放送番組審議会

4月(第97回)

概要

 岩手朝日テレビの第97回番組審議会が平成18年4月27日(木)、盛岡市盛岡駅西通の岩手朝日テレビで開かれた。

合評番組は「TVイーハトーブ 土曜のてっぺん」。

  • 見る側にとって、「なるほど、良かった」と思ってもらえるような番組づくりをしてもらいたい。
  • 紹介する土地の、歴史や文化または食べ物などを一緒に紹介してもらいたい。
  • ネタを探す事に気を捉われ過ぎ。ネタ切れが心配。
  • 家族で子供からお年寄りまで揃ってご飯を食べながら見る番組としては、いい情報番組だ。
  • 出演者に好感をもてない、代えてみては。
  • 仲間同士の雑談が目立ち、雑談で始まり、雑談で終わるというな感じがした。
  • 東北6県のネット中継ならではの、地域別の季節を紹介する生中継のコーナーには好感を持った。
  • 一つのテーマに対してもっと詳しく探ってほしい。

という意見が出た。

出席委員は、増子義孝委員長、小田島利昭委員、笠川さゆり委員、高橋真裕委員、松本直子委員、松尾正弘委員、宮野裕子委員、村田久委員の8名。欠席委員は、石井三郎委員の1名。

議事録

1.開催日時 平成 18年 4月 27日(木)午前11時~

2.開催場所 岩手朝日テレビ 3階 会議室

3.委員の出席

委員総数 9名

出席委員数8名

委員長 増子 義孝

委員 小田島 利昭

委員 笠川 さゆり

委員 高橋 真裕

委員 松尾 正弘

委員 松本 直子

委員 宮野 裕子

委員 村田 久

欠席委員数1名

委員 石井 三郎

会社側出席者名

代表取締役社長 川崎 道生

常務取締役営業局長 辻 一成

取締役 小倉 潔

報道制作局長 小椋 和雄

報道制作局次長 大島 具視

報道制作部 奥原 文子

技術局長 佐々木 正樹

編成業務局長 渋谷 知行

総務局次長 宮 孝志

番組審議会事務局長 佐藤 祐介

4.議題

(1)5月単発番組について

(2)番組合評

 「TVイーハトーブ 土曜のてっぺん」

(3)次回審議会

 開催日:平成18年5月26日(金)11時~

合評課題:IAT 「スーパーJチャンネル」

特に、毎週(木)放送の開局10周年記念企画「残したい岩手の光景」

放送日時:毎週(月)~(木)18:17~19:00

5.概要

*見る側にとって、「なるほど、良かった」と思ってもらえるような番組づくりをしてもらいたい。

*紹介する土地の、歴史や文化または食べ物などを一緒に紹介してもらいたい。

*ネタを探す事に気を捉われ過ぎ。ネタ切れが心配。

*家族で子供からお年寄りまで揃ってご飯を食べながら見る番組としては、いい情報番組だ。

*出演者に好感をもてない、代えてみては。

*仲間同士の雑談が目立ち、雑談で始まり、雑談で終わるというな感じがした。

*東北6県のネット中継ならではの、地域別の季節を紹介する生中継のコーナーには好感を持った。

*一つのテーマに対してもっと詳しく探ってほしい。

6.議事の内容

佐藤事務局長

 第97回放送番組審議会を始めます。

増子委員長

 それでは、川崎社長一言ご挨拶願います。

川崎社長

 本日もお忙しい中、お集まりいただきまして、ありがとうございます。

 議題に入る前に、二点ほどご報告させて頂きます。

 先ず、先月もご報告申し上げました「放送確認書改ざん」についてですが、先般4月13日に、私どもの監督官庁であります総務省の出先、仙台の東北総合通信局長の所にまいりまして、今回の件は、放送法第1条に規定される「放送の健全な発展」、これに反することであるので「厳重に注意します」と、注意を受けると同時に、「再発防止に努めてもらいたい」との要請がありました。これを踏まえ、「再発防止」のポイントの一つである「コンプライアンス」の確立に取り組んでおります。憲章と行動基準につきましては既に策定済みですが、現在は、この行動基準について、部局ごとに業務を遂行して行く上での判断基準となる「行動マニュアル」の作成に取り組んでいる状況であります。

 もう一点は、10月1日のデジタル放送の本放送のスタートに向け、6月1日より試験電波を発射する予定です。先般、電波の送受信の心臓部でありますマスターを、現行のアナログからデジタルに切替えるための第一回目の総合テストを実施し、特に問題なく終了いたしております。今後さらに、二回、三回とテストを実施し、これを検証しながら、6月の試験放送に繋げていけるよう取り組んでおります。

