放送番組審議会

1月(第54回)

概要

 岩手朝日テレビの第54回番組審議会(委員長 増子義孝県立大学教授)は1月23日(水)、盛岡市盛岡駅西通りの同本社で開かれた。

  今回は「サタッぱち 古舘の日本上陸」について審議した。その中で、バラエティーとして新しいスタイルであるとの評価の反面、人、物の情報が多すぎ、司会の古舘が生かされず、結果として番組の面白さが伝わらない、との意見が出された。

また、夜8時の時間帯は、家族が安心して見られる番組を編成して欲しいとの要望も出された。

 出席委員は、 増子 義孝委員長、及川 和男副委員長、石井 三郎委員、植本 花子委員、小川口 柳太郎委員、笠川 さゆり委員、大坊 忠委員、松尾 正弘委員、宮野 裕子委員の9名。欠席委員は、松本 直子委員の1名。

議事録

1. 平成14年1月23日(水)午前11時~

2. 岩手朝日テレビ本社3階会議室

3.委員の出席

委員総数 10名

出席委員数 9名

 委員長 増子 義孝

副委員長 及川 和男

  委員 石井 三郎

  委員 植本 花子

  委員 小川口 柳太郎

  委員 笠川 さゆり

  委員 大坊 忠

  委員 松尾 正弘

  委員 宮野 裕子

欠席委員数 1名

  委員 松本 直子

会社側出席者名

    専務取締役 桑折 勇一

    専務取締役 村上 昇

      取締役 横舘 英雄

     業務局長 河邊 喬

   報道制作局長 星井 孝之

     技術局長 菊地 一行

番組審議会事務局長 佐々木 瑞夫

4.議題

(1)2月の番組編成について

(2)番組合評

「サタっぱち 古舘の日本上陸」について

(3)その他

(4)次回の審議会

 開催日:平成14年2月27日(水)

合評課題:「SmaSTATION!!」

(5)閉会

5.概要

▽意外性がある商品が紹介されるので面白い。

▼司会・ゲスト・プレゼンター・バイヤー・観客と出演者が多すぎてゴチャゴチャしている。

▼司会の古舘氏ならではの持ち味が生かされていなくて残念である。

▼夜8時の時間帯にふさわしい内容の番組にして欲しい。

6.議事の内容

佐々木事務局長

 只今から第54回番組審議会を開催いたします。それでは弊社、桑折専務よりご挨拶申し上げます。

桑折専務

 皆さんおはようございます。お足元の悪い中、お集まり頂きましてありがとうございます。我が局も昨年の10月で満5周年となり、今年は6年目の正月を迎えたことになります。この間、5周年記念としましてイベントや番組をいくつがやって参りました。番組としましては岩手山の特集、イベントでは瀬戸内寂聴さんの講演会、楽劇「サロメ」の上演、暮れには「なつかしの歌コンサート」をやりました。お陰様で、大変好評のうちに終わることが出来ました。また3月に小岩井農場の特集番組を制作することになっております。私共6年目に入りまして、さらに良い番組を自ら作れる力を付けていきたいと思っております。視聴率もテレビ朝日、IAT共々上向きになっておりまして大変心強いことだと思っております。さらに今年は良い番組を皆様にご提供出来ますように努力して参りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

佐々木事務局長

 それでは増子委員長、議事の進行を宜しくお願い致します。

増子委員長

 それでは早速、2月の番組編成についてお願いします。

河邊業務局長

 お配りしてあります単発一覧に沿ってご説明させて頂きます。

レギュラー番組については特に変更はございません。

2月2日24:30~25:25「TOYOTAビックエア」。1/26に真駒内オープンスタジアムで開催されますスノーボードのストレートジャンプの模様を放送いたします。6回目を迎える本大会は、ソルトレークオリンピック目前ということもあり、重要な大会になると予想されます。

