地域で頑張っている人をもっと出してほしい。

6.議事の内容

横山事務局長

 ただいまより、第117回放送番組審議会を開催いたします。

 増子委員長議事をよろしくお願いいたします。

増子委員長

 それでは川崎社長、ひとことお願いします。

川崎社長

 皆さま、本日も大変お忙しい中、ご出席いただきましてありがとうございます。

 今回から新年度ということになりますが、今期も引き続きよろしくお願い申し上げます。他局と比べましても、弊社の審議会は堂々と誇れるものでございます。皆さまにご指導いただきながら、この一年間弊社番組に生かされるよう頑張っていきたいと思います。

 ちょうど3月が終わりまして、業績等が見えてくる時期にきております。現在、関係部署大詰めで作業を行っております。次回ご報告できることと思います。

 お手元に新聞に掲載されました、地上デジタル放送関連の資料をお配りしております。この記事は、地上デジタル放送に移行するにあたり、これまでにも何度かご説明いたしましたが、2011年7月へ向けていかにしてデジタルに切り替えていくか、という資料でございます。後ほどご覧になっていただきたいと思います。

 アナログ放送終了を周知徹底させていかなくてはいけないのですが、現在NHKを含め5社共同で中継局建設をおこなっており、今年度中に7局の中継局が完成する予定であります。この7局を建設することで、岩手県内の81%のエリアがカバーできます。しかし東北各県を見ますと、90%台のエリアがカバーできており、当県において、カバーできないところをどうやって減らしていくかが今後の課題です。中継局とは別に、共聴設備で視聴している地域もございます。ここのところをどうやって2011年までに進めていくかも大きな問題です。もう一点は、この記事にも掲載されていますが、テレビ受信機の普及の問題があります。この記事を見ますと、地デジの受信機の普及率はまだ30%にとどいておりません。まだ先のこと、という認識か、あるいは受信機がなくても視聴できると思われている方が多いのかと思います。また年金で生活していらっしゃる方などに、さらにお金を出してテレビを買っていただくことになります。そこで何らかの公的助成がなされるのか、メーカーが既存のテレビで視聴できるチューナーを安く製造するのか、ここ2~3年で動きがあるかと思います。

 いずれにしても、私たち放送事業者はこの2011年7月の地上デジタル放送完全移行が先延ばしにならないよう切り替えてほしいと民放連共々動いている状況であります。

増子委員長

 ありがとうございました。何かご質問ありますか。

 それでは、「前回の審議を受けて」についてお願いいたします。

小椋報道局長

 「野球の神様が教えてくれたこと」に対しまして、貴重なご意見をいただきありがとうございました。当番組は、200日あまりに渡って取材を重ねましたが、委員の皆様のご指摘にありましたとおり、スポーツ少年団の現状やそこで野球に取り組む子供たちの心情を掘り下げるに到らなかったことは、合評後改めて番組を見直し、反省いたしました。ときには第三者の意見を求めるなど、様々な角度から制作を進めていきたいと考えます。

 さらに番組のタイトルと内容とのあいだの違和感についても、番組のどこを切り取っても整合性の取れるタイトルを心がけていきたいと思います。

 なおご報告ですが、当該番組は東北ブロック系列6社がそれぞれ番組を制作・合評する「ほっとネット東北」への出品・審査の結果、優秀賞をいただいた事を合わせてご報告させていただきます。

増子委員長

 ありがとうございました。それでは、5月単発番組と4月の視聴率についてお願いします。

小林編成業務局長

 それでは5月の単発番組についてお話させていただきます。

 この月はレギュラー編成が多いのですが、5日に「テストザネーション2008」という番組が放送されます。この企画は、古館伊知郎の司会で3年ほど前に秋の3時間スペシャル番組として放送しました。今年テレビ朝日がすすめております、地球温暖化防止キャンペーンの一環なのですが、地球温暖化をテーマにしたクイズ形式の体験型クイズ番組です。解答用紙が新聞やちらし等に折り込まれるかと思います。

 31日には次回の合評課題である、「いわて元気プロジェクト」が放送されます。これはIATが番組を通じて岩手を元気にしたいという気持ちからスタートしております。今週22日火曜日が第1回めの放送です。今回合評課題である「おらほのまち自慢」の放送と同じで、7分ぐらいの企画です。これとは別に30分の単発の番組として2ヶ月に1度の割合で放送していきます。