 以上、ご報告申し上げます。

増子委員長

 それでは議題に入りますがよろしいでしょうか。

 それでは、先ず、5月の番組についてお願いします。

渋谷編成業務局長

 5月の番組についてご説明申し上げます。

 まず単発ですが、5月は、プロ野球の試合が9試合ほど組まれスポーツ番組が中心の編成となっております。

 日をおってご説明いたします。5月1日は「TVのチカラ スペシャル」、3日は阪神対巨人戦、6日は、楽天対日本ハムの試合が、仙台のKHBをキー局として、東北6局の系列ネット放送が予定されております。

 また、7日は、IATワイドとして「徳光和夫・鈴木史朗の各局看板アナ東京大散歩」、9日、13日にはセパ交流戦の試合の放送があります。

14日は「関根&優香の笑う春休み2006」、同日夜と18日にもセパ交流戦の試合があり、20日は、系列瀬戸内海放送からのゴルフの中継「マンシングウェアKSBカップ2006」そして、同日夜には、セパ交流戦があります。

 21日は、IATワイドで「オヤジ達のタイ巡礼旅 ああ過酷 中年片道切符4」、同日夜には「マンシングウェアKSBカップ2006」最終戦の試合の模様をお伝えいたします。

 また、26日は、毎月恒例の「朝まで生テレビ」、30日はセパ交流戦の試合があり。

 5月の単発番組は以上です。

 続きまして、視聴率についてのご報告です。2005年度年間視聴率でゴールデン・プライム共に民放第二位となり、開局以来、順位、数字共に最高数字を記録しました。

 また、プライム2も第二位となり、こちらも開局以来最高数字となっております。

 続きまして、視聴者応答記録ですが、特に問題となるような問い合わせはございませんでした。

増子委員長

 それでは「TVイーハトーブ 土曜のてっぺん」の合評に入ります。

村田委員

 3/25、4/1の放送を拝見させて頂きました。見た後、この番組は個人差によって好き嫌いで評価してしまうと感じました。僕らの世代ではあまり面白くないように感じました。

 例えば、3/25の放送で各地区を巡る企画「何故こんなところに?」というコーナーがあり、そこで「自動販売機で納豆を売っている所」が紹介されていましたが、何だか良く分かりませんでしたし、他に違うネタはなかったのかな?とも思いました。

 また、司会の見栄晴さんやデータ研究員、二人組みのセカンドステージさん達は、ただ、おしゃべりしているだけ。

 また、皆が一斉に話し出すので、話がゴチャゴチャして何を話しているのか聞き取れませんでした。

 4/1放送では、お寿司屋さんの企画で、キャデラックやお城の中で寿司を食べさせる内容を紹介していましたが、僕はそんなところで食べたくないなと感じましたし、僕以外の視聴者も、そういうお店のやり方、姿勢に反感を持った方がいると思いました。

 今後は、見る側にとって、「なるほど、良かった」と思ってもらえるような番組つくりをして欲しいと思います。

 全体的には、見栄晴さんや女性司会の方も頑張っていて、若い方々には受け入れられる内容と思いましたが、僕らの世代にはあまり面白い番組とは言えないと感じました。

宮野委員

 この番組は、楽茶間と比較して見ることが多々ありまして、今回は、4/8と4/22の放送を拝見させて頂きました。

 4/8の放送は、私の地元宮古市がテーマだったので「なるほどな」と興味深く見させて頂きました。4/22の放送は、鶴岡市がテーマでしたが、自分の頭の中の鶴岡市は藤沢修平の「蝉しぐれ」のイメージが有り、番組で紹介された鶴岡市が、「アマゾン」を思わせる映像だったもので、自分のイメージと紹介された内容にギャップがあり過ぎ、鶴岡市に対して別なイメージが芽生えました。

 また、4/22放送の中で、「ホテル聚楽」や居酒屋「ざうお」等、いろいろな施設を紹介していましたが、別に珍しくもなく、皆さん既に行っている所ですし、わざわざ紹介しなくてもいいのでは、と思いました。

 それと、この番組は、東北6県の風変わりな話題を寄せ集めて紹介しようという気持ちは伝わって来ますが、既に他局で何回も紹介された情報も有り、「これはネタ切れ?」のようにも思えました。「変わった話題」ばかり探し紹介するのではなく紹介する土地の、歴史や文化または食べ物などを、ちょっとでも一緒に紹介するだけで、もっと良い番組になると思いました。

