放送番組審議会

2月(第45回)

概要

「奥の細道まわり道」は山形テレビ開局30周年記念の80分番組。

委員からの意見

  • 映像が大変美しく、山形の素晴らしさが良く表現されていた。
  • 出演者の個性が番組に生かされ、楽しく見られた
  • まわり道が多く、奥の細道からルートが外れ過ぎていた感がある。
  • 芭蕉と奥の細道の謎に焦点を置いて、推理紀行的要素を取り入れて欲しかった。

出席委員は、増子義孝委員長、照井章夫副委員長、及川和男委員、斎藤五郎委員、松尾正弘委員 、松本直子委員、宮野裕子委員、山川清委員の8名。

欠席委員は、植本花子委員、荻野 洋委員の2名。

議事録

1. 平成13年2月21日(水)午前11時~

2. 岩手朝日テレビ本社・会議室

3.委員の出席 

委員総数 10名

出席委員数 8名

 委員長 増子 義孝

副委員長 照井 章夫

  委員 及川 和男

  委員 斎藤 五郎

  委員 松尾 正弘

  委員 松本 直子

  委員 宮野 裕子

  委員 山川 清

欠席委員数 2名

  委員 植本 花子

  委員 荻野 洋

会社側出席者名

専務取締役 桑折 勇一

 業務局長 河邊 喬

 技術局長 菊地 一行

報道制作局長 横舘 英雄

番組審議会事務局長 佐々木 瑞夫

4.議 題

(1)3月の番組編成について

(2)番組合評

「奥の細道まわり道」

山形テレビ開局30周年記念番組

平成13年2月11日 14:00~15:25放送

(3)次回の審議会

 開 催 日:平成13年3月28日(水)

 合評課題:最近のテレビ番組一般について

(4)閉会

5.議事の概要

「奥の細道まわり道」は山形テレビ開局30周年記念の80分番組。

委員からの意見

▽ 映像が大変美しく、山形の素晴らしさが良く表現されていた。

▽ 出演者の個性が番組に生かされ、楽しく見られた

▽ まわり道が多く、奥の細道からルートが外れ過ぎていた感がある。

▽ 芭蕉と奥の細道の謎に焦点を置いて、推理紀行的要素を取り入れて欲しかった。

6.議事の内容

佐々木事務局長

 第45回番組審議会を開催いたします。

 本日は植本委員、荻野委員が欠席でございます。弊社、蓮見社長も出張のため欠席させて頂いております。それでは、桑折よりご挨拶申し上げます。

桑折 専務

 ご多忙のところお集まりいただきましてありがとうございます。

 電通の調べによりますと、昨年1年間の広告費は108%増の6兆円超となりました。広告業界の伸びは、経済界全体の回復基調よりも大きいようです。しかしこれは今に限ってのこととして捉えられておりまして、将来的には警戒を要することと業界としては見ております。

 お蔭様を持ちまして、今期はIATでも待望の売上30億円を達成できる見通しです。我が局の以前としての課題は視聴率でして、最近の調査でも岩手県内の民放4局中4位に甘んじておりまして、3位との差もやや開きつつあります。ゴールデン、プライムタイムの視聴率も一桁に落ちてきている点が非常に危惧されます。キー局のテレビ朝日でも、視聴率を上げるべく、製作費の増額や製作担当の人員強化などをしているようでして、「タイムショック」などは視聴率も改善されつつある段階です。出来るだけ、視聴率を上げるように、局としても努力して行きたいと思っております。

 本日ご審議いただく番組は山形テレビの30周年記念番組でございます。我が局も今年10月、5周年を迎えます。周年イベントとしましては、9月に瀬戸内寂聴さんの講演会、11月にドイツ・ザクセン=アンハルト国立歌劇場の「サロメ」を上演いたします。イベントだけではなく、周年記念番組も出来たらなと考えております。委員の皆様のご意見、ご感想も頂きながら準備を進めて行きたいと考えておりますので、どうぞ宜しくお願い致します。

佐々木事務局長

 それでは早速、議事に入りたいと思います。増子委員長、お願いします。

増子委員長

 まず、3月の番組編成についてのご説明をお願いします。

河邊業務局長

 それでは説明させて頂きます。

3月3日「メールdeゲット~春一番スペシャル」。今回で3回目の単発番組です。企業から協賛いただいたプレゼントにメールで応募して貰うという新しい企画です。12月の第2回では3500通の応募がありまして、クライアントからも注目されている番組です。

