放送番組審議会

1月(第64回)

概要

 岩手朝日テレビの第64回番組審議会が平成15年1月23日(木)、盛岡市盛岡駅西通の同社会議室で開かれた。

合評番組は、「ふるさとCM大賞 IN IWATE」。委員からは、

  • 市町村の観光PRが多いと思ったが、想像していたより楽しく見られた。
  • 番組の中に、CMを制作しているところの映像を入れてもよかったのではないか。
  • 市町村による手づくりのCM、当社の開局7周年といういろんな要素が入っていてよかった。
  • 参加した自治体の数が34市町村で、初回にしては評価できる。番組を見て、不参加の町村が「しまった」と思っているのではないか。
  • 大変素晴らしい企画で、2回、3回と続けていくと、もっとよくなる。
  • 番組に変化をつけるために、審査会の途中で観客に「いまのところあなたは、どのCMがいいと思いますか」という質問をしてもよかったかも知れない。
  • 自分が住んでいる市町村を見つめ直すいい企画だし、地域起こしにもなると思って見た。
  • 町起こしや町の活性化をどう考えているか、遊び心を持っている職員がいるかなど興味深く見た。続けていくと、参加しないと恥ずかしいということになるのではないか。
  • 大胆に作るためには、30秒は長いか短いか、作れといわれたら悩むだろうな。制作のウラ話を紹介しても面白いかも知れない。
  • 収録の日、審査会場にもう少し、観客がほしかった。
  • 番組の最後は、もう少し「喜怒哀楽」を出してもよかったのではないか。
  • 司会の山本晋也監督のさばき、コメントもよかった。

という意見が出た。

出席委員は、増子 義孝委員長、及川 和男副委員長、大坊 忠委員、宮野 祐子委員、笠川 さゆり委員、松尾 正弘委員、小川口 柳太郎委員、石井 三郎委員、松本 直子委員の9名、欠席委員は、植本 花子委員の1名。

議事録

1. 平成 15年 1月 23日(木)午後4時~

2. 岩手朝日テレビ本社・会議室

3. 委員の出席

委員総数 10名

出席委員数  9名

委員長 増子 義孝

副委員長 及川 和男

委員 石井 三郎

委員 小川口 柳太郎

委員 笠川 さゆり

委員 大坊 忠

委員 松尾 正弘

委員 松本 直子

委員 宮野 裕子

欠席委員数  1名

委員 植本 花子

会社側出席者名

代表取締役社長 川崎 道生

取締役営業本部長補佐 横舘 英雄

取締役業務局長 河邊 喬

報道制作局長 星井 孝之

技術局長 山口 孝

番組審議会事務局長   末吉 正憲

4.議題

(1)2月の番組編成について

(2)番組合評

「ふるさとCM大賞 IN IWATE」について

(3)次回の審議会

開 催 日:平成15年2月27日(木)

合評課題:「Yuiスペシャル いわてがんばらない宣言」

(4)その他

5.概要

<合評番組 ふるさとCM大賞 IN IWATE>

*市町村の観光PRが多いと思ったが、想像していたより楽しく見られた。

*番組の中に、CMを制作しているところの映像を入れてもよかったのではないか。

*市町村による手づくりのCM、当社の開局7周年といういろんな要素が入っていてよかった。

*参加した自治体の数が34市町村で、初回にしては評価できる。番組を見て、不参加の町村が「しまった」と思っているのではないか。

*大変素晴らしい企画で、2回、3回と続けていくと、もっとよくなる。

*番組に変化をつけるために、審査会の途中で観客に「いまのところあなたは、どのCMがいいと思いますか」という質問をしてもよかったかも知れない。

*自分が住んでいる市町村を見つめ直すいい企画だし、地域起こしにもなると思って見た。

*町起こしや町の活性化をどう考えているか、遊び心を持っている職員がいるかなど興味深く見た。続けていくと、参加しないと恥ずかしいということになるのではないか。

*大胆に作るためには、30秒は長いか短いか、作れといわれたら悩むだろうな。制作のウラ話を紹介しても面白いかも知れない。

*収録の日、審査会場にもう少し、観客がほしかった。

*番組の最後は、もう少し「喜怒哀楽」を出してもよかったのではないか。

*司会の山本晋也監督のさばき、コメントもよかった。

6.議事の内容

末吉事務局長

 第64回番組審議会を始めます。今年第1回目ですね、よろしくお願いします。

 初めに川崎社長よりご挨拶申し上げます。

川崎社長

 今年第1回目の番組審議会です。本年もどうぞよろしくお願いします。私が年頭に社員に話しましたのは、岩手朝日テレビは、もっと県民の皆様から愛され、支持される放送局になることを目指そう、小ぶりであっても存在感を示せるテレビ局にならなくてはいけない、今年はこれを具体的な形で進めて行こうと話しました。そのためには、クリエイティブな発想をすることが、報道制作の場のみならず、全社的に必要であります。そして失敗を恐れずに、大胆に積極的にチャレンジしていくこと。これを今年の基本姿勢にして、先行3局に追いつけるようにしようと話しました。一番若い局ですから若さを武器に、はつらつと邁進して参りたいと思います。番組審議委員の皆様にも、是非そういった意味で一層のご支援を頂きたいと思いますので、よろしくお願いたします。

