放送番組審議会

9月(第41回)

概要

第5期放送番組審議会の委員10名は第4期から引き続き、委員長・副委員長も留任。

合評番組は単発「東北六県対抗!夏祭り王座決定戦 おらほの祭りがサイコーだ!」と「ビートたけしのTVタックル」について審議した。

出席委員は、 増子 義孝 委員長、荻野 洋 委員、斎藤 五郎 委員、松尾 正弘 委員、松本 直子 委員、宮野 裕子 委員の6名。

欠席委員は、照井 章夫 副委員長、植本 花子 委員、及川 和男 委員、山川 清 委員の4名。

議事録

1. 平成12年 9月28日(木)午前11時~

2. 岩手朝日テレビ会議室

3. 委員の出席 委員総数 10名

出席委員数 6名

欠席委員数 4名

出席委員の氏名

増子 義孝 委員長  荻野    委員   斎藤 五郎 委員

松尾 正弘 委員   松本 直子 委員   宮野 裕子 委員

欠席委員の氏名 

照井 章夫 副委員長  植本 花子 委員  及川 和男 委員

山川    委員 

岩手朝日テレビ側出席者

蓮見 社長      桑折 専務     河邊 業務局長

佐々木営業局長   菊地 技術局長  升谷 事務局長

4.議事

(1)第5期委員委嘱状交付 

(2)委員長・副委員長の選出

(3)10月の番組編成について 

(4)番組合評

「東北六県対抗!夏祭り王座決定戦 おらほの祭りがサイコーだ!」

「ビートたけしのTVタックル」について

(5)次回の開催日時および議題について

5. 議事の概要

第5期放送番組審議会の委員10名は第4期から引き続き、委員長・副委員長も留任。

合評番組は単発「東北六県対抗!夏祭り王座決定戦 おらほの祭りがサイコーだ!」と「ビートたけしのTVタックル」について審議した。

6. 議事の内容

升谷事務局長

 第41回番組審議会を開催いたします。審議に入ります前に蓮見社長よりご挨拶申し上げます。

蓮見社長

 おはようございます。私どもIATの番組審議会も5期目に入りまして、皆さま方には引続き今期も審議委員をお願いしたいと存じます。よろしくお願い致します。

 10月には開局5年目に入りますが、ちょうど10月は番組編成の改編期です。テレビ朝日系列では「報道と情報のテレビ朝日」というキャッチフレーズでやってきましたが、去年の秋からは「娯楽革命」ということでエンターテイメント系の番組に力を入れて参りました。一年経ってみてまだまだ充分な効果が出ておりません。

先週、テレビ朝日系列の社長会が山形で行われましたが、そこで発表されましたことは、今年の10月以降、改めてゴールデンタイムのエンターテイメント系の番組を強化して、向こう3年間で視聴率20%を超える番組を3つ作りたい、という編成ビジョンを打ち出しました。第一弾としては月曜の午後8時に、かつて30年前に視聴率30%をとった「タイムショック」というお化けクイズ番組に新しい方向付けをし「タイムショック21」として、10月からの目玉番組として放送致します。これを突破口として来春以降、第二弾・第三弾の番組を作って、エンターテイメント系の番組を強化していきたいと申しておりました。我々もそれには非常に期待しております。後ほど、編成から10月以降の詳しい番組編成についての報告があると思います。

 確かにゴールデンタイムまたはプライムタイムの視聴率は思うようには上がっておりません。ゴールデンの視聴率は、民放で第4位が定着しているような状況でございますので、何とか改善したいということで、テレビ朝日では組織変更を致しました。具体的には編成と制作が一体化して、編成制作局として連がりのいい風通しのいい局になりました。そういう効果も徐々に表れつつあります。

 10月からの「タイムショック21」は特に期待したいと思いますので、委員の先生方にもそういった番組をご覧頂いてご意見を頂戴したいと思います。今期も宜しくお願い致します。

