放送番組審議会

11月(第123回)

概要

 岩手朝日テレビの第123回番組審議会が平成20年11月27日(木)、盛岡市盛岡駅西通の岩手朝日テレビ社内で開かれた。

 合評内容は「週間ことばマガジン」

  • 方言を通して地域の紹介している番組で、作り方は、ワンパターンであるが面白い。
  • 「ことばマガジン」は土曜日の午前中の放送時間帯から考えて、今後も続けていってほしい。
  • 地味な番組であるが見ていて面白い。
  • 番組の映像画面が暗い。もう少し明るく制作してほしかった。
  • 15分の短時間に内容を多く盛り込みすぎている。
  • 方言が題材なのだから地元のお年寄りの会話も入れてほしかった。
  • 宮古に住んでいる方が宮古の方言を大事にしている様子が伝わってきた。

という意見が出た。

出席委員は、増子義孝委員長、小田島利昭委員、笠川さゆり委員、弭間俊則委員、松本直子委員、宮野裕子委員、村田久委員、吉田政司委員の8名。欠席委員は、松尾正弘委員の1名。

議事録

1.開催日時 平成 20年 11月27日(木)午前11時~

2.開催場所 本社3階 会議室

3.委員の出席

委員総数 9名

出席委員数 8名

委員長 増子 義孝

委員 小田島 利昭

委員 笠川 さゆり

委員 弭間 俊則

委員 松本 直子

委員 宮野 裕子

委員 村田 久

委員 吉田 政 司

欠席委員数 1名

委員 松尾 正弘

会社側出席者名

代表取締役社長 富永 健治

常務取締役 辻 一成

取締役報道制作局長 小椋 和雄

取締役放送番組審議会事務局長 横山 博文

技術局長 佐々木 正樹

編成業務局長 小林 直紀

報道制作局部長 波岡 功

報道制作局課長 伊波 伴准

放送番組審議会事務局 佐藤 清一

4.議題

(1)社長あいさつ

(2)12月単発番組及び11月視聴率等について

(3)合評課題について

合評課題:「週間ことばマガジン」

放送日時 毎週土曜日7:45~

(4)次回審議会について

開 催 日: 平成21年1月29日(木)16時~

 ホテルメトロポリタン盛岡ニューウィング

合評課題 「ふるさとCM大賞」

放送日時 平成20年12月27日(土) 16:00~17:25

5.議事の概要

○ 方言を通して地域の紹介している番組で、作り方は、ワンパターンであるが面白い。

○ 「ことばマガジン」は土曜日の午前中の放送時間帯から考えて、今後も続けていってほしい。

○ 地味な番組であるが見ていて面白い。

○ 番組の映像画面が暗い。もう少し明るく制作してほしかった。

○ 15分の短時間に内容を多く盛り込みすぎている。

○ 方言が題材なのだから地元のお年寄りの会話も入れてほしかった。

○ 宮古に住んでいる方が宮古の方言を大事にしている様子が伝わってきた。

6.議事の内容

横山事務局長

 ただいまより、第123回放送番組審議会を開催いたします。

 本日は、合評番組の担当として波岡が出席しております。合評の際はよろしくお願いいたします。では、増子委員長議事をよろしくお願いいたします。

増子委員長

 それでは富永社長、一言お願いします。

富永社長

 皆さま、本日も大変お忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。

 前回の審議会は仙台にあります、東北総合通信局で地上デジタル免許の再免許交付式がありまして、欠席させていただきました。デジタル放送への完全移行が2011年7月24日であり、鳩山総務大臣から再免許にあたり、放送法の遵守などようせいがありました。「豊かな文化」、「青少年にふさわしい番組作り」、「地域に密着した番組」等、放送倫理の向上に努めることを心がけるようにとの事でした。

 ここまでは、普通の免許交付式ではありますが、受信障害に対する調査、対策等、移行へは万全を期す事という要望がありました。また、中継ロードマップに基づき中継局の着実な整備と出来る限り前倒しデジタルならではの放送サービス、視聴者の相談に対応など新たな要請がございました。

 また、本日も宮古市長が弊社にお見えになり、中継局建設に該当されていない地区への受信できるようにして欲しいという要望を頂きました。

 視聴率ですが、11月15日に放送されました、「告知せず」が21.7%と高視聴率を獲得しています。ガンの告知を信条とする医者、妻、家族のストーリーであり、渡哲也演じる外科医の姿をまじめに描いたドラマでありました。

