5月(第118回)
概要
岩手朝日テレビの第118回番組審議会が平成20年5月30日(木)、盛岡市盛岡駅西通の岩手朝日テレビ社内で開かれた。
合評内容は「元気プロジェクト・いわての未来図」
- 夢を語たらせるにしても岩手の発展につながるにはどうしたら良いのか番組に登場する人と、どこで繋がるのか説明が欲しい
- 岩手で活躍する人を紹介するコーナーにしても、未来図というタイトルに違和感を覚える
- 取り上げた人物のどこが凄いのか説明が不十分である
- 人物伝としては、とても良い。しかし未来図なのに未来を語る部分が少ない
- さらっと見るに良い、真剣にみようとすると少し番組の印象が薄い
- 関心をもって見る人には面白いが、そうでない人には全く面白みがない
- アナウンサーは局の看板ですから洋服の色で暗い印象をもたれない工夫が必要
- 業種が異なるので、まとめ方は難しいと思う。一般社員の声やプライべ―トな面の盛り込みは評価する
- インタビューした方を題材に使うなら対象の人を良く調べて取材すべき。肝心な部分が抜けて余計な部分が多すぎる作りになっている
という意見が出た。
出席委員は、増子義孝委員長、稲垣義孝委員、笠川さゆり委員、松尾正弘委員、松本直子委員、宮野裕子委員、村田久委員、吉田政司委員の8名。欠席委員は、小田島利昭委員の1名。
議事録
1.開催日時 平成 20年 5月 30日(木)午前11時~
2.開催場所 本社3階 会議室
3.委員の出席
委員総数 9名
出席委員数 8名
委員長 増子 義孝
委員 稲垣 義孝
委員 笠川 さゆり
委員 松尾 正弘
委員 松本 直子
委員 宮野 裕子
委員 村田 久
委員 吉田 政司
欠席委員数 1名
委員 小田島 利昭
会社側出席者名
代表取締役社長 川崎 道生
常務取締役営業局長 幾度 恭嘉
取締役報道制作局長 小椋 和雄
取締役放送番組審議会事務局長 横山 博文
技術局長 佐々木 正樹
編成業務局長 小林 直紀
報道制作局 佐々木 織恵
放送番組審議会事務局 川村 茂
4.議題
(1)社長あいさつ
(2)前回審議会のご意見を受けて(報告)
(3)6月単発番組及び5月視聴率等について
(4)合評課題について
(5)次回審議会について
開催日:平成20年6月26日(木)午前11時~
合評課題:「楽茶間 イワテヲオモシロクスルテレビ」
放送日時 6月21日(土)午前10時00分~10時50分
5.議事の概要
(1)業務報告
* 報道制作局長より4月の合評番組「おしえて!おらほのまち自慢」について、今後の番組制作に当たっては、事前リサーチ等を十分に実施し存在感ある番組にしていきたい。
* 編成業務局長より6月の単発番組や視聴率について報告
(2)議題 「元気プロジェクト・いわての未来図」
<主な意見>
○ 夢を語たらせるにしても岩手の発展につながるにはどうしたら良いのか番組に登場する人と、どこで繋がるのか説明が欲しい
○ 岩手で活躍する人を紹介するコーナーにしても、未来図というタイトルに違和感を覚える
○ 取り上げた人物のどこが凄いのか説明が不十分である
○ 人物伝としては、とても良い。しかし未来図なのに未来を語る部分が少ない
○ さらっと見るに良い、真剣にみようとすると少し番組の印象が薄い
○ 関心をもって見る人には面白いが、そうでない人には全く面白みがない
○ アナウンサーは局の看板ですから洋服の色で暗い印象をもたれない工夫が必要
○ 業種が異なるので、まとめ方は難しいと思う。一般社員の声やプライべ―トな面の盛り込みは評価する
○ インタビューした方を題材に使うなら対象の人を良く調べて取材すべき。肝心な部分が抜けて余計な部分が多すぎる作りになっている
6.議事の内容
横山事務局長
ただいまより、第118回放送番組審議会を開催いたします。
本日は、合評番組の制作担当として佐々木が出席しております。合評の際はよろしくお願いいたします。
では、増子委員長議事をよろしくお願いいたします。
増子委員長
それでは川崎社長、一言お願いします。
川崎社長
皆さま、本日も大変お忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。
先般、弊社の決算役員会が行われ、今期はデジタル化の中での減価償却という大変な時であり、いずれの在盛局でも、赤字の決算だったようであります。当社も3090万円の赤字でありました。
また、皆さん既に御承知かと思いますが、幾度と私が、来月開催されます株主総会を持って退任させていただくことになりました。本当にお世話になりました。後ほど議事進行が終わりましてから挨拶させていただきます。
増子委員長
ありがとうございました。それでは、「前回の審議を受けて」についてお願いいたします。
小椋報道局長