 続いて視聴率ですが、4月14日の週と21日の週の途中まで数字が出ております。プライムは平均13.1%で欲を言えばもう少しと思っています。この2週にまたがって新番組のドラマが放送され、水曜21時「警視庁捜査一課9係」、木曜20時「科捜研の女」は共にまずまずの数字をとっております。今一歩ふるわなかった木曜21時「7人の女弁護士」は全国的にも数字が取れていない状況であります。7月まではこの路線でいきますのでよろしくお願いいたします。

増子委員長

 なにかご質問などございませんか。それでは合評番組に移りたいと思います。

村田委員

 「おしえて!おらほのまち自慢」というタイトルで、各地域の珍しいものやびっくりするような話題が出てくるのかと思いながら見ていましたが、意外にも観光的な要素が多く役場の方や行政の方が出ている場面が多かったので、いま一つも物足りなさが残りました。地元の暮らしに密着した話題やお茶の間的な要素があると良いのではないでしょうか。たとえば、その地域にしかない特殊なものや、お祭り、料理といった素朴な部分を話題にすれば、見ている側に知らなかったことや良さが伝わると思います。

 花巻八景では全て写真を使っていましたが、季節感を出すのなら四季をおうような写真だけでは伝わらないと思います。撮影する時期などを考えて、四季折々の映像で出していたら良かったと思います。

 また、稲庭岳の回は役場の方の説明だけで終わってしまい残念でした。もっとネタ探しを追求してはどうでしょう。

 山田町の漁業体験はいまとても盛んですが、見ていておもしろいですね。単なる風景だけで終わってはつまりません。体験している様子や場面は見ていても興味がわき、生活に馴染みやすい内容の方が視聴者の目をひきます。見ている側の立場に合った制作をしていただきたいと思います。

宮野委員

 ビデオで見て、後から生放送でも見ました。

 昨日の放送で久慈市の土風館の様子を放送していました。役場の広報課の方にインタビューしていましたね。各地域の公聴広報課にはけっこうユニークな方がいまして、役場の方にもこのような面白い方がいるのだな、と思いながら見ていました。

 山田アナの山田町のリポートでは、彼のはしゃいでいる姿は好印象でした。

 また、花巻の平良木は合併して花巻市になったところですが、最近は小さな町や村が合併して市になっているので、どこの地域にあるのかわからない方もいると思います。そのあたりを説明すると親切ではないでしょうか。せっかく番組のタイトルが「おらほのまち自慢」なのですから、ただ単に花巻市では地域が広すぎますし、地名の説明を入れてほしいと思います。「まち自慢」と銘打っているのですから、小さな「まち」が自慢する内容を取材し、もっと掘り下げてはいかがでしょう。地域おこしの一環として取り上げて放送することは評価したいと思います。

松本委員

 まず、番組の第一印象として、ふるさとCM大賞に似たつくりだな、と感じました。例えば、花巻の立岩は知りませんでした。有名な観光地に絞るのではなく、知らないようなところを丁寧に紹介しているところに私は関心がもてました。

 案内役について最初は、何のための案内役なのか疑問に思うところがありました。地元の方の説明だけで十分だとも思いました。 山田町のあたりからアナウンサーとの掛け合いがうまくなってきていて、回を重ねていくうちに、だんだんと良くなってきていると感じました。これからに期待したいと思います。

 ずっと右上にタイトルと市町村名が出ていたことは良かったと思います。宮野さんがさきほどおっしゃったように、地域と市町村名を詳しく表示してほしいと思います。

 毎回出てくる方が違うので、この方はレポーターなのか、アナウンサーなのか、「ニューフェイス」であれば余計わからないと思います。名前や顔を覚えてもらえるチャンスだと思うのできちんと紹介するようにしてはいかがでしょうか。

 また次回も楽しみに見たいと思います。

笠川委員

 まち自慢といっても名所に恵まれているところもあればないところもあるので、取材する時期なども含めて苦労したのではないでしょうか。花巻、二戸、山田と3ヶ所ともこれといった華やかさのある場所ではないですが、題名に「おしえて」と入っているところがその地域の方がたに問いかけているようで、地元の発信感があってとても良いと思いました。また、地元ニュースの枠の中にこの番組を入れることにより、近いから行ってみよう、とか思いながら見られると思うのでとても良いことだと思います。このコーナーが入ることにより、番組内の流れも変わってくると思います。