 また、スポーツでは女子フィギア、サッカー共に高視聴率をキープしています。

 また、今月23日には「ふるさとCM大賞」を開催いたしました。県内31市町村が参加いたし、山田町が見事大賞に選ばれております。牡蠣の産地であり、老人と子供の暖かいユーモアのある作品でした。

 今回は今年最後の審議会となります。よろしくお願いいたします。

増子委員長

 ありがとうございました。それでは、12月単発番組と11月の視聴率についてお願いします。

小林局長

 それでは、12月の単発番組についてお話させていただきます。

 12月22日以降は、年末年始編成番組が中心となります。12月6日には小学校クラス30人31脚全国大会の模様をお送りいたします。岩手での予選では仙北小学校6年1組が県の代表として参加してまいりました。全国大会でもかなりリラックスして参加できたかと思っております。また、今回から番組の構成が変わり、ベスト8に残ったチームは学校の裏側をドキュメンタリータッチで放送になります。また28日には3時間番組としての放送を予定しており、ここでも仙北小学校が登場しております。

 28日には「男装の麗人」をお送りいたします。また、7日には福岡国際マラソンの模様をお送りいたします。12日から14日は女子フィギアスケートの模様をお送りいたします。現在のフィギアの最終ファイナルは2年連続優勝をかけるキムヨナらが出場いたします。

 13日には日立3ツアーズチャンピオンシップの放送、14日にはドラマスペシャル「忠臣蔵」を放送致します。忠臣蔵の面白さはそのままにし、江戸時代の「カサブランカ」とも言うべき大人のラブストーリー風に作られています。主演は田村正和が演じ、テレビ朝日のドラマに出演するのはまさに、10年ぶりでございます。娯楽時代劇のような作りで構成されていますのでどうぞご期待ください。

 自社番組では、26日の楽茶間プラス!!は小宮悦子さんが最終の日と重なるために、28日に放送日を変更してお送りいたします。

 視聴率は、プロ野球日本シリーズの3,4,5戦をテレビ朝日が放送致し、期待以上の視聴率を獲得しております。同率ながらめんこいテレビさんと並んでトップとなりました。

 「相棒」も10月スタートから20%を超えており、引き続き20%をキープしております。また金曜日に放送しております「ギラギラ」も13%台と好調であります。先ほども富永からお話に出ましたが、「告知せず」はあスペシャル番組で21.7%を獲得し、レギュラーは13,7%から13.7%であり、プライム以外でも7%をとりたいと思っております。

増子委員長

 ありがとうございました。何かご質問などございませんか。

 では合評にうつりたいと思います。

小田島委員

 「ことばマガジン」は以前にも合評で取り上げられ、非常に良い番組だと思います。

 方言を通して各地域の紹介をしていますが、地域の人が話をして、その種明かしをし、最後に大学の先生が解説をするというような作り方で、ワンパターンではありますが面白い番組です。

 この前に放送では、宮古市の「ひなる」と言う言葉を取り上げていましたが、先入観で宮古の地域は沿岸なので、言葉が荒いと思っていました。しかし、かるたで方言を話しているのを聞いて、盛岡の高級な方言のようで、ビックリいたしました。

 各地域で方言がたくさんある中、毎回どのようにしてその方言を取り上げているのか非常に興味があります。

 また、ことばマガジンが放送される時間帯は、土曜日の朝の放送であり、見やすいですね。今後も続けて言って欲しい番組だと思います。

 いろいろな凶悪な事件や、事故、景気低迷等、暗い話題が多い世の中です。そんな時だからこそ、IATでは元気で頑張っているような内容の放送を期待しています。

笠川委員

 ことばマガジンは、番組自体嫌いな番組ではないのですが、テレビをたまたまつけたら、放送していたから見てみようかな。という感じで、たまに見ていても、ついついチャンネルを変えてしまうときもあります。

 内容的にもわざとらしいリアクションもあり、アナウンサーのわかりきった演技力が高い番組に思えます。

 先日放送されました、宮古市の方言を取り上げた時は、番組の流れとしての浄土ヶ浜の観光名所、なあどにかけたシートピアの紹介、ウニ染め等が番組にうまくはまっていました。宮古の方言がわからない私にとって、方言が自然に使われる無理のない話し方、読み方が紹介されてとても良かったと思います。