2月9日7:00~7:30「なつかしの歌スペシャル」。先ほど桑折専務のお話しにもありましたが、昨年12月24日に行われた「なつかしの歌コンサート」の模様を編集したものを放送いたします。

2月10日にはソルトレークオリンピックのフィギュアスケートの放送があります。ソルトレークオリンピックは日本時間で2月9日から25日に行われまして、系列としては第一弾の番組です。キャスターは前田亘輝と長島三奈がソルトレーク、真中瞳と角澤照治が東京からお送りします。冬季オリンピックの編成は沢山ありますので、お配りした別表を参考になさって下さい。

2月23日14:00~14:55「IAT CUP APPI SNOWBOARD CHAMPIONSHIP~2002年に賭けるボーダーたち~(仮)」。IAT制作で、1/31~2/3に安比高原スキー場で行われるスノーボード選手権の模様を放送します。これもIATが何回か手掛けているイベントです。ソルトレークを目前にして1/26には「TOYOTA BIG AIR」が開催されることもあり、このIAT CUPの注目度も高まってきております。この選手権はプロも参加しますが、アマチュア選手も数多く参加出来る大会となっていて、400~500名のアマチュア選手が参加登録しております。

それから、いよいよワールドカップということで、2月3月から、サッカー関連の編成が多くなって参ります。2月24日14:00~15:25「W杯目前・緊急SP サッカー日本代表・小野伸二激励ツアー ゴスペラーズが行くオランダ・ロッテルダムの旅(仮)」を編成します。

2月の主な単発番組については以上です。

増子委員長

 ありがとうございました。番組編成について質問その他ございますか。

無いようですので、番組合評「サタッぱち古舘の日本上陸」に入らせて頂きます。松尾さんからお願いします。

松尾委員

 1月に入ってからの2週、番組を見ました。ゲストと発表する人の人数が多すぎて、ゴチャゴチャし過ぎて、司会の古舘さんが喋る部分が少なくて、もっと個性を発揮して欲しいと思いました。出演者の人数をもう少し減らして、落ち着いてやってもいいのではないかと思います。それから様々なグッズが紹介されますが、地味だけれども日本で発売されたらヒットするんじゃないかというモノと、これは駄目だ眉唾モノだというのが入り混じって次々出てきますが、番組としては眉唾モノの方が面白いのかなと思って見ました。私はこの番組をバラエティとして見たのですが、そうして見ると真面目な地味なモノよりも、「エッ、こんなのあるの?」というモノの方が楽しめました。例えばローラースーツですとかゾービングが楽しかったです。それから、この番組に限ったことではないのですが、良いところでCMが入ってしまって、CM後にCM前にやっていたことをおさらいするのですが、これが非常に不快で、見ようという意欲が萎んでしまうんです。どうしてこういうふうにやってしまうのかが残念に思えました。スポンサー本位ではなくて、視聴者本位でやっていかないと、視聴者から見放されてしまうんじゃないかと思います。将来、デジタル化や競合が厳しくなってきますから、視聴者本位ということを考えて番組作りをして欲しいと思います。それから、この番組の前の「これマジ!?」でアポロ11号の月着陸の真偽について2週にわたってやっていましたが、これが興味深くて面白かったです。以上です。

小川口委員

 まず質問ですが、「サタッぱち」とはどういう意味ですか。

桑折専務

 土曜日、サタデイの8時という意味ですね。

小川口委員

 そうですか。私はその意味が解らなくて見ていました。10月の番組開始時には「知的情報バラエティ」であるという紹介がしてありますが、果たしてこの番組が知的情報になるのかなと思いました。あちこち取材して売れ筋のもの、売れそうなものを紹介していましたが、売れるか売れないか、流行るか流行らないかだけが中心で、果たして当初の番組の狙いに合致しているんでしょうか。バイヤーさんが実際に買付するのはいいと思いますが、ゲストも多くて落ち着いて見ていられないし、出演者達だけが喜んでいる感じがします。古舘さんの知識の広さや話術をもっと前面に出して活かしたらいいと思います。この番組を続けて見るのかというと、私はそうは出来ない気がします。以上です。

