放送番組審議会

4月(第137回)

概要

 岩手朝日テレビの第137回番組審議会が平成22年4月22日(木)、盛岡市盛岡駅西通の岩手朝日テレビで開かれた。

 合評内容は「ラクティマプラス!!」

  • 店の紹介には、地図等のスーパーも欲しいし、それの方が親切だ。
  • 「タラの芽」にしっかり虫も映し出されていたが、あの場面ではアドリブも必要。
  • 地上デジタル放送になると映像が綺麗になり化粧、髪型にも今以上に気配りが求められる。
  • 二人の司会のやり取りがぎこちない。
  • お酢のPRの中で、2人で料理を紹介するシーンはバランスが悪く出来上がった料理から美味しさが伝ってこない。
  • 全体的に流れが単調です。内容によってはより詳しく伝えることも必要。
  • 制作側は2時間見て欲しくて作っているが、2時間見るのは苦痛だ。
  • 構成や内容に人間くささが伝わってこない、もう少し人とものを、掘り下げて工夫した作りをして欲しい。

という意見が出た。

出席委員は、増子義孝委員長、笠川さゆり委員、村田久委員の3名。欠席委員は、小田島利昭委員、そのだつくし委員、弭間俊則委員、吉田政司委員の4名。

議事録

1.開催日時 平成 22年 4月 22日(木)午前 11時~

2.開催場所 IAT本社 3階 会議室

3.委員の出席

委員総数  7名

出席委員数 3名

委員長 増子 義孝

委員 笠川 さゆり

委員 村田 久

欠席委員数 4名

委員 小田島 利昭

委員 そのだ つくし

委員 吉田 政司

委員 弭間 俊則

会社側出席者名

代表取締役社長 富永 健治

編成業務局長兼放送番組審議会事務局長

落合 成範

報道制作部局長 佐々木 貴

報道制作部副部長 鈴木 敦

番組審議会事務局 佐藤 清一

4.議 題

(1)番組合評

「ラクティマプラス!!」

(2)5月単発番組について/4月視聴率について

(3)次回審議会

開 催 日:平成22年5月27日(木)11時~

本社 3階会議室

合評課題:「池上彰の学べるニュース」

放送日時:平成22年5月19日(水)20時~20時54分

5.概要

○ 富永社長より2009年度の業界広告収入の状況説明がされた。

○ 説明の中で収入のほぼ100%を放送収入に依存しているローカル局は、利益を確保するためにコストの削減しか方法がない。

○ ローカル局の経営がいかに苦しくても、情報発信力を高める努力を続けていかなければならない。

○ 落合事務局長から単発番組と視聴率の説明がなされた。

○ 店の紹介には、地図等のスーパーも欲しいし、それの方が親切だ。

○ 「タラの芽」にしっかり虫も映し出されていたが、あの場面ではアドリブも必要です。

○ 地上デジタル放送になると映像が綺麗になり化粧、髪型にも今以上に気配りが求められる。

○ 二人の司会のやり取りがぎこちない。

○ お酢のPRの中で、2人で料理を紹介するシーンはバランスが悪く出来上がった料理から美味しさが伝ってこない。

○ 全体的に流れが単調です。内容によってはより詳しく伝えることも必要です。

○ 制作側は2時間見て欲しくて作っているが、2時間見るのは苦痛だ。

○ 構成や内容に人間くささが伝わってこない、もう少し人とものを、掘り下げて工夫した作りをして欲しい。

6.議事の内容

落合事務局長

 それでは、只今より、第137回岩手朝日テレビ放送番組審議会を始めます。よろしくお願いいたします。

 それでは、増子委員長、議事をお願いいたします。

増子委員長

 それでは富永社長、一言お願いします。

富永社長

 本日もお忙しい中、お集まり頂きましてありがとうございます。

 今年も委員の先生方に引き続きお願いして、番組審議会を進めていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 今回は広告費についてお話申し上げます。先ず、2009年度の日本の広告費は5兆9,222億円ですが、日本の経済の景気低迷により2年連続減少いたしました。

