3月(第126回)
概要
岩手朝日テレビの第126回番組審議会が平成21年3月26日(木)、盛岡市盛岡駅西通の岩手朝日テレビで開かれた。
合評内容は「ザ・ルーツ 俺たちの盛岡冷麺」/p>
- 麺サミットというイベントで盛岡冷麺がブランド化した。全体的には兆戦的で刺激のある番組である。
- 地元の方のコメントがひとつもないので、内容がうまく伝わらない。なぜ冷麺を食べるのか詳しく追求したところがないのは残念。
- 東北の他の県の放送で、岩手以外の人々はこの番組をみて、どのような感じを持つのかなと興味深く見た。
- 古い映像なども盛り込まれ分かりやすく、在日の方も、岩手の方も違和感なく見た。
- 歴史を紹介する時、西暦、和暦が統一されてなかったので、わかりづらかった。
- 盛岡冷麺が確立するまでの道のりをテレビをみていて理解できた。
- 県外で見る人は、なぜ岩手盛岡に冷麺が定着したかもう少し掘り下げた創くりをしてほしかった。
という意見が出た。
出席委員は、増子義孝委員長、小田島利昭委員、笠川さゆり委員、松尾正弘委員、松本直子委員、宮野裕子委員、村田久委員、吉田政司委員の8名。欠席委員は、弭間俊則委員の1名。
議事録
1.開催日時 平成21年3月26日(木)午前11時~
2.開催場所 本社3階 会議室
3.委員の出席
委員総数 9名
出席委員数 8名
委員長 増子 義孝
委員 小田島 利昭
委員 笠川 さゆり
委員 松尾 正弘
委員 松本 直子
委員 宮野 裕子
委員 村田 久
委員 吉田 政司
欠席委員 1名
委員 弭間 正則
会社側出席者名
代表取締役社長 富永 健治
常務取締役 辻 一成
取締役報道制作局長 小椋 和雄
技術局長 佐々木 正樹
編成業務局長 小林 直紀
番組審議会事務局長 横山 博
報道制作部課長 斎藤 恵
番組審議会事務局 佐藤 清一
4.議題
(1)番組合評
「ザ・ルーツ 俺たちの盛岡冷麺」
(2)4月単発番組について
(3)次回審議会
開 催 日:平成21年4月23日(木)11時~
本社 3階会議室
合評課題:「ひるまにあん」
放送日時:毎週土曜日昼12:00~12:55
5.概要
☆ 麺サミットというイベントで盛岡冷麺がブランド化した。全体的には兆戦的で刺激のある番組である。
☆ 地元の方のコメントがひとつもないので、内容がうまく伝わらない。なぜ冷麺を食べるのか詳しく追求したところがないのは残念。
☆ 東北の他の県の放送で、岩手以外の人々はこの番組をみて、どのような感じを持つのかなと興味深く見た。
☆ 古い映像なども盛り込まれ分かりやすく、在日の方も、岩手の方も違和感なく見た。
☆ 歴史を紹介する時、西暦、和暦が統一されてなかったので、わかりづらかった。
☆ 盛岡冷麺が確立するまでの道のりをテレビをみていて理解できた。
☆ 県外で見る人は、なぜ岩手盛岡に冷麺が定着したかもう少し掘り下げた創くりをしてほしかった。
6.議事の内容
小林事務局長
それでは、只今より、第126回岩手朝日テレビ放送番組審議会を始めます。本日は合評番組の制作担当として、報道制作局の斎藤が出席しております。後ほど合評の際よろしくおねがいいたします。
それでは、増子委員長、議事をお願いいたします。
増子委員長
それでは富永社長、一言お願いします。
富永社長
本日もお忙しい中、お集まり頂きましてありがとうございます。
本日は期末3月ということになり、今回で退任される委員さんが三名いらっしゃいます。
松尾先生、松本先生、宮野先生のお三方が今回をもたれて退任されます。三名の先生には大変お世話になりました。
またIATにとってうれしいニュースが二つほどあります。
まず一つ目は、ワールドベースボールクラッシックでは視聴率三冠をとることが出来ました。それから、本社屋の壁画にゴエティをデザインしておりますが、県の第一回屋外コンクールで岩手県知事賞を受賞いたしました。営業的には低迷な時期ではありますがうれしいニュースが二つあり明るい話題となりました。
また、当社のアナウンサーである登田が今月いっぱいで退社いたします。また今回の合評課題であるザ・ルーツ俺たちの盛岡冷麺は視聴率が7.6%をとっております。合評の際は委員の先生にご意見をいただきたいと思います。よろしくお願い致します。
増子委員長
ありがとうございました。
何かご質問等ございませんか?