末吉事務局長

 それでは議事の進行を、増子委員長お願いいたします。

増子委員長

 それでは2月の番組編成についてご説明をお願いします。

河邊業務局長

 説明させて頂きます。レギュラー番組につきましては、2月スタートのアニメ番組が2つある以外に変更はございませんので、単発番組についてご説明させて頂きます。2月は系列各局が制作した番組が多く編成されております。

 2月1日16時から「うなぎのシッポ、捕まえた!?」KSB瀬戸内海放送制作です。四万十川を舞台にさまざまな角度からうなぎの真相に迫っていきます。

2月11日14時からは「アジアへGO!吉田栄作感動の旅~ベトナムの風に吹かれて~」KBC九州朝日放送制作です。また15時からは「ふるさとCM大賞IN IWATE」を再放送いたします。

 2月16日には「人間ビジョンスペシャル第12弾 霧の日記 アリューシャンからの伝言」。系列のHTB制作です。主演は緒方直人。1942年、日本軍がアメリカ領アリューシャン列島のアッツ、キスカの両島を占領しましたが、この地で戦場に散った一人の日本軍見習士官の青年医師が綴った日記を元にしてドラマ化させたものです。この日記は英語に翻訳され、アメリカで評価を得た、感動のヒューマンドキュメントです。

 2月21日、深夜の25:20からですが「ふるさとお国自慢」。ABA青森朝日放送とKKB鹿児島放送の2局が共同制作しました。2月22日には「ヤッパリ芸能人も犬が好き 犬の気持ちわかってくださいスペシャル」これも系列のKHB・KFB・NT21・SATV・HOME・KSB・KKBの共同制作特別番組です。

 それからもう2番組、これはIAT自社制作番組です。14時から「IAT CUP SNOWBOARD CHAMPIONSHIP 2003」。1月29日から2月2日まで、安比高原で開催される同大会を収録したものをオンエアします。この大会はプロとアマで700人程の選手が参加する、国内有数の大会です。アマチュア選手がプロになれる登竜門として位置付けられている大会です。22日15時からは「Yuiスペシャル『いわてがんばらない宣言!』テレビ(仮)」。土曜のレギュラーでやっている県政番組「Yui」のスペシャル版です。出演は作家の椎名誠さんほか。岩手県の広報ポスターに「がんばらない宣言」を提唱し、話題を集めた椎名さんが、地産地楽をテーマに雪国の西和賀を訪れ、様々な体験を通して本当の意味の「がんばらない岩手のあり方」を探るという内容です。

2月23日「TOYOTA BIG AIR 2003」。HTB制作です。2月22日に札幌の真駒内オープンスタジアムで開催される同大会を収録してお送りします。系列制作の番組を中心にご説明しました。以上でございます。

増子委員長

 ありがとうございました。ご質問がある方はどうぞ。

及川副委員長

 2月16日の「霧の日記 アリューシャンからの伝言」ですが、東北、岩手の兵士がずいぶんアッツ島で玉砕しておりますね。ですから、遺族会のようなところにも宣伝をして、お声をかけてみたら良いと思います。

増子委員長

 それは是非そうされると良いでしょうね。日本でも勿論出版されたと思いますが、この日記は英語に翻訳され評価を得たとありますね。日本ではあまり聞いたことが無いですね。

河邊業務局長

 日本で出版されているかについては解説がないです。ただ、日記を書いた方は辰口信夫という人です。彼は戦死しまして、米軍が押収した中にこの日記があった訳です。その日記が翻訳され、米軍が日本というものを知る原点になったといいますか。

増子委員長

 その経緯はこの番組の中で出てくるでしょうね。

河邊業務局長

 はい、出てくる可能性があると思います。

増子委員長

 他にございませんか。無ければ合評に入ります。「ふるさとCM大賞 IN IWATE」についてですね。笠川さんからお願いします。

笠川委員

 各市町村がCMを作ると聞いて、観光案内のような面白みの無いものが多いだろうと想像しましたが、想像以上に楽しめました。

 結果としては「やっぱり」と思える市町村のCMが受賞しましたし、高い質のCMが作れるということは、制作者の腕以上に、地域活性などに力を入れている市町村が受賞したなと思いました。

