放送番組審議会

5月(第128回)

概要

 岩手朝日テレビの第128回番組審議会が平成21年5月21日(木)、盛岡市盛岡駅西通の岩手朝日テレビで開かれた。

 合評内容は「報道番組・情報系番組全般」

  • 事件、事故の報道が多く、明るい話題なども、もう少し取り上げて欲しいと 思います。
  • 不況の中でも頑張っている企業もたくさんある。女性だけの建築会社を取材してみるのも良い。
  • 情報系番組は、過剰な演出は仕方のないことかと思うがニュース系は過剰な演出は良くない。
  • 過剰で、いき過ぎた報道は視聴者を混乱させる。学校名を公表は慎重にすべき。
  • テレビキャスターやコーディネータは、自分の意見を視聴者に押し付けるように話ますが、こうした断定的な話し方は問題だ。
  • IATの自社制作番組をホームページは文字ばかりで写真があまりないのでもう少し大きな文字で作って欲しい。
  • 踏み切りに倒れた女性を救出した小学生をお手柄仕立てに放送した。しかし一歩間違うと二次被害もありうることです。その辺りの視聴者への報道の仕 方は大切だ。
  • インフルエンザの報道は、煽り立てて各局が過剰な報道合戦のように報道している。
  • テレビ中心の時代からインターネットオンデマンドの時代になり、テレビでは質のより高いものを要求される。
  • 裁判員制度については、裁判官でもいろいろな方がいるが、トレーニングをつんでない素人がどのように裁けるのでしょうか。本能的におかしいと判るに相当の訓練を重ねないと無理なのではないか。

という意見が出た。

出席委員は、増子義孝委員長、小田島利昭委員、笠川さゆり委員、そのだつくし委員、弭間俊則委員、村田久委員、吉田政司委員の7名。

議事録

1.開催日時 平成 21年 5月 21日(木)午前 11時~

2.開催場所 本社3階 会議室

3.委員の出席

委員総数  7名

出席委員数 7名

委員長 増子 義孝

委員 小田島 利昭

委員 笠川 さゆり

委員 そのだ つくし

委員 弭間 俊則

委員 村田  久

委員 吉田 政司

会社側出席者名

代表取締役社長 富永 健治

取締役報道制作局長  小椋 和雄

編成業務局長兼放送番組審議会事務局長

小林 直紀

報道制作部部長 佐々木 貴

番組審議会事務局 佐藤 清一

4.議題

(1)番組合評

「報道番組・情報系番組全般」

(2)5月単発番組について

(3)次回審議会

開 催 日:平成21年6月25日(木)11時~

本社 3階会議室

合評課題:「報道発ドキュメンタリ宣言」

放送日時:平成21年6月1日(月)

19時~19時54分

5.概要

* 事件、事故の報道が多く、明るい話題なども、もう少し取り上げて欲しいと 思います。

* 不況の中でも頑張っている企業もたくさんある。女性だけの建築会社を取材してみるのも良い。

* 情報系番組は、過剰な演出は仕方のないことかと思うがニュース系は過剰な演出は良くない。

* 過剰で、いき過ぎた報道は視聴者を混乱させる。学校名を公表は慎重にすべ   き。

* テレビキャスターやコーディネータは、自分の意見を視聴者に押し付けるように話ますが、こうした断定的な話し方は問題だ。

* IATの自社制作番組をホームページは文字ばかりで写真があまりないのでもう少し大きな文字で作って欲しい。

* 踏み切りに倒れた女性を救出した小学生をお手柄仕立てに放送した。しかし一歩間違うと二次被害もありうることです。その辺りの視聴者への報道の仕 方は大切だ。

* インフルエンザの報道は、煽り立てて各局が過剰な報道合戦のように報道している。

* テレビ中心の時代からインターネットオンデマンドの時代になり、テレビでは質のより高いものを要求される。

* 裁判員制度については、裁判官でもいろいろな方がいるが、トレーニングをつんでない素人がどのように裁けるのでしょうか。本能的におかしいと判るに相当の訓練を重ねないと無理なのではないか。

6.議事の内容

小林事務局長

 それでは、只今より、第128回岩手朝日テレビ放送番組審議会を始めます。

 それでは、増子委員長、議事をお願いいたします。

増子委員長

 それでは富永社長、一言お願いします。

富永社長

 本日もお忙しい中、お集まり頂きましてありがとうございます。

 今回の合評番組は、報道の自由、公正さが前提であり、法律などで規制されている部分もあります。報道の自由とはなっておりますが、BPO等から警告や勧告厳しい指摘を受けてしまう事などから、十分配慮して放送しなくてはならない訳であり、データのねつ造、改ざんあってはならないことです。特に選挙の前やインフルエンザの流行等、過熱した報道はあってはならない分野であり、一方で、民放は視聴率を求められる。我々は視聴者に放送業界の役割を果たせるように努力していかなければなりません。

増子委員長

 ありがとうございました。

 何かご質問等ございませんか?