それでは、4月の単発番組と視聴率についてお願いします。
小林編成局長
視聴率はワールドベースボールクラッシックの放送では、3月第1,2週で高い視聴率を獲得することができました。
しかし、反省として全日は3位とデイタイムの工夫をしないといけないと思います。報道ステーションは16.9%と政局が動く中で、世間の関心が高い為ではないでしょうか。
単発番組ですが、4月第1・2週は単発の多い週であり、スポーツのみお手元の資料に記載しております。中でもフィギアスケートの放送が多くなっております。
また、やじうまプラスが4月から土曜日までの放送になり、ワイドスクランブルは日曜日のお昼も放送となります。
増子委員長
ありがとうございました。何かご質問ございますか。
それでは合評課題に移ります。
吉田委員
冷麺は週に三回は食べているぐらい好きなのですが、この放送を見まして、次の日に食べに行ってしまいました。
盛岡に冷麺は定着していますね。
私が小さいころ、在日の皆さんの状況を覚えていますが、当時は盛岡にたくさん住んでいました。土地の整備も未だ、ままならず、私たちの年代の親の年代の方が多かったと思います。昭和のオリンピック頃から変わってきたのではないでしょうか。
冷麺を初めて食べた時は、ゴムを食べている感じでしたが、2回目以降に食べるとだんだんとその味、麺にハマってしまいました。麺サミットというイベントで盛岡冷麺がブランド化したと思います。
ほっとネット東北で岩手県以外の方が見たら、冷麺が嫌いな方が見たらどんな感じでしょうね。
前日に秋田朝日放送が制作した学び舎を見ましたが、内容が詰め込みすぎだったように思えました。
全体的には挑戦的で刺激のある番組だったと思いました。
村田委員
題名を見て興味津々で見ていました。中でも「ぴょんぴょん舎」の社長のお父さんの時代からの生き様、韓国まで行っての取材、冷麺が嫌いな方が見ればどうなのでしょう。
ぴょんぴょん舎に内容が定まってしまって、ほかのお店が2店出ていましたが、そのお店との繋がりが良くわかりませんでした。そのお店の方の取材したコメントばかりで、地元の人のコメントがひとつもないので、内容がうまく伝わってこないところもありました。なぜ冷麺を食べるのか等詳しく聞いているコメントがひとつもなくて少し残念でした。
在日韓国人の当時の叫びや、思いなどもう少し取材してその部分を取り入れていればもっと良い出来になったと思うし、背景などもわかって視聴者に思いが伝わったのではないでしょうか。
食堂園の青木さんがなぜコメントしなかったのかや、どうやってあの独特な味が作り出せたのか。冷麺にウエイトを置いて放送してほしかったと思います。どうして盛岡に冷麺が根付いたのかとか、その辺を詳しく見たかったと思いました。
宮野委員
当時からの在日韓国人と日本人のしがらみや苦労などを詳しく見てみたかったと思います。私たちの年代では在日というのに重点を置いては作れない部分もあろうとは思います。
冷麺やじゃじゃ麺などソウルフードを違った観点から見れたと思います。また映像を見ていて盛岡の当時の状況などが懐かしく甦りました。
東北6県での放送で、岩手以外の人々はこの番組を見て、どんな感じを持つのかな。と考えながら興味深く見ていました。
松本委員
私の父がクォーターなので画面の内側を気楽に見られ、歴史的背景なども踏まえ見ていました。
当時の古い映像なども盛り込まれていて、わかりやすいつくりになっていましたね。ルーツという題名は、何がルーツなのかも考えながら見ました。
内容的に取り上げすぎな部分もありましたが、たくさん盛り込むとこで結果わかりやすく出来ていたところもあり、丁寧な取材が内容から伝わってきました。在日の方、岩手の方両方とも違和感がなく見れたのではないでしょうか。
松尾委員
盛岡冷麺は大好きな食べ物です。1980年頃盛岡冷麺は、平壌冷麺とも違う、盛岡冷麺というひとつのメニューが確立されたのではないでしょうか。
初代青木さんの生涯を取り上げていましたがとても良い作りでした。昔は焼肉店には大人しか行かない風習といいますかそんな時代でした。今は大人も子供も気軽に行ける風習に変わってきました。
