放送番組審議会

9月(第81回)

概要

 岩手朝日テレビの第81回番組審議会が平成16年9月30日(木)、盛岡市盛岡駅西通の岩手朝日テレビ会議室で開かれた。

合評番組は「IATスーパーJチャンネル活金情報局」。

  • 金曜日の情報番組という点で言うと、情報量が多く評価できる。
  • 番組にスピードがあり、ノリの良さとアナウンサーに元気があっていい。女性アナウンサーの語り口が爽やかである。
  • 番組の1コーナーである「純情農園」に好感が持てる。農業県でありながら、農業を紹介する機会は少ない。牛乳やお米などについて、素人の目で農業を紹介してくれるのは嬉しい。他局にはない試みなので、これからも続けて欲しい。
  • 情報番組は他局にもある。IATなりの特色を出すには、何かの売りが欲しい。それは高校野球ではないか。他局があまり取り上げない分野に、焦点を当てるのも面白いだろう。
  • CMが非常に多く、番組がCMの中に埋没している印象を持つ。番組の本編かCMなのか、境目があいまいになっている。
  • 情報がたくさんありすぎて一方的に流される感じなので、番組が終わると余り印象に残らない。もう少しゆとりを持ち、ターゲットも若者だけでなく幅を広げて欲しい。
  • 映画情報は北上市の映画館に限られている。盛岡市などの他地域の情報も知りたいし、単なる映画紹介でなく、独自のコメンテーターによる映画解説も試みればどうか。

という意見が出た。

出席委員は、増子 義孝委員長、笠川 さゆり委員、宮野 裕子委員、村田 久委員、小田島 利昭委員、大坊 忠委員、松本 直子委員、高橋 真裕委員、石井 三郎委員の9名。欠席委員は、松尾 正弘委員の1名。

議事録

1.開催日時 平成 16年 9月 30日(木)午前11時~

2.開催場所 岩手朝日テレビ本社 3階会議室

3.委員の出席

委員総数 10名

出席委員数 9名

委員長 増子 義孝

委員 石井 三郎

委員 小田島 利昭

委員 笠川 さゆり

委員 高橋 真裕

委員 大坊 忠

委員 松本 直子

委員 宮野 裕子

委員 村田 久

欠席委員数 1名

委員 松尾 正弘

会社側出席者名

代表取締役社長 川崎 道生

常務取締役総務局長 伊東 正義

取締役営業局長 辻 一成

報道制作局次長 浅田 英利

報道制作局課長 中嶋 勝則

技術局長 佐々木 正樹

番組審議会事務局長  小倉 潔

4.議題

(1)10月単発番組について

(2)番組合評

「IATスーパーJチャンネル活金情報局」9月放送分

(3)次回の審議会

開催日:平成16年10月28日(木)

合評課題:「30人31脚岩手大会」

5.概要

◎金曜日の情報番組という点で言うと、情報量が多く評価できる。

◎番組にスピードがあり、ノリの良さとアナウンサーに元気があっていい。女性アナウンサーの語り口が爽やかである。

◎番組の1コーナーである「純情農園」に好感が持てる。農業県でありながら、農業を紹介する機会は少ない。牛乳やお米などについて、素人の目で農業を紹介してくれるのは嬉しい。他局にはない試みなので、これからも続けて欲しい。

◎ 情報番組は他局にもある。IATなりの特色を出すには、何かの売りが欲しい。それは高校野球ではないか。他局があまり取り上げない分野に、焦点を当てるのも面白いだろう。

◎ CMが非常に多く、番組がCMの中に埋没している印象を持つ。番組の本編かCMなのか、境目があいまいになっている。

◎ 情報がたくさんありすぎて一方的に流される感じなので、番組が終わると余り印象に残らない。もう少しゆとりを持ち、ターゲットも若者だけでなく幅を広げて欲しい。

◎ 映画情報は北上市の映画館に限られている。盛岡市などの他地域の情報も知りたいし、単なる映画紹介でなく、独自のコメンテーターによる映画解説も試みればどうか。

6.議事の内容

小倉事務局長

 第81回放送番組審議会を始めます。

増子委員長

 それでは川崎さん、一言お願いします。

川崎社長

 台風が直撃の中、お集まり頂きましてありがとうございます。

 弊社の課題は山積しておりますが、特にデジタルについて一言申し上げます。新聞等の報道でご存知かと思いますが、NHKが2005年12月に地上デジタルの本放送を始めます。岩手では、NHKと民放4局が2006年12月に本放送をしようと歩調を合わせてきましたが、NHKは単独で前倒しとなりました。岩手の民放はまだ方向性を打ち出しておりません。これから民放4局で相談して参ります。展開が変わりましたらご報告いたします。