3月10日「プロ野球オープン戦 西武ライオンズ-読売ジャイアンツ」をお送りします。

3月11日「サンデープレゼント ゴールデンアロー賞」。3月5日に東京プリンスでゴールデンアロー賞が発表される模様を収録してお送りします。

3月20日「高校柔道全国大会」。岩手県代表は、男子団体に盛岡中央高校が出場します。

3月25日「サンデープレゼント 田原総一朗の人間発掘スペシャル」。今回は松下幸之助氏にスポットを当てた内容です。

午後帯につきましては以上です。

ゴールデンの期末期首スペシャルにつきましては、3月24日「ドラマスペシャル 天の瞳2」。原作は灰谷健次郎「天の瞳」で角川書店から出版されております。神戸の街を舞台に、様々な人間関係に生きる「友愛」をテーマにした感動の物語です。第1回は昨年の3月に放送しております。

3月の単発番組につきましては以上で説明を終わらせて頂きます。

増子委員長

 それでは「奥の細道まわり道」についての合評に入りたいと思います。及川委員から、お願い致します。

及川委員

 タイトルが「奥の細道まわり道」ですから当然ですが、奥の細道の行程から外れた、「寄り道・まわり道」が多かったので、奥の細道の行程に則する構成が弱まった印象を持ちました。

 番組の最初に「釜の越桜」が出てきますが、ガイドブックにも載っていなくてインターネットで調べて、後に置賜地方にあると知りました。また、番組の導入部で番組の場面を予告編的に点描する手法をとっていましたが、番組タイトルが出てくるまでのそれが、番組に入りにくい感じがしました。

 「まわり道」の点では、封人の家から山刀代峠を越えて白布温泉、姥湯温泉、釜の越桜へと行きますが、これらは奥の細道の行程から外れた置賜地方に集中しているので、置賜地方を紹介したかったのだろうと思いましたし、娯楽番組としてはやむを得ない構成だと思いましたが、見ていて混乱を生じたという印象を持ちました。

 しかし、食べ歩きに重点を置かなかった点は評価できると思います。これに芋煮会やさくらんぼやラフランスなどが出てきたら、通俗的な番組になってしまったと思います。

 山寺の立石寺と出羽三山が圧巻でしたし、轡田隆史さんの芭蕉感が吐露されていました。山寺では蝉の声に仮託して「しみ入る」ということの本質を見つめていたところや、出羽三山では奥の細道の最大の目的が出羽三山踏破であって、ここで芭蕉はある悟りに達したのではと、自分の実体験を通して涙して吐露しているところは実感が篭っていました。

 また、四季の映像を沢山撮って、番組に散りばめた点はとても良かったですね。立石寺の蝉や月山山頂の落日、酒田の入日などです。また音響も優れていて、残雪を踏む音などは非常に美しく響いていました。取材の厚みが感じられ、全体的に清々しさと余韻が感じられて大変良い番組だったと思います。以上です。

斎藤委員

 奥の細道の150日、2400kmの行程中、40日も山形に居た謎については、何故かということには触れませんでしたね。芭蕉にとって奥の細道は、観光でも無ければ俳句の取材でも無い、結局のところ、悟りの道程ではなかったのかと思います。

 出羽三山は凄い観光地ですね。轡田さんは難儀そうに歩いていましたが、背景には軽装の人やミニスカートの女性が居たりで、ちょっとリアルさに欠けたかなと思いました。

 奥の細道の道程との違いが解らないので、番組中に、時々地図を入れてたり、もう少し説明が欲しかったなと思いました。しかし、よくよく考えてみると「まわり道」とタイトルで断っているので、ああそうかなとも思いました。

 番組自体も少し長すぎて、最後のほうは、くどくて飽きてきました。ターゲット層はどの辺りだったのでしょうか。釜の越桜を見て勉強になったのは、岩手でも石割桜の二世を育てなくてはということです。番組全体を通しての印象は、山形には素晴らしい観光資源が沢山あるな、さて岩手をどう売り込むかと思いました。

 番組の構成としては、芭蕉の忍者説があるのだから、出来れば、推理紀行的にした方が良かった気もしましたが、良く出来た構成のセミドキュメンタリー番組でした。

 轡田さんの起用は失敗だったと思います。もっと軽妙な喋りで、芭蕉に対する思い入れが無い、感想を率直に言う人が良かったと思います。出羽三山を見た時の感動も、本来であればもっとあるはずなのに、視聴者に全く伝わって来なかったです。以上です。