宮野委員

 年末年始は放送がありませんでしたが、最近の4回放送分を全部見ました。皆さんと同様に、登場人物が多すぎてゲストの位置付けとは一体何なんだろうと感じました。プレゼンターが商品を紹介する、それをバイヤーが意見するのはいいのですが、そこに登場する人が多すぎて、古舘さんが仕切りが出来ない状態になってる感じがします。商品の紹介と世界のCMがありますが、商品の紹介に関しては過去4回見て記憶に残っていることは、ダイエット商品が多いかな。女性をターゲットにするとそうなるでしょうか。では女性の私はその商品を買うかというと、この前放送のパッチは買ってみようかなと内心思ったくらいで、あとは日常生活にそぐわないものが多かったですね。世界のCMは、意外性を考えれば面白いですが、意外なだけであってあまり覚えていない。記憶に残らないというのが印象です。

 4回見て記憶にとても残っていることは、「タイの古舘伊知郎さん」の時だけは古舘さんが喜んで番組をやっていた気がして、それ以外は彼の持ち味の強い個性を消してるんじゃないかなと思って見ました。コーナーの仕切りも無い気がしますし、ただただ紹介をして番組がダラッと流れて終わるので、ちょっと物足りない気がします。そこをもう少し考えて頂けたらと思います。以上です。

石井委員

 ビデオに撮って見ましたが、一度見ただけではどんな番組なのか理解出来ずに2、3回繰り返し見て、ようやく番組の性格が見えてきました。構成がもう少し解り易くならないのかというのが全体的な印象です。それから、司会が古舘さんですから、真面目な社会性のあるような番組かなという期待もあったのですが、実際はブラックユーモアな商品やCMを紹介していて、土曜の8時にしては子供向きではない内容が多い気がします。むしろ時間帯をもっと夜に変えて、内容を更に過激にしたほうが、視聴者の層と合うんじゃないかと思います。それから皆さんおっしゃるように、登場人物が非常に多い。MCとゲスト、プレゼンター、バイヤーと観客。夫々に役割があると思いますが、あまりに人数が多すぎて位置付けが希薄になっている、その辺をもっと絞り込んだらいいと思います。それから、バイヤーが買う買わないで判定をしますが、観客にも意見を聞いて評価して貰ったりしたら、番組を最後まで見る気も起こるかな、今は単なる羅列に終わっている感じですね。番組としての統一性が無いですね。内容に関しては、宮野さんからダイエットの話がありましたが、私はマスコミがダイエットを取り上げることは、あまり好ましいことではないと思います。ダイエットブームは健康面から考えても決して良い話ではないですから、マスコミが正面から取り上げていいのかなと。欧米などの深刻的な肥満でしたらダイエットも必要ですけれども、日本人はちょっと違うんじゃないかなと思います。本題とは少しずれますが、紹介する商品の選び方がもっとあって然るべきだという気がしました。以上です。