升谷事務局長

それでは、委嘱状を社長から委員の先生方へお渡し致します。

―― 委嘱状の交付 ――

升谷事務局長

 続きまして委員長、副委員長の選出ですが、委員の先生方の互選でということになっております。事務局と致しましては、引き続き増子委員長、照井副委員長ということでお願い致したいのですが、皆さまいかがでしょうか。

 ご賛同いただきましたので、増子委員長、よろしくお願いします。

増子委員長

 前期は言いたい放題でしたので、委員長は前期限りかと思っておりましたが、皆さまの寛大なお心で今期も委員長を務めさせて頂くことになりました。一所懸命させて頂きます。以前、私も同じような商売をしておりまして、そこで同じような審議会がありました。10個の意見が出ればその中に1個はなるほどという意見があるものでした。ですから私たちの意見の中からその1個の意見を拾って頂けたらなと思います。今期も、委員の皆さま方と言いたい放題、意見を述べさせて頂きますので、どうぞよろしくお願い致します。

升谷事務局長

 ありがとうございます。では早速、議事の方へ入らせて頂きます。委員長、お願いします。

増子委員長

 それでは10月の番組編成からお願いします。

河邊業務局長

 それでは10月の番組についてご説明致します。レギュラー番組は後ほどVTRを見て頂いて、解説に替えさせて頂きます。先ほど社長が申しましたとおり、「娯楽革命」ということでやって参りましたがその成果も少しずつ見えて参りました。具体的には、火曜19時台に放送しております「いきなり!黄金伝説。」というバラエティが好視聴率でスタートしました。エンターテイメント番組としては土曜の20時台の「ほんパラ!関口堂書店」。視聴率はいまいちですが、内容的には高い評価を得ていますように、新しい番組の開発が進んでいます。

 10月の改編では娯楽路線の方向性をより明確にするために、知的エンターテイメント企画を中心に、ゴールデンタイムを改編しております。具体的には月曜19時台「そんなに私が悪いのか!?」、20時台の「タイムショック21」、土曜の19時台「年中夢中!コンビニ宴ス」、日曜19時台の「スクープ21」といった番組が編成されております。

 また、今年の4月に全面フライング編成を実施しましたが、分析の結果、一部見直しまして時間帯が修正されております。具体的には20時台の番組ですが、現行では19:54スタートですが月~金は20:00スタートに修正致しました。それに伴ってミニ枠にも変更がございまして、19:54~20:00というミニ枠が新たに出来ました。そこには現行21時台に放送しておりました「世界の車窓から」を移行して編成いたします。また20時台のミニ枠がなくなりましたので、「ITAお天気情報」を21:48のミニ枠に移行しました。

 ローカル枠につきましては、月~金の「IATスーパーJチャンネル」を18:30からの30分編成していますが、それを10/2(月)から18:19スタートということで11分の前拡大をしまして、ローカルニュースの充実を計っております。金曜日は活金情報局ということで、情報を中心とした構成にしております。キャスターは現行通りです。「記者の目」「ふるさと2000」など日替り企画の他、青森・秋田からのニュースコーナーも5分間新設しました。是非ご注目頂ければと思います。

 それでは期首スペシャルのご説明をさせて頂きます。

10/1(日)12:00~13:55「シドニーオリンピックLIVE『新体操・レスリング』」。14:00~15:25「第33回社会福祉大相撲」、毎年恒例の交通事故防止キャンペーンの一環のイベントです。18:56~20:54「爆問のススメ~嗚呼!人間ってスバラシイ~」爆笑問題を迎えて、「電車に乗ると隅っこに座りたくなる」など、言われてみればよくある我々の言動の知られざる真実を徹底的に解明する。さらに、そこから生活に役立つお得な生活情報も紹介する内容です。

