放送番組審議会

4月(第37回)

概要

 5月の番組編成について河邊業務局長から説明があった後、4月にスタートした「IATスーパーJチャンネル」(毎週月曜~金曜18:30~19:00)について合評が行われた。

 出席委員からは大概、好感をもって迎えられていて、情報提供とエンターテイメントという観点で取材・編集がされ、枠拡大によって、地元密着の姿勢が表れて来た。反面、ニュース項目については盛岡中心のものが多いので、県下に広い目配りをした取材を心懸けて欲しいなどの意見があった。

 出席委員は、 増子 義孝 委員長、植本 花子 委員、及川 和男 委員、斎藤 五郎 委員、松尾 正弘 委員、松本 直子 委員、宮野 裕子 委員の7名。

 欠席委員は、照井 章夫 副委員長、荻野 洋 委員、山川 清 委員の3名。

議事録

1.日時     平成12年 4月27日(木)午前11時~

2.場所     岩手朝日テレビ会議室

3.委員の出席 委員総数   10名

出席委員数   7名

欠席委員数   3名

出席委員の氏名 

増子 義孝 委員長  植本 花子 委員  及川 和男 委員

斎藤 五郎 委員   松尾 正弘 委員  松本 直子 委員

宮野 裕子 委員    

欠席委員の氏名

照井 章夫 副委員長  荻野    委員  山川    委員

岩手朝日テレビ側出席者

桑折 専務     河邊 業務局長   横舘 報道制作局長

菊地 技術局長   升谷 事務局長

4.議   事

(1)5月の番組編成について

(2)番組合評「IATスーパーJチャンネル」について

(3)次回の開催日時および議題について

5. 議事の概要

 5月の番組編成について河邊業務局長から説明があった後、4月にスタートした「IATスーパーJチャンネル」(毎週月曜~金曜18:30~19:00)について合評が行われた。

 出席委員からは大概、好感をもって迎えられていて、情報提供とエンターテイメントという観点で取材・編集がされ、枠拡大によって、地元密着の姿勢が表れて来た。反面、ニュース項目については盛岡中心のものが多いので、県下に広い目配りをした取材を心懸けて欲しいなどの意見があった。

6. 議事の内容

升谷事務局長

 定刻となりましたので、第37回番組審議会を開催いたします。

本日は3名の委員の方が欠席でございます。松本委員は少々遅れるとの連絡がありました。また会社側は蓮見社長、村上常務、佐々木営業局長が欠席させて頂きました。

また、以前『ターニングポイント』を合評した議事録をABC朝日放送に送りましたところ、制作担当より回答を頂きましたので、そのレポートを先程お配りしましたので、後程ご覧下さい。

 それでは、増子委員長、宜しくお願い致します。

増子委員長

 それでは、5月の番組編成についてお願いします。

河邊業務局長

 それでは5月の番組編成について説明をさせて頂きます。

 レギュラー番組には変更はございませんので、単発についてご説明させて頂きます。

5/3(水)14:00~15:55「Jリーグ中継 鹿島アントラーズ×ヴェルディ川崎」。カシマサッカースタジアムからの中継です。

5/7(日)14:00~15:25「サンデープレゼント すっぴん葉月里緒菜の超穴場!パリ・モナコ~シンデレラ伝説の旅~」。葉月里緒菜さんが、パリ・南フランス・モナコを旅する紹介番組です。15:30~17:25「日曜ワイド 世界びっくりTV2000」。林家こぶ平と蛭子能収、そして梁立(リャンリー)という台湾CTVの人気女性タレントが、台湾のグルメや最新デートスポットを体験する内容です。

5/7(日)~21(日)大相撲夏場所が始まりますが、深夜帯で「大相撲ダイジェスト」を30分番組で編成します。

5/11(木)19:54~20:48「パワーアップナイター ヤクルト×広島」。巨人戦はゴールデンナイターとしていますが、それ以外の試合はパワーアップナイターというタイトルで放送します。

5/14(日)「サンデープレゼント 中村勘九郎・勘太郎・七之助親子連獅子かがり火に舞う!」。中村勘九郎親子が、初のかがり火歌舞伎に挑む姿を追う。舞台にかける親子の素顔や稽古風景を交えながら、舞台本番までをドキュメントでお送りします。同日15:30~16:30「いわてけいばステーション 第20回IAT杯・ダイヤモンドカップ」。盛岡競馬場からお送りします。IAT自社制作でございます。18:30~20:54「ゴールデンナイター 阪神×巨人」をお送りします。