 今後この大会が盛り上がるかどうかは、市町村の代表として舞台に上がる人の人選に懸かっていると思われます。映像で見るよりも実際に会場にいて、この模様を見たほうが、ライブとして伝わってくるものが多いと思います。映像で見る限りでは観覧者も少ないようでしたが、今後、この催しの面白みが増してくると、会場に行って見ようという人が増えてくると思いました。

 作品としては、高校生が作ったCMのレベルの高さに驚きました。殆どのCMを役所の観光や広報の方が作っていましたが、もっと一般的な視野から見たCMが増えると、テレビの映像として見た時にも面白みが増してくるのではないかという期待を持っています。以上です。

石井委員

 市町村の紹介は「まじめ路線」と「お気軽娯楽路線」の2通り作れると思います。「まじめ路線」には、一村一品のような市町村の産業振興に繋がる性格のもの、または名勝・旧跡・名物・お祭りといった観光振興の切り口があります。私は岩手県の観光振興にはかなり興味があるので、「まじめ路線」の番組であって欲しいという期待をしながら見ました。

 しかし、どちらかといえば「お気軽娯楽路線」に近い内容だったと思います。辛辣ですが、一言で言えば、役場の職員による学芸会を、山本晋也が盛り上げていたという形です。役場の職員が作るのならば、もっと「まじめ路線」でいって欲しかったですし、「お気軽娯楽路線」でいくのであれば、高校生や地域住民を起用して学芸会に徹しても良かったです。

 今回は参加する市町村によって意気込みや目的がバラバラだったのが気になりました。出来れば次回以降は、もっと「まじめ路線」でやるのか「娯楽路線」でやるのかをはっきりさせて募集してみてはどうでしょうか。また30秒のCMは、長く感じるものもあれば短く感じるものもありましたね。印象に残るものもあれば残らないものもある。ですが概して大人しい仕上がりのものが多かったと思います。

 また、各市町村の取り組みの度合いや、経費の投入の度合いのばらつきが多かったですね。冗談でしょうが「この忙しい時に・・・」といった感じでいかにも迷惑がっているところもありましたし。番組が定着すれば、市町村ももっと人員や予算を投入するでしょうね。ただし、お金をかければ良い訳でもないので、予算に制限を設けるとか基準を決めたら良いと思いました。また、CM制作中の光景をいくつか取材して発表の合間に流したら、もっと興味もわいたと思いました。

それから審査基準がはっきりしなかったですね。どういった観点で審査したのか明確にしたほうが、次回以降、参加市町村の意欲がわくなと感じました。また笠川さんもおっしゃいましたが、舞台に上がる人物、地元の人間が登場すると面白みが増しますね。町長のような行政の責任者ではなく、特色のある人物ですね。以上です。

大坊委員

 まず「ふるさとCM大賞」の企画力が凄いと思いました。川崎社長がいつもおっしゃっている「小ぶりでも存在感が示せる局」の象徴じゃないかなと思いました。気にかかったのは、CMの紹介の前に入るカウントダウンの映像ですね。角刈りのレスラーのような男が「3,2,1」と叫ぶ映像。あれはちょっと番組にそぐわないですね。もっとソフトであるとか、地域性のあるものとか。あまりにもギャップがあったと思います。それから、市町村の担当者がドアから出て、壇上に上がる時、床が滑るのか、何人か転びそうになっていたのも気になりました。そして会場の照明が悪いのか、山本晋也さんに黒い影があったので、舞台の照明をもっと検討されてはどうかなと感じました。

 いずれにせよ、岩手県58市町村のうちの34市町村が参加したということは、よくこれだけの市町村に出品をして貰えたなと評価して良いと思います。各市町村のCMを見ると、一品一品、努力した効果が表れているなと感心しました。以上です。

増子委員長

 ありがとうございました。それでは小川口さんお願いします。

小川口委員

 はい。まずこの企画は何か月くらい前に、各市町村に案内をしたのですか。

河邊業務局長

 文書でお願いしたのは2月ですが、我々が各市町村に趣旨説明をしに訪れたのはだいぶ遅れてしまいました。13市は割合スムーズに事が運びましたが、町村につきましては人・モノ・金の問題もあってかぎりぎりまでかかりました。