4月の番組審議会ではIATスーパーJチャンネルの曜日コーナー「おしえて!おらほのまち自慢」に対しまして、貴重なご意見をいただきありがとうございました。
当コーナーは、IATのアナウンサーが各市町村に出向き、直接地元の方々と触れ合いながら、その土地や人の良さを伝えたいという趣旨で始まりました。
7年間継続してきた「ふるさとCM大賞」に通じる「地域密着」を最大のテーマに掲げております。
しかしながら、委員の皆様のご指摘にありましたように、内容が観光紹介の範囲を出ていなかったり、季節感の乏しい映像が続いたりなど、事前のリサーチの段階での取材不足が露呈してしまったことを深く反省致しました。今後は地域の魅力をさらに掘り下げた内容の選定と事前準備に力を注ぎながら、存在感のあるコーナー作りを目指していきたいと考えております。
さらに、「おらほ」が目指す「地域」とは具体的にどこまでの範囲なのか、など「地域」というテーマにもっとこだわって制作を進めていく所存です。
今後も委員の方々のご意見、ご指導をよろしくお願い申し上げます。
増子委員長
ありがとうございました。それでは、6月単発番組と5月の視聴率についてお願いします。
小林編成業務局長
それでは6月の単発番組についてお話させていただきます。
今月は大きな単発番組は少ない月であり、全米オープンゴルフが楽しみな番組であります。また6月14日には、週刊ことばマガジンの放送があります。
この日は通常の時間帯での放送ではなく、全米オープンゴルフの中継があるため、午前11時30分からの放送となっております。また、高校野球関連の番組ですが、16日から7月9日まで、毎年恒例の純情応援歌2008が始まります。夏の高校野球岩手大会に出場する選手たちが自ら制作した学校紹介をお送りいたします。また17日土曜日は「学びの旅倶楽部スペシャル」の放送があります。
視聴率ですが、5月の第1週、第2週で2本しか特番が入っておりません。しかしながら、ゴールデン13%、プライム13.5%、と目論んでいた数字よりは、やや低くなっていますが、それなりに数字をとっております。今年の平均は全日8.4%を目標にしておりました。プライムがもう少し目論見どおり数字をとっていれば目標に達したと思います。その中の、7人の女弁護士は過去13%と数字をとっていた番組で、今回のシリーズでも期待はしていたものの、今回は若干伸び悩みとなっております。
劇場版「相棒」ですが5月25日現在で、動員数が264万人と好成績を収めています。興行成績で32億となっております。
増子委員長
なにかご質問などございませんか。それでは合評番組に移りたいと思います。
稲垣委員
元気プロジェクトをビデオで録画したものを拝見しました。
題名である、「元気プロジェクト いわての未来図」というテーマはとても良いと思います。転勤してきている私たちのような人には、岩手のことが良く分かる番組は大変ありがたいと思いますね。
私も先日、他局ではありますが、インタビューの依頼があり、15分という短い時間ではありましたが、何を話していいのかわからなくなってしまいました。インタビューで話す側はプレッシャーがありますね。その時にテレビ局の方に言われたのですが、昔のことを話すのではなく、これからのことを話して欲しいといわれ、やはり聞く側もこれからのことを聞きたいと思います。
短い時間の中で、過去から未来までを話すことは容易なことではありません。今回見ていて感じたことは、未来図という観点からすると、夢の部分を相手に伝わるように話すことは簡単なことではないので、夢ではなく、現実の部分、例えば、岩手の発展につながるにはどうしたら良いのか、こういう方が頑張っているとそれはどこにつながっていくのか。そういった部分をもう少し説明して欲しかったと思います。社会に対する農業的な貢献度など、詳しく聞いてみたかったと思います。
笠川委員
ビデオで拝見させていただく前に、番組を見たのですが、私はここで何を話せばいいのか正直、少々悩みました。勝手に岩手の未来図とは、これから岩手県がこうやって変わっていくという観点から見ていたので、番組の作る方向と私が描いていた方向が全く食い違っていて、観点が違ったと思いました。
何度か送っていただいたビデオを拝見していくうちに、岩手の元気プロジェクトとタイトルの頭にあったので、岩手を元気にしていく人たちを取り上げ、それを語る番組なんだ。とそこで改めてわかった次第です。例えば藤原さんの精密部品の話や、遠藤さんの農業の難しさ、それを見てようやく理解できたように思います。