5/20(土)10:15~10:45「列島新世紀 日本の道 圏央道、二つの夢の行方(前編)」。首都圏の交通渋滞を緩和するために、圏央道(首都圏中央連絡自動車道)が計画されまして、その建設をめぐって交通緩和と自然環境保全という二つの面から道路建設を検証するという内容のものです。続きまして、16:30~17:25「マンシングウェアオープンKSBカップ 第3日」。岡山の東児が丘マリンヒルズGCからお送りします。同日18:28~20:54「ゴールデンナイター ヤクルト×巨人」を神宮球場からお送りします。

5/21(日)14:00~15:55「日曜ワイド ね!シンガポールに行こう!!女3人シンガポールの遊び方」。竹内郁子、藤森夕子、今村雅美の3人が、グルメやエステに挑戦してシンガポールを紹介するという内容です。16:00~17:25「マンシングウェアオープンKSBカップ最終日」。KSBとは、系列の瀬戸内海放送のことです。

5/27(土)10:15~10:45「列島新世紀 日本の道 圏央道、二つの夢の行方(後編)」です。16:00~17:25「アジア柔道選手権 2日目」。シドニー五輪に向けた男女アジア地区最終予選です。既に代表が決定した階級もありますが、代表が未定の階級はこの選手権を参考にして代表選手が決まります。

5/28(日)14:00~15:55「日曜ワイド めざせ億万長者!人生崖っぷち!這い上がれ!不死鳥スペシャル」。司会は坂東英二と千堂あきほ、ほかゲストを迎えて、栄光の座からドン底に落ちた人たちの人生を直撃リポートするという内容です。16:00~17:25「アジア柔道選手権」27日以外の階級の試合です。以上です。

増子委員長

 何か質問はございませんか。

 単発一覧表を見て不思議に思ったのですが、5/28(日)の「日曜ワイド めざせ億万長者!人生崖っぷち!這い上がれ!不死鳥スペシャル」で、月収5千万円の生活から二度の倒産でたかだか2千万円の借金を抱え込んで人生のドン底と書いてある。これは単位が違うのではないですか。倒産は確かに大変ですが。

桑折専務

 時間的な経緯があるからじゃないですか。

河邊業務局長

 申し訳ありません。誤解を招く記載でした。

増子委員長

 よろしいでしょうか。それでは番組の合評に移りたいと思います。

植本委員

 「IATスーパーJチャンネル活金情報局」の初回を見ました。

 新人バスガイドさん達のフレッシュ感が画面いっぱいに出ていて、番組タイトル通りの元気な金曜日という感じが出ていて良かったです。また番組に届いたファックスの中から「活金大賞」を決めていましたが、ファックスの内容で決めているのでしょうが、どのような点で大賞なのかが解りませんでした。毎回見ている訳ではないので解りませんが、ファックスのテーマを絞ったり、どの点が良かったのかを付け加えてくれると嬉しいです。

 4/21の回でガーデニングの場面がありまして、新人アナウンサーの水野さんが鉢植えに植え込む場面がありましたが、時間の関係で慌てていらっしゃるとは思いますが、何か植物の扱い方が雑な感じがして、私の名前が花子というせいもあってか、何となくショックでした。短い時間で手際良く見せなくてはいけないとは思いますが、食べ物や植物を扱う時にはもっと愛情を持って欲しいなと思いました。全体的には、今後も楽しみに見たいなという印象を持ちました。以上です。

及川委員

 「朝日リプル」でJチャンネルの各曜日の特色を紹介しておりました。その内容に沿って述べたいと思います。

 まず、ビジネスや事件・事故に迫る月曜日。4/24は水沢市のICカードを採り上げていました。ICカードの利用で住民票の取得や市立図書館での本の予約・公共施設の予約等が出来て、市民モニターに端末を使用してもらい、実現を目指すという内容でした。これに対して、伊波アナウンサーが県立大学の天野教授に個人情報の漏洩は防げるかということでインタビューをしておりました。水沢市当局は防げるという回答でしたが、天野教授は蓄積されていく情報の使われ方の問題としてコメントされておりました。確かに便利さはあるがまた違った問題も孕んでいる、そういった事を考えさせる情報の提供の仕方だったなと印象に残りました。