及川副委員長

 10月に頂いたタイムテーブルを見ますと、『「世界の今」を紹介していく知的情報エンターテイメント』という謳い文句で始まったようですが、番組の冒頭に「この番組はまだ日本に紹介されていない海外の品々を日本に上陸させる大プレゼンテーションショー」と物々しいアナウンスがあって始まる訳ですが、司会の古舘氏と女性アナ、それにゲストとプレゼンテーター数名、観客はバイヤーを含んで多数という、娯楽的な情報紹介番組というイメージなのですが、これだけの人揃えと海外の新しい動きを取材する費用とで、制作費もかなりかかっていると思われますので、それなりにテレビ朝日としても力を込めた番組であろうとは思うのですが、期待したほどではなかったというのが率直な印象です。司会の古舘氏はとても過激なトークが個性的なことで知られているのですが、その独特な言い回しと過激な表現に合った雰囲気の中で、新しいもの珍しい情報を面白く見せようとしていることは解るのですが、興味が何か低次元ではないかなと。それに色々詰め込み過ぎるので、羅列的で突っ込み不足で。1、2回見たらもういい沢山、という感じですね。リピーターが来ない観光地や娯楽施設と同様の感情を持ちました。情報は確かに新しいし、全く興味を感じさせない訳ではないのですが、インパクトはそれなりにあっても、見る側を感動させるような情報エネルギーは乏しいし、またすぐには役立たない情報で、それをいち早く知ることによって何か得をしたという感情にも特別ならないような。ですから、現在の情報氾濫の中に埋没してしまっているという印象を受けました。古舘氏は過激な表現が特徴ですが、1月19日のダイエットの紹介で、観客とやりとりしている中で「君は馬鹿なのかい」という表現があったり、痩せたいと言っている観客に対して、渡邊氏に「渡邊さん、ぶん殴っちゃって」という言い方をするわけです。こういった表現は問題があると思います。実は、1月12日付の朝日新聞「明日はあるか」というシリーズで古舘さんもインタビューされていまして、このままではテレビは駄目になってしまうということを言っております。この中で『視聴者は目先の刺激を追い求めるインパクト難民だよ。』『手をかえ品をかえ、情報の超インフレ状態が続くでしょう。』俺もNHKのプロジェクトXみたいな番組やりたいよノーギャラでも・・・。といったような、かなり過激な発言をしています。まさに彼自身が感じていることを、自分自身が出演する番組で演じなければならないという、プロフェッショナルの悩みを感じていると思います。内心そういったことがあるとしても、「馬鹿なのか」とか「殴っちゃって」といった表現はやはり考えものだと思うんです。とにかく、飽食、肥満、そしてダイエットがありそういったグッズなどが氾濫している。確かに古舘氏が言うように、テレビはこれでいいのかなという思いはします。旅や人、食への興味は普遍なもので、それは視聴者の興味を惹くと思いますが、もう少し視聴者を高める或いは癒しとか和み、もっと人間が高まるような知的幸福を与えるような方向で考えていかないと、見放されていくのではないかと思います。

増子委員長

 ありがとうございました。それでは大坊さんお願いします。

大坊委員

 この番組は低次元ではなかろうか、という及川さんのお話しでしたが、非常に私は興味深く見させて頂きました。土曜の8時にテレビを見る機会は非常に少ないのですが、無理して見ましたら、とても興味深かったです。これは私の仕事の関係もあるかも知れませんが、商売をしていますと、ナショナルブランド、所謂NBを置いて売上を多く上げることは当然なのですが、モノが売れない時代、モノ余りの時代に何か目立つ商品を探すことは我々の使命の一つなんですね。先ほど、松尾さんが、番組を見て「エッ」という驚きがあったと言っておりましたが、店や企業には「エッ」と驚くような意外性のある商品や企画が必要ではなかろうかと、私は常に思っております。そういったものを組み入れていかないと、リピートは無いと常に社員に言っておりますし、是非ともこの番組を見なさいと社員に言ったくらいですから。この番組は話題性を提供する番組でしょうから、記憶に残らなくてもいいんじゃないか、面白いと思って見て貰えたらいいんじゃないか、という気がしました。ただ、私は仕事に関連しますので勉強になりました。ダイエットパッチはバニラの香りでしたが、我々のコンビニで一番売れるアイスもバニラだな。やはりバニラなのかな、そんなことを感じながら見ておりました。それから、ハイブラですね。私は防犯関係団体の役をしておりまして、犯罪の抑制について常に考えるべきだと感じております。大阪の池田小学校における事件後、早速、盛岡市内の付属小学校などにさすまたを贈ったりしております。ですからハイブラを、犯罪の抑制を考える立場として見た時になるほどな、こういったことを放送していれば、セクハラだとかそういった面の防御にもなるかな、と思いました。ですから、見る側の立場の違いでしょうか。そして世界でどんな商品が話題なのか、それが日本に上陸して売れるか売れないかは、企業やバイヤー次第ですから。見る人の角度は様々だということも、番組の目的の一つだと思いますし、私は非常に良かったなと思いました。以上です。