10/2(月)19:00~19:54「衝撃!カメラは見た!!夫婦ゲンカ特別版」。20:00~21:48「衝撃スクープてんこ盛り!UFO・超能力・心霊現象嵐の大ゲンカ!!超常現象ミレニアムウォーズ」出演はビートたけし、阿川佐和子ほか。「ビートたけしのTVタックル」の拡大版です。

10/3(火)19:00~20:54「いきなり!黄金伝説。緊急生放送スペシャル」。これもレギュラーの拡大版です。

10/4(水)20:00~21:48「はみだし刑事情熱系スタートスペシャル」。シリーズ5作目スタートの拡大版スペシャルです。

10/5(木)19:00~19:54「妃殿下たちの二十世紀~愛と感動の皇室女性三代物語~」。良子皇太后、美智子皇后、雅子皇太子妃という三人の皇室の女性たちの物語でして、これも改編期の恒例ものです。20:00~21:48「君の手がささやいている~第四章~」生まれながらに聴覚障害を抱える女性とその家族との愛を描くシリーズの第四弾です。今回は仕事上の挫折と娘の初恋を経験し、様々な困難を再び愛の力で乗り越えていくという内容です。

10/6(金)19:00~21:48「ミュージックステーションSPECIAL」ということで3時間編成です。

10/7(土)16:30~17:25「第5回サハラカップ職場対抗ゴルフ大会」。自社制作ですが9月23日に衣川村のみちのく古都カントリークラブで行われた決勝ラウンドの模様を収録編集してお送りします。

10/8(日)14:00~15:25「SANKYOレディースゴルフ」をお送りしまして、ゴールデンには18:56~20:54「救え!どん底温泉旅館改造大作戦~第6弾~最強プロが日本一の旅館に挑む!!」。これも改編期恒例のスペシャルです。借金を抱えた瀕死の温泉旅館が、助っ人プロ軍団の手を借りながら旅館を大改造するという内容です。

10/9(月)10:30~11:00「山がくれた唄~南部木挽き唄の里~川井村」。9月16日に川井村で行われた「第一回南部木挽唄全国大会」の模様をダイジェストでお送りします。引き続きまして14:00~15:20「東日本放送開局25周年記念『私たちの地球スペシャル オーロラからの手紙 北極と赤道は今…』」、東日本放送が全国ネットする番組です。15:20~15:50「TOKYO DISNEY RESORT パーフェクトガイド」、7月にディズニーアンバサダーホテルとイクスピアリがオープンした東京ディズニーリゾートの新情報を紹介。19:00~20:48「おネプ!2000秋の陣~穴から大明神が出て来て『モノマネ紅白じゃありません!』スペシャル~」、月曜深夜の「おネプ!」の人気コーナーのスペシャル版です。20:54~21:48「暴論!ケンカ!珍プレー!輝け500回記念 タックル・グランプリ」、出演はビートたけし、石原慎太郎、藤島親方ほか。激動の日本で起こっている様々な社会問題を鋭く斬ってきた「TVタックル」の500回記念番組です。

10/10(火)19:00~20:48「ウッチャンナンチャンのこれでいいのだ英会話」、ウッチャンナンチャンの二人が、日本人の英会話をおもしろおかしく徹底解剖する内容です。

10/11(水)19:00~20:48「目撃!ドキュン2時間<生>スペシャル」、レギュラー番組の拡大版です。

10/12(木)19:00~20:48「ナインティナインだ!新番組をやらせろスペシャル2」、テレビ朝日でレギュラー番組をもっていないナインティナインの二人が、新番組の放送枠獲得を賭けて、テレビ朝日人気番組のレギュラーと対決する内容です。

10/13(金)19:00~19:54「ドラえもん!秋スペシャル2」。20:00~21:48「100兆円埋蔵金大公開!黄金に魅せられた超人奇人の天国と地獄!パート2」、これも2回目の企画です。