スーパーJチャンネルの中での放送で、時間がこのコーナーは時間が長いように感じます。他の視聴者はどう見ているのか気になりました。未来図というタイトルは私は違和感があるように思います。内容はとても良いと思うのですが、タイトルが重たく感じます。岩手の頑張っている人を紹介するコーナーであるのならそれで良いのですが、未来図というタイトルがどうも違和感を感じます。IATが元気にしたい。ということを基本とするなら、タイトルは違うほうが良いと思います。とても内容は岩手にとって大切な番組だと感じました。これからも伝え方の工夫を凝らし、大事にしたい番組の一つにして頂きたいと思います。
松尾委員
岩手を元気にしていこう。という趣旨はとても好感が持てました。
第4回目の藤原さんの内容から見ましたが、最初のインパクトが弱く印象に残らないように思いました。最初から強いインパクトを与えていると、最後まで興味を持って見れると思います。カメラや時計の部品を作っている方と拝見しましたが、一体どこのメーカーの、どういったところの部品を作っているのか、興味を持ってみていても、どういうところに貢献しているのかわからなくては意味がないと思います。ダイオードも他と比べてどう違うのか、どこが素晴らしいのか、というように一歩踏み入れた制作の内容にしてみてはどうでしょうか。
取り上げた人物の方は素晴らしい方だと思うのですが、どこが凄いのか説明が不十分で、せっかく取り上げても説明がないので残念に思いました。最初にポイントを出さないと視聴者をひきつけられないと思います。
ニュースの中で、他の局で取り上げていない部分を放送するのはとても強みだと思います。チャンネルをIATにして欲しいなら、今後少し検討して、個性を出した作り方にして頂きたいと思います。
松本委員
今回の企画は人物伝として、とても良いとおもいました。
しかし、見せ方としては、皆さんから意見が出たように、たくさん改善するところがあると思いました。まず、未来図なのに、未来を語る部分が少なかったと思いました。それから日本ラグビーの増田さんのお話の中で、日本オリジナルのお話のコメントはインパクトが強い部分にも関わらず、あっさり流してしまったところは、不親切に思います。せっかく大事なお話をしているのですから、そこを強調するような工夫が大事ではないでしょうか。冒頭の人物像をどうやってひろうか、また、何をひろってどう、画面で見出していくのか、どの言葉で印象付けるのか、とても大切なところだと思います。
IATのアナウンサーの声で、せっかくの映像を台無しにしてしまう部分を感じてしまうところもありました。
良いところとしては、藤原社長が工場内を歩くところを映していましたが、社員の方々の表情がとても新鮮で、好感が持てました。それに対して、農業の遠藤さんのシーンでは、なぜ農業なのに、相撲の話が出てくるのか、違和感がありました。農業のお話より相撲のお話が中心で、農業の説明が全然なかったのは残念です。
7,8分の放送の中で、どこにポイントを置くかで、良くも悪くもなります。興味を持ってみていても、最後には興味も持てずに終わってしまうのはせっかく良い方々を取り上げていても、印象も残らず終わってしまうのはとても残念なことだと思います。
宮野委員
スーパーJチャンネルの中を通してずっと見たのは、増田さんの回でした。あとはビデオで見させていただきました。
一つの番組の一部のコーナーで取り上げる企画としては良いと思います。
最初に、未来図というテーマから、私は若い人たちを取り上げる番組かと思ってみていましたが、そうではなく、未来に希望を持つ熟年の方が出ていて、さらっと流しながら見るには良い番組だと思いますが、中味を真剣に見ようとするのなら、少し印象が薄い内容になっていたと思います。
本人にインタビューする時は、BGMが流れず、本人の声だけが聞こえていて、とても良い作りと思いました。
また、制作する内容で、企業を取り上げるか、人物を取り上げるのか、それによって番組の内容も変わってきますし、時間帯によっては忙しい方は流しながら見ている時もあるので、人物を紹介するのはとてもインパクトがあってよいと思いました。
村田委員
このような企画の番組を合評として意見するのは、とても難しいと思います。タイトルは単にタイトルに過ぎるのではなく、重要なポジションにあると思います。タイトルからイメージを持ちますし、大事な役割を果たしているので番組を作る際のタイトルづけは大変難しいと思います。
岩手の未来図というタイトルは少し重たい気がします。見ていてインパクトがどうして薄いのか、関心を持って見ている人には面白いと思いますが、そうでない人には全く面白みがない内容だと思いました。
また、会社名や団体名を出して周りが褒めるパターンが多い制作になっていると思います。社員が社長を褒めるのはワンパターンです。家族や身内の方からのコメントを入れたほうが良いつくりになると思います。
遠藤さんの相撲のシーンはどこが未来なのか、過去や現在のお話が多くて未来の話はどこで出てくるのか、とても薄く感じました。
