放送番組審議会

2月(第25回)

概要

 冒頭に蓮見専務から視聴率が順調に伸びていること、ニュースステーションのダイオキシン報道に対するテレビ朝日の見解について説明があった。3月の番組編成について説明の後、今月の課題番組「京都迷宮案内」について各委員が感想、意見を述べあった。

 ミステリーといいながら新聞記者ものでもあり、かつてのNHK「事件記者」と比べて見ている人が多かった。記者クラブと新聞社の規模は「事件記者」とは違って、こじんまりとしているが、そこがかえって親しさがわく半面、現実ばなれしていないかとの指摘もあった。京都の風物が紹介され、知らない一面がわかって観光的な面白さもあるとの意見もあった。

 日本民間放送連盟の放送基準改正に伴い、岩手朝日テレビ、文字・多重放送の基準も改正する諮問をし、全員一致で了解する旨答申を得た。

議事録

1.開催年月日 平成11年2月25日(木)

2.開催場所 株式会社岩手朝日テレビ本社演奏所会議室

3.委員の出席

 委員総数  12名

 出席委員数  9名

 出席委員の氏名

 奥寺一雄委員長、大島正蔵委員、大堀勉委員、佐々木明子委員、

 照井章夫委員、箱崎敬吉委員、箱崎安弘委員、三好京三委員、盛内政志委員

 欠席委員の氏名

 大橋副委員長、佐々木友江委員、山川清委員

 放送事業者側出席者名

 蓮見博民代表取締役専務、桑折常務取締役、横舘報道制作局長、

 菊地技術局長、佐々木営業局長、河邊営業局次長

4.議 題

 (1)3月の番組編成について

 (2)番組 木曜ミステリー「京都迷宮案内」について

 (3)次回の開催日および課題について

 (4)その他

5.議事の概要

 冒頭に蓮見専務から視聴率が順調に伸びていること、ニュースステーションのダイオキシン報道に対するテレビ朝日の見解について説明があった。3月の番組編成について説明の後、今月の課題番組「京都迷宮案内」について各委員が感想、意見を述べあった。

 ミステリーといいながら新聞記者ものでもあり、かつてのNHK「事件記者」と比べて見ている人が多かった。記者クラブと新聞社の規模は「事件記者」とは違って、こじんまりとしているが、そこがかえって親しさがわく半面、現実ばなれしていないかとの指摘もあった。京都の風物が紹介され、知らない一面がわかって観光的な面白さもあるとの意見もあった。

 日本民間放送連盟の放送基準改正に伴い、岩手朝日テレビ、文字・多重放送の基準も改正する諮問をし、全員一致で了解する旨答申を得た。

6.議事の内容

◎桑折事務局長

 ではこれから第25回番組審議会を始めます。まず蓮見専務からご挨拶申し上げます。

◎蓮見専務

 本日はお忙しい中お集まりいただきありがとうございます。放送業界も他業界と同じように不況の風が吹きまくっておりまして、業界全体としては5年ぶりの減収というようなことをいわれております。全体ではマイナス5.1%、93年度のマイナス3.0%を上回る過去最大の減収になるだろうといわれています。こんな情況の中ではありますがお陰さまでIATの今年度の業績見通しは、今のところは大体予定は多少上回ることができるのではないかという情況です。一方視聴率の面ですが、お陰さまで開局二年半になりますが、安定してまいりました。今月の第一週の視聴率を見ますと、いわゆる全日の平均視聴率がIBCを上回って、かなり他の局とも接近してきました。第2週の視聴率は、ゴールデンタイムではめんこいテレビを僅かながら上回って、テレビ岩手を除く局とほとんど差がなくなってきたというところまで、徐々に視聴率が上昇して来ました。これもひとえに委員の方々の貴重なご意見を番組に反映することができた結果だと思っておりますので、今後もご指導のほどをお願いします。