 また、10月は新番組がスタート致しますので、追々、ご意見を頂戴できればと思います。

増子委員長

 10月の番組についてお願いします。

辻営業局長

 ご説明いたします。10月改編についてお手元の資料をご覧下さい。IATローカルでは月~木の18:17-19:00「IATスーパーJチャンネル」の女性アナウンサーが山田から樋口綾子に交代し、内容も若干リニューアルします。また本日審議いただく金曜の「活金情報局」は10月8日から「金曜スーク。」とタイトルを変え、これまでの三橋と矢田のほかに女子アナが原田佳子に交代です。また10月30日から毎週土曜12:55-13:50に「楽茶間(ラクティマ)」を放送開始します。これは営業主導型でもある地域情報番組です。MCはIAT矢部順子アナとタレントの小山羊右さんを起用しました。先輩各局が既に営業パブ番組の土俵を整えている中、大変遅れておりましたが、この番組を立ち上げて成功させたいと思っております。

 単発番組では9日の 11:15-11:45「IATキッズ夢王国」を編成します。9日と10日にアピオで開催します同イベントの模様を会場から生中継します。同じ9日の12:55-13:50「30人31脚全国大会2004岩手大会」。先月26日に行われた岩手大会では、初めて10秒を切る記録が出ました。その模様を編集して放送します。来月の合評番組ですのでよろしくお願いします。

 また9月の視聴率に関しては好調に推移しております。全日平均は4月-9月で平均6.8%です。下期は平均7.2%を目標とし、通年で7.0%を目指したいと思います。詳細はお手元の資料をご覧下さい。

増子委員長

 それでは合評に入ります。

高橋委員

 9月3日と10日の放送を見ました。評価出来る点は、活金大賞の「夏の思い出」で受賞者が『岩手での夏は今年が最後なので大いに満喫した』と言ったことに対して三橋アナが『盛岡を離れても、盛岡の良さをどんどん広めてください』とコメントしました。岩手県はこれから観光に力を入れなくてはいけませんから、こういったさり気ない会話の中にも、そういう気持ちが現れているのかなと思い、評価できます。また矢部アナの語り口が爽やかで好印象を持っております。

 残念ながら評価出来ない点は、CMが非常に多く、番組がCMの中に埋没している印象を受けました。非常に難しいですが、検討すべき事項だと思います。

 また、20-30代にターゲットを絞った割り切った番組構成をしているのでしょうが、私にとってはやや違和感があります。例えば天気予報では音楽が流れて、予報自体が聞き取りにくい。

大坊委員

 24日放送分を視聴しました。番組の目的が何なのか掴めずにやや疲れました。また高橋委員がおっしゃるとおり、CMが多いですね。

 活金純情農園では酒米を収穫してお酒まで作る過程を樋口アナがやっておりますが、興味を持って見ました。ですが、お米の師匠のお宅で神事を行うとき、酒瓶がテーブルに並ぶなら良いのですが、ビールが並んでいたのは残念ですね。気遣いが欲しかったです。

笠川委員

 3日と10日の分はビデオ視聴しましたが、24日はオンエアを見ました。金曜の情報番組という点では、情報量が多いので良いと思います。ですが、ターゲット層がどこなのか疑問です。番組のスピードが早く、若者は違和感なく見ますが、主婦層にとっては対面して「見る」番組であって、何かをしながら背を向けると内容が分からない番組だと感じました。というのは番組の本編なのかCMなのかが区別つかないんです。情報は沢山あるのに伝わらない、見ないと分からないのが残念です。ということは、一方的に情報を与える作りの番組なのかなと感じました。もう少し番組の中にゆとりが欲しい。

 三橋アナと矢部アナの身長差がかなりあるので、立って喋ると矢部アナ、首が疲れるだろうな、なんて印象も持ちました。

石井委員

 10日と24日の分をビデオ視聴しましたが、ビデオを早送りすると番組なのかCMなのか本当に分からないですね。2回分見ますと、内容も大変に面白い楽しい番組だと分かりました。金曜の夕方ですから主婦ファミリー向けの週末情報番組ですね。こういった内容で、サラリーマンやOL向けについても別時間で欲しいなと思いました。ライフォメーションのコーナーはCMなので、これを含めるとCMの割合がかなり高い番組で、何とか改善の余地がないのでしょうか。