 火曜日は岩手の人や自然にスポットを当てるということで、「ふるさと2000」という特集があります。4/18の分では山西省から帰国された中国人女性の水餃子作りを紹介していました。中華料理の蘭々の人気ランチメニューになっていて、多い時には30食も出るそうですね。帰国された方への励ましと作り手の優しさを良く伝えていたなと思います。しかも問合せ先の電話番号まで放送していますね。紹介された側から考えると大変有難い励ましになるのではないかな、と好感を持ちました。民放ならではの仕方だと思った訳です。

 4/25の回では花泉町のベゴニアガーデンを高橋香有アナウンサーが、29日のオープン前の地元住民への開放を取材して紹介しておりましたが、ベゴニアの種類の多さや大きさ・美しさに本当に驚きましたし画面を通して感動しました。花泉の餅文化やドライフラワーの体験教室など、非常にこまめに紹介しておりました。これも地域興しとして一生懸命やろうとする地元にとっては非常に大きな励ましで、つまり地元密着という一つの具体的な姿だなと見た次第です。

 水曜日は衣食住、健康に関する耳寄り情報という位置付けで、4/12には「特集まるかじり」でGジャンを紹介していました。私は知りませんでしたが、生地が柔らかくてゴワゴワしないGジャンが流行っているそうですね。それを水野アナウンサーが試着して見せてくれる訳です。若者向けではありますが、とても新鮮な感じを受けました。

 木曜日は学校・スポーツの話題を伝えるということですが、4/6の特集「文化のつぼ」で北上市和賀町の三つ子の入学風景を丁寧に撮っていたと思います。入学式の場面以外にも母親手作りの洋服を着て小学校に行くことや、小規模校のために6年間一緒のクラスだという問題点なども捉えていて、非常に好感を持てる画でした。

 金曜日は活金情報局、中継や週末の話題提供ということですが、スタジオにエレクトーンを置いたり、Eメールやファックスを使った双方向的な取組みをするということで、注目をして見ました。4/14ですと、雫石町の「けんじワールド」からの生中継がありましたね。みどころから入場料金まで紹介しておりましたが、ちょっと宣伝というかコマーシャルの感じを受けました。それから材木町の与市を非常にきめ細かく紹介していました。特に野菜売場の老農夫の笑顔が良く撮れていたと印象に残りました。

 総評として、こうした特集は所謂、単に報道ではなくて情報提供とエンターテイメントという観点で取材・編集がなされているのだなという訳で、枠を拡大したことによる地元密着という姿勢が表れていて、地域興しに努力している人々を大いに励ますものではないかと思いました。

 これから、こういう企画は県民からの支持を拡大していくに違いないと思います。情報提供においては、先程も申しましたが民放ならではの自由さがある、そういう意味では同様番組ではNHKを凌駕できるけれども、民放同士の競争という点ではやはり頑張っていかないと大変ではないかと思います。県民から支持されれば他局も始めるということが起きてくると思います。

 それから、コマーシャルが短いものを沢山入れるために頻繁に変わりますので、量的にうるさいなという感じと同時に、あまりにも短いコマーシャルが続きますので、視聴者としてはうるさく感じました。

 ニュースについては、どうしても盛岡中心になってしまう。催しや人口からいってもそうなってしまうことは理解出来ますが、案外と安易に盛岡中心のニュースが新聞も含めて多いので、可能な限り広い目配りをした取材を心掛けてくれたらと期待したいと思います。

増子委員長

 ありがとうございました。本当に良く見ていらっしゃると敬服致しました。では斎藤委員、お願いします。

斉藤委員

 私は俗に言う、ながら族で、テレビは何かをしながら見ていますので、ニュース番組はストレートに正確・迅速・解り易いことが一番です。ですから、結論から言いますと、Jチャンネルは非常に良いニュースです。早いし解り易いし。ローカルニュースにスクープはそう無いと思いますので、同じ事を各局が取り上げてどうコメントするか、カメラがどうであるかという辺りが勝負だと思います。IATはカメラも本当に綺麗だし、コメントも実に爽やかで綺麗だと思います。それから、ニュースとニュースの合間に私語を交わしたりしていない点も好感が持てます。最近はローカルニュースは専らIATを見ております。

 それから天気予報が良いですね。子どもにも解るという解り易さ、ゴルフ情報も有難い、行き届いている情報だと思います。それから今、タイミング良く桜情報が出ていますね。この画面が解り良くて子どもにも解ると思います。