小川口委員

 確かに13市は全て参加していますが、町村の参加は少ないですね。次回は58市町村全てに参加して貰いたいという気持ちだと思います。

 私はこの番組をどういった視点で見るか迷いながら見ました。東京にいる親戚から「何故、岩手は良い素材が沢山あるのにPRが下手なのか。岩手のことは東京には何も伝わって来ないぞ」とよく言われます。ですが人も金も無いだろうし、岩手県人の特徴で自分を訴えようという気持ちも少ない、引っ込み思案でもある。私も広報の仕事を十年間やりましてCMも作りました。CMは自分たちだけではなかなか作れないものですが、今回の各市町村の方は殆どが担当者と地元の人だけで作ってますね。広告代理店のようなプロと相談したところはあったのか気になりました。プロの力を借りて自分達の意見や方向性を上手く取り入れて貰ったほうが良かったとも思います。だいたいのCMは自作自演、自作のものが多かったですね。観光パンフレットのような仕上がりのところもありましたし。

 またIATはどの程度助言されたのかも気になりました。それから素人のカメラで撮ったような映像もありましたし、綺麗な鮮明度のはっきりしたものもあって、市町村でかなりばらつきがありましたね。そして、軽米町がアイデア賞を獲りましたが、CMの最後が、くわえタバコの男性が画面を走り抜けて行く映像ですが、タバコ嫌いの私としては、これが賞を獲得したことがちょっと納得できません。

 それから進行役の山本晋也さんはお話が軽妙でテンポが良いのですが、番組を独占してしまい、山田アナを生かすことが出来ませんでしたね。山田アナと山本さんの会話があまり無くて可哀想でした。いずれにせよ、映像と音楽とナレーションを30秒にまとめるのは難しいですね。やはりプロの作ったものは仕上がりが全く違って30秒が長く感じませんから。

 来年は各市町村さんのより一層の頑張りを期待したいと思います。以上です。

増子委員長

 ありがとうございました。それでは及川先生、お願いします。

及川副委員長

 この番組は、単にIATの自主番組というだけではない意味があった企画だと思います。まずはIATの開局7周年のアピール、これは県民や視聴者に支えられてきた7周年という意味。二番目には各市町村の参加による作品のコンクールというイベント性。三番目には手作りによるテレビでのふるさとCMという新規性。それらの要素をほぼ満たした番組だったと思います。

 この企画の文書を2月に文書を発送したというお話でしたが、企画を立てて宣伝をし、スポンサーを募り、参加自治体を組織していく。そして作品を集めて審査発表会を行うまでの全過程を通して、IATの地域に根ざすという根本姿勢に貫かれていたのではないかというように、私は評価したいと思います。いろいろご苦労があったと思います。その中で34市町村の参加は、どう評価するのか問題があると思いますが、第一回としてはよくこれだけ組織し得たと評価できるのではないかと思います。不参加だった自治体が「しまった」と思っているのではないでしょうか。

この審査発表会は延々5時間かかったそうですが、これを90分番組にまとめましたが、この進行と構成は良く出来ていると思います。わずか30秒のCMが34市町村も続くのですから、まことに目まぐるしいものがあります。参加団体の代表の登場、それから制作意図などについてのコメント、お土産によるふるさと自慢。衣川村や平泉町は首長が参加したり、他の自治体も出演者や応援団も参加するなど、良く構成して良くまとめたなと私は感じました。

 特筆すべきは、司会の山本晋也さんの絶妙な対応とコメント、さばきです。あの長丁場をよく盛り上げていたなと、これはあの方の力じゃないかなと思いました。

 審査結果も概ね妥当であって説得性があったと思います。ひとつひとつの中身を見るとピンからキリありますが、今回の場合はそこはあまり問題ではない気がします。

参加した自治体も恐らくこれまでは殆どが、パンフレットやリーフレット、ちらし、ポスターといったものによる宣伝、地方発信をしてきた。そういった宣伝が主体だったと思います。市町村によってはビデオを使っているところもありますが、テレビCMでしかも30秒という制約の中で知恵を絞ってチャレンジした意味は大きいと思います。彼ら自身がこのCMを見て、自分たちのCMの作り方について反省したり、次回への課題であるとか作業していると思います。

 34作品は岩手の歴史、景観、資源、物産、観光、人間、イベント、そういったもので全体としては捉えていまして、それぞれに光輝こうとしている自らの地域へのふるさと愛といいますか、地域の人間への可能性のようなものをよく表現していたと思います。総体として広い岩手の風土の多彩さとか、美しさ、潜んでいる可能性のようなものを表現して、再発見あるいは再確認できたという意味で、その意味は非常に大きいのではないかと私は思いました。

 とても面白く楽しく最後まで見ることが出来て、第二回は全市町村参加ということになったら大変じゃないかと心配してしまいましたが、更に次回に期待しております。以上でございます。