 視聴者からのファクスを紹介しますが、字が小さかったり読みづらかったり、そういった点を改善して欲しい。電話でのやりとりももう一工夫が欲しい。それから映画情報はワーナーマイカル北上の情報なので、盛岡の映画館の情報も併せて紹介してはどうか。それから、番組の一番最後に矢部アナが手品や人形を使って何かやりますが、中途半端なのでやるならもう少し時間をかけてはどうでしょうか。

 笠川さんもおっしゃいましたが、三橋アナと矢部アナの身長差があり凸凹すぎで見苦しいので、座ってのツーショットを撮るべきではないでしょうか。

松本委員

 「活金情報局」はスタート当時に審議したと思いますが、その頃に比べると、だいぶこなれてきました。皆さんがおっしゃるように盛り沢山すぎて印象が薄い。他局も情報系番組を持っていますから、IATなりの特色を出す、これが売りという強みが欲しいですね。そう考えると高校野球かなと思います。小さな大会や招待試合、社会人野球や少年団野球など、他局があまり取り上げないところに焦点を当てるのも面白いと思います。

 「金曜スーク。」が始まりますが、内容を見ますと「楽茶間」とだぶる部分があります。新番組に期待したいなと思う半面、「楽茶間」と内容面でだぶるのではないか、だぶるのであればいっそのこと関連付けしたり、タイアップした内容で金曜土曜と放送しても面白いのではないか。楽しみです。

宮野委員

 「活金情報局」はノリの良さ、アナウンサーに元気があって良いなと思って見ております。ですがやはり項目が多すぎてよく分からない。釜石でのカレー作りと葛巻町の特集の回を見て思ったのは、遠くまで収録をしに行くのならばもっと長い時間放送してもいいんじゃないかということです。もっと一つのことに集中して詳しくやればいい。

 Jチャンネルの全体的なことを言いますと、もともとアナウンサーが立って放送をしていた番組ですよね。立って放送することが活動的に見えて好感を持っていました。凸凹だという意見もありますが、立って動くことは私にとっては目障りではないんです。

 終ってしまう番組ではありますが、項目が多すぎることや、こういった事を次の番組に生かして欲しい。

 また「楽茶間」も項目の多さが気になりますが、時間帯も違うので、番組を見て印象に残らないよりは、何か印象に残る何かがあれば良いなと思います。

村田委員

 番組の狙いが掴めない、何を伝えたいのか分からない。情報とCMの区別がつかない、あまりに忙しすぎる、というのが総論です。自分の情報として活用出来るものがあるか、といえばワーナーマイカル北上の映画情報ですが、映画ならば映画に重きを置いてほしい。様々な事情があるでしょうが、北上市の映画館の情報だけではあまり意味がない。

 営業的な問題もあるでしょうが、情報とCMが多すぎて物足りなさが残る。なぜなのかと思っているところへ「楽茶間」が出てきました。なるほど「活金情報局」の内容を濃くしたものが「楽茶間」なのかという気がします。見ないことには分かりませんが。「楽茶間」が、地元に受け入れられるかどうか、IATにとって正念場だと思います。「活金」の二番煎じにならないように、心して掛かってほしいと思います。

 またMCの身長差があって見づらいのは確かですが、それはそれで良いと思います。逆手にとった考え方もあるのでは。

 「金曜スーク。」は何か柱になるテーマを追って欲しい。「楽茶間」とダブってはどうにもならない。ダブるようならはっきり言って「金曜スーク。」は要りません。

小田島委員

 番組全体の印象は皆さんのご意見にあった、ターゲットが掴めない、詰め込み過ぎというのと、同じです。ですが情報番組だから仕方ない、という若者の声もありました。その手綱さばきが難しいのでしょうか。

 「活金純情農園」は私の職業柄でしょうか、好感が持てました。農業に力を入れるのはIATの方針ということで、なかなか一般の人たちに岩手の農業の内容を紹介する機会が少ないので、農業のプロではないアナウンサーの人たちが素人の目で農業を紹介してくれるのは嬉しいことです。牛乳やお米、りんごと特集コーナーで紹介して貰えますし、他局にはない試みですので、是非これからも続けて欲しい。

 今回は中学、高校、大学生の自分の子どもたちと視聴しようと思いましたが、子どもたちは番組を見ようとしませんでした。なぜかと聞きましたら、スタジオが平面的で画面で見た時に面白くない、奥行きがないと言いますか。まるで会議室かどこかでやっているような印象を受けるようです。多分、若い人ほどそういった印象で決める部分が多いでしょうから、「金曜スーク。」にはスタジオに奥行きを持たせるというか、そういった工夫を期待したい。内容も重要ですが、まずは画面を見て貰わないことにはどうしようもないですから。