 それでは、5月の単発番組と視聴率についてお願いします。

小林編成局長

 単発番組は改変期であり、番組が少なくなっております。

 高校野球が始まる時期であり、今年も15日から純情応援歌2009が始まります。

 またWBC予選、全米ゴルフも19日から4日間放送いたします。また、テレビ朝日開局50周年ドラマ「ドラマスペシャル刑事一代」を二夜にわたり放送いたします。

 視聴率ですが、4月に大きな改変があり、TBS、日テレで19時台の番組を大きく変えました。そこのところにテレビ朝日、フジテレビは改変を試みず、変わらずの放送で番組を組んだところ、視聴率をとっていた時間帯でもTBSや日テレがその時間帯にぶつけてきているので、やや難しい状況もあります。

 また、5月の視聴率の差が詰まってきているのも現状です。18時から24時までのプライム、ノンプライム0.3差をつけられていましたが、IBCが数字を落としたためであり、けして喜べないと反省しております。日曜日の劇的ビフォアフターは高い数字を獲得していますが19時台の大人のソナタがファミリー思考には難しい番組かなと思います。木曜日の京都地検の女は相手局のTBSがフレンドパーク、日テレがグルナイでぶつけてきていますので、今まで高かった視聴率の数字を取るには苦戦している状況です。

増子委員長

 ありがとうございました。何かご質問ございますか。

 それでは合評課題に移ります。

小田島委員

 報道についてということで、私自身の環境でお話しますが、事件、事故の報道が多く、明るい話題などももう少し取り上げて欲しいと思います。と前回もお話したと思います。

 未来図などのように、地元に密着した話題に各局、力を入れていますね。各局不況の中でも頑張っている企業もたくさんあると思います。女性だけで頑張っている建築会社さんとか、そういうところに取材に出向き、取り上げてみるのも良いと思います。

 テレビの役割についてですが、インフルエンザの発生時第一号の発病者を各局競い合っていました。視聴率争いのように思えて、菌の映像を画面に映し出されていました。少し気持ち悪く感じました。

 あらゆるニュースの中でも、報ステは安心してみていられる番組であり。やじうま、ワイドスクランブルなどラインナップしてるが、その中でも、スーパーモーニングは60代の年代向けに作られているのか。日テレ系の「思いっきりテレビ」は主婦層向けに作られていますね。スーパーモーニングは60代向けに作られていることを確立していくのも必要ではないでしょうか。他の局の情報・バライティー系の番組とは一味違った作り方で頑張って欲しいと思います。

笠川委員

 今回は草彅剛さんが逮捕されたことや新型インフルエンザのニュースなどが目立ちました。草彅さんの報道には同情する面があります。家宅捜査が入るなど、他の件を調べたかったのでしょうか。一般視聴者の中にも同情の声が、たくさんありましたね。

 ワイドニュースは多少過剰な演出は仕方のないことかと思うのですが、ニュース系はやりすぎ演出は良くないと思います。

 新型インフルエンザは、ニュースの中でもナレーションの語り口調で視聴者の恐怖心を煽ります。ニュースは性格に淡々と話してくれれば良いと思います。得体の知れないインフルエンザの報道で、第一発病者かもしれないと言うまだわからない状況の中で、その高校の先生のインタビューまで出ていました。まだ確定しているわけでもないのにどうしてそこまでするのか。学校名まで出していました。過剰なインタビュー、報道は視聴者を混乱させると思います。まずはハッキリするまで校名を公開したりインタビューしたりはしない方が良いと思います。

 裁判員制度がスタートしますが、その内容を報道するのもワイドショーなら興味本位も多少やむお得ないと思いますがニュース番組で放送するなら、正確に報道して欲しいと思います。

 キャスター、コーディネータは自分の意見をこちらに押し付けるように話しますが、断定した状態で話すのは、いかがなものか。

 女性バラバラ殺人の事件でも、レポーターが薬を買ったところや、殺害内容を細かくCGを使って映像で映し出していましたが、そこまで放送してよいものかと思いました。必要以上の報道、演出は見ている側、親族の立場に立って考えてほしいと思います。

 今回の合評はコメントするのには難しい課題かと思いました。

そのだつくし委員

 朝のワイドショーで占いを各局放送しているのは興味があって見ています。ニュースは皆さんと同じ意見です。

 裁判員制度についてですが、先日死刑執行の話題を報道していました。内容はその人の生い立ち等を放送していましたが、見ていてなんだか暗い気持ちになりました。

 インフルエンザの情報は恐怖心を煽るようで、かかってしまったらこんな症状が出て怖いというイメージを持たせるより、予防法をもっと詳しく放送してほしいですね。

 また、IATの自社番組を見逃した場合、ホームページなどが普及しています。覗いてみたら、文字ばかりで写真があまりないのでもう少し工夫してください。文字も小さいのでもう少し大きな文字でお願いしたいと思います。見る側にもっとわかりやすく、明るい感じでお願いします。

弭間委員

 まず全体的にIATさんだけではなく、ニュースとバラエティを分けた場合、ニュースで例えば地震の情報の時、一番被害の大きいところの情報を出しますが、そこだけ映し出せば不安になります。また派遣切りのニュースの時も、ひどい目にあったという方のコメントだけで放送が拡大化されているのではないでしょうか。