植本委員

 見たことのないモノ、知らなかったモノを純粋に取り上げている前向きな番組だなと思って、私も興味深く見ました。見本市のようで、確かに実用性の無いものも沢山取り上げてましたが、ローラースーツのようなユニークなアイデアや夢があって、頭の切り替えにもなる感じで、いい番組じゃないかと思いました。ただ、皆さんから指摘があるように、出演者が多すぎますし、よく素性の分からない人がいろいろと喋っているのですが、むしろ買付に来ているバイヤーさん達のプロの意見を聞くほうが、紹介される商品にリアリティが出ていいと思います。そういった点を改善したほうが、より興味深くなるなと思いました。以上です。

笠川委員

 この番組は合評番組になる前のスタート当初、古舘さんが世界の情報を紹介するということで興味がありましたし、8時台なので子ども達と一緒に見ていました。世界の番組を紹介するコーナーでオランダの番組を紹介していたのですが、性的なシーンが多すぎて、8時台なのに何故放送されるのだろうと不愉快な思いをしたものですから、私にとっては是非とも避けたい番組でした。ですので今回も全てビデオに撮って見るような形になりました。8時台の番組ですから、性的部分や暴力シーンなどは世界では普通に放送しているのかも知れませんが、配慮した放送をして頂きたいです。親として子どもと一緒に見るに耐えない内容でした。今回はビデオで見ましたが、ダイエット関連商品などは女性として興味をそそられるものから笑えるものまで、いろいろな商品が紹介されて、それに伴うバイヤーの方のものの見方や意見、売り方や宣伝効果などは、なるほどなと思えるような話も聞けて、今回見た限りでは、視点が面白いと思いました。ただ、先ほども挙げられていましたけれども、特にゲストが無理に番組を盛り上げようとしているのか、全体的に騒がしく感じられるようなことも多いです。せっかくの古舘さんの軽妙で、それでいて言葉の遊びに長けている良さが消されているというか、出しきれずになっているのかなという印象がありました。決してつまらない番組ではなくて、興味もそそられる番組なのですが、時間帯がもっと遅ければもっと楽しめるかなと思いました。8時台に放送するのであれば、もう少し笑って見られると言いますか、性的部分とか暴力シーンは問題になっている所もありますので、配慮していただければ楽しめるなと思いました。以上です。

増子委員長

 ありがとうございました。私もひとこと言わせて頂きますと、こういう番組を論評するというのは辛いなという気がしました。と言うのは、テレビの全体状況と絡めて言えば、言うことはいろいろあるけれども、この番組だけを論評するならば、目くじらたてて云々するような番組じゃない、真面目に見る番組じゃないなと。遊び心で作られている気がしました。バイヤーも本気で買いに来ている訳ではなくて、遊びで来ている。そういう番組であって、面白いと思う人は見ればいいし、そうでない人は消せばいいしという、肩に力を入れる程ではないと思いました。ただ、見れば結構見てしまうんですね。先ほどありましたが「エッ」とか「ヘー」とかいうようなモノが次から次へと出てくる、そういう意味では紛れも無くニュースがあるんですね知的ではないけれども。知的ではないけれどもニュースがある、ニュースがあるから見てしまう。ただこの番組を見ながら、こういうネタを探すのは大変だろうなということだけを考えてしまいまして、あまり論評しようという気にはならない番組でした。