松本委員

 重複する意見もありますが、そのままお話しようと思います。まず、大変に良い企画ですので、地域に根ざすという観点からも続けて欲しいと思います。及川先生もおっしゃいましたが、一回目にしてはむしろ参加率は高いと思います。私が市町村の担当者でしたら、忙しいのにとんでもないと思ってしまうでしょうから、よく皆さんお付き合いして下さったと思います。

 公開収録の中身も工夫されていて、番組として見てもクロージングまでよく気配りが行き届いていて、とても面白かったです。山本晋也監督の起用には大変好感を持てました。壇上の出演者とのやりとりを聞いていても、その方がここに来て良かったなと思えるようなやりとりを上手く引き出していたなと思います。例えば監督が「あなたうるさいからもうお帰り」といった、多少乱暴な言葉をおっしゃっても温かみがあって、大変良い感じでした。それから、審査員に月の輪酒造の横沢さんを起用していましたが、良い方に目を付けたなと思いました。たまたま文藝春秋の今月号を読んでいましたら、彼女が写真入りで大きく取り上げられておりまして、地元にいらっしゃる旬な人、話題性のある人を登用して紹介することが出来たのではないかなと思います。 それから参加市町村の位置を最初に地図で確認出来るシーンがありましたが、大変良いと思います。実際、岩手県に住んでいながら、さてこの町はどこにあるのかなと思うものですから。 それから、市町村から監督へのお土産コーナー、あれも特産が分かって良い趣向だったなと思います。会場には行っていないので雰囲気は分かりませんが、中弛みしたんだと思います。次から次へと同じようなパターンで発表が繰り返されるのですから。見ていても半分くらい過ぎた頃、ちょっと飽きてきたなという瞬間がありましたから。ですから先ほど意見がありましたように、合間にどこかの市町村のメイキングドラマを入れたり、会場の方にインタビューをしたりといったコーナーを設けても良いと思います。また、他県でもCM大賞をやっているそうですから、他県での大賞の作品を流したりといった工夫がアクセントになったと思います。

 またこれは希望ですが、来年の発表に向けて、各市町村で準備室やチームを作って、楽しみに発表会を待つような雰囲気が出来てくれば、地域活性化に貢献できるでしょうし、大変良い企画であり番組になる可能性が秘められていて、すごいことだと思いました。既にされていると思いますが、今回参加しなかった市町村を含めた全市町村に放送のビデオテープをプレゼントされたりしていますか?

川崎社長

 それについては最後に担当からお話があるそうです。

松本委員

 そうですか、失礼しました。それから、前回の議事録に社長のお話として載っておりましたが、既にCM大賞に取り組んでいる県とCMを交換して、他県でも流して貰うとかですね。そういったことも、より一層やる気が出て良いと思いました。それから些細なことですが、出演者が登場してくる扉の近くに、ずっと平泉町のノボリが立っているのが気になりました。最初から最後まで邪魔な感じがしました。むしろ「ふるさとCM大賞」のノボリを作って立てたり、岩手県の地図を貼ったりしたほうが良かったと思います。 また、大賞の副賞はCMが年間365本流れるそうですが、どの時間帯に流れるのかというお知らせが欲しいですね。楽しみに待っている人も多いでしょうから、伝えて欲しいですね。以上です。

増子委員長

 ありがとうございました。それでは松尾さんお願いします。

松尾委員

 私も殆ど重複しますが。まず審議会の合評なのでそれなりの目で見てしまいがちですが、なるべく一県民、一視聴者として純粋な気持ちで見ました。

 やはり「ふるさとCM大賞」なので、普通の観光ガイドではないんだという点に注意して見ました。最初の安代町のCMを見た時に、30秒があっと言う間でこれで終わりなの?と思いました。それが次々見て行くうちに、30秒あれば結構な情報量が入れられるものなのだなと感心しました。どれだけのものを詰め込むかという事よりも、何を選択するかが大事だなと感じました。CM作品そのものも楽しかったのですが、各市町村がこの企画をどう受け止めて、どう対応したかが興味深くて、よく分かって楽しかったですね。町長さんや村長さんが出演したり、当日もいらっしゃたり、担当者一人が制作もして当日も一人で来たり、そうかと思えば誰も当日来ないところも4つほどありましたし。お土産と称してその土地の特産品を紹介できたり、担当者が直接テレビで自分の市町村を紹介できるチャンスだったので、非常に勿体無かったと思います。何を考えているんだろうと思いました。これも第一回目ということで、市町村もどう対応すべきか分からなかったのでしょうが、回を重ねるごとに本腰を入れると思います。次回以降に期待したいと思いました。