 項目としては、各コーナー共によく考えられている番組だと感じましたが、全体的には「個々の県からの寄せ集め番組」といった印象だけが残りました。

松本委員

 4/8、15、22日の放送を拝見させて頂きました。

 だいぶ最初の頃よりはこなれてきたな、と思いました。こなれてきた分、ネタ切れかな、と思う部分と、ダラダラ流れすぎのようにも思えました。

 「ロッケンロール大作戦」は好きなコーナーですが、直前のコーナーとの区別、差別が分からなく、メリハリが無い印象を受けました。

 また、ネタを探す事に気を捉われ過ぎかと思いました。「ビックリさせよう、とか、珍しいものを引っ張ってこよう」と思い過ぎると、かえって逆に期待外れになったり、紹介する市町村のイメージを悪くしてしまうのではないかな、と思いました。

 気になった事は、プレゼントのコーナーがありましたが、各地域の特産物等のプレゼントと、並んで宝石のプレゼントも一緒に紹介されていましたが、見ている方は、地域密着番組でありながら、なぜ地元の素朴な商品の隣に宝石が置いてあるの?どういう狙いなの?宝石プレゼントは、スポンサーの関係だとは思いますが、あの紹介の仕方には違和感を持ちました。

松尾委員

 私は、あまり細かい部分には触れずに大まかな事について言わせて頂きます。この番組を見ていて、ペンとメモを用意して番組審議委員の目で見る程のものではないと思いました。

 確かに先週、先々週はしっかり見させていただきましたが、採点すると、全部×か△に近くなってしまい、前々回、その前は、昼食をとりながら、流して見ていました。家族で子供からお年寄りまで揃ってご飯を食べながら見る番組としては、いい情報提供番組だな、と感じました。

 また、司会の見栄晴さんですが、鶴岡市の取材で「アマゾン民族館」を見に行った後のコメントで、「アフリカ」と言っていましたが、「南米」の間違いですよね。ところが彼が言うと何故か笑って許せてしまい、そういう意味では有難いキャラクターであり、それが全体的に出ている番組だと感じました。

 合評番組としては、突っ込み所満載の番組で、皆さんと同じように、内容の濃いものや、もっと掘り下げる、など要求することもできますが、先程申し上げたとおり、家族がお昼ご飯を食べながら見る番組として、あまり重厚なテーマの番組を流されても?今度は、視聴される方が逆にチャンネルを替えてしまうのではないかなと思い、私は、このままの路線で良いと断言いたします。

高橋委員

 宮野委員と同様に、私も楽茶間と比較し見ていました。

 結果、改めて「楽茶間」の方が、出来の良さも含め、完成度・高感度が高い番組と再確認しました。

総体的な評価になってしまいますが、「土曜のてっぺん」は高い点数の取れない番組だ、という感想です。これは、番組があまりにも平板すぎて、印象に残るものが無いと思ったからです。

 4/15の放送を拝見しましたが、「東北のなぜ」と「ロッケンロール」は同じような企画に思えましたし、企画にもう少し工夫が必要かとも思いました。年齢的なこともありますが、司会の見栄晴さんやセカンドステージさんはどうも好きになれません。

 可能であるのなら、キャスターやスタッフなども変えてみるのも一つの方法かと思います。

笠川委員

 4/15と4/22の放送をゆっくり見させて頂きました。

 はっきり言って、1時間見ているのが辛いと感じました。

 4週分録画しましたが、二つ見るのが精一杯でした。

 中でも印象に残っているのは、テレビに出ている仲間同士の雑談が目立ち、雑談で始まり、雑談で終わるという感じがしました。特にも、見栄晴さんは、真正面を見て話をするのではなく、横を向きながら話をしているので、視聴者へ向けて話をしているようには感じませんでした。

 また、変わった情報を集めて紹介しているのは分かりますが、似たような情報を多くの番組で放送しているので、今後は、もう少し工夫を凝らすことが必要だと思いました。

小田島委員

 4/8と4/22の放送を拝見しました。

 私も楽茶間とどうしても比較して見てしまうのですが、個人的な印象としては、8日の放送は、特に印象には残りませんでしたが、22日の放送で、福島からお花見の生中継をやっていましたが、「今福島か、岩手の桜はまだ先かな」というように、東北6県の季節の移り変わりが分かり、好感を持ちました。6県で生中継をするのは大変でしょうけが、今後も、こういった地域の季節的な情報コーナーを続けて欲しいと思います。

 しかし、「穴場」のコーナーは、本当に各局協力して制作しているのかな?という感じで、あまり印象に残っておりません。

 それよりも、昨年まで放送していた「良いニュース」とういうコーナーを復活させて欲しいと思います。現在の殺伐とした世の中には視聴者にとって安心して見て戴けるコーナーだと思います。