10/14(土)16:30~17:25「富士通レディースゴルフ」、千葉・東急セブンハンドレッドCからお送りします。

10/21(土)16:00~16:30「川村美術館15周年記念番組」、自社制作番組でして、川村勇画伯の絵画を集めた湯田町立川村美術館が、今年で15周年を迎える。美術館に収められた絵画の数々を紹介すると共に、川村画伯へのインタビューをおり込みながら、美術館の歴史をたどります。

10/22(日)15:30~17:25「日曜ワイド 一流シェフの夕食いただきます!」。一流店の「まかない料理」にスポットをあて、一流のシェフを目指す新人が初めて任される料理「まかない料理」とはどんなものなのか、毎日厳しい修行を行っている新人料理人たちを追う。

10/28(土)、29(日)15:30~17:25「フィリップモリスチャンピオンシップゴルフ」。系列のABC朝日放送からお送りします。以上です。

それではレギュラー番組を紹介するために編集しましたVTRをご覧頂きたいと思います。

―― VTRの視聴 ――

増子委員長

10月の番組編成について、何かご質問・ご意見等ございますか。

 今のVTRで「年中夢中!コンビニ宴ス」ですが、本当に開店するんですね。何処にですか。

河邊業務局長

 東京で実際に開店します。チェーン店と組むのでしょうが、どういった組織になるかは分かりません。

増子委員長

 こんな取組みは業界では初めてですよね。何だか面白くなりそうですね。学生の生活を見ているとコンビニで生きているようなものですから。

荻野委員

 テレビ番組とトレンドのマーケティングが、経済の将来、商品予測をするなんて、これから非常にうけると思います。あらゆる世代層が興味ありますし、番組で商品そのものを売るというマーケティングがうけると思います。

増子委員長

 私は非常にこの番組が見てみたいですね。と言いますのは、この番組を通して、学生や若者の心理がいろいろと見えてくるものがあるのではという感じがしますから。

荻野委員

 この番組はテレビの新しい使い方ですね。

松本委員

 「スタイル!」が楽しみですね。今のVTRに三越のマークが大々的に出ていましたが、何かタイアップをしているのですか。

河邊業務局長

 撮影時に何らかの形でご協力をして頂いたかも知れませんが、特にタイアップなどはしておりません。

荻野委員

 「ただいま満室」のように漫画をドラマ化したものは私は好きです。漫画が原作のものは不思議とテンポが速いし、登場人物がステレオタイプで分かりやすいし、要するにテレビ的に非常にマッチする。以前にやった将棋のドラマもそうでしたが、娯楽番組の究極にあると思いますね。どんどんやって欲しいです。

増子委員長

 漫画を読んだ人もドラマはまた見るんですか。

松尾委員

 ドラマは漫画のとおりではないですしね。ちょっとオリジナルな部分も入っていて。ですから漫画を読んだ人もまた見るんですよね。

増子委員長

 それでは番組合評に入りたいと思います。

松尾委員

 「夏祭り王座決定戦」は見逃してしまいました。申し訳ございません。「ビートたけしのTVタックル」ですが、これは非常に好きな番組です。私は話術だけで時間を持たせられる人がとても好きで、この番組はいろいろなテーマを取り上げていますが、毎回、話術が巧みで非常に評価しております。

 この番組で一番好きなのは、何と言っても田嶋陽子さんです。あの方の相手に反論の隙を与えない圧倒的な話術というのは、見ていて爽快ですね。男性がケチョンケチョンにやられるわけですが、出演者の方もだいぶ分かってきて、ちょっとおとなしくなりつつあるのが寂しいので、思う存分、田嶋さんを活躍させて欲しいです。ビートたけしや大竹まことといった、癖のある人達が一目を置いている様子がとても面白いです。それからテレビ朝日のアナウンサーの丸川さんが絶対に笑わないのですが、その様子がまた面白いですね。