 新聞は6,739億円マイナス18.6%、雑誌3,034億円マイナス25.6%、ラジオ1370億円マイナス11.6%、テレビ1兆7,139億円マイナス10.2%でマスコミ4媒体は14.3%減で、5年連続で前年を下回りました。

 総広告費に占める4媒体の構成比は47.8%、2兆8,282億マイナス14.3%で、前年に引き続く50%割れとなりました。

 そのような中で、インターネット広告費が7,069億円プラス1.2%が初めて新聞を上回りました。

 全国番審のテーマが「地方局の発信力 情報発信力を同高めるか」となっております。

 現在、全てのテレビ局は広告費の減少により厳しい経営を迫られております。

 とりわけ、ローカル局の収入はほぼ100%を放送収入つまり、広告主からの広告費が占めており、キー局の放送外収入は自主制作しておりますコンテンツやTBSのように不動産のような資産からもたらされるものです。自主制作比率の低いローカル局は、コンテンツもない、まして不動産もない状況で放送外収入増はほとんど見込めないと言えます。

 放送外収入増が見込めないローカル局は広告費の現象イコール売り上げ減となります。

 売り上げ減の中、利益を確保するためにはコスト削減しか方法がなく、制作費の削減にも手をつけることになります。

 制作費の削減は、自社制作比率の削減や報道・制作リソースの削減となります。

 元々自社制作比率の少ないローカル局がリソースを削減することは、ローカル局の存在意義すら危うくする事になります。経営資源はヒト・モノ・カネと言われますが、最近はこれに、情報・時間・技・知恵などを加えて経営資源ということがあります。

 ローカル局は現在、ヒト・モノ・カネをさらに注ぎ込む事はできませんが、日ごろの取材活動や地域の人たちからの信頼により、どのような情報が得られるのか、またその情報をどのような切り口にするか工夫を含めていかにタイムリーに発信するかが重要だと思います。

 つまり、ローカル局の経営がいかに苦しかろうとも、情報発信力を高める努力を続けていかなければなりません。

増子委員長

 ありがとうございました。正に全国番組審議会に相応しい 内容ですね。

 ただいまのお話で何かご質問等ございますか?

富永社長

 削減とまではいきませんが、現状維持、同じものを取材するにせよ、切り口等を考慮しながら制作していかなければなりません。

村田委員

 社長がお話したとおり、お金がないのなら、ないなりに工夫を凝らした番組作りが大事だと思うんです。それにしてもフットワークが良いとは思えませんね。取材力やすぐに物にならなくてもネタをためるとか、資料をたくさん集めるとかそういった努力が見えない。ここ数年、すごく感じます。情報のネタを考えて取材しなければなりませんね。

増子委員長

 ほかに何かございませんか。ありがとうございました。

 では単発番組と視聴率についてお願いいたします。

落合事務局長

 5月は、スーパーベースボールの試合3試合を放送する予定です。また5月1日には、「徹子の部屋スペシャル」と題しまして、今年35周年目突入であり、19時からの2時間の放送を予定しております。5月15日20時58分より「ドラマスペシャルトリック」の放送、これに伴いIATでは、トリック大感謝祭と銘打った1話から10話まで一挙放送を予定しております。

 視聴率ですが、4月12日から25日までの月間視聴率はIATが全日3位ゴールデン3位プライム3位プライム2が1位となっております。しかし全日、ゴールデン、プライム4位のIBCさんではありますが、IBCさんが数字を伸ばしてきておりますので、気が緩めない状況であります。