増子委員長

 4/15と4/22の放送を拝見しました。

 私は、常日頃ニュース番組などで、自分の知らない情報が放送されると、それに納得し「ほほぅ」と、とりあえず評価してしまいます。

 しかし、この番組は、大勢の皆さんからも意見が出ましたが、印象付けられるものが何一つ無い、薄い番組と思いました。

 対策としては、一つのテーマに対してもうちょっと詳しく探っていくようにしたらどうでしょう。

 また、ひとつ気になったのは、「ロッケンロール」の中で、鶴岡市を紹介しておりましたが、そこに何故、市長が出てこないのだろうか?何だか手抜きしているようにも感じました。

 それと、ずいぶんと人が出すぎじゃないでしょうか?うるさいという感じがしました。

奥原プロデューサー(土曜のてっぺん)

 貴重なご意見ありがとうございました。

 現在土曜のてっぺんは「ことばマガジン」と同様で、東日本放送をキー局とし、東北6県の共同制作番組として、各局持ち回りで、月1回の制作会議に基づいて企画制作している番組です。

 昨年までは旅情報を企画しておりましたが、ネットやローカルで旅番組が多く、他の番組との区別がつかない事や、東北6県でやっている以上、一つのネタについて3~4局の中で協力し合い、制作する番組へと企画変更いたしました。

 ネタの選び方は各局に差がありまして、簡単にすませようとしたり、内容にまとまりがなかったり、ネタにムラがあったり、と各回様々です。

 取材企画につきましては、セカンドステージという仙台を中心に活躍するお笑いコンビがおりまして、地元に住んでいる方を予めリサーチすることなく、先ず地元に行き、そこの方に紹介してもらった場所を取材するという企画で、鶴岡市の「アマゾン民族館」の取材も同様に撮影されたものです。

 進行役の見栄晴さんのことですが、子供の頃からテレビに出演され視聴者も顔をよく知っている方ですが、「番組の仕切りについては、あまりうまくできない。また、東京から来ているので、東北の話題より東京の話題を話してしまう。東北をあまり意識していないようなところがある」など、これは担当ディレクターとの会議の中でも出ている話でございます。

 また、以前に放送していました、「明るいニュース」ですが、同じ情報を違う番組でも取り上げており、被ることが多かったので、現在は放送しておりません。コーナーの復活に関しては、KHBの制作ディレクターに話をしてみます。

 ご指摘のとおり、ネタ選びは重要な課題です。今後も、自然や人間、グルメといったように幅広い内容、そして子供からお年寄りまで幅広い年代層で見られる番組を目指し制作していきたいと思いますので、暖かい目線で視聴していただきますよう、どうぞよろしくお願い致します。

川崎社長

 私からも一言、番組の感想を申し上げますと、やはり見栄晴さんには東北についてもっともっと勉強して頂きたいと思います。また、制作者自身がもっとハラハラ、ワクワク、ドキドキしながら番組を作ることを心がけて頂きたいと思います。

今回先生方に頂いた貴重なご意見を、各局の制作担当者にはっきりと伝え、今後に繋げて欲しいと思います。

増子委員

 社長が言うように、確かに、作り手がワクワクしながら制作しなければ面白い番組も出来ないと思います。現状の番組を拝見すれば、息切れしているようにも思えるし、また、制作者も仕事に追いかけられてるようにも感じられます。

結果、それが視聴者にも伝わっているような気もしました。

 他に、ご意見はございますか。

 それでは、次回の開催についてお願いします。

佐藤事務局長

 次回は5月26日(金)です。

 合評番組は「IATスーパーJチャンネル」です。特にその中で4/6から、毎週木曜日に放送されております、開局10周年記念企画の「残したい岩手の光景」をメインにご審議をお願い致します。

 また、6月8日に開催される、第70回系列24社放送番組審議会委員代表者会議の2つのテーマにつきましても、各委員の方々からご意見を頂戴いたしたいと思います。

増子委員長

 それでは終了します。ありがとうございました。

7.審議機関の答申または改善意見に対してとった措置

特になし

8.審議機関の答申または意見の概要の公表

4/28付 朝日新聞岩手県版に審議概要を掲載。

系列各局に議事録を送付。

本社受付に議事録を常備、閲覧に供す。

インターネットホームページに掲載。

9.その他の参考事項

特になし

10.配布資料

◎ 5月度単発番組編成予定表

◎ 4月岩手地区視聴率

◎ 3月視聴者応答記録

◎ 楽茶間口コミ探訪「より道マップ」(非売品)