 先程の話にも出ましたが、ニュース中に店名や値段を紹介しますが、視聴者としてはそういう情報を知りたいこともありますので、ニュースの中でやることに対しては違和感はありますが、良いと思います。主婦の方などは喜んでいると思います。皆が皆、ニュースを肩肘張って見ている訳では無いから、窮屈なニュースをやらずに今のままで良いと思います。映画館通りのリニューアルも、山田美保アナウンサーが紹介していましたが、とても良かったですね。皆が気付かない所を紹介して、採り上げ方が良かったです。有難く拝見しています。以上です。

宮野委員

 この時間帯は何かをやりながらという時間帯ですので、耳障りの良いニュースということが一番にあります。民放も同時間にローカルニュースが集中していますので、この時間はこのアナウンサーの声でニュースを聞きたいということはあると思います。

 各局ともそれなりのキャスターを投入していると思います。ローカルニュースの開始時間は各局で違いますので、意識して6時20分からの他局のローカルニュースを見てから、IATの6時30分からのニュースを見ています。そうしますと、ニュースの内容自体は違いが無いので、やはり耳障りの良いこのアナウンサーの声で聞きたい、と思えたら定着すると思いました。また、アナウンサー個人の名前を視聴者に覚えてもらうという事も、番組定着の一つの要因だと思います。私の子どもたちでも、伊波アナウンサーのようなインパクトのある名前は覚えますし。

 特集に関しては、地元に密着したものを取り上げようという心構えが出ていていると思います。岩手ではIATは新参者ですから、どのように取り組むべきかを良く考えている部分が表れていました。昨日の映画館通りのリニューアルは普段、人が目を向けないものに着目していて大変良かったと思いますし、「ふるさと2000」という特集では、普通なら目を向けない部分を取り上げていて、取り上げられた側も嬉しかっただろうと思いました。新しいことをやっていこうという気構えが見えて良かったと思います。

 天気予報も洗濯情報など、面白いですね。子ども達は、大人とは違ったものに関心を持ちますから、例えば朝の占いはどのチャンネルのものがいいとか、天気予報も明日着る服のことがありますから、必ずIATのニュースにチャンネルを替えますね。

大まかですが以上です。

松尾委員

 4月始めに、有珠山の噴火や小渕首相の件などのビッグニュースがあって、不穏なスタートであったと思います。リニューアルしたこの番組を審議の対象ということで集中して見たせいもあるでしょうが、気が付いたら天気予報のコーナーになっていた。という事は、なかなか見せるニュース番組なのかなと思いました。

 どの点が良かったのか考えて見ましたが解りませんでした。というのも、ニュース番組は上手く伝わって当たり前、アナウンサーが綺麗に発音・発声してそれに伴った映像が付いて当たり前ですから、その当たり前のことをきちんとクリアしているのだと思います。それからアナウンサーやスタッフが、でしゃばりすぎずに個性は発揮するというギリギリのところをクリアしていると思います。

 あとは箇条書き的な感想ですが、アナウンサーが皆20歳代と若いことに驚きました。ニュースの着眼点は割とオーソドックスだと思います。またこの番組の特徴でもあります曜日毎の特集ですが、着眼点が良いと思いました。

 例えば、4/20の教育相談がありましたが、教育の専門家が、子どもが勉強で壁に当たってしまった時の原因や対策を簡単に短くまとめてあって、ニュース番組にこういった内容の話題が出るというのは関心しました。また先程も話に出ました、手作り餃子の件は大々的に有名になる前の口コミの段階で取り上げていまして関心しました。及川委員がおっしゃったように、取り上げられる側にも喜んでもらえる内容だと思います。

 それから、けんじワールドの細かい値段まで言及するという問題ですが、これは、値段を公表することよりも取り上げる内容のバックに大企業が見えると、何となくコマーシャルと思ってしまうのではないでしょうか。手作り餃子個人のことを取り上げると宣伝してもコマーシャルとは思いませんが、大企業が見え隠れするとそう思うのかなという感じです。

 このニュースの時間は我が家では夕食時でして、家族皆で見るにはちょうど良い内容ですが、一般の家庭では、まだご主人が帰っていない時間だと思いますので、どちらかといえば主婦層にもアピールする特集、月曜は「記者の目」でニュースを掘り下げていますが、火曜以降は絵本や子どものお弁当など、視聴する層を把握した内容だと思います。以上です。