照井副委員長

 結論から言うと、非常に良い番組で飽きずに最後まで見ました。私は18歳から26歳までの8年間、山形に居りましたので、感傷的なことも手伝って、そんな感想を持ったのだと思います。

 轡田さんについては、斎藤委員とは逆に、彼の人柄が滲み出ていて、良い起用をしたなと思いました。番組の最後に「旅のおわりは旅のはじまり花の道」と色紙に書かれましたが、やはり感性のある人が見ればそうなるのかなと思いました。というのは、ラジオで小椋佳さんが同じ趣旨の話をされていました。強いて言うと、芭蕉が実際に歩いた道程と、放送で紹介した道順には道程という意味では無理があったので違和感を感じました。以上です。

山川委員

 ローカル番組を制作するケースとしてはとても良かったと思います。ローカル番組は地元の人が殆ど見ますし、写し出された場所には一度は足を運んでいますから、感動も本当に伝わると思います。言葉や映像だけではなく、一度実際に見た場所、体験した事については、本当に感動は伝わると思います。私は、芭蕉も奥の細道もあまり解りませんが、面白かったです。もう一度見たいと思いました。

 私は実は出羽三山に10日間、山伏修行に行った経験があります。出羽三山の宮司さんが修行について「食べたい時に食べさせない、眠りたい時に寝させない」とおっしゃっていましたが、その通りでした。10日ばかりの修行でしたが、様々な体験をしましたので、轡田さんが月山登山の後で涙ぐんだ気持ちはとても伝わってきました。

 ただ、気になったのは終わりに「人は自然の中で生かされてるんだ」というコメントがありましたが、あれは言うのではなくて、番組の中で感じさせなくてはいけない事だと思いました。また、そこで番組が終われば良かったのに、その後に余韻を作りすぎたと思います。以上です。

宮野委員

 山形には一度も行ったことが無いのですが、山形テレビさんの地域を愛する気持ちが良く出た番組だと思いました。山形のいいところが番組に散りばめられていて、酒田の入日や月山の落日などはとても綺麗でした。1年以上の時間をかけて撮った映像の美しさが伝わってきました。いちばん凄かったのは、月山の登頂です。登った轡田さんも凄いですが、かなりの標高がある月山にカメラを担いで登ったスタッフもかなりの努力だったと思いました。

 また、ナレーションのイルカさんの声が、アナウンサーとはまた違って、とても柔らかく、それが番組全体を柔らかくして、またそれに合ったBGMを使ったのではないかと思いました。キー局では作れない、ローカル局独特の思い入れがあるので、それは良いと思いました。

 しかし、80分という長さがちょっと辛いです。轡田さんが月山から降りてきて感動を語るところで番組が終了しても良かったと思います。その後のダラダラと続いた部分に、やや思い入れがあり過ぎたのではないかなと思います。

 今は冬ですから、春を待ち望むような番組だったと思います。文学的なものを望むのであればもっと別な作り方があると思いますが、山形の良さを出したいということを眼目に入れて見る番組としては、非常に良かったと思います。以上です。

松本委員

 皆さんの合評を楽しく聞いていました。これ程、皆さんが違った思い入れを持って合評をする番組というのは初めてだと思います。イルカさん、渡辺えり子さん、轡田さんの組み合わせは、お互いを高めていて非常に良かったと思います。無理なく違和感もそれ程なく、旅番組として見てもうまく同時進行できていたと思います。私は導入部からスッと引き込まれ、番組の流れも良くて、ストレスを感じることなく見ました。と言いますのは、最近のドキュメンタリーやバラエティ番組は、ナレーターが問いかけをした後、すぐにCMに入ってしまう作りが多いからです。この番組は気が途切れることなく、期待通りまたはそれ以上に魅せられました。

 むしろ、奥の細道をあまり知らない人のほうが、知らない分、楽しめたのではないかと思います。冒頭、釜の越桜の見事な映像がありました。以前、京都を訪れた時に、桜は死の花とか死人の花、だからあれほど妖しいまでに美しいのだという話を聞いた覚えがあります。この番組では「桜は命」というフレーズがありましたが、全く逆の印象を持っていましたので、それにしても妖しく美しい花だなと思いました。