 ところで皆さんご存じのとおり、「ニュースステーション」での所沢ダイオキシンの問題で大変皆様方をお騒がせしております。テレビ朝日の見解としまして、この番組の意図はどういう所にあったかといいますと、所沢周辺の住民の方々の間に、ダイオキシンに対する不安がたいへん広まっている中で、JA所沢がデータを発表し、行政もこの問題に積極的に取り組むべきだという声に対する問題提起だったということです。ただし放送に至る最終局面においてその番組内容での表現や表示に適切さを欠きまして、データの意味や評価についての説明も不十分だったと言うことは認めざるを得ません。その結果として所沢周辺の農家の方々に大変なご迷惑をかけてしまったということにたいしては、2月18日の番組内でそういう疑問や批判があることを謙虚に受けとめまして番組の中でお詫び申し上げたということです。今月の19日にテレビ朝日の番組審議会の中でも議題を変更しまして、この問題を取り上げたと聞いております。先生方からでた主な意見としましては、説明不足などを認めた18日の謝罪について、もっと早くやるべきだったとか、配慮が足りなかったり反省するべき点はあるが、問題を提起したという点では大いに意味があったとかまた、所沢周辺の農家の方々が、長い目で見てこの放送がよかったと思えるように対応していってほしい。批判があっても公表すべきことはきちんと伝えてほしいが、徹底した取材が大前提であるというような意見でした。 我々としましては、このような問題を取り上げる時にはテレビは特に影響が大きいので、慎重かつ正確に報道することが大事であるし決して急ぎすぎてはいけないということなど、多くの点で反省させられました。

 これからも先生方の貴重な意見をいただいて、番組内容の充実を図っていただきたいと思いますので、今日も引き続きご指導の方をお願いしたいと思います。それではお願いします。

◎奥寺委員長

 3月の番組編成について局側から説明してもらいます。

◎佐々木営業局長

 3月の単発番組について説明させていただきます。

 春ということでスポーツ番組が多く編成されています。まず初めに7日(日)14時から15時25分「サンデープレゼント 第36回輝け!ゴールデンアロー賞発表!グランプリ!!」。昭和39年に日本雑誌協会と芸能記者クラブが設立したゴールデンアロー賞の第36回目です。中身は映画、演劇、音楽、放送、芸能の各部門で今年最も活躍した人を選ぶというイベントです。これは3月1日に東京プリンスホテルで行なわれる模様を中継録画でお伝えします。司会は草野仁と下平さやか。ちなみに映画賞が原田美枝子で演劇賞が松たかこ、放送賞が中村玉緒となったようです。

 このあと15時30分から17時25分「日曜ワイド 志村けんの変なおじさん バリ島珍道中」。楽しいお笑いの番組です。出演は志村けん、辺見えみり、上島竜兵の3人です。バリ島に行って色々なハプニングを体験します。

 この日の深夜23時55分から24時50分は「第3回日本学生マラソン選手権」をお送りします。この日に行なわれた大会の中継録画です。「第20回ユニバーシアード競技大会」の代表選考会も兼ねておりますので、かなり白熱した大会になると思います。

 13日(土)24時40分から25時10分は「OH!相撲」があります。

 14日(日)14時から15時25分「サンデープレゼント 第6回ガン撲滅基金ゴルフ東西対抗競技大会」。これはプロのゴルフ選手24名と芸能人24名が出身地別に東西に分かれて大会を行ないます。大会の収益金は「ガン撲滅基金」に全額寄贈されます。非常に和気靄々とした楽しいゴルフ大会の模様ではないかなと思います。

 その後15時30分から17時25分「日曜ワイド 超過激!カップル直撃楽園グァムマル秘ツアー」。出演は高田純次、松居直美、羽田恵理香他。グァムでのオールロケで色々なカップルにクイズを出してカップルの意外性を引き出します。

 大相撲期間中の深夜帯に「大相撲ダイジェスト」が編成されます。月曜日から金曜日が23時20分から23時50分、土曜日と日曜日が23時から23時30分です。

 20日(土)13時から15時55分、いよいよ野球シーズン到来ということで「プロ野球サントリーカップ 西武×巨人」。これは西武ドームが完成した記念のゲームです。これは今話題になっていますが、西武の大物ルーキー松阪と巨人のドラフト1位の上原が対決するのではないかということで話題の試合です。視聴率が期待されます。と同時に今回から初めて解説陣に落合博満が加わりますので、非常に中身の濃い試合中継になると思います。