村上専務

 いろいろと貴重なご意見を頂きましてありがとうございます。視聴率的には1月12日は11.4%ということで、ゴールデンでは業界で俗に言う2桁は超えたので、成功ではないかという気はします。それから、テレビ朝日でモニターをいろいろやっておりまして、若い方々を集めたベルファームというモニター団体からも意見が出まして、やはり古舘伊知郎の話術が活かされていないということと、売り手と買い手とゲストそれぞれの役割がゴチャゴチャしているので、それを整理して上手くやればもっと視聴率が上がるのではないかという意見が出ておりました。全体的には皆さんと同じような意見です。視聴率的にはこのままいってくれればいいなという数字は出た訳です。

小川口委員

 古舘さんのリズムがあっていない、やる気が無くてのめり込んでいないという気がします。何かズレているなと感じました。

桑折専務

 のっていない感じですか。

小川口委員

 そうです。彼自身のっていない感じです。

及川副委員長

 NHKの「日本人の質問」は彼の独壇場といいますか、持ち味を出していますね。

あの楽しさに比較すれば、この番組では何か影が薄いですね。トークの部分が少ないですし。視聴率が良かったというのは1月12日分ですね。その日の放送は「これマジ!?」でもやはりダイエットなんですね。韓国仰天ダイエットということで泥パックをして、それで「サタッぱち」に入りますと、『今夜も痩せてもらいます!』といってダイエットパッチに入るわけです。食べて太って、今度は痩せるために一生懸命ダイエットしたり。こういう番組が多い訳です。そういったテレビ全般の状況と無関連には見られないと思います。

増子委員長

 外国のテレビ事情はあまり分かりませんが、日本のようにどのチャンネルでも健康番組と旨いもの、温泉・・・そんなものばかりが多い国は他にあるんでしょうかね。

桑折専務

 増子さんが今までに見てきたアジアの国々の事情はどうでしたか。

増子委員長

 チャンネル数が少ないし、国が管理していたり、健康や旨いものよりももっと大事な問題があるから、面白くはないですがもっと硬派をやっていましたね。それにしても凄いですね日本の健康や旨いものの番組は。それを引いたら何が残るんでしょうかね。

        

河邊業務局長

 様々な視聴者に様々なアンケートをとったデータによりますと、どの層でも旅行や食べ物、健康といったものが見たい、若しくは興味があるという結果が上位を占めますから、どうしても無難な番組になってしまいますね。本来ならそういったもののバランスが取れた編成になればいいのですが。

増子委員長

 作る側にとっても人畜無害な番組ですからね。

石井委員

 視聴率が結構良いというのが、ちょっと意外でした。大坊さんが言われたように、面白さに徹してそれを追求するという意味ではいいのですが、まだ海外においても研究途中といったものが多く紹介されていて、本当に実用性があるのかと言えば、首を捻るようなものが多くて、やはり冒頭申し上げたように、ブラックユーモアなのかな思いましたね。

河邊業務局長

 視聴率が2桁になったのは、1/12が初めてでして、それまではずっと1桁で少し低迷しておりました。正月ということも影響があったのかも知れません。高視聴率を続けるには、エッとか感動を与えるものを毎回提供しなくてはならないですから、非常にこういった番組は難しいですね。

及川副委員長

 以前に「WA風が来た」を審議しましたが、あの番組はある人間のサクセスストーリーもあったりして、人間の営みとか努力につい感動させられるところがあったんです。ちょっとそれに類似するところがある感じも持ちましたが、ああいう感動とも少し違うんですね。意外性や面白さは瞬間的にはあるのですが、私としてはどうも、こういったものが充満しているというか、古舘流に言えば氾濫しているというか。そして更に刺激的なインパクトを求めて過激になってしまっている。番組タイトルの「サタッぱち」というネーミングも、サタディの8時だからというのは分かりますが、こういうやり方はあまり感心しないですね。