例えば、個人で語る方はいないのか、個人でがんばっている人はたくさんいるのではないでしょうか。細かい部分や重要なところは印象が薄くて、会社や人物の紹介だけで番組が終わってしまうのはとても残念ですね。
2人のアナウンサーが出ていましたが、表情やインパクト薄く、洋服の色など暗い印象を与えていたと思いました。アナウンサーは局の看板ですから、もっと印象を強くもてる工夫が大事ですね。
未来図というこれからのことを取り上げることは良いことだと思います。もう少し角度を変えて、褒め称える番組作りではなく、他の局ではしていないインパクトのある内容を考えて制作していただきたいと思います。
吉田委員
岩手の未来図という題名、企画から視聴者の観点から考えてみました。番組を5回分見ました。記載されているとおり、いろんな方面のジャンルの方からお話を聞いて、工夫はされていると感じましたが、要努力と言ったところでしょうか。
業種などが異なっていますので、まとめ方が難しいと思います。最初にインパクトをつけて視聴者の目をつかまないと、6,7分という短い放送の中なので、相当努力を要すると思いました。
その中でも社員さんの声やプライベートのところなどを盛り込んでいることは評価したいと思います。
また、番組自体の宣伝スポットが他局より少なく感じましたし、放送する番組の時間帯の前後にも宣伝する部分もあまりなく、他局と違うことをやっているんだ。という印象付けがまだまだ薄いように感じました。
IATが岩手を元気にさせる。という、ところがポイントだと思います。スーパーJチャンネルに関わる方々が元気じゃないとダメだと思います。アナウンサーの方も元気な表情を出していると気持ちも伝わると思います。そういうところで印象付けてこれからの放送に期待したいと思います。
増子委員長
タイトルに未来図となっていて、その題名にとらわれず、肩の力を抜いて元気さをそのまま伝えて欲しいと思います。岩手にはこんなに元気な人がいるのだな。という気持ち題名は関係なく、拝見しました。
伝記としてはあまりよくない出来だと思います。この方々を取り上げたということは、今の仕事との関わりで取り上げたのでしょうが、藤原さんがなぜ精密機械と関わったのか、そのあたりの経緯がまったく放送されていない。描くべきところを描いていない作りでしたね。肝心な部分が抜けていて、余計な部分が多すぎる作りになっていました。遠藤さんにしても、なぜ農業と関わったのか、そこの説明が一言もないし、相撲の話などは個人的事情に過ぎず、視聴者は見ていてもつまらない部分ではないでしょうか。
インタビューしてその方を題材として使うのならば、その方を良く調べて取材するべきだと思います。6,7分で視聴者に思いを伝えるのはとても難しいことですね。
報道制作局佐々木 本日は、貴重なご意見をありがとうございました。今回、岩手を元気にするプロジェクトとして、県内の様々な取り組みをしている方々を紹介させていただく番組を企画いたしました。4月22日から6回放送致しました。
今、先生方からお話が出ましたように、タイトルが中味に描かれていない部分が多々あったように思います。そこを引き出すような工夫、また、取材等があまりできていなかったように感じました。今後は未来を描くようなつくりで、事前にきちんと社内打合せを心がけ、制作していきたいと思っております。
小椋局長
毎回、反省会を開いて、いろいろ話をしておりますが、番組の導入部分のインパクトが薄い事を反省しております。また、撮影したいところをうまく映せないところも反省の一つであります。
川崎社長
今後、企画番組を制作するにあたり、反省すべきところがたくさんありました。中味を視聴者にどううまく伝えていくか、勉強不足であります。インタビューで引き出せないのなら、ナレーションでうまく引き出すような工夫がされていなかったように思います。
興味、関心、好奇心など、視聴者に持たせられない作りであり、今後は取材へ出向く前に社内で議論し、テーマを絞り込み、取材に臨むべきと思いました。
増子委員長
その他、何かございませんか。
それでは、次回の審議会についてお願いします。
横山事務局長
次回の審議会は6月26日木曜日でございます。
合評課題は「楽茶間・イワテヲオモシロクスルテレビ」です。よろしくお願いいたします。
増子委員長
それでは終了します。ありがとうございました。
7.審議機関の答申または改善意見に対してとった措置
ご指摘いただいた点を、今後の番組作りの参考とすることとした。
8.審議機関の答申または意見の概要の公表
5/6 朝日新聞岩手県版に審議概要を掲載。
系列各局に議事録を送付。
本社受付に議事録を常備、閲覧に供す。
インターネットホームページに掲載。
9.その他の参考事項
特になし
10.配布資料
◎ 6月単発番組編成予定表
◎ 5月岩手地区視聴率
◎ BPO報告 放送倫理・番組向上機構資料
◎ 前回審議会のご意見を受けて