 20日(土)16時から17時25分「第21回全国高等学校柔道選手権大会」。これは男子・女子個人戦、決勝の模様を中心にお送りします。岩手からは盛岡中央高校が代表して出場しています。

 21日(日)14時から15時25分「日曜ワイド 不景気をぶっとばせ!発見超繁盛夢商売」。お金がなくても商売が始められるというノウハウを伝授するユニークな番組です。

 そのあと15時30分から17時25分「第21回全国高等学校柔道選手権大会」。男子団体戦、決勝戦を中心に放送します。岩手の盛岡中央高校は、一回戦で岡山の作陽高校と対戦します。

 それから25日(木)15時から16時50分「プロ野球オープン戦 ヤクルト対巨人」。神宮球場から中継でお送りします。

 27日(土)の16時30分から17時25分と28日(日)の16時から17時25分、「GEORGIA KSBオープンゴルフトーナメント」の3日目と最終日の模様を岡山の東児ケ岡マリンヒルズゴルフクラブから中継でお送りします。以上、かいつまんで3月の単発番組をご説明しました。

◎奥寺委員長

 ありがとうございました。では次に番組講評に移ります。大島さんからお願いします。本日は木曜ミステリー「京都迷宮案内」についてであります。

◎大島委員

 まず、NHKでやっていた「事件記者」のようですね。記者クラブの一幕とか、若手記者の成長とか記者の思い込みによる誤報とか。ミステリーですから好きな人は好きという世界を作っているのかなと思いました。

 ただちょっと気になるのが事件記者が犯人探しをするっていうのは実際にあるのでしょうか。NHKの「事件記者」のように記者が一生懸命警察の先をいって犯人を探すというのは何か馴染めない感じがしましたので、その辺が気になりました。ちょうどその後の番組で、「ニュースキャスター 霞涼子」というのを見たんですが、この「京都迷宮案内」と同じような誤報とか、真犯人探しとかいうようなことを取り上げていました。事実だから、特ダネだからということで、視聴率を高くしようとする報道をするといったテーマを取り上げていまして、両方とも報道の慎重性を取り上げていると思います。ただ、実際にテレビと新聞との違いは、テレビというのは例の和歌山の事件のように、話題性があればまずは報道してしまおうというようなところがありますね。ここが新聞とちょっと違うなと思いました。

 課題番組については以上ですが、別な番組でご当地ロケがありました「ダイエット姉妹 旅情事件簿 みちのく七時雨山」を見ました。盛岡市内、安比などのロケを交えていまして、私も興味を持って見たんですが、「鬼婆伝説」というのを取り上げていまして、本当に七時雨山でそういう伝説があるのかなと思いました。まあドラマですからなくても取り上げて構わないんですが、地元の方々にしてみればそれが事実か事実でないかということは気になるのではないかと思います。「鬼婆」というのはあまりいい伝説ではないので。まあドラマですからいいのかとも思いますけれど。

◎大堀委員

 私は11日と18日を見ました。まあ似通ったようなミステリーは何回か見たことがあるような感じがしました。ミステリーだからおもしろい部分もあるんですが、終わってみて少し物足りないような感じがしました。以上です。

◎佐々木(明)委員

 私も11日と18日を見ました。そもそもタイトルだけを聞いたときに「京都迷宮案内」ということで、もっとおどろおどろしくて、京都で殺人事件がこれでもかというほど起きて、どんどん見せていくのかなと思いました。私、そういうドラマは非常に苦手でして、どうしてこういう番組が課題番組なのかなと思いました。勇気を振り絞って見てみましたら、意外とと血なまぐさい場面が少なくて、主人公の新聞記者の性格が反映されていると思いました。なかなかあっさりと淡々と進んでいって、大堀先生は見終わってから少々物足りないという感想をお持ちになったようですが、私のように血なまぐさいのが嫌いな人間にとってはあの位でちょうどよかったです。