 先ほどの新番組のVTRを見ていましても、みのもんた・古館伊知郎・三宅裕司・鹿賀丈史といった割と話術巧みな方々ですので、新番組も楽しみです。新ドラマについては、私は異常犯罪や不倫を扱ったものは見ていて辛くなるので、あまり積極的に見たいとは思わないのですが、この9月で終わってしまいましたが「京都潜入捜査官」はとても好感を持って見ましたが、ちょっと消化不良の部分もあったかと思いますので、その辺りをもう少し発展させて次につなげて欲しいです。以上です。

荻野委員

 誠に申し訳ありませんが、私も「夏祭り王座決定戦」は見逃しました。「ビートたけしのTVタックル」は時間が合えば必ず見る番組です。阿川佐和子さんの緩衝材的なコメントもなかなか面白いし、大竹まことさんの毒舌もいいと思います。両論でもってやるのはとてもいいと思います。お年寄りのクイズコーナーがあったと思いますが、とても面白いのですが、我々も将来あのお年寄りのようになるのかと思うとガックリしますね。笑えるんですが、見方によればかなり残酷なコーナーですね。番組についてはこのくらいのコメントしか出来ません。

 合評ではありませんが、「ターニングポイント」は、多角的に転機を取り上げてそして励ますという、「励まし番組」としていい番組、とても真面目な番組だったと思いますので、終了は少し残念です。

 「タイムショック21」は既にかなり話題になっていますね。

 それから、シドニーオリンピックの取上げ方は上手いと思います。メダルを獲得した選手が、NHKに出演した後にニュースステーションに出演しますが、チャンネルを追って見ますと、NHKとは全く違う質問と切り口で迫ってますね。NHKではメダリストの人間性が全く出なくて面白くないが、対照的に久米宏はその点が浮き彫りになるようなドキッとする質問をしますから、流石だなと感じました。NHKとの違いが特徴的に出ましたので誉めたいです。

 娯楽を強化する点については、時代風潮としてはやむを得ないと思います。他局の視聴率も娯楽に流れていますし、どうしても視聴率の時代になると思いますから、おおいに結構だと思います。

 最後に、「ほんパラ!関口堂書店」は大変にいい番組なので、解る人が見れば価値がだんだんわかってきます。息の長い番組にして欲しいです。以上です。

宮野委員

 前のお二方と同様に、「夏祭り王座決定戦」は出張中で見られませんでした。生放送の番組は録画で後から見ても、生の興奮の様子が変に伝わって醒めて見てしまっては公平な論評が出来ないと思いまして、見るのをやめました。申し訳ありません。

 「ビートたけしのTVタックル」は以前から見ておりますが、切り口の軽快さとは逆に、中味が重い番組ですね。真剣に悩まされる部分もありまして、特に9月4日放送の学級崩壊の話などは子供を持つ親にとっては身につまされる思いで見ました。見かけの割に真面目な番組で、月曜の夜に見るには題材が重いので、曜日が違えばもっといいかなと思います。

 先ほども出ましたが、私も田嶋陽子さんの切り口がとても好きです。また、番組の最後の喫煙コーナーで、ビートたけしと大竹まことがゴチャゴチャと話をするのですが、中味はいいのですが、オチでオチていないので、その辺りを替えていければいいなと思います。

 どの番組でもそうですが、他局との兼合いで、番組を二者択一する時に「TVタックル」を選ぶほどの魅力は、私にとってはないです。他局との兼合いを考慮して番組編成をしたら、もっと視聴者が増えるのではないかと思った次第です。

 今はシドニーオリンピックをテレビ朝日で見させて頂いています。久米さんの切り口がとてもいいなと思って見ております。

 また期末期首のスペシャル番組で毎年継続的にやっている娯楽番組が結構あると思いますが、子供たちの世代のほうがよく覚えていまして、そういった番組も定着するといいと思います。この前は芸能人がカラオケのイントロを聞いて続いて唄い出す番組をやってましたが、私も真剣に見てしまいました。どうせ娯楽番組なら、出演者も視聴者も真剣にやるほうが視聴率も上がるんじゃないか思って見ました。