増子委員長

 ありがとうございました。ただいまの番組、視聴率について、何かご質問などありますか。

増子委員長

 サンデーフロントラインは如何ですか?評判等も聞かせてください。

落合事務局長

 視聴率は4.5%となっております。田原総一郎さんの評論のような具合には、まだ若干いかないようですね。

村田委員

 「臨場」は面白いですね。俳優の内野聖陽さんが良い演技をしています。

増子委員長

 そのほか何かございませんか。それでは合評に入ります

笠川委員

 4月9日の放送を見せていただきましたが、新しくまた、若々しく見受けられました。

 ぴかぴかなお店の紹介では、若干と落ち着きのなさがあり、お店の紹介の時は、お店の地図等を画面に映すとより親切ではないでしょうか。

 放送の中で、「たらの芽」が出ていましたね。その時、虫もしっかり映し出されていました。そんな時はアドリブなどをしてみる工夫があればと思いました。

 お酢を使ったお料理では、お皿の使い方、また盛り付け方が主婦の目線から気になりました。

 中継で「ホーマック」から園芸のブースからのカメラのアングルがぶれていて、画面を見ていて酔ってしまうような感じになりました。中継が2回ありましたが2回とも落ち着きがなく感じました。

 全体的なイメージとして、お二人に合わせてセットを選んでいるのでしょうか、司会のお2人とセットのイメージが合っていませんね。

 また地上デジタル放送になると、ますます画像がきれいに鮮明になり、髭や髪型が気になります。また化粧の仕方等もう少し気配りが欲しいかもしれません。

 地元のニュースが途中に3回入りますが、そのうちの1回は今週のニュースをピックアップしていて、これはとても良いとおもいます。

 「大人のたしなみ」のコーナーですが、そこに内容をギュッと詰め込みすぎでかえってバランスが取れていないような気がします。「よ市」から中継をしていましたが、「たしなみ」がなぜ「よ市」からの中継なのか接点がわかりませんでした。

 一部と二部の構成になっていますが、どこからが一部で、また、どこでそれが区切られているのか。そして、どちらがメインなのかのメリハリを強調した作りにされては如何でしょうか。

村田副委員長

 2時間の放送の中に、ニュース、新しいお店、居酒屋、地域の話題等盛りだくさんで中には興味を持つ内容や参考になるコーナーもあります。

 しかしそれを見逃さないために目を離さないでずっと見続けるのは私にとっては辛い事です。2時間を長いか、どうかと判断するのは視聴者によっては意見は様々でしょうね。

 気になった点としては、2人の司会のやり取りがぎこちなさを感じます。

 また、早出しニュースはこんな内容ですよ。といった紹介が必要なのでしょうか。それを先に話してしまって早出しニュースになるのでしょうか。

 ミツカンのお酢のPRの中で2人で料理を紹介するシーンはアンバランスで出来上がった料理からは美味しさが伝わってきませんでした。これでミツカンさん側は納得しているのでしょうか。ここはミツカンさん側からスタッフをお願いするとか、料理人さんをスタジオに呼んで料理してもらうとかすべきではなかったでしょうか。

 早出しニュースの意味は他社に先駆けての意味でしょうか。今週のニュース、県内のニュースと構成されていますが、内容がダブる事もあり、この辺りをまとめてスリム化したら如何でしょう。

 全体的に流れが単調に思えます。また、内容によっては時間をとり詳しく伝えるような事も必要です。一つのことをさくっと伝えるのではなく、より詳しく伝える事は視聴者にとって親切な事です。そのような構成で番組のメリハリもつきますし、その内容によってスタジオにゲストをお呼びするとかもひとつの手ではないでしょうか。

 全国ニュースの後に地域の話題があり、県内のニュースと続きますが、全国ニュースはラクティマの放送終了後に放送するのはどうでしょうか。その方が視聴者にとって見やすい気がするのですが。

 全体的に、明るさや楽しさがあまり伝わってきません。

 是非今一度番組の構成や内容を検討してみてはいかがでしょう。

増子委員長

 元々、制作者の方は2時間見て欲しくて作っているのではないのでしょうか。それなのに、2時間見るのには苦痛になります。

 自分の好きなコーナーだけ見れば、あとは見なくても良いし、また2時間内容を埋めるのも大変でしょうね。

 広告ばかりが目に付いて、けして面白いとは思えません。人がたくさん出演して、司会のお2人が舞台まわしで、構成が、また内容に、人間くささが伝わってこないのですよ。もう少し人を、物を掘り下げて工夫した作りをして欲しいですね。