 粗筋だけちょっと前の方も見てみたんですけれど、タイトルに「京都」とついているだけあって、第1話が風水の占い師が絡んでいました。第2話や第3話のあたりでは有名な嵐山などのレジャーや観光のスポットなどをさり気なく盛り込んで、そういうところを題材にしてドラマが作られているということで、これは観光地で有名な京都に殺人事件を搦めるということで、別な視点で紹介しているという点で、私のように全く京都を知らないで雑誌などで紹介しているきれいな所しか知らない人間にとっては、こういった京都の一面や風習など勉強になって、意外な所で面白さを発見しました。そういう意味でこの番組は、若い方には受けないかも知れませんが、私ぐらいの人間で血なまぐさいのはいやだなという人は、案外喜んで見られる番組だと思いました。以上が講評番組の感想です。

 それから今年の秋でIATさんは3周年ですよね。それに関して、何か県民を巻き込んでみんなで楽しく参加できるような3周年記念イベントをやっていただけたらなと思います。

◎桑折事務局長

 番組ではなくイベントですか。

◎佐々木(明)委員

 はい。以前うちの会社の20周年いべントというのを岩山パークランドでやったんですが、予想を10倍ぐらい上回るお客さまにいらしていただいて、たいへん喜んでいただきましたので、IATさんだったらもっと素晴らしいことができるんじゃないかと思いますので、がんばってください。

◎照井委員

 私も11日、18日の二回見ました。これは全くドラマですから現実にああいうスタイルの主人公が組織の中にいるとしたら、なかなか組織の運営といいますか、チームワークの面を考えれば難しいのかなという思いで見ました。

 その中でよかったなと感じたのは、新聞記者としてのスタンス、新聞記者魂というのでしょう、「過去の反省にたった上で俺は記事は推測でなく真実のみ伝える。」というセリフです。そういう報道機関としての姿勢に共感を覚えました。

 それから確か18日の放送分だったと思うんですが、「大スクープに比べれたら安いもの」というセリフがあったんですが、これは裏を反して言えば特ダネ合戦の中で少々の誤報があったって構わないというふうに受け取れる内容ではないかと思いまして、少し残念だなと感じました。報道の有り方や難しさについて、改めて考えさせられたと思って見させていただきました。以上です。

◎箱崎(敬)委員

 4日と11日の2本視聴しました。いづれも初め、周囲が容疑者と目された人を記者の杉浦(橋爪功)が疑問視して、真犯人を追い続けるというストーリーですけれど、感想としてはコマーシャルの時間を除けば正味45分程度の完結型のドラマですね。何とかうまくまとめていると思います。それからこじんまりとした新聞社でかえって親しみやすいといいますか、そういう感じがしました。そして何よりも主演の杉浦記者に扮する橋爪功が、風采もさほどでもないし、一見とぼけたような、演技ですけれど逆に好感の持てるユニークな存在で、番組の中でちょっと心に残るようなセリフが少し出てくるところがいいんじゃないかと思います。

 11日の「幻の銘菓のなぞ」が一件落着した後に杉浦が語った、「記者として、取材し知り得たことをもう一度疑ってみることが大切だ」という言葉がありましたが、これはまさに記者だけに限らず、他にも通じる大切な心がけだということで印象に残っています。以上は課題番組についての感想ですが、今回は所沢のダイオキシンの報道問題についてテレビ朝日側がどのような対応をしているのかというようなことに関心を持ってみました。

◎箱崎(安)委員

 私、大変申し訳ないんですが、ビデオをセットしましたら時間を間違えてしまいまして、9時からに合わせてしまいました。ですから「ニュースキャスター 霞涼子」を見ての印象なんですが、スクープの取材合戦があって誤認報道をしたというストーリーでした。警察の捜査の場面がほとんど出てこなっかたんですが、日本の警察は優秀ですので、そこの所をもう少し映してくれればいいと思います。以上です。

◎三好委員

 18日の分を1本だけ見ました。「消えた事件記者の謎」を拝見しました。まずプロローグの夜の滝のシーンが誠に見事でした。「夫婦が同じ夢を見るのは正夢だ」というセリフは小説にも使いたい気がしました。私がドラマをいつも見ないのは、真似たいところがいっぱいでてきて、あいつは真似する作家だといわれたら大変だからなんですよね。