 IATのJチャンネルのニュースの中でお手柄小学生のニュースをしていました。踏み切りに女性が倒れていて、それを小学生が助けたというニュースですが、それを単にお手柄だったというので終わらせるのではなく、子供に同じ事を期待しているようなイメージで放送されていたように思います。今回はたまたま事故もなくお手柄で済みましたが一歩間違えば二次災害もあり得ることです。その辺りの視聴者への報道の伝え方は大切だと思います。

 インフルエンザの報道でも昨日首都圏で患者が出たというニュースを今朝見ました。昨日の深夜にタイムリーで記者会見をしていましたが、そのとき見ればスピーディーですね。日が明ければその人の移動経路が心配になり各局同じような内容で放送していました。そのように、テレビのニュースは一番の情報元です。間違った内容を報道すれば視聴者は混乱します。ニュースは的確に伝えて頂きたいと思います。

村田委員

 草彅剛さんの報道では、草彅ではなく「さん」をつけて報道していました。スマップで有名人だからでしょうか。悪いことは悪いことなのですから、さん付けはどうでしょう。オブラートに包みすぎた感じがしますね。公正な立場で見ないといけません。ジャニーズだからでしょうか。悪を正義にまつり上げているように感じました。

 インフルエンザの報道では、煽り立てて、各局が過剰な報道合戦のように放送していました。マスクの件でも報道するから今どこにも品切れ状態で、テレビの影響は大きいと感じました。政府にばかり頼らず各局独自に情報収集して報道してほしいです。

 裁判員制度の件ですが、これは、何のための制度なのかわかりません。明るくわかりやすい国民の司法のための制度と言っておきながら、守秘義務を破ると6ヶ月の処罰とか、さっぱりわからないですね。制度の意味がわかりません。もう少しわかるように報道して下さい。国民の出した制度なのだから文句は言わないでという感じに思えますね。

吉田委員

 日本は至る所で幼児性が見受けられますね。賞賛する風潮、文明の危機なのでは、社会全体がバラエティ化しています。

 犯罪の動機も幼稚で大人になるための努力が危機の課題ではないでしょうか。

 たくさんの危機の中にいる現在、政党内の危機、インフルエンザの危機地球温暖化の危機などいろいろあります。

 テレビ中心の時代からインターネットオンデマンドの時代になれば、テレビはより質の高いものを要求されます。そんな中生き延びるためにはどうすれば良いのか検討する必要があります。

増子委員長

 皆さんから出た意見と共通部分が多いですが、許せない部分がまかり通る時代ですね。必要以上の報道は視聴者を混乱させます。

 草彅さんの報道もけしからんと思いました。しかし、意識がないのにその行動で逮捕された。よくよく考えれば、逮捕は、やりすぎではないかとも思いました。

 インフルエンザでは毒、危ないと報道していて先進国では大変だと思います。その判断をテレビ局は報道するのにどのように報道するか非常に難しいですね。

 裁判員制度の件では、裁判官にもいろいろな方がいます。トレーニングしていない素人がどう裁けるのでしょうか。本能的におかしいとわかるには相当トレーニングを重ねないと無理なのではないでしょうか。

 今日意見いただきましたことは全国番審でまとめてお話ししてきます。ありがとうございました。

 他に何かございませんか。

報道制作佐々木

 皆さんから貴重なご意見ありがとうございます。

 私、個人的な意見で申し上げますと、報道とは、興味本位で内容をつくってはいけないと思います。そして視聴者に興味を引き付けられるような番組を伝えて行きたいと思います。

 お手柄小学生のニュースでは、幸い小学生に二次被害が出なかったものの、相当危険性が伴うことを前提に報道しなければいけないですね

 インフルエンザの話題でも、国、自治体、からの情報を元に報道をし、視聴者に危険性だけを情報として伝えるのではなく、それに伴う予防法等を伝えるべきです。

 草彅さんの報道も、増子委員長や村田先生から意見が出ました通りだと思います。逮捕ではなく、保護と言ったように報道のあり方を十分注意しながら放送していかなければいけません。草彅さんがSMAPのメンバーだから家宅捜査までしたのではないでしょうか。本日頂きました貴重な意見を元に十分検討したいと思います。ありがとうございました。

増子委員長

 何か他にございませんか。では次回についてお願いします。

小林事務局長

 では次回についてですが、「報道発ドキュメンタリ宣言」を合評課題にしております。是非ご覧になって貴重なご意見をお願いいたします。

増子委員長

 それでは終了します。ありがとうございました。

7.審議機関の答申または改善意見に対してとった措置

ご指摘頂いた点を、今後の番組作りの参考とすることとした。

8.審議機関の答申または意見の概要の公表

5月26日 朝日新聞岩手県版に審議概要を掲載。

系列各局に議事録を送付。

本社受付に議事録を常備、閲覧に供す。

インターネットホームページに掲載。

9.その他の参考事項

特になし

10.配布資料

  6月単発番組編成予定表

  5月岩手地区視聴率