 皆さんもおっしゃっておりましたが、切れの良いところで番組が終わったほうが良かったと思います。そこが勿体無かったと思います。以上です。

松尾委員

 番組の作りは、奇を衒わない、王道の作り方で良かったと思います。芭蕉の歩みに合わせて歩き、代表的な句を紹介し解釈を入れる、さらに土地の名物を紹介しながら進むという、非常にストレートな内容だったと思います。

 80分という番組でしたが、私は最後のほうまで飽きることなく見ました。これは、出演者の個性や力量のおかげだと思います。ナレーションがイルカさんだということで大丈夫かなと思いましたが、違和感が無く、硬くならずにほのぼのとしていて良かったです。

 イルカさんの語り口調と渡辺えり子さんの演技や語りが調和して良かったと思います。轡田さんはあまり語り上手ではありませんが、いつの間にか彼に感情移入して見ていました。この3人のキャスティングは良かったと思います。

 番組全体としては、山形の年間を通したベストショットを上手く使っていて、とても綺麗だと思いました。山寺は実際訪れると、麓の土産屋や喧騒が物凄いのですが、その辺りを撮らなかったのは正解だと思います。それからBGMもシンプルであまり気にもかからず、雰囲気を出していたと思います。以上です。

増子委員長

 ありがとうございました。

 私は、良くも悪くも「轡田さんの奥の細道」だったと思います。轡田さんはとても個性的な人なので、奥の細道が霞んでしまったところもあったような気もします。轡田さんがよかったという人は沢山いるわけですが、ナレーションがあって、墨衣を纏った芭蕉と曽良とおぼしき人物も出てくる。じっくり奥の細道を楽しみたいという人にとっては、ナレーションと墨衣で充分だったような気もします。

 また、奥の細道は研究されていますから、学問的な考証がもっと欲しかったです。話は少しそれますが、テレビ局は特集番組を制作する時、タレントに頼りすぎるきらいがあるのではないでしょうか。番組制作者が徹底的に芭蕉に迫って、普通の人を使って作るという手法もあると思います。

 昨年のプログレス賞に出品した、山形の雛人形の番組を見ましたが、あの番組は優れていたと思います。一度、役者を起用するというパターンから脱却しても良いと思います。辛口に過ぎましたが、普通の番組に比べたらいい線は行っていると思います。贅沢を言うと厳しくなるということです。

他にご意見はありませんか。

桑折専務

 轡田色が出すぎたということですね。

増子委員長

 映像がとても綺麗ですし、芭蕉を語るのにあまり多くの言葉は要らなかったと思います。

佐々木事務局長

 山形テレビさんがおっしゃるには、増子委員長のご指摘の通り、轡田さんの意向がかなり強く、番組にもかなり影響したそうです。

桑折専務

 及川委員は、轡田さんの芭蕉に対する思い入れが出すぎたということでしたが。

及川委員

 轡田さんを起用したらああいった番組になるとは予想出来ますが。

 しかも苦労をして月山に登って、下山する様子から、かなり肉体的に参ってると解ります。そして下りてきてから「芭蕉って凄いな」と自らの体験を通して「ここで悟りを開いたのではないか」と述べて、思い入れを含んだ涙になっている。それはそれなりの彼の味だと思います。

 また、番組の宣伝文句や冒頭では「忍者?隠密?句に秘められた謎とは?」と期待を持たせているのに、そこには全く踏み込まないので、広告と実際の番組に乖離があった気がします。

 それから、この番組は東北地方だけに放送したんですよね。

桑折専務

 いいえ、全国放送です。

及川委員

 そうですか。周年記念で地元視聴者へのサービスという観点もあったと思いますが、山形県民には解り切っていることであるが同時に誇りでもある、それらを出来るだけ満遍なく取り込もうとするのは良いのですが、主題が普遍性を持たないと、それ以外のところに響かない気がします。地元の自己満足に終わらないように、だからこそ奥の細道という主題で頑張ったとは思います。

 ですから、岩手でも作る場合は、岩手という風土に深く根指しながらも、そこから何か現代人の胸に響くようなテーマを探り出すことに苦労をしないと、自己満足的なものになってしまうという気がしました。