 情報系番組は沢山ありますが、土日のイベントを紹介したくても紹介する機会やタイミングを逃したという主催者も多いはずです。ファクス募集のコーナーを利用して週末のイベント紹介コーナーがあればいいのでは。

増子委員長

 ビデオ録画をしてCMを早送りして見ていたら、いつの間にか番組本編になっていました。皆さんおっしゃるようにCMと番組の境目が分からない。CMそのものが、限りなくCMとは思わせない作りになって来ているし、その一方で「活金」は番組自体がある種のCMなんです。境目が無くなるのは当たり前の話なんですね。これは相当考えなくてはいけない、このままでは駄目になるとの印象を受けました。

 映画紹介も映画の断片を流して、映画館の支配人が出演するのではなくて、番組独自の解説者に自分の言葉で映画を語らせるといった試みが求められる。

 ニュースと純情農園以外は全編がコマーシャルのように思えて迫力がない。印象に残らない。情報系番組の作りは非常に難しいと思います。「活金情報局」を見れば週末情報は分かりますよ、という作りには、今なっていないのが現状ですね。この時間にチャンネルを合わせて貰うにはどうしたら良いのかもっと考えなくてはならないでしょう。他局の情報番組のほうが相当出来が良いと思います。

 IATの方に、お話しを伺いましょう。

辻営業局長

 委員の皆様のご指摘とおり、本編とCMの区別がつきにくい点はまさしくその通りです。例えばワーナーマイカル北上の情報はペイドパブと申しまして、料金を頂戴して紹介しております。ですから盛岡の映画館通りの情報も一緒に、というご意見は実現が難しい状況です。制作する側が切り口に工夫をして、スポンサー側と調整することがもっと必要ですし、反省しなくてはならない点です。

 これは新番組の「楽茶間」にも言えることなので、スポンサー・視聴者双方にとって、より良い番組作りをしていかなくてはなりません。

浅田報道局次長

 インフォマーシャルなのか、作り込みのものなのかをうまく見せないと、委員長がおっしゃるように全てがCMになってしまいます。現場ではそれなりに加工しておりますが、それにも限りがあり、作り込みが少ない番組になっています。純情農園などは作り込んでいますが、だいたい33分の本編の中で作り込めるのは9-10分程度です。そのバランスが皆さんのご指摘に繋がっています。もっとクリエイティブに見せていかなくてはなりません。

 そういった点を踏まえて10月新番組の「金曜スーク。」では、番組にもう少しゆとりを持たせ、30代、40代にもターゲットを置いていきたい。スタジオのスペースに物理的な限界はあるものの、ちょっと奥行きを出していきたいと思います。

増子委員長

 映画紹介コーナーにお願いしたいのは、紹介者には地元の映画に詳しい人を出して、その人の言葉で映画を語らせたほうが面白いと思うんですが。

浅田報道制作局次長

 我々も委員長がおっしゃるような提案をしましたが、スポンサーから断られました。「金曜スーク。」で、直ちにとはいきませんが、徐々に映画館通りの情報を入れるなどの取り組みはして行きます。

中嶋報道制作局課長

 大坊委員からご意見がありました酒米の神事にビールは如何かという点は、取材先で既に準備をなさっていて神事がすぐに始まってしまったために止めることが出来ませんでした。

増子委員長

 今日はいろいろな注文を付けましたが、難しいことはよく分かっていて敢えて言わせて頂きました。

 それでは次回の開催についてお願いします。

小倉事務局長

 次回は10月28日(木)です。合評番組は10月9日放送予定の「30人31脚岩手大会」です。また11月11日に、系列番審の委員代表者会議がございまして村田委員に出席して頂きます。今回の代表者会議はテーマを設けずにフリートーキングです。委員の皆さんのご意見を次回に頂戴したいと思います。

村田委員

 皆さんの意見をまとめて会議に参りたいと思います。よろしくお願いします。

増子委員長

 それでは終了します。ありがとうございました。

7.審議機関の答申または改善意見に対してとった措置

特になし

8.審議機関の答申または意見の概要の公表

10/5付 朝日新聞岩手県版に審議概要を掲載。

系列各局に議事録を送付。

本社受付に議事録を常備、閲覧に供す。

インターネットホームページに掲載。

9.その他の参考事項

特になし

10.配布資料

◎10月度単発番組編成予定表

◎10~12月タイムテーブル

◎9月岩手地区視聴率

◎視聴者応答記録(4~6月分)