 そしてこの「ふるさとCM大賞」という企画そのものは、大変に素晴らしかったと思います。本当に次回に期待できると思います。山本晋也さんですが、期待通りの味を出していたと思います。CMを見終わってすぐのコメントが的を得ていて良かったと思います。素人が作った作品ですから、ケチはいくらでもつけられますが、上手くその作品の良い点を指摘してくれたと思います。

 それからグランプリを獲った玉山村の作品ですが、啄木記念館を表に出さずに、啄木への想いを巧みに表現していて、非常に素晴らしかったと思います。グランプリにふさわしい作品だと思いますし、表彰式で担当者も飛び上がって喜んでいましたから、よほど一生懸命やったんだろうなということが伝わってきました。ですが授賞式のあたりが駆け足だったので、その喜怒哀楽にもう少し時間を割いても良かった気がします。90分番組ですから難しかっただろうなとは思いますが。以上です。

宮野委員

 この番組は見る視点として3つほどあると思います。まず番組編成についてですが、90分にまとめるのは大変だっただろうと思います。どの市町村も均等に時間配分が出来なかったと思いますので、今後の課題だと思います。山田アナと山本晋也監督の格好にギャップがあったのが気になりましたが、掛け合いとしては良かったと思います。 次にCMの中身についてですが、最初は安代町が一番良いと思ったのですが、最後の玉山村を見て、やっぱりこれだなと思いました。盛岡市民としてはもっと盛岡市に頑張って欲しいなと感じました。村や町は思い入れがあるCMが多かったので、今後の課題だなと感じました。 一つのテレビ局でしか流れないCMですし、市となると非常に縦割りですから、これを動かすには市民の声しかないかなと思った次第です。また仕事で玉山村を訪れた時に、CM大賞のことで非常に褒めたのですが、こわい事に、大賞を獲ったことを知っている人が少ないんです。住民の声はとても大事なんだなと実感しました。作った本人は悦に感じていますが、それを盛り上げる態勢が整っていないと感じました。

 それから、2月に案内の文書を出しても、3月に人事異動があり4月から新態勢になりますから、そこでストップしてしまうんです。これが難しいところですね。4月の新担当者に間髪入れずに案内を出していかないと。官庁とはそういうものですから、そのあたりを理解なさってもう少し上手くやって欲しい思います。 そして大賞を獲った市町村の話をしたら、追随してくるかなと思います。自分の住んでいる街を知って誇りを持つということを前面に出して、この企画をやって行けば輪が広がると思います。一番誇りを持ちたいのは役場の職員だと思いますから、そのへんをくすぐって進めて行けたら地域起こしになるなと思います。以上です。

増子委員長

 久しぶりに皆さん、好意的な意見が多い審議会ですね。私も正直言いますと、よく34市町村も集めたなという気持ちです。私の独断と偏見ですが、これに応募しないところは良い市町村ではありませんね。そもそもこの番組の意図として、地域の活性化を考えている地域は必ず応募しますし、遊び心のある職員がいる、心に余裕がある市町村は応募しますよね。応募しなかったところは、玉山村のCMが365回も放送されるのを見て「しまった」と思うようになりますし、地域住民からも「何故出なかったのか」という意見も出ると思いますよ。ですからこれからも続けて欲しいです。

 それから岩手県の特性で、こういった企画を持って行くとすぐに役所が仕切ってしまう。いくつか町の人を動員したところがありましたが、ああいったところは良い町だと思います。町にこういった人がいて、あの人たちと一緒にやろうという発想がある町は非常に良いと思います。やはり役所の人が作ると、あちらを立てたらこちらも…と入れ込んでしまいます。大胆不敵に作るには一旦役所から離して発想しなくては、良いものは出来ませんね。

 大胆不敵なCMが一つでも出てくれば、全体のレベルも上がって良い循環が起きたら素晴らしいと思います。ですから役所ではなくて、町ぐるみで皆に作ってもらうことが大事だと思います。それから、一つ一つの作品を見ると確かに物足りなさは感じます。ですが、審査会全体がひとつのドラマであって、メイキングや苦労話をどこかに入れ込む発想が必要だと思います。

 山本晋也監督は、皆さんがおっしゃるように軽妙で良かったのですが、敢えて言うならば、深夜番組のアイドルに言うならまだしも大の大人に対して「お前」といった言い方をするんですね。深夜番組の癖が出ているなと思ったのですが、もう少し言葉使いに気を付けなさいという気がしました。それから「岩手はお土産をくれるからいい。」といった事を言いましたが、あまり卑しいことを言うなよという気もしました。ですが、監督のキャラクターは非常に良かったし、山田アナも堂々としていて良かったですね。これからもこの企画は意図を明確にして、続けていって欲しいです。続けることによってますます良いものになっていくし、地域活性化のひとつのテコになっていく、そういった類いのものだという気がしました。