弭間委員

 15分という短い番組の中で「かるた」を引用して番組をつないでいることに変化があってよかったと思いました。今回は録画をしないでタイムリーに見ていて、「ひなる」という言葉の紹介をテロップで流していましたね。「ひなる」以外のかるたの紹介もいくつかあったと思うのですが、そこの部分もテロップで紹介してくれれば良かったのではないでしょうか。

 変化をつけるにあたり、地元誌の編集者にいきつくストーリーや本が出ていましたが、それを本屋さんで聞いているのはどうかな?と思いました。

松本委員

 地味な番組ではありますが、見ていて面白い番組だと思います。ことばマガジンに限らず、見ていて、「へーなるほどね。」と思える番組は良いと思いますね。短い放送時間ではありますが丁寧な作り方をしていると思います。

 レポーターの方のわざとらしい放送の回もありますが、面白いし、一般の人が方言を話す時にカメラを向けられると、ぎこちなくなってしまう心境も理解できます。沿岸地域、宮古市等は、ことばが荒いというイメージが先入観でありました。しかし、優雅な方言ときれいな言葉で今回の放送を見ていて改めて宮古の方言を知ることが出来て、この地域を取り上げてくれたIATさんには岩手を知ってきたな。と感心いたしました。ただもう少し欲を言えば、ナチュラルな宮古の方言を聞いてみたかったですね。地元の方の自然な方言を聞いてみたかったと思います。

 今回の放送を見て宮古の風変わりさ、優雅さが伝わりました。

 一つ残念なことは、画像が暗かったことです。その辺りがこの番組の地味さに繋がっているのでしょうか。後から教えていただければと思います。

宮野委員

 公民館の遠山さんが出ていましたが、あの方は地元でも有名な方で、あの方を取り上げたことは正解ですね。宮古市の視聴率は高かったでしょうね。「ひなる」という言葉は、年配の方々が話す方言であり、良い意味で使う言葉でもあります。私ぐらいの年代を境に方言も変わってくるのです。

 また宮古では「おおきに」「さいなら」等も使うのですね。岩手県は各地域で全く違った方言を使いますね。15分という短い番組ではありますが面白くて好きな番組でもあり、また、中尾アナウンサーは良いキャラを持っていると思いましたよ。

村田委員

 宮古に昭和40年から3年間住んでいました。住んで間もない頃はお年寄りの方言がわからずに、とても苦労しました。3年間住んでいるうちに宮古の方言は上品な言葉だと思いましたね。「おおきに」という言葉には荒々しさがなく、優しい言葉です。

 15分番組で短い番組の中に、浄土ヶ浜の観光名所、店員の話月刊わがまちの編集者の話やウニ染めの話等、内容を盛り込みすぎではないでしょうか。そういう内容にするのではなく、地元のお年寄りの話を入れて欲しかったです。宮古の方言の語源を探るとか、どうやってその方言が使われるようになったのかとか……。もう少し踏込んだ内容にして欲しかったですね。

 また、「たますほろり」という言葉がありますね。驚いたという意味ですが、お年寄りが使う言葉で、かるたも出ていましたが、「ひなる」と言う意味など、もう少し細かな説明が欲しかったですね。

 宮古は上品な方言が多い地域です。昔、京都の人が船で入ったということで、関西の方言が伝わったのですね。その辺りの説明なども入ればもっと良い番組に仕上がったと思います。

吉田委員

 私も転勤で20年前に、3年間宮古に住んだことがあります。全くの第三者ではなく、宮古の方々には大変お世話になりました。

 「ひなる」という語源をテレビの放送を妻と見ていて、ぴったり合いました。面目を保った次第です。

 放送の内容としては、宮古に住んでいる若い方からお年寄りが宮古の方言を大事にされている様子が伝わっていました。方言を大事にされていますね。

 話の流れとして、ウニの染色はいらなかったのではないでしょうか。というのは、ウニの染色は他のローカル局でも取り上げられているので、敢えてここで放送しなくても良いと思いました。

