放送番組審議会

3月(第46回)

概要

岩手朝日テレビの第46回番組審議会(委員長 増子義孝県立大学教授)が、3月28日(水)盛岡市盛岡駅西通りの同本社で開かれ、“最近の放送番組一般”について審議した。

各委員からは、「ワイドショーは幅広く話題を取り上げ、経済ニュース等もやって欲しい」「番組開始時間は正時のほうが見易い」「良質なテレビドラマを作って欲しい」等の意見の他、「県政番組は役立つ」「IATスーパーJチャンネルの天気予報はきめ細かで良い」などの意見が出された。

出席委員は6名

及川 和男委員、荻野 洋委員、斎藤 五郎委員、松尾 正弘委員、松本 直子委員、宮野 裕子委員。

欠席委員は4名

増子 義孝委員長、照井 章夫副委員長、植本 花子委員、山川 清委員。

議事録

1. 平成 13年 3月 28日(水)午前11時~

2. 岩手朝日テレビ本社・会議室

3.委員の出席

委員総数 10名

出席委員数 6名

委員 及川 和男

委員 荻野 洋

委員 斎藤 五郎

委員 松尾 正弘

委員 松本 直子

委員 宮野 裕子

欠席委員数 4名

委員長 増子 義孝

副委員長 照井 章夫

委員 植本 花子

委員 山川 清

会社側出席者名

代表取締役社長 蓮見 博民

専務取締役 桑折 勇一

常務取締役 村上 昇

業務局長 河邊 喬

報道制作局長 横舘 英雄

番組審議会事務局長 佐々木 瑞夫

4.議   題

(1)4月の番組編成について

(2)フリートーキング

  「最近のテレビ番組一般について」

(3)次回の審議会

   開 催 日:平成13年4月25日(水)

   合評課題:

「木曜ドラマ R-17」

「不思議どっとテレビ。これマジ!?」

「スポットライト」

(4)閉会

5.議事の内容

佐々木事務局長

 第46回番組審議会を開催いたします。

 本日は増子委員長、照井副委員長、植本委員、山川委員が欠席でございます。それでは、弊社社長よりご挨拶申し上げます。

蓮見社長

 おはようございます。年度末のお忙しいところをお集まり頂きまして有難うございます。ご存知のように、4月からは新番組が始まりますが、この3月で終了する番組というのは、残念ながら評判が良くなかったり、視聴率が悪かったりで打ち切られるケースが多いのです。今日の審議では、それは何故かという点についても触れて頂けたらと思います。

 それから、私どもの報道制作局の吉田という者が制作しました「スポットライト」という30分の番組が、今年の3月に開催されました「北日本制作者フォーラム」で、最優秀作品に続く、1位を頂きました。

 このフォーラムは、北海道と東北6県の民放・NHKの報道局長などが審査員となっております。審査方法としては、予備審査にはNHK13局、民放27局が出品しまして、岩手県の場合はIBCとIATの2作品が選ばれて本大会へ進みました。そして、本大会へと進んだ15局の作品の中から優秀作品として選ばれました。

 わが社は開局して4年半になりますが、制作人として一般的に認められた初めての作品であります。吉田君は今、営業局に籍を置いておりますが、4年半という短期間で、他局からも認められる若い制作者がよく育ってくれたなという思いです。次回の審議会までに、委員の皆様にも「スポットライト」をご覧になって頂いて、審査員とも違ったご意見を聞かせて頂けたらと思います。

 本日もよろしくお願い致します。

佐々木事務局長

 それでは早速、議事に入りたいと思います。本日は委員長、副委員長が休みでございますので、誠に恐縮ではございますが、議事の進行を及川委員にお願いしたいと思います。それでは、及川委員、お願い致します。

及川 委員

 ご指名でございますので、よろしくお願いします。それでは番組編成の説明をお願いします。

河邊業務局長

 それではまず、4月のゴールデンの新番組について説明させて頂きます。4/17(火)20時から新番組「たけし・所のWA風が来た!」。「万物創生紀」から内容を一新して、日本や海外で、人類に多大な貢献をしている「超日本人(スーパージャパニーズ)」たちを紹介します。

4/18(水)20時からは新番組「せきらら白書」。「ミュージックエンタ」から一新しました。司会は人気の小倉智明を起用しました。政府刊行の白書では分からない日本の「今」を徹底取材します。

21時台は「はぐれ刑事純情派」の新シリーズがスタートです。

木曜の19時台は19日スタートの「十手人」。第十回時代小説大賞の受賞作品のドラマ化です。21時台は12日スタートの「R-17」。17歳が持つ危険な心と真摯に向き合うカウンセラー。弱い人間がこの世界を生きていくために大切なこととは何か、その答えを正面からメッセージしていく、衝撃のヒューマンドラマです。