 それから、1年間番組審議委員をやってみての感想ですが、私たちの世代は、会合などで政治や経済の話はしてもあまりテレビ番組を話題にする世代ではありません。ですから、テレビに目を向けるという意味でとても勉強になったと思います。また東京の知り合い達は「テレビ朝日=久米宏」というイメージが強くて、やはりそこから受けるものは多いようです。とりとめのない話ですが、以上です。

松本委員

 「夏祭り王座決定戦」は番組の途中から見ることになってしまいまして残念でした。素朴な疑問なのですが、ゲスト審査員の木村さんという方はどんな方ですか。

河邊業務局長

 映画監督の木村大作さんです。「鉄道員」などを撮った方です。

松本委員

 そうでしたか。私が勉強不足でして。このシビアな物の言い方をする人は何者かと思いまして。途中で紹介のテロップも出なかったので、もしも出ていれば、なるほどそれで違う見方をするのかと理解できたかとは思うのですが、途中から見たせいもありますので、木村さんの物の言い方がちょっときつすぎるな、と引いて見てしまいました。

 内容については、福島のわらじ祭りを初めて見まして、同じ東北にいながら知らなかったので、こんなお祭りが、盛大にやられているんだなと思って見ました。またゲストの3人のコメントで、お祭りをPRするCMづくりのアイデアが出ていましたので、それを生かして次の番組に繋げることが出来たら、大層面白いものになると思いました。コンペにするだとか、この3人でCMを作ってしまおうかとか、いろいろ出ていましたから。あれが冗談で終わらなければいいなと思って見ていました。

 また、盛岡のさんさ踊りは、盛り上がっている映像を短時間で映すには随分と難しいお祭りだなと感じました。踊っている人の表情を撮るにあたっては、楽しそうに踊っている人を映して頂ければまだいいものを、真剣に踊っている人やイヤイヤ踊っている人がアップになるものですから、お祭りを楽しむという雰囲気は、他の祭りと比べても、残念ながらいちばん伝わってきませんでした。

 「TVタックル」については、たけしさんは火曜に「万物創世紀」もやっていらっしゃいますが、うちではむしろ万物創世紀のほうが家族の評判がいいです。「TVタックル」では毎回シビアなテーマ、良いテーマを取り上げて切り口もいいのですが、見終わった後に“だからどうすればいいの”という気持ちが残ります。あまりにもシビアな問題で閉塞感があるだけに、視聴者は何らかの糸口やたけしさん流のコメントなりを期待しながら見てしまうわけです。鋭い言葉は出てきますが、それは決して解決の糸口につながらずに哀しく終わってしまうので、毎回見ていて辛い思いをして、見終わると溜息と疲れがどっと出てきます。目撃ナントカや衝撃スクープ!ナントカといったスペシャル番組を1時間に抑えただけにしか感じられなくて、何か辛さが残ります。この前の学校問題を扱った回は特にそうでした。

 先ほど新番組の紹介VTRを見ましたが、見たいと思う番組も多くありましたので、期待して見させて頂こうと思います。以上です。

斎藤委員

 大変に遅れまして申し訳ございません。

 番組合評でございますが、「夏祭り王座決定戦」の時は私はケーブルテレビでさんさ踊りの生放送を担当しておりましてビデオ録画したはずが撮れていなかったので、理由にはなりませんが見ることが出来ませんでした。申し訳ありません。

 「ビートたけしのTVタックル」は娯楽番組というより教養番組だなと思って見ておりました。但し、私はビートたけしやタモリ、所ジョージといった面々の番組は殆ど見ないですね。その時は面白くても、記憶に全く残らない。それがああいう番組の特徴、言い換えればメリットかもしれません。楽しい、疲れを癒すといった意味では結構な番組だと思いました。最近はオリンピックにばかり目がいって、「TVタックル」はあまり熱心には見られませんでした。