 それから娯楽番組というのは、結末のどんでん返しといいますか、その意外性で視聴者を楽しませるものですから、そういう点でもよく工夫されていると思います。筋書き等、とてもよく工夫されていると思うんですが、先程血なまぐささだけでなくよかったという話がありました。確かにミステリーにはあまりないようなおかしさの工夫もいいんじゃないかと思いました。ミステリーのなかにちょっと中休みみたいなところもある、あのゆとりがよかったですね。

 それから野際陽子、キャップの役でしたが演技力も確かで、この役どころに、ちょっとごちゃごちゃしたストーリーを整理させているところいいなと思いました。90点あげてもいいぐらいのドラマでした。

 それから久米宏さんについては前にも申し上げたとおり、謙虚なニュースキャスターのイメージがなくて、何やら尊大な有名人の感じがどうしてもありますね。昔はとても有能な素敵なニュースキャスターでしたね。それが有名人になってしまったのかと。今日も新聞には「テレビ朝日は…」とは書かれないで、「久米宏は…」と書いてあるんですね。この報道問題は久米宏だから特に問題になったのかなと思いました。

◎盛内委員

 私は4日、11日、18日と3回見ました。事件記者もので殺人事件が絡むわけですが、中には2人も3人も殺されるシーンもあって、これが血なまぐさいと感じるんでしょうね。4日の分は「幽霊伝説」でした。「事件記者」ものというのは記者クラブの隣同志の張り合いがもっとあるほうが面白いのではないかと思います。NHKの「事件記者」も確かそうでした。キャップのそれぞれの性格の違いや個性の違いから、それぞれの新聞社の記者たちの考え方にも影響されていくといったようなことや、キャップ同志の張り合いがもうちょっと出たほうが面白いのではないかと思います。11日は「幻の銘菓」。京都ですから和菓子にポイントをおいたといういうのも面白かったですね。その次の18日は「消えた事件記者」。この場合もそれほど残虐な場合がある訳でもなく楽しく見ました。

 3本通して言えることは、キャップなど上に立っているものがこのとぼけた感じのある主人公を評価していないんですね。そこに面白さもあって、彼の掴んだヒントで事件が解決していくというような結果の面白さもねらっているかも知れませんが、シリーズものですからずっと見ていると上司が部下を評価していない気がしますね。ちょっと違和感がありますね。「京都迷宮案内」については以上です。

 それから先程でました、安比にロケにきた「ダイエット3姉妹」ですが、私も見ました。これはドラマで作り物ですから内容はまだいいんですが、「七時雨山は安比にある」と言っていました。でも安比には無いんですね。安代町に有るんですよ。全国の人が見れば安比にあろうが安代にあろうが同じなんでしょうけれど、我々岩手県人でちょっと知っている人が見ると気になりました。

◎大島委員

 言い忘れたことが一つありました。先程の七時雨山なんですが、冬のロケでしたが、もっと別の楽しい季節でのこういったドラマのロケがあれば親近感が出ると思います。

◎照井委員

 先程の所沢の件なんですが、冒頭の挨拶の中で「行政等に対する問題提起の観点から、今回の報道に踏み切った」とありましたが、それについては100パーセント理解できると思っています。ただその後のフォローといいますか、報道したことによるその後の影響まで考慮していただいた中で制作していただけたらなと感じています。報道機関としてただ「問題提起だけすればいい」という姿勢ではどうなのかなと思います。先程チラッとお話がありましたが、久米キャスターについても謝罪をしましたということでしたが、あの画面を見ていると、とても謝罪する、真摯な態度は伝わってきません。どちらかというとふんぞり返って謝罪したというふうに感じました。

◎蓮見専務

 確かに色々謝罪の仕方にも問題がありまして、開き直ったという人もいたんですね。だからこういう批判は報道機関としては謙虚に受けとめなければいけないという問題で、先程申し上げたテレビ朝日の番組審議会の中でも遅すぎるという意見がでました。世間に対する後処理がまずいということは、これはまぬがれない事実です。個人的な性格もあるんでしょうけれど、久米さんに対する色々な意見はありますね。13年間もやってきた久米宏の「ニュースステーション」ということでなかなか難しいところですね。