 土曜の19時台は14日スタートの「不思議どっとテレビ。これマジ!?」。いまだ解明できない軌跡や不思議なパワーを捉えた驚きの映像を毎回紹介します。

 単発番組につきましては、4月1日~15日、期首スペシャルの番組が多く編成されています。新番組やレギュラーの拡大版や改編期のお馴染みの番組が主だっております。またプロ野球も開幕しますので、ナイターも編成されております。詳細の番組につきましては、お配りした資料をご覧下さい。

 それでは春の新番組の紹介VTRをご覧下さい。(VTR視聴)

 以上でご説明を終わります。

及川 委員

 期待の持てそうな新番組が多数ありましたね。それではフリートーキングの「最近のテレビ番組一般について」に入りたいと思います。ご意見をお願いします。

松本 委員

 「万物創生紀」が3月いっぱいで終了してしまうのが残念です。また同じ顔ぶれで新番組が始まるようですが、惜しい気がします。先日、日曜洋画劇場で「101」を見ましたが、劇場では「102」が今上映されていますので、タイミングがいいなと思いました。今週は「プリティ・ウーマン」をやるようですが、先日主演のジュリア=ロバーツがアカデミー賞を獲ったばかりですから、これもタイミングがいいですね。以前に、映画は一括購入しているとのお話を聞きましたが、その割にタイムリーな映画を取り上げているなという感じがします。また、民放各局に県政番組の枠、IATでは土曜に「ゆいチャンネル」がありますがその制作のしくみについて後で伺いたいと思います。またこの番組はつい見逃してしまってもう一度見たいという身近な良い話題を取り上げていますので、再放送の予定はないでしょうか。地元密着の番組ですから、もっと多くの県民の目に触れる機会があってもいいと思います。

松尾 委員

 3月で終了してしまった番組にはオリジナリティが不足していたかなと思います。これだけ多くの番組があるわけですから、全く初めて見る企画内容の番組、というのは難しいと思いますが、その中にも新しさを感じる番組、制作側の熱意が伝わってくる番組でなければ、視聴者はなかなかついて来ないと思います。

 BSデジタル放送が始まりましたが、高画質・高音質という利点を生かした番組はまだ少ないと思います。まだどこの局も手探り状態だと思います。BSデジタルで是非やって欲しい番組は、30分なり1時間なりの枠をアーティスト一人が自由に使えるという番組です。歌番組ですと必ずそのアーティストのヒット曲や新曲を歌わなくてはいけないですから、そうではない、自由に歌える番組をやって欲しいと思います。以上です。

宮野 委員

 金曜ナイトドラマの「愛は正義」は面白かったです。中村玉緒さんが好演していましたが、彼女が主演なら時間帯がもっと早ければ良かったと思います。中村玉緒さんは若い人のみならず、年齢の高い層も好感を持っていますので、内容も明るく楽しかったので、時間帯が悪かったと思います。

 朝は必ず「やじうまワイド」を6時台から見ます。どの局も朝はニュース、天気、占いなどをやっていますが、テレ朝はアナウンサーの声も落ち着いていて非常に良いので気に入っています。ですが、同じような内容を7時台にまた繰り返すので、どうしても7時になると他局の中継リレーなどに替えてしまいます。

 中継リレーは、画面に動きがあるので好きなのですが、中継には多くの人手と経費がかかると聞いたことがありますので難しいかなとも思います。「やじうまワイド」にどうしたら視聴者の目が集中するのかなというのが、今後の課題だと思います。

 それから、IATスーパーJチャンネルも好きで、見れる時は必ず見ますが、特に、天気予報のコーナーがまた新しくなると聞いて、今でも充分詳しいのに今度はどうなるのか非常に楽しみです。

 最後に3月20日の「全国高校柔道選手権大会」についてですが、実況の森下さん、解説の斎藤ひとしさん共に非常に良かったと思います。

 ただ如何せん、何故かリポーターとして女の子が出ているんです。「頑張ってくださーい」と応援するまでは良いのですが、確か羽黒高校だったと思うのですが、試合前にインタビューをして、試合に負けたのですがその試合後にもインタビューをしていました。私の息子が柔道をしているものですから、見ていたのですが、とても目障りで邪魔だと言いながら見ていました。

 リポーターの彼女達も、柔道に格別興味があるような子で無いし、バレーボールなどの脚光を浴びるスポーツの場合ならチアリーダー的で良いのかも知れませんが、高校柔道は、柔道を実際にやっている人やその親が見るというのが大半だと思うので、じっくりと試合を見させる方が良いと思います。以上です。