松本委員

 今日は遅れて申し訳ありませんでした。

 各局とも同じ時間帯にローカルニュースをやってますので、同じニュースを取り上げるなら、カメラワークを変えるとか、インタビューのマイクを向ける対象を変えてみるとか、違った撮り方をしたらと思います。

 例えば幼稚園の取材があるとお母さん方が非常に熱心に視聴して、どこの局も同じ子どもがインタビューだったとか同じような映像だったとか聞きますので、IATは違う映し方をしたら、映される側も有難いし、興味も湧くのではないかと思います。

 植本委員がおっしゃっていましたが、時間が短いせいか粗雑な扱いをする映像になってしまったと。短い時間であれば短いなりに、あまり内容を詰め込みすぎないほうがいいのではないかと思います。どうしても粗雑・乱雑、乱暴に見えますと、印象が薄くなってしまいますので、的を絞って伝えるべきだと思いました。

 せっかく曜日毎に良い企画をしているのですから、他局との競合の中でいかにチャンネルを合わせてもらえるかが重要になると思います。

 1日の中で、朝や昼の番組の間にスーパーJチャンネルでの当日の特集の内容などを宣伝する時間は設けてありますか。

桑折専務

 一切、無いです。

松本委員

 そういった時間を設けて頂くと視聴者側の構え方が違ってくると思います。せっかく良い企画をなさっているのだから、是非、PRをして下さい。また、金曜日は「活金」とネーミングされていますが、インパクトがあってとても良いと思います。以上です。

増子委員長

 ありがとうございました。私からも一言。

 先程の、アナウンサーがどこまで前面に出てくるかという問題ですが、私はちょっとうるさいという印象を受けました。楽器の音というのは周囲の騒音が大きくなってくるのと共に大きくなってきたと言われますが、アナウンサーも若いせいか、絶叫型が増えてきましたね。彼女は新人なだけに、それが自然な姿だと思っていると感じましたが、私にはやはりちょっとうるさい感じですね。

桑折専務

 活金情報局に限ってですか。

増子委員長

 そうです。情報プラスエンターテイメントとしてやっておられるとは思いますが、エンターテイメントであれば、もっと別の人の起用の仕方もあるだろうと思います。つまり、あのやり方でもいいのだけれども、比較するとスタジオにいる先輩アナウンサーくらいのほうがいいと思うのですが、これは年齢のせいかも知れませんね。

 それから、先程おっしゃていた植物の扱い方は私から見ても雑なんですね。『あれまぁ』という感じで、それが番組全体に感じられまして。一般の人にはこの方がアピールするのかも知れませんが、私にはちょっと出過ぎているという感じがしました。

 それから、皆さんがおっしゃていたように、各局のニュースでは同じテーマを取り上げることが多いと思います。そこで、どこで違いを出すかということ、ちょっとした違い、例えば天気予報、私も面白いと思います。

 取材者の側から言えば、型通りに撮れば上司は文句を言わないのです。やはり、常々ひと味違うところを付け加えるというトレーニングをしておかないと、型通りに撮って終わりということになりがちになると思うわけです。何が記憶に残るか、何が面白いかというと、やはりニュースなんです。ニュースとは、言葉を変えると人の知らない事がどれだけ映されているかということであって、これもやはり、テーマを選ぶ時・取材をする時・カメラに撮る時に、ニュースを撮って来い、知らない事を撮って来いと上司は常々言っておかないと、なかなか他局との違いは出て来ないと思います。天気予報が良いというのは、他局と決定的に違うからです。その辺りを常々トレーニングの上で注意されたらと思います。

 その他、皆さんのご意見はありませんか。

松尾委員

 アナウンサーが前に出過ぎというのは金曜日に限ったことだと思います。月曜から木曜は割とおとなしめで、金曜だけ服装もネクタイを外してラフなスタイルでやっていますから。金曜だけが毛色が違いますから、そう思われるのだと思います。若い人にもアピールしたいのだと思って見ました。

増子委員長

 私は金曜日だけを見ましたから、なるほどそういうことですね。

斉藤委員

 月曜から木曜はスタンダードなニュースで金曜は特集でしょう。金曜日は遊んでいますからね、私はそれで良いと思います。

 他局の放送を見ていたって、園芸をやるのに袖も捲くらずに、料理をやるにもダラッとしてやってますよ。盛岡弁でいうと“いずい”んです、気になって仕方ない。ところがいつもそうなので、これは約束事なのだと思っております。