桑折専務

 名は体をあらわすともいいますから。このネーミングを聞いて何だか分からないという方が多いだけでも、この名前が理解されていないということですから。

増子委員長

 「サタッぱち」という名がスマートかと言えば、そうではないという感じが私もしますね。

桑折専務

 大坊さんの評価は非常に高かったんですけれどね。

大坊委員

 ただ、ニューヨークの回転寿司の写真が不鮮明でしたね。もっとお寿司が綺麗に写っていたらもっと良かったと思いますね。それからローラースーツの紹介の時、雑音がとても凄くて聞きづらいなと思いました。相対的にはもの凄く興味のある番組ですね。

桑折専務

 ありがとうございます。この番組に対しての評価は割れましたね。

増子委員長

 あのニューヨークの寿司が旨いという出演者がいたら文句を言おうと思ってましたが、さすがに皆不味いと言ったので、この番組はみんなが遊んでる番組だなということを私は再認識しましたね。

及川副委員長

 タイのチップムーという料理を取り上げて、池袋の居酒屋でも商品化して食べさせていて、それを食べた女性が「一回食べればもういい」という反応がありました。私にしてみたらこの番組も一度見ればいいなという感じで、楽しみにして毎週8時にチャンネルを合わせるという気にはなれなかったですね。申し訳ないのですが。

増子委員長

 先ほどのお話しだと、全体的に視聴率の調子が良くなってきたような事ですが。

桑折専務

 年明けにIATも全日の視聴率が若干ですが伸びてきています。夕方のニュースや県政番組も伸びてきています。良い兆しだなと思います。

増子委員長

 及川先生、テレビだけを責めてもいかんような気がしてきました。視聴者がだんだんおかしくなってきているというか、そういう問題があると思うんですよ。やはり作り手と受ける側との相関関係がありまして、例えば新聞の場合、新聞の日本語は明らかに昔に比べてレベルが落ちているのですが、読み手のレベルも落ちている。読み手のレベルが落ちるからまた書き手も落ちる、という具合に悪循環を繰り返している、と私は思うんです。テレビの場合も。

桑折専務

 テレビがそういった悪循環に陥っているとしたら困ったことですね。

増子委員長

 他にもご意見はございませんか。

及川副委員長

 価値観の多様化については言われ尽くした感もあるのですが。「価値観」は多様化したと思いますが、「価値」はやはり普遍だと思うんです。価値がどんどん変わるのではなくて価値観が変化しているのだから、やはり古くからの尊いことや大事なことといったものがこもっていれば、いろいろな層が一緒に番組を見て、何か感じることが出来ると思います。多様化の先端のところだけで、何か新しいものを打ち出そうとするだけに走るとおかしくなると思うので、もう一度、価値の根源に戻って考えて、どういう切り口で表現していくかを考えないと。価値そのものがコロコロと変わる訳がないのですから。例えば、日曜の夜9時の他局ですが木村拓哉と常盤貴子のドラマがありましたね。あれが良い例ですね。身障者との恋愛、悲哀といったものは昔から多く描かれてきたものなのに、広い層を釘付けにする力を持ったのですから。テレビが果たせる役割だってあると思うのですがね。新しい風を吹かせるといいますか。

増子委員長

 他にご意見はございますか。それでは次回の予定をお願いします。

佐々木事務局長

 次回は2月27日にお願いします。合評番組は「SmaSTATION!!」です。

番組内容は資料の中に「SmaTIMES」というものが入っておりますので、それをご参考にして頂きたいと思います。

増子委員長

 それでは終了いたします。ありがとうございました。

7.審議機関の答申または改善意見に対してとった措置

特になし

8.審議機関の答申または意見の概要の公表

1/25付 朝日新聞岩手県版に審議概要を掲載。

系列各局に議事録を送付。

本社受付に議事録を常備、閲覧に供す。

インターネットホームページに掲載。

当日のスーパーJチャンネルで審議会の内容を紹介。

9.その他の参考事項

特になし

10.配布資料

◎ 2月度単発番組編成予定表

◎ 2001年12月視聴者応答記録

◎ 1~3月タイムテーブル