 ほかに意見はございますか。

河邊業務局長

 委員長、いくつかあったご意見に補足説明したいと思います。メイキングを入れたらどうかという点については、ムードを盛り上げるためにやろうという計画がありましたが、弊社と先方の日程が合わずに断念しました。来年は是非取り入れようと思っております。

 審査基準につきましては、良い作品がグランプリを獲るのは確かな事ですが、お金があるから業者に丸投げして素晴らしいものを作り、それがグランプリになるということでは、我々の意図する企画とはちょっとずれております。やはり手作り感を大切にした審査基準を設けております。それについては当日、審査委員長をした星井がおりますので。

星井報道制作局長

 審査基準についてよく分からないというご意見がございましたが、「ふるさと愛」の一点に絞って判断しようと、審査員の皆さんとお話ししました。たしかにお金をかけた、かけないで全く違った出来のものがありますが、とにかく「ふるさと愛」が作品の中から出てくるもの、それが一番じゃないかということです。具体的なやり方については各審査員10点の持ち点があって、その合計の結果です。審査員同士の点数のバラツキもそれほど無かったです。

増子委員長

 受賞作品が村と町だけですが、これは全く意図しなかったことですか。

川崎社長

 そうです、そこが問題でした。市長会賞と町村会賞を分けたら良かったと思います。

実は、余力のある自治体のほうが良い作品を出すのではないかと予測したんです。結果として村や町から賞が一つも出なかったらどうしようか、ということで設けた賞だったものですから。ところが結果として、市はひとつも受賞出来なかったんです。星井が申したように、自分たちの手作りで「ふるさと愛」が作品から出てくることが一番のポイントでしたから。来年は市の参加が全く無かったらどうしようかと心配しております。

 結果として玉山村がグランプリを獲りましたが、このCMはご覧頂くと分かりますが、田んぼの畦道でクレーン撮影しているんです。低予算でどうやって撮ったのかと担当者に尋ねましたら、クレーンではなくて、ボランティアのフォークリフトで撮影をしたそうです。そうすると、石井委員がおっしゃったように制作過程を取材して入れ込むというのは、重要なポイントだと思います。ですから弊社としては色々な反省事項があります。

 私はどうして34市町村しか集まらないのかと担当の河邊を叱っておりましたが、皆さんはよくぞ34市町村も集めたと褒めて下さいました。最後に末吉から報告がありますが、今後、58市町村にどういう形でコミットメントしていくかという絶好のツールと考えております。

また嬉しい報告としては、受賞した葛巻町が町でお祝いの会を開くにあたって、大賞を獲った玉山村の担当者を是非招待したいと呼んだそうです。こういった様々な形で地域が連動していくのではないかと感じました。

及川副委員長

 各市町村の担当者は、プロに注文をして観光ガイドやらを作って貰った経験はあると思いますが、30秒のテレビCMを作るのは初めての経験だったと思います。ですからこれは非常に良い企画だったと思います。後々まで波及していく要素があると思います。

 それから、テレビ局側も岩手県の全市町村を自分の足で歩いて、肌で感じるといいますか、飲み食いもしながら人とも接するという蓄積が必要ですね。今は端っこの自治体ほど創意性があって元気があって、何とかしようという思いが強いですね。そして中心、特に盛岡はあぐらをかいているんですね。過疎が進み、このままではどうなるのかというような所に、色々な創意性が孕まれてきている。それが今回表れていると思います。そこにもっとメディアとしても光を当てて励ましていく、それが視聴者と繋がっていくことになると思います。そういった課題もあると思います。

河邊業務局長

 ありがとうございます。もう少し補足させて頂きます。IATが制作にどこまで関わっているかについては、先ほど言いましたように初動が遅かったのですが、8月初旬にCM制作についての説明会を催しました。そこで山形テレビでのCM大賞の受賞作品を流しながら、実際にCMを制作しているプロダクションに制作の基本的な話をさせました。説明会には30市町村が集まりましたが、実際にそのプロダクションに発注した市町村は、ありませんでした。

 また、他局のグランプリ作品を交換して他県で流してはどうかという意見がございましたが、これにつきましては、東北6県ネット番組の「八波一起のイーハトーブ」(土曜正午?)の中で、グランプリ作品を流します。また他局と「ふるさとCM大賞」の番組を交換して放送しようという動きもしております。

 それから、受賞したCMがどの時間帯に流れるのか知りたいという点については、1月27日から放送が始まりますが、この時間帯に流すという決まりが無いので、今日のご意見を聞きまして、もっと時間を絞れるようにしたいと思います。今は全日を対象にしておりまして、どうしても営業的な状況もございまして難しい面があるのが事実ですが、改善したいと思います。