 宮古と京都に「藤原」という地名で関連があることをはじめて知り、こちらの話題を掘り下げて放送していただけたらもっと興味を持って見る事が出来たと思います。また漁業の方は富山県に関連がある方が多いのです。それらを踏まえ、DNAには不思議な知られざる秘密がまだまだあります!という終わり方にすれば視聴者はもっと感心を持って見たと思いますね。

 しかし拝見して、とても上品な番組だと思いました。

増子委員長

 15分という短い番組に内容を盛り込みすぎだったと思いました。

 一つの言葉に対して、掘り下げて追求して放送すべきだと思います。

 京都とつながりがあったのなら、どういう経緯で繋がりがあるのか、また、岩手県でも方言が全く違うのにはどういうルーツがあるのかとか、もう少し丁寧に作って欲しいと思いましたね。「ひなる」「おおきに」という言葉をいつぐらいから使うようになったのかを詳しく調べて放送して欲しかったです。でも15分では、短くてなかなかそこまでは放送できませんね。謎解きだけでも15分は余裕で引っ張っていけると思いますよ。

 浜に住んでいる人は言葉が荒っぽいと思っていましたが、宮古は違いますね。穏やかで、上品な話し方ですね。その辺りを掘り下げれば番組に深みが出ると思いますね。

小田島委員

 今後の改良点として、謎解きで終わらせるのも良いのではないでしょうか。

村田委員

 漁師の奥さん方の話も面白いのですよ。ご老人のお話を一つ入れるだけでも番組が面白くなりますし、一つのことを追求しても面白いと思います。方言はお年寄りに聞くのが一番ですね。しかし15分では短くて収めるのが大変かもしれませんね。

増子委員長

 こういう話題なら1時間番組でも大いに楽しめると思いますね。

 世間の若者は標準語で話しますし、方言を聞きたいのならお年寄りがいないと聞けないですね。方言もお年寄りがいないと滅びてしまいますね。方言は歴史的にも残しておくべきだと思うのですがね。

小椋報道局長

 貴重なご意見をありがとうございました。テーマをどうやって決めているかというご質問ですが、東北電力さん1社がスポンサーであり、東北6県と新潟県でこの番組を放送しています。その7県で構成作家と幹事社がKHBで候補を挙げ今年は食に対して、文化に対してなどを決めて言葉を決めております。また言葉を決めるにあたっては苦労しているのが現状のようです。

 映像が暗めとのご指摘を受けましたが、明るさに対しては問題はないと思うのですが、背景によっては映像が暗めに出てしまう時があるのかな。と思います。ウニ染が余計だったとのご意見も社内でも意見は実際に出ておりました。「ひなる」という言葉からおしゃれをするというポイントから、ウニ染めで締めてみましたが、どうも締まらなかったようです。言葉に対してももう少し踏込んでみては。とのご意見も今後の参考にしていきたいと思っております。ありがとうございました。

報道制作伊波

 貴重なご意見をありがとうございました。アナウンサーの中尾ですが、大阪出身であり、共通語を話すのに良くがんばっていると思っています。1年でかなり共通語になっていると思っています。

 中尾にも岩手の方言をもっと勉強して欲しいと思っております。私も沖縄出身であり、当初は言葉に対して勉強をして取り組んでおりました。今後も岩手の訛り、方言を親しんでいきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

村田委員

 地方のアナウンサーも、方言を理解して取り組むべきですね。方言はその地域で大切な伝統であると思います。皆さん共通語で話して面白くないと思うときがありますね。訛りをはなす面白いアナウンサーがいませんね。岩手の方言で話しても良い番組もあると思うのですがね。

増子委員長

 その他、何かございませんか。

 それでは、次回の審議会についてお願いします。

横山事務局長

 次回の審議会は1月29日木曜日でございます。

 合評課題は「ふるさとCM大賞」です。

 よろしくお願いいたします。

増子委員長

 それでは終了します。ありがとうございました。

7.審議機関の答申または改善意見に対してとった措置

ご指摘いただいた点を、今後の番組作りの参考とすることとした。

8.審議機関の答申または意見の概要の公表

朝日新聞岩手県版に審議概要を掲載。

系列各局に議事録を送付。

本社受付に議事録を常備、閲覧に供す。

インターネットホームページに掲載。

9.その他の参考事項

特になし

10.配布資料

◎ 12月単発番組編成予定表

◎ 11月岩手地区視聴率