 やっぱりこういう問題提起はいいんですが被害者は出してはいけないわけです。そのあたりをどこまで配慮し、気配りをしながらああいう放送をしたかということで、反省する点が大いにあるでしょう。そこがいちばん問題だと思います。

◎桑折事務局長

 まず次回の開催日は3月25日(木)でお願いしたいと思います。課題番組はとくに決めないで、年度末でもありますから「テレビ放送番組全般について」ということで間口を広げまして、ご意見をいただきたいと思います。今お話のあった、ダイオキシン報道のありかたですとか、テレビの40年以上の歴史の中で本当に今のテレビ放送の中身でいいのだろうか、問題があるとすればどういう点だろうか、あるいは逆にこういういい点もあるなどというテレビ放送全般についての感想で結構ですので、フリートーキングでお願いしたいと思います。

 最後になりましたが、放送基準の改正についてお諮りします。お手元に「民間放送連盟の放送基準の改正について」と「岩手朝日テレビ放送番組編集の基準、岩手朝日テレビ、文字多重・データ多重放送の基準」という資料をお届けしてあります。日本民間放送連盟が4月1日から放送基準の改正を実施することになっています。この改正が何故IATの番組審議会に絡んでくるかというと、私どもの放送番組基準のいちばん最後のページになりますが、「我が局の放送基準は日本民間放送連盟の放送基準による」とする規定があります。文字多重・データ多重放送の番組基準の中でも同じようにうたっています。ですからこの改正の中身を委員の皆様にもご承知おきいただきたいということです。こちらは後で読んでいただければ結構ですが、今度の改正のポイントは一つはサブリミナル効果、潜在意識にうったえるようなやり方は行なわないこと。それからテレビ東京で問題になりました、アニメーションの映像をチカチカさせて効果を狙うようなことは止めること。それから児童、青少年に与えるテレビの影響は非常に大きいものですから、アダルト的な番組については放送時間を配慮することなどということです。このように放送基準が改正になった、あるいは付け加えられたということをご承知ください。以上です。

◎奥寺委員長

 この件に関しましては特に意見がないようですので了解いたすこととします。

 それでは次回開催日は3月25日(木)、課題は「テレビ放送番組全般について」でお願いしたいと思います。以上で番組審議会を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。

7.審議機関の答申又は改善意見に対して取った措置及びその年月日

 議事録をキー局と系列各局及び関係機関に送付した。

8.審議会の答申又は意見の概要を公表した場合におけるその公表の内容、方法

 朝日新聞岩手版に審議の概要などを掲載。

 インターネットホームページに審議の概要を掲載。

9.その他

 特記事項なし。

速報

 岩手朝日テレビの第25回番組審議会(委員長・奥寺一雄盛岡タイムス社長)が、2月25日午前11時から、同本社で開かれた。

 会議では、木曜ミステリー「京都迷宮案内」(木曜午後8-9時)について、意見を述べ合った。この番組は、京都を舞台にした新聞記者もので、1月にスタートしたばかり。

 各委員は「ミステリーにありがちな暗さがなく、主人公の人柄もいい」「ユーモア、余裕があるドラマ。脚本がしっかりしており90点の出来」「京都の雰囲気が出ている」などと指摘し、評価する声が高かった。

 4月に、日本民間放送連盟が放送基準を改正するのに伴い、岩手朝日テレビも番組編集基準と文字多重放送、データ多重放送の番組基準を改正する必要が出ている。同社の番組編集基準などが、民間放送連盟基準に準拠しているため。

 同日の審議会に改正内容を諮問し、了承された。

 なお、出席委員は、奥寺一雄委員長、大島正蔵委員、大堀勉委員、佐々木明子委員、照井彰夫委員、箱崎敬吉委員、箱崎安弘委員、三好京三委員、盛内政志委員の9名。欠席委員は、大橋瑠璃子委員、佐々木友江委員、山川清委員の3名。