岩手大学などがネコの「においの名刺」発見【岩手】
岩手大学などの国際共同研究グループは、ネコの尿に個体を識別する「特殊な成分」が含まれていることを初めて明らかにしました。尿のにおいを嗅いだ時などにネコが口を半開きにし、ぼんやりとした表情を見せる「フレーメン反応」。発情期のメスの尿など特定の物質に反応することは知られていましたが詳しい解明はされていませんでした。岩手大学農学部の宮崎雅雄教授ら、国際共同研究グループは、フレーメン反応を引き起こす物質としてネコの尿から13種類の「分岐鎖脂肪酸」を世界で初めて発見したと発表しました。「分岐鎖脂肪酸」は、体脂肪などをつくる分子が枝分かれした珍しいもので、1匹ごとに種類や比率が異なるため、個体を識別する「においの名刺」を作っていると考えられます。研究の成果は、日本時間の20日アメリカの学術雑誌の電子版に掲載されました。宮崎教授らは尿の成分を複数に分類した上で、どのにおいにフレーメン反応をするかを調べる実験などをして「分岐鎖脂肪酸」を見つけました。また、別の実験でネコに同じネコの分岐鎖脂肪酸を嗅がせると、フレーメン反応の回数や嗅ぐ回数が次第に減る一方、毎回別のネコの脂肪酸を嗅がせると、反応や嗅ぐ回数が維持されたことから、ネコが「分岐鎖脂肪酸」から個体を嗅ぎ分けていることが示されたといいます。さらに今回「分岐鎖脂肪酸」がネコの腎臓に蓄えられた脂肪滴(しぼうてき)から尿に出ていることも初めて発見されました。宮崎教授は、ネコの尿のにおいを抑える研究などにもつながると話していて、ネコに腎臓病が多いことと脂肪滴との関係についても研究を進めたいとしています。