斎藤 委員

 日中に「暴れん坊将軍V」や「特捜最前線」のリバイバルを放送していますが、休みの日には好んで見ています。年配の人には懐かしいと思います。

 3月で終了した「八丁堀の七人」は時代劇としてはあまり新鮮味が無かったですね。せっかく「七人」なのですから、もっと一人一人に焦点を絞っても良かったと思います。

 新番組の「十手人」に期待したいと思いますが、先ほどのVTRで渡瀬恒彦を「渋みのある、燻し銀」と紹介していましたが、まだ若い活力のある現役だと思います。

 また「ニュースステーション」は9時54分スタートですが、やはり10時丁度にスタートしたほうがいいと思います。最初の5分で惹きつけないと後が続かないのか、正攻法では無いという感じがします。

 また言葉遣いで気になったのは3月で終了した「コンビニ宴ス」で「金の草鞋」を「きんのわらじ」と言っていましたが「かねのわらじ」でなくてはいけませんね。NHKのアナウンサーも「やばい」という言葉を使っておりましたがこれも昔のやくざ口調ですし、また「とてもじゃないけど」という言葉遣いも正しい日本語でしょうか。アナウンサーの勉強不足が指摘されますが、その辺りももう少し学んで欲しいです。

 また、スポーツ中継、特に野球中継では映像よりも言葉が多すぎると思います。恐らく、テレビ以前のラジオ中継時代のアナウンサーからの伝承だとは思いますが、そろそろ脱皮する時かなと思います。IATでは夏の高校野球を初戦から中継しておりますから、その辺をお含み頂きたいと思います。以上です。

荻野 委員

 毎朝「やじうまワイド」を時計代わりに使っておりますが、以前は社会面の紹介が多かったのですが、今はスポーツ面の紹介ばかりが多いですね。特に経済面は7時前の早い時間帯に少し紹介するだけです。経済不況という風潮からか、経済ニュースが視聴率を上げているという話を耳にしますので、テレビ東京系の経済ニュースはこちらにはケーブルテレビでしか入ってきませんので、この分野を特化してもいいと思います。

 それから先ほど、斎藤委員からも「ニュースステーション」の9時54分スタートは如何なものかというお話がありましたが、やはり私も10時スタートのほうが良いと思います。テレビ朝日系列の印象は非常に真面目なのですが、この利益率の良い5分ばかりの時間は、コマーシャルに徹している局が殆どです。その良し悪しは別として、他局とその意味で徹底して戦ってもいいと思います。

 新番組では「R-17」が始まりますが、娯楽にするのか社会派にするのか、時間帯としてはとても中途半端だと思います。私は社会派ドラマが視聴率を稼ぐのは大変だなと思います。そして、本当に悩んでいる方々があえて見る気が本当にするのかなという疑問もあります。良し悪しを別にして、単純に視聴率を稼ぐという意味では「OLヴィジュアル系」のように、徹底して頭を使わないテンポが速い、視聴者享けする番組がいいと思います。

 3月で終了してしまいますが「コンビニ宴ス」は、新商品開発だとか新事業を紹介していまして、経済番組としても見られるという新しい転換点だと期待しておりましたので、とても残念です。ただ、これからも新商品開発だとか、新事業の紹介といった番組は当たるのではないかと感じます。以上です。

及川 委員

 ありがとうございます。私も発言させて頂きます。3月24日の「天の瞳2」をじっくり見ました。去年3月に放送した第1回がとても良い作品でして、今回も前回と同じ方の演出・脚本でした。ですが、第1回の放送を見るかまたは原作を読んでいないと、主演の燐太郎の特異な性格の生育歴が理解できないかと思ったのですが、その辺りを上手く脚本化していたと思います。燐太郎を演じていた子役も素晴らしかったです。

 このドラマでは、2年生になった燐太郎が、転校してきたミツルという少年との、子どもだけが解り合える友情や心の動き、またそれを理解出来ない母親とそれに対する子どもの反発や葛藤を軸に描いていたと思います。この原作本はベストセラーにもなっていますし、多くの親たちが注目したと思います。テレビドラマとしての出来栄えは良かったと思います。非常にシリアスなドラマでして、他の俗悪番組を批判したり蹴散らしたりする役割を果たしたなと思います。燐太郎のような特異な子どもが、ある真実を表現していることをドラマとして表現出来たということは、子どもを巡る現在の悪状況や、家庭や学校での偏った教育、子ども文化が空洞化して昔のような子どもらしい遊びから遠ざけられているというような、それと人と人との関係がお金やモノの関係になっていて、従って友情の証にカードを貰ったり、お菓子を持って挨拶に来たりという、何かの気持ちの証としてモノが重要な役割を果たすような状況、そういうものを徹底して批判している中味だったと思います。番組審議の観点からすると、出来不出来も大事ですが、そういったところへ対する強い批評となっている性格を持ったドラマを企画した、表現したという意欲を評価したいと思います。原作は読売新聞に連載された小説ですので、テレビ朝日で放送出来たという努力も評価したいです。