 野菜ソムリエさんとは何に優れているのですか?何がすごいのか説明もなく放送していても視聴者には、わからないのではないでしょうか。

 また「3文字キーワードラリー」最初に見たときもう既に答えがわかってしまう。誰でもわかるような答えではつまらないね。100人中、3分の1の人がわかるような問題にすべきだと思います。

 「大人のたしなみ」のコーナーですが、「たしなみ」の意味をわかっているのでしょうか。好んでことにものをうちこむ。こういう意味じゃありませんよ。作るのは難しいと思いますが引き込まれて掘り下げるような作り方を希望します。

佐々木報道局長

 貴重なご意見ありがとうございます。

 全体的に説明いたしますと、今ご意見に出たお話はごもっともと思っております。「たしなみ」これを問題視してきました。今回の放送でこれは違う。と指摘も致しました。ギクシャクしているのはスタッフ、また3人の司会だった前回よりリニューアルして2人の司会者の構成に変わり、アドリブやトークがうまく出来ていない。またお皿の置き方なども全く生活感がなく、反省材料になりました。

 今番組のコンセプトとして、主婦をターゲットとし、何かをしながら見ている時間帯、耳でテレビを見るような作り方に心がけています。

 またセットの違和感ですが、リニューアル前と同じセットを使っての放送で、番組の流れとセットがマッチしていない、流れについていってないと感じております。

 3文字キーワードは誰にでもわかるような答えにしていますが、たまには裏切るような答えにしております。最後まで見ないとわからないようにはしているつもりです。

鈴木報道副部長

 全体的な作りとして、見る世代のターゲットは、主婦の方あるいはそれより少し上の方が、見て楽しい内容を心がけております。若干内容的に盛りだくさんで、ごちゃごちゃしているように感じております。

 地味な内容とのご指摘を受け、まだスタートしたばかりで、これから構成や内容などを検討して今後の課題にしていきたいと思っております。

中嶋報道課長

 リニューアルして、2人の司会になりまだぎこちなさもあるのかと思います。これからはお料理するスタッフ等も出 演させていきたいと思っております。落ち着きを求めて、地味になってしまった部分もあります。これからもっと考えて制作していきたいと思います。

村田副委員長

 まだ不慣れなのでしょうね。

増子委員長

 ぴかぴかのコーナーは難しいですね。老舗のお店とかも出して見たらどうでしょうね。

笠川委員

 インターネットでわかる情報ばかりを放送していても斬新さがありません。パソコンでわかる情報ではなく、わからない、載ってないようなことを探して放送して欲しいと思います。

 洋右さんは覇気がないのですね。インパクトが足りないと思うのです。

村田副委員長

 洋右さん、藤原さんのお2人ともコメントが薄くて、番組の内容について放送する前にもっと勉強して取り組むべきです。勉強する事によってコメントも増えますし、視聴者に伝わるものですよ。番組のカラーを持たないとダメですよね。

 司会者なのですから、慣れないだけでは済まされないと思います。もっと真剣に取り組んで欲しいです。

増子委員長

 いろいろな意見が出ましたがこれを参考にして今後の番組に期待したいと思います。何か他にございませんか。では次回についてお願いします。

小林事務局長

 では次回についてですが、「池上彰の学べるニュース」を合評課題にしております。是非ご覧になって貴重なご意見をお願いいたします。

増子委員長

 それでは終了します。ありがとうございました。

7.審議機関の答申または改善意見に対してとった措置

ご指摘頂いた点を、今後の番組作りの参考とすることとした。

8.審議機関の答申または意見の概要の公表

5月1日(土)付朝日新聞岩手県版に審議概要を掲載。

系列各局に議事録を送付。

本社受付に議事録を常備、閲覧に供す。

インターネットホームページに掲載。

9.その他の参考事項

特になし

10.配布資料

◎ 5月単発番組編成予定表

◎ 4月岩手地区視聴率