 それから、「題名のない音楽会21」は羽田健太郎さんになってから番組が良くなりましたね。この前は演歌をやっていましたが、黛さん時代が甦ったなと思いました。素晴らしい番組に変わってきたなと思いました。番組のキャラクターが違うと番組も随分と変わるなという、強い印象を受けました。以上です。

増子委員長

 私も一言いわせて頂きたいのですが、私は「夏祭り王座決定戦」を見ない人が多かったのは、IATとしてはラッキーだったのではないかと思います。木村監督がチクチクとキツイ意見を述べたというのは当然のことで、論評の仕様も無かったと思います。一つは、CMのコンテストですが、30秒ほどのCMがどんどんと流れて検討する暇もないし、CM制作者をどういう基準で選んだのか、CMの出来が全然良くなかった。祭りとどう絡んでいるのか判然としない。そもそも企画が間違っていたのではないか、誰が作っても上手く行きそうにないテーマだったのではないかと思います。まずはCMが鑑賞に耐え得るものでなくてはいけないですね。どういう基準でCM制作者を選んだのですか。

桑折専務

 基準は特に設けずに、各局がそれぞれに選びました。

増子委員長

 あまり感心しませんね。木村監督はひょっとしたら出演したことを後悔していたかも知れませんね、終始怒っていましたから。論評の仕様がないというか、面白くなかったですね。視聴率は分かりませんが、あの番組を最後まで見た人は少なかったのではないでしょうか。せっかくの枠があって作る時には、時間をただ埋めるのではなくて、この枠で勝負してやろうという気迫があってもいいと思います。先日、系列局のプログレス賞参加の番組を見させて頂きましたが、びっくりするような良い番組が沢山ありました。自分のレベルはそこにまだ達していないな、まだまだ遠いなということを、ああいった系列局の良い番組を見て学んで欲しいです。「夏祭り王座決定戦」にはちょっとがっかりしました。

 「TVタックル」は、疲れた時に見て素直に笑えますね。田嶋さんは学者だからストレートに真面目に意見を言いますが、他の出演者たちは芸人だからいい加減なのかと思いきや、案外と常識的な人なんですね。ギリギリのところで踏み止まるあたりが、やはり凄いですね。先ほど、年寄りが出演して残酷だという話が出ましたが、プロの芸人とは違う、普通の人の思わず出たユーモアが哀しいと言えば哀しいですが、とても面白いですね。

 笑ってしまってから哀しくなる面もあるのだけれども、「夏祭り―」と違って、最後まで笑って見ていられました。つまり見る時に、この番組から教訓を得ようなどということは最初から思っていないわけです。出演者も遊んでいるし、こちらも遊びで見ようという感覚で見ると気楽に素直に笑えるところが私にはあります。以上です。

河邊業務局長

 増子委員長からご指摘頂いた部分は、系列局の間からも指摘されまして、反省すべき点は重々ございます。本日、制作局が出席していないのは申し訳なく思っております。この番組は今回で3回目の番組でした。1回目は、ねぶた・竿灯・七夕・山笠の祭り日程と重なりまして、生中継も豊富で視聴率も20%を超えました。2回目も生中継がそれなりにあって視聴率も良かったです。ですが今回は生中継はさんさ踊りぐらいしかありませんでした。

 この番組は東北六県の共同セールスでして、セールス上、全県の祭りを入れなくてはということで、六県の制作スタッフで詰めました。プロデューサーは宮城のKHBですが、結果的には内容の趣旨徹底がなされなかった。CM制作であるとか、ゲストのコンセンサスであるとか。54分という番組枠もこの企画内容には短すぎました。こういった問題がいろいろとありまして、これを生かして来年につなげたいと思います。

増子委員長

 第1回の放送では生中継がたくさんあって、視聴率も20%いったということですね。やはり祭り番組は“祭り”で勝負しなくてはいけないということですね。CMとか小細工をすると上手くいかないということでしょうか。