 今回、応募をしなかった町村につきましては、応募するからにはじっくり時間をかけて良いものを出品したいという町村も多くありました。これは先ほどから申していますように我々の初動の遅さも原因だと感じております。

末吉事務局長

 実は「ふるさとCM大賞」と弊社の重要なコンテンツである「30人31脚」のビデオを100セット作りまして、58市町村に発送しました。それから県の関係者にもっと理解を深めて欲しいということで、知事と副知事、観光関係、鉄道やバスといった県民の足に関係する機関等々に送っております。来年は皆さんがおっしゃるように、もっと参加市町村が増えると思います。

 来年は秋田県も「ふるさとCM大賞」をやりそうです。そうなると東北6県すべてのCM大賞が揃うことになります。その後の展開を楽しみにしたいですね。

増子委員長

 「ふるさとCM大賞」も軌道に乗ると、受ける側も今年はどうしようかと動くようになりますからね。

宮野委員

 やはり1年間ないとその土地の良い風景は撮れませんね。どの市町村にも得意な季節がありますから。

増子委員長

 それにしても企業のCMを30秒で作るならば、どこか一点に絞ってやればいいでしょうが、これをふるさとをテーマに30秒というのは相当大変ですね。ですが、やっているうちにすごいCMが出てくる気がしますね。どこかの市町村が風穴を開けてくれたら、とても賑やかなものになると思いますね。

それではよろしいでしょうか。次回の開催についてお願いします。

末吉事務局長

 次回は2月27日(木)に開催いたします。

 合評番組は「Yuiスペシャル いわてがんばらない宣言」です。

増子委員長

 その他にご意見はございますか。

及川副委員長

 去年でしょうか。民放連とNHKが一緒になって青少年委員会から要望が出ました消費者金融のコマーシャルの問題ですが、過去のいわゆるサラ金と違って今は法律を守るようになってきていると思いますが、昔風に言うと高利貸しですよね。そして借りやすくて、機械でカードで借りれる。そして自分が今いくら借りているかも分からない。リボルディング方式で、かなり問題になっていますね。社会の綱紀としてのテレビというメディアも自ずと、そこには自制的なものがなくてはいけないと思うのです。そう思っていましたところ、青少年委員会から要望が出たようですね。これは各社が対応するのではなくて、民放連としてどうするかを対応するのですか。

河邊業務局長

 それに対しては民放連の下部組織である営業部会、各キー局の営業局長と役員クラスの委員で組織しておりますが、そこで青少年委員会の要望について検討しております。そこで見解を出し、ガイドラインを作り、民放連の理事会にかけて決定をしていこうという流れになっております。今は営業部会で詰めの協議をしている段階です。それを見て各ローカル局も対応しようとしております。対応自体は各局の判断ですが、ひとつの見解として民放連の出す結果を待っております。近いうちに出るようです。

及川副委員長

 消費者金融のCMはキー局発なんでしょうか。

河邊業務局長

 そうです。以前は消費者金融のCMが多くて、それぞれのローカル局にも出稿がありましたが、今はキー局のネットに殆ど吸収されまして、キー局発で殆ど出ております。

川崎社長

 結論から言えば、その社独自の判断であることに間違いはありません。しかしガイダンス的に民放連としてどう捉えるかということです。及川先生がご指摘なされたことは非常に認識しております。しかし、経営の立場からすると、本当に悩ましい問題ではあります。

及川副委員長

 消費生活、特に金利の問題などについて教育に力を入れている教育委員会や学校もあります。案外、そういったことに無知の状態で成人に達しているわけです。お金を借りることが平気になってしまっている。ですから新聞でもテレビでも、消費生活に関する教育という面での目配りが大事だと感じています。

増子委員長

 他にご意見はございますか。

小川口委員

 先ほど社長からもお話がありましたが、若い局ではあるけれども他局に負けないものを作りたいということでしたので、制作担当だけではなく、全社を挙げて良いものをこれからも作っていただきたい、それだけでございます。

増子委員長

 ありがとうございます。他にご意見はございますか。

 それでは本日の審議会を終了します。

7.審議機関の答申または改善意見に対してとった措置

特になし

8.審議機関の答申または意見の概要の公表

朝日新聞岩手県版に審議概要を掲載。

系列各局に議事録を送付。

本社受付に議事録を常備、閲覧に供す。

インターネットホームページに掲載。

9.その他の参考事項

特になし

10.配布資料

◎ 2月度単発番組編成予定表

◎ ふるさとCM大賞 資料