1時間番組で、私には長く感じました。最初の5分がとてもインパクト強く感じました。青木さんの話題からぴょんぴょん舎の話題に変わりましたね。青木さんの解き明かされる30分が良かったですが、後の30分は内容的にもあまり興味が薄れてしまったように思います。
「ルーツ」というテーマで、在日韓国人からの内容を見て3世代になってやっとストーリーが解き明かされました。
歴史を紹介する時、西暦何年、昭和何年というように統一化されていなかったので、わかりづらく感じました。どちらかに統一してほしかったですね。
笠川委員
盛岡冷麺が確立するまでの道のりをテレビを見ていて理解できたと思います。差別など問題もあった時代があり、今だからこそ取り上げられる内容でしたね。
2世の方のルーツという意味ではよくできた作りだったと思います。
青木さんの声、ペコのCM、とても懐かしく感じましたね。青木さんが冷麺のレシピなどもなく、息子さんは大変な思いをしてここまでこられた事、良くまとまっていましたね。ぴょんぴょん舎の息子さんの結婚される内容のあたりは少し長く感じました。
小田島委員
盛岡の冷麺の話で1時間番組でありましたがそう長く感じることもなくすんなり見てしまいました。
岩手の地産地消がテーマかな。と思いました。在日というイメージもなく見ていました。
県外で見ている人はなぜ岩手に冷麺なのか。不思議に思う方いると前から思っていたので、今回この番組を見て納得された方も多いでしょうね。在日の部分も大事ですが、どうして盛岡に冷麺が定着したのかをもう少し掘り下げた作りで構成してほしかったと思います。なぜ冷麺だったのかとかね。
在日の方を受け入れながらこうやって盛岡冷麺と名前がついたいきさつなどをもう少し見てみたかったと思います。
増子委員長
これまで見た中で一番良い作品だったと思います。
敢えて重たいテーマをぶつけてテーマにしたあたりは評価したいです。若い人は在日の方が盛岡に住んでいたなんて知らないと思うし、そんな時代があって今があることを知ってほしいですね。一世の方は耐えられず帰化した方もおるでしょう。二世の方は帰化せず自分の国を選ぶ、帰化するか決めている。三世のかたは差別があったなんて知らないかもしれません。作りも丁寧に出来ていたし、今までの中でよい作品になっておると見て思いました。
報道制作斎藤
皆さんから貴重なご意見ありがとうございます。
私は在日に興味があり何かに絡めないかを検討して、盛岡冷麺として取り上げました。
一番取り上げたい事は、差別の問題でありました。
ここ盛岡でもIAT界隈で昔、在日韓国人が住んでいた場所があり、在日を当時から今にかけて残したことを褒め称えたいと思います。
一世は今ほとんど残っていない状況ですが、2,3人残っている方がいらっしゃり、何とか証言を取りたかった次第です。
盛岡市民が外から入る文化を受け入れられるか、冷麺が定着するまでの市民の思いなどをもう少し掘り下げて取材するべきだったと思いました。ありがとうございました。
増子委員長
何か他にございませんか。
私からお願いがあります。6月4日に大阪ABCで委員代表者会議があり、そのテーマが裁判員制度・報道のあり方・ドキュメンタリー番組全般、この辺にテーマは決まりそうです。何かご意見などありましたら来月の番組審議会で意見を頂戴したいと思いますのでよろしくお願い致します。
では次回についてお願いします。
横山事務局長
では次回についてですが、「ひるまにあん」を合評課題にしております。是非ご覧になって貴重なご意見をお願いいたします。
増子委員長
それでは終了します。ありがとうございました。
7.審議機関の答申または改善意見に対してとった措置
ご指摘頂いた点を、今後の番組作りの参考とすることとした。
8.審議機関の答申または意見の概要の公表
4/14朝日新聞岩手県版に審議概要を掲載。
系列各局に議事録を送付。
本社受付に議事録を常備、閲覧に供す。
インターネットホームページに掲載。
9.その他の参考事項
特になし
10.配布資料
◎ 4月単発番組編成予定表
◎ 3月、岩手地区視聴率