 ですから、活金は若い人のパフォーマンスだと思って見ています。鉢植えにしてもあんなことで出来る訳は無いのですが、時間も短いし段取りを伝えているだけなのだと解ってあげなくてはいけないと思います。見慣れるとどうってことはなくなります。

 ニュースと言えば、名古屋の高校生が5千万円を恐喝した事件がありますが、NHKもそうですが克明に伝えていますね。何故、犯罪の手口のお手本のようなことを、克明にやるのかと思いました。

桑折専務

 増子委員長がおっしゃった、IAT独自の取り上げ方という視点は、確かに大事だと思いますね。

増子委員長

 一つの商売を長年やっていると、だんだん惰性に流されてしまう。普通の映し方、取材の仕方が出来てしまう。あそこに行けば年中行事があって、それをどう撮れば上司は文句を言わないということも解ってしまう。そこから一歩出ようということは常々言わないと駄目なものです。

斎藤委員

 もう一つ、気になることがありまして、他局のニュース映像ですが、石割桜のニュースで、桜の花のアップばかりで石割桜の全体像が見えて来ない。どんなロケーションで人がどの位集まっていて、石割桜を見たことがない人にも解るような画を撮って欲しいと思いました。桜もアップ、人物もアップばかりで、アップで撮るのは非常に楽なのだそうですね。

桑折専務

 アップですと、迫力が出ますしね。

斎藤委員

 果たして迫力が出ますか。私はそれよりも情報としては全体を見せて欲しいです。アップは適度にして欲しいですね。ところが、IATは比較的アップ映像は少ないですね。むしろ良く見せてくれたと思います。

桑折専務

 及川委員がおっしゃった、けんじワールドの宣伝臭というのは、生中継でしたし、なかなか難しい問題ですね。また、水餃子の件にしてもペンションの経営者ですから、ある面では宣伝に結び付いています。後ろに大資本が見え隠れする印象とは違いますが、中継の時にどこまで宣伝臭を薄められるかということだと思います。我々は、1週間に1度なのであまり拘らずに行こうと思っています。

増子委員長

 私もあまり拘る必要は無いと思います。民放という性格もあるだろうし、店名と金額を出さないと情報の価値が無くなるものだから,苦情が出たら他も紹介したら良いのですから。最近は『あそこの店だけを何故紹介するのか』という苦情もあまり無いでしょう。

桑折専務

 たまにはありますが。

及川委員

 松尾委員がおっしゃったように、大企業というバックが解っているから、コマーシャル料でも貰っているのかなと余計にそう思ってしまう。個人の努力とか営みとか地域興しは構わないし、そこに行ってみたいという人に役立つ情報をもっと付加して良いと思います。

斎藤委員

 今は、視聴者側が心得ていて、けんじワールドが出ても、スポンサーだろうし或いはこれからスポンサーになるところだろうと思って見ている。

桑折専務

 つまり、建前にはあまり拘らないほうがいいかも知れませんね。

及川委員

 それから、コマーシャルをいれて総体的に30分枠ですが、ニュースの数、4/12は、ニュースが8本あって更に特集も入って、私が見た中では最高の本数でした。物理的に時間的な制約がありますから、あまり本数を増やしすぎるというのも、一つ一つが弱くなる気がします。

増子委員長

 他局が取り上げるからうちの局も取り上げるというようなことは、これからは大胆不敵に壊していったら良いと思いますね。

松本委員

 地元密着型の細かいニュースを探せば探すほど、映される側は殆どが素人さん、初めてテレビに映るとか初めてインタビューされるという人が多くなると思います。そういった映される側に不快感を与えないような映し方をして欲しいと思います。テレビ局が取材に来てくれたけれども、二度と嫌だとかいう話も聞きますから。他局ですが横暴な方もいらっしゃるそうですから。こちらが伝えて欲しかった肝心な事がカットされて伝わってないとか、念を押したはずなのに伝わっていないとか。映してやるのだからという態度が見えたりとか。IATさんはどうかそうはならないように、映される側の立場もどうか解ってあげて、IATに取材に来て欲しいな、取り上げて欲しいなと思われる、そんな地元密着型の取材を是非して欲しいと思います。