斎藤委員

 そういう意味で、推理紀行にすればと思いました。山形では隠密説は完全に否定されていますし、資料館では40日間俳諧のために滞在したという説明をされます。番組の冒頭では隠密説にもちょっと触れますが、内容はオーソドックスでしたね。

河邊業務局長

 いろいろなご意見を頂戴しておりますが、視聴率について触れますと、山形テレビは24.2%という驚異的な数字でした。東北ブロックの視聴率は西の局の倍は取っています。西はだいたい5%前後、東北ブロックは10%くらい取っております。IATは6%くらいです。

 増子委員長がキャスティングについておっしゃいましたが、やはり全国ネットとなりますと、テーマだけでは惹きつけられない部分もありまして、タレントで気を惹こうというもあったかと思います。

松本委員

 中学生の息子が、番組宣伝の「忍者説・隠密説」に関心して、番組を一緒に見ましたが、だんだんそれらから内容が離れていくにつれ、期待はずれなのか見るのを辞めました。

 学校では芭蕉も奥の細道も取り上げますが、読む機会もなければ、格別関心を持つことも無いので、斎藤委員もおっしゃっておりましたが、忍者説についてもう少し踏み込んだり、推理紀行的な構成にしたら、もっと関心を持つきっかけになったかも知れません。

増子委員長

 ターゲットとした年齢層はどの辺りでしたか。

桑折専務

 やはり中高年層でしょう。

増子委員長

 ターゲットの設定が中途半端な作りになってしまったかと思います。あれこれと欲張りすぎたと思います。

山川委員

 轡田さんはそんなにメジャーな人でしょうか。彼はニュースステーションの解説を務めたことで、テレビには出演していますが、一般の人にはあまり知られていないんですよ。Nステに出演している轡田さんだから皆なは知っていると、Nステを過信しすぎたと思います。

 皆さんがおっしゃるように轡田さんはとても特徴ある人ですし、ニュース解説をしていても涙ぐむほどの感激屋です。ですから「轡田さんの奥の細道」になって当然です。しかし、映像はとても綺麗でした。釜の越桜を基調として四季をそれとなく演出していますし、構成はとても良かったです。ですから、出演者だけがちょっと残念ですね。

斎藤委員

 墨衣の芭蕉と曽良のイメージが出てきたので、二人の旅日記かと思ったら、全くそれは関係ありませんでしたね。

 それから、轡田さんと渡辺えり子さんの組み合わせは、一見、アンバランスですが、彼女によってかなり中和されたと思います。

河邊業務局長

 芭蕉が詠んだ俳句を基にした番組構成でしたので、忍者説や推理紀行的な構成にしたら、全く別の番組が出来ていたと思います。

 確かに忍者や隠密については番組中は何も触れていませんでしたね。

松本委員

 また違う番組として、期待をしたいと思いますね。

増子委員長

 何か他にご意見はありますか。無いようですので次へ入ります。

河邊業務局長

 視聴者応答につきましては、お配りした資料をご参考ください。

 問合せの数字には、現在はEメールによる問合せは集約されておりませんが、次回からは集約する予定でございます。

佐々木事務局長

 次回は3月28日に開催いたします。3月は番組改編期に当たりますので、合評番組は特に設定せずに、放送番組全般について、広く委員の皆様のご意見を聞かせて頂きたいと思います。また、最近話題になっております、メディア規制の問題にもご意見がありましたらお聞かせ願いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

増子委員長

 それでは、番組審議会を終了いたします。ありがとうございました。

7.審議機関の答申または改善意見に対してとった措置

特になし

8.審議機関の答申または意見の概要の公表

2/28 付 朝日新聞岩手県版に審議概要を掲載。

系列各局に議事録を送付。

本社受付に議事録を常備、閲覧に供す。

インターネットホームページに掲載。

9.その他の参考事項

特になし

10.配布資料

◎ 3月度単発番組編成予定表

◎ 視聴者応答記録(1月分)

速報

岩手朝日テレビの第45回番組審議会(委員長 増子義孝県立大学教授)が、2月21日(水)盛岡市盛岡駅西通りの同本社で開かれ、山形テレビ開局30周年記念番組「奥の細道まわり道」について審議した。

各委員からは、「映像が大変美しく、山形の素晴らしさが良く表現されていた」「出演者の個性が良く番組に生かされ楽しく見られた」等の意見の他、「もう少し、芭蕉と奥の細道の謎に焦点を置いて推理紀行的要素も欲しかった」などの意見が出された。