 単発、連続を含めて、上質のテレビドラマに力を尽くして頂きたいです。テレビリテラシーで問題になっている低俗番組に反省を迫る役割も果たすと思います。私からは以上です。

 先ほど、松尾委員からBSデジタルに関して、ミュージシャンに好きにやらせるような番組は如何かという意見がありましたが、そういったことは制作上、どうなのでしょうか。

桑折 専務

 テレビ朝日とBS朝日を例にとりますと、全くの別会社ですので。松尾委員はチューナーでご覧になっているのですか。

松尾 委員

 ケーブルです。やはり次回のワールドカップサッカー辺りから各局、力を注ぐのでしょうかね。

蓮見 社長

 5局同時にBS放送がスタートしましたが、各局とも模索状態です。やはり番組のソフト、視聴者に受け入れられるようなソフトが少ないことが、一番の問題です。その中でもBS朝日はお金を懸けているほうですが、残念ながら視聴者はまだまだという感じです。12月から3月の4ヶ月間の平均収入は各局で平均16億円、1ヶ月当たり4億円という収入です。これではソフトにお金を懸けられません。そこで経営者の判断として、松尾委員のおっしゃったような番組を放送するということもひとつの手だと思います。

 お金を懸けて視聴者を呼び込むか、視聴者が増えるまでお金を懸けないソフトで放送をするか。どちらが良いとは言えませんが、経営者の判断に因るところが強いでしょう。地上波では無理ですが、確かにBSではソフトがありませんから、そういう趣向の番組があってもいいかとは思います。

横舘 報道制作局長

 それから、松本委員からご質問があった県政番組「ゆいチャンネル」についてご説明します。番組内容については県からの要望が各局に割り当てられます。番組は各局によって5分番組だったりとさまざまです。IATの場合は報道制作局にプロデューサーが1名、ディレクターが2名おります。しかし、我々だけでは消化しきれないということで、一部、外部のプロダクションに制作を依頼しております。

 アナウンサーは現在、水野が担当しておりますが、4月からは新人の加納が担当いたします。視聴率はこのところ順調でして、7%台です。スタジオを飛び出して外に出るという点が成功したのと、水野アナの明るいキャラクターが親しみがあるということが、視聴率に結び付いていると思われます。再放送に関しましては、時期的なイベントを取り上げることが多いので、再放送時に終了している恐れもあるので、内容を考慮しないとという点もあります。

松本 委員

 内容も構成も良くて、見方によってはIATの特徴が出て面白い番組なので、再放送も是非あったらなと思います。

斎藤 委員

 「サンデープロジェクト」は私にとって最高の娯楽番組です。とても勉強になりますし、ゲストの若手議員の話や、石原知事が来た時も楽しかったですね。中央の動きがよく解りますし、地元の県会議員さんや市会議員さんは皆、あの番組を見ていると思います。

蓮見社長

 政治家があの番組で発言する内容が、新聞記者が最も取材したい内容ですから、スタジオには大勢の新聞記者が来ていますしね。田原氏によって引き出された政治家の言葉が影響を及ぼしますね。新聞記事になるよりも、実際に政治家が発言したのですから。あの番組に呼ばれた政治家は必ず出演しますね、呼ばれないような政治家では駄目でしょうね。

及川 委員

 いろいろなご意見がありましたが、次に進みたいと思います。

佐々木 事務局長

 次回は4月25日に開催いたします。合評番組は新番組の「木曜ドラマR-17」「不思議どっとテレビ。これマジ!?」についての委員の皆様のご意見を聞かせて頂きたいと思います。それから、冒頭に社長よりご紹介のありました「スポットライト」についてもご意見を頂きたいと思いますので、宜しくお願い致します。

及川 委員

 それでは、番組審議会を終了いたします。ありがとうございました。

7.審議機関の答申または改善意見に対してとった措置

 特になし

8.審議機関の答申または意見の概要の公表

4/11 付 朝日新聞岩手県版に審議概要を掲載。

系列各局に議事録を送付。

本社受付に議事録を常備、閲覧に供す。

インターネットホームページに掲載。

9.その他の参考事項

特になし

10.配布資料

◎ 4月度単発番組編成予定表

◎ 4月基本編成

◎ 2001年春期首編成