桑折専務

 取材のマナーですね。

松本委員

 慣れてくるとどうしても、いかにも『映してやるんだから、こっちはマスコミだぞ』という態度がテレビに限らず新聞の方にも時々おりますが、それは何か間違っていると思いますので、それはお願いしたいと思います。

桑折専務

 視聴率を申し上げますと、6時30分からに移った第1回の放送の視聴率は4~5%でした。他局と比較するともちろん低いですが、他局が放送している中に割り込んでいったのですから、初回としてはまあまあではないかという感じを受けています。

升谷事務局長

 皆さんのご意見を聞いて、横舘さん、如何ですか。

横舘報道制作局長

 結局、視聴者の立場にどこまで立てるかという事が結論だと思います。つまり、値段云々の問題は、視聴者がその情報を望んでいるかという点で判断すべきだと思います。それから、石割桜の花のアップばかりを撮っているという問題にしても、現場に行く人の気持ちになって撮らなくてはいけないと思っております。石割桜に行っていきなり花をアップで見る人はいませんですし、まず全体像から入るべきだと思っております。我々と視聴者では立場が全く違いますが、我々が如何に視聴者の立場になれるかが全てだという気がします。

宮野委員

 Jチャンネルではキャスターの方が立って放送しておりますが、他局では座って放送していらっしゃる。何か意味があることですか。

横舘報道制作局長

 建前としては若さを強調したいといいますか。昔、官房長官は座って発表しておりましたが今は官邸で立つようになりましたら、知事も立つようになりました。それが建前ですが、本当の意味はスタジオを広く使いたいからです。

宮野委員

  始めは違和感を感じたんです。慣れてくると、こちらも立って何かをしながら見ているので同じ立場かなと感じてきました。

横舘報道制作局長

 スタジオ内を移動しやすいということもあります。人が話しを聞く時に立って応じるというのが礼儀だと思いますので、座ったまま聞いたりはあまりしないという・・。

斎藤委員

 私は立ってやっているほうが見やすいですね。講演をなさる方は大抵は座りませんからね。座ると話しにくいから、立って話すほうが発声もよろしいのではありませんか。活動的ですし。

河邊業務局長

 けんじワールドのコマーシャル的な部分が見え隠れするという件ですが、金曜日は月~木と若干違うコンセンサスで番組作りをしております。数多くのスポンサーサイドからの取材要請から、営業と報道の間で取捨選択し、更に報道的視点に立って構成をして放送している訳です。

増子委員長

 取材要請というのはそれほど多いものなのですか。

河邊業務局長

 ローカルであればあるほど、スポンサー要請が強いものですから、取材要請は沢山あります。

増子委員長

 そうしますと、先程の水餃子の店なども売り込みなんですか。

桑折専務

 あれは違います。地元で口コミで有名になっていたものを伝え聞いたものです。

河邊業務局長

 活金情報局の中継の取材要請の件も、なるべく旬なものを題材として選んでおります。

斎藤委員

 取材要請が多いことは有難いことではないでしょうか。

桑折専務

 それだけ、メディアとして親しみを持って頂いていると感じています。しかし、要請側の言いなりにならないように注意しております。

増子委員長

 ですから、取り上げる時には独自にもう一度何にポイントを当てて取材するかを考えなくてはいけないという事でしょうね。では、そろそろよろしいでしょうか。次回の予定に移ります。

升谷事務局長

 6月1日に系列の委員代表者会議が東京で行われますので、増子委員長に出席して頂くことになっております。ですので、変則ですが次回の審議会は5月23日(火)11時からです。

 合評番組は、系列の委員代表者会議のテーマに沿って最近のテレビ番組、特に系列の番組についてのご意見を頂きたいと思います。

増子委員長

 他にございませんか。

升谷事務局長

 前回の合評番組が『ターニングポイント』でしたが、議事録を番組を制作しました大阪の朝日放送へ送りましたところ、回答がきておりましたので、ご覧頂きたいと思います。委員の皆様から頂きましたご意見が叶えられているという証でもありますので、お受止め頂きたいと思います。以上です。

増子委員長

 他にございませんか。では、今回はこれで締めさせて頂きたいと思います。

 どうもありがとうございました。

7.審議機関の答申または改善意見に対してとった措置

特になし

8.審議機関の答申または意見の概要の公表

系列各局に議事録を送付。

本社受付に議事録を常備、閲覧に供す。

インターネットホームページに掲載。

9.その他の参考事項

特になし

10.配布資料

◎ 5月度単発番組編成予定表