河邊業務局長

 CM作りは徹底しておりませんでした。ご指摘の通りです。

荻野委員

 東北を取り上げる時に、お祭りを取り上げるのは本当に良いと思います。ですから題材としては良かったんでしょうね。

増子委員長

 祭りを思いっきり見たいと思うのに、それを充分に見られない。細切れにされてしまってという、モヤモヤした気持ちが私の中にありました。

河邊業務局長

 視聴者には祭りの日程は関係ありませんから、もっともです。さんさの良さも充分に出ていなかったと思います。

荻野委員

 さんさ踊りは“笑い”の無い祭りなんですよ。苦しそうに太鼓を打って、見る側もそれを苦しそうに見ているんです。ミスさんさは押し付けの笑みを浮かべていますが、他は難行苦行という表情です。

斎藤委員

 さんさ踊りが苦しく見えるというのは、他の土地の人の見方と地元の人の見方とでは違うんですね。私は、さんさは実に楽しそうに気楽に踊っているように見えますよ。中央からの観光客の方はよく、ねぶたのようなあまりにも摧けたお祭りよりも、さんさのようにシンプルなしっとりとしたお祭りのほうがいいですねと言われます。

荻野委員

 とは言っても実際、ねぶたの迫力は凄いですね。また、さんさはとても真面目な表情で踊りますから、見ているほうも真面目に見るんですよ。

斎藤委員

 そうですか。気が付きませんでした。今度、楽しく踊るように提案してみます。

増子委員長

 それでは、そろそろ次の議題に移りたいと思います。次回の日程についてお願いします。

升谷事務局長

 次回は10月25日(水)です。合評番組は、枠が拡大しました「IATスーパーJチャンネル」。それから、30年ぶりに復活しました「タイムショック21」。この2番組をご審議いただきたいと思います。よろしくお願いします。

河邊業務局長

 合評番組の「IATスーパーJチャンネル」ですが、金曜日は「活金情報局」といって、月~木とは趣を変えた内容となっておりますので、是非、月~木曜と金曜を見比べて頂きたいと思います。よろしくお願い致します。

升谷事務局長

 それからもう一点、民放連では、以前にメディアリテラシーの一環として、子ども達を対象にした「テレビキッズ探偵団」という番組を制作し各局それぞれで編成、放送致しました。その報告書によりますと、全国の小中学校の授業等でも活用されました。制作者側の、テレビの世界と現実の世界のズレを理解させるという番組意図も理解され、とても好評だったようです。これからも同種の番組を作り、編成枠をとって民放127社が同じテーマでやっていこうということになりました。これがテレビメディアの在り方のひとつの見方、考え方になっていくことだろうと思います。一応、報告をさせて頂きます。以上です。

増子委員長

 ありがとうございました。それでは本日の審議会を終わります。

7.審議機関の答申または改善意見に対してとった措置

特になし

8.審議機関の答申または意見の概要の公表

9/30付 朝日新聞岩手県版に審議概要を掲載。

系列各局に議事録を送付。

本社受付に議事録を常備、閲覧に供す。

インターネットホームページに掲載。

9.その他の参考事項

特になし

10.配布資料

◎ 10月度単発番組編成予定表

◎ 10月度新番組編成予定表

速報

岩手朝日テレビの第41回放送番組審議会が9月28日盛岡市盛岡駅西通2丁目の同本社で開かれた。

同審議会は、第5期目に入るが、委員10名は、引き続き留任、委員長に増子義孝県立大学教授、副委員長に照井章夫県農協中央会参事が互選された。

この日は10月スタートの番組について説明があり、続いて「ビートたけしのTVタックル」について審議、

  • 「毎週のテーマは真面目で、出演者の斬口も軽快でよい」
  • 「シビアなテーマを取りあげて展開されているが、番組を見終わってから……だからどうなの?……と溜息を突いてしまう」

等の意見がだされた。