 花巻の回では、全体が沈んでいるように感じました。二戸市の回はイベント中心の内容で、山田町ではリポーター中心の作りになっていたと見て感じました。県内は広いので、見ている方が行ってみたいと思ったときに、移動ルートなどを例えば地図のようなもので説明があれば、よりわかりやすい番組になるのではないでしょうか。

 この先、どのように変わっていくかを、楽しみに見ていきたいと思います。

小田島委員

 ビデオで拝見しました。ローカルの特性を活かした番組で、地域それぞれの自慢があると思います。その中でどれがいいとは言い切れない部分もあろうと思います。Jチャンの全体の感想として、天気予報も時の話題を始めにしたりして良くなっていると思います。

 「おらほ」という題名は、平成の大合併の前の前あたりの合併だったら良かったかと思います。今はもう二次合併ですので、前の地域のであれば、おらほというネーミングにマッチしていたと思いますね。

 私も市役所の方へのインタビューはいらないと思います。それぞれの地域の年配の方や住んでおられる方へのインタビューをされたほうが良いコメントをいただけると思います。

 全体の印象として、4月9日放送した、二戸市の桜の映像や安比の山の紹介は見ていて流れがとてもよかったと思います。

稲垣委員

 岩手県に住む人が少なくなっていく中で、観光的な話題でPRし観光客を増やすことに大切だと思います。花巻八景も観光を目的とし、人をひきつける何かPR的なものはないものでしょうか。

 お役所の方にお話を聞くより、NPO等で支えている方を取材して放送したらまた違った角度から楽しめるかもしれませんね。映像も、季節を考えて映すタイミングを選ぶのが大事だと思いました。

増子委員長

 短い時間の中で、あのような放送をしているのに感心しました。

 観光的な要素を入れた内容で制作することはもちろん大事なことだと思うのですが、観光ばかりに捉われてしまうと、ネタがなくなってしまうような気がします。いろいろな地域の役場や広報課の方には面白い方もいると思いますが、役所ばかりに頼らず制作してみてはいかがでしょうか。

 山田町の小学校が出ていましたが、あそこに目をつけ、幅広く目配りして取材したことを評価したいと思います。視聴者も関心を持ってテレビを見ると思います。

村田委員

 毎回レポーターが違う方でしたが、専属のレポーターで放送することは難しいのでしょうか。一人の方が専属でいろいろな町のレポートをした方が番組的にまとまると思うのですが。

報道制作局齊藤

 貴重なご意見ありがとうございました。このコーナーは、「ふるさとCM大賞」のコンセプトを生かしたもので、役場の広報の方とリポーターが打ち合わせをするところから始まり、各市町村のアピールしたいところをお聞きしたうえで現地へ向かいます。しかし、今回いろいろなご意見をお聞きして、役場の方に毎回出演いただくのは少し考えなければいけないなと思いました。

 また、「おらほの」という言葉にかかる地域性も含め、視聴者にわかりやすい番組づくりを心がけていきたいと思います。そして、各地域に密着した話題をつかみ、アピールしていきます。

増子委員長

 その他、何かございませんか。

 それでは、次回の審議会についてお願いします。

横山事務局長

 次回の審議会は5月30日金曜日でございます。

 合評課題はIATスーパーJチャンネル「岩手元気プロジェクト~いわての未来図」です。よろしくお願いいたします。

増子委員長

 それでは終了します。ありがとうございました。

7.審議機関の答申または改善意見に対してとった措置

ご指摘いただいた点を、今後の番組作りの参考とすることとした。

8.審議機関の答申または意見の概要の公表

5/6 朝日新聞岩手県版に審議概要を掲載。

系列各局に議事録を送付。

本社受付に議事録を常備、閲覧に供す。

インターネットホームページに掲載。

9.その他の参考事項

特になし

10.配布資料

◎ 5月単発番組編成予定表

◎ 4月岩手地区視聴率

◎ 次回合評資料「岩手元気プロジェクトいわての未来図」番組企画案

◎ 前回審議会のご意見を受けて