放送番組審議会

5月(第48回)

概要

 岩手朝日テレビの第48回番組審議会(委員長 増子義孝県立大学教授)が、5月24日(木)盛岡市盛岡駅西通の同本社で開かれ、「せきらら白書」と「テレビ全般」について審議した。

「せきらら白書」については、ファミリーで気楽に楽しめる番組であるとの評価の他に、テーマの選び方、作り方に覗き趣味的なものにしないで欲しいとの意見が出された。

 また、テレビ全般に関しては、特に今、ニュース番組についての注目度が高いので、取材方法や内容にもっと気を遣い充実させて欲しいとの要望が出された。

出席委員は、増子義孝委員長、及川和男副委員長、植本花子委員、小川口柳太郎委員、斎藤五郎委員、松尾正弘委員 、松本直子委員、山川清委員、宮野裕子委員の9名。

欠席委員は、荻野 洋委員の1名。

議事録

1. 平成 13年 5月 24日(木)午前11時~

2. 岩手朝日テレビ本社・会議室

3.委員の出席

委員総数 10名

出席委員数 9名

 委員長 増子 義孝

副委員長 及川 和男

  委員 植本 花子

  委員 小川口 柳太郎

  委員 山川 清

  委員 斎藤 五郎

  委員 松尾 正弘

  委員 松本 直子

  委員 宮野 裕子

欠席委員数 1名

  委員 荻野 洋

会社側出席者名

専務取締役 桑折 勇一

常務取締役 村上 昇

業務局長 河邊 喬

報道制作局長 横舘 英雄

技術局長 菊地 一行

番組審議会事務局長 佐々木 瑞夫

4.議題

(1)6月の番組編成について

(2)番組合評

「せきらら白書」

フリートーキング「テレビ全般について」

(3)次回の審議会

開催日:平成13年6月27日(水)

合評課題:「たけし・所のWA風が来た!」

(4)閉会

5.概要

▽「せきらら白書」について:ファミリーで気楽に楽しめる。テーマの選び方、作り方が今後の課題。覗き趣味的なもの、低俗なものにはならないようにして欲しい。

▽テレビ全般について:ニュース番組への注目度が高い。取材方法や内容にもっと気を遣い、充実させて欲しい。

6.議事の内容

佐々木 事務局長

 第48回番組審議会を開催いたします。本日は荻野委員が欠席でございます。また、弊社社長が出張のため欠席させて頂きました。それでは専務より、ご挨拶申し上げます。

桑折 専務

 おはようございます。本日はお集り頂きまして有難うございます。

 12年度の決算期を迎えまして、テレビ業界全般的に広告費が伸びておりますが、IATとしましても単年度黒字を2年連続で達成できました。一方で、マスコミに対する風当たりも強くなっております。自民党を中心とした報道の法的規制や長野県の記者クラブの弊害など、様々な問題が出ております。また、テレビ朝日ではニュースステーションの埼玉の野菜報道に関する訴訟で勝訴しております。いずれにしましても、テレビを含めたマスコミに対する厳しい目を踏まえながら、我々も精進して参りたいと思っております。本日も忌憚のないご意見を賜りたいと思いますので、宜しくお願い致します。

佐々木 事務局長

 それでは早速、議事に入りたいと思います。増子委員長、お願い致します。

増子 委員長

 それでは、議事に入ります。6月の番組編成についてお願いします。

河邊 業務局長

 それではまず、6月の単発番組を説明させて頂きます。

 6月は6月1日からの全米女子オープンゴルフに始まり、全米オープン、ルマン24時間耐久レースなど、スポーツ番組が多数編成されております。

6月2日14:00~14:55「盛岡のまちづくり」。IAT制作です。市街地の空洞化、盛南開発や前潟地区開発の現状や開発計画を、街頭インタビューを交えながら、盛岡のまちづくりの第一線で活躍する方々と今後の課題と展望を考えていきます。

6月9日14:00~14:55「30人31脚スペシャル」。この大会の認知を早くから広めるための参加校募集のスペシャルです。岩手地区大会は9/22の予定です。

6月16日14:25~14:55「金ヶ崎マラソン」。大会は6月3日に開催されまして、今回で第19回を迎えます。過去2年、IATでは同大会に共催という形で参加しておりましたが、今年初めて番組にしました。ゲストにシドニー五輪日本代表の高橋千恵美さんをゲストに迎えます。

6月24日12:00~12:55「世界水泳事前番組 史上最強!ニッポン水泳 悲願!金メダルへの道」アジア初開催の世界水泳が7月に福岡で開催されます。その事前特番です。また6月29日にも事前番組が編成されております。

6月29日には恒例の「朝まで生テレビ」が編成されております。テーマは未定です。以上です。

増子 委員長

 ありがとうございました。それでは番組合評に入ります。まずは、「せきらら白書」について皆さんのご意見を聞きたいと思います。

小川口 委員

 2回ほど見ましたが、司会者が大声で視聴者を煽るのですが、そのスタイルにどうも馴染めませんでした。1時間の番組の中にたくさんの話題が詰まり過ぎていて、中途半端な感じがしました。話題を絞ってもっと掘り下げたらいいと思います。

植本 委員

 23日の回を見ました。結構面白い番組だなと興味深く見ました。社会問題まではならない、しかし日常生活では意外に巷では深刻ではないかという問題を明るく面白く考えられて、肩が凝らずに見られました。コメンテーターに多彩でユニークな方が揃っている点も面白さのひとつだと思いました。自分が興味がある話題ですと食い入って見ますが、興味のない話題だと散漫な印象も受けるのではと感じました。

斉藤 委員

 「せきらら白書」というタイトルをみて最初は「せせらぎ白書」かと思って叙情的な番組かと思っておりました。「赤裸々」のほうが解りやすいのですが。他愛のない娯楽番組で毒にも薬にもならない、結構な番組だと思いました。とかく毒になるようなテレビ番組が多い現代においては、大変良い番組だと思います。ひとつの話題に対する、多角的な取材力も評価できます。興味のある話題についてはもう少し掘り下げて欲しいなという気もしました。ペットの話題の回がありましたが、動物虐待のニュースが多い中で、全く反対の事を子どもたちに教えてくれていて非常に良いですね。こういった番組をゴールデンタイムに放送することは大変に良いと思います。

及川 委員

 私も「せせらぎ白書」と最初に思ってしましました。9日の回では妻の恋愛遍歴についてやっていましたが、本来これは個人のプライバシーであって、それをメディアを通して曝け出すことに何の意味があるのだろうか、という疑問を覚えました。「せきらら」という意味、即ち、何をどのように扱うのかがとても重要だと思います。覗き趣味や、視聴者の低劣な興味に訴えるという、悪い傾向に行かないで欲しいです。建前の陰にある本音や、生活実態の意外性のある新発見などに目を向けて作ってほしいと思います。先ほど言った恋愛遍歴の数について問題にするならば「赤裸々」にした時に、それに対する文明批評が出来る位のコメンテーターが居て欲しいです。そんな硬いことを言わなくてもという声も聞こえてきそうですが、気楽な面白さは否定しませんが、どうか低俗に流れないようにと願っております。

 子どもの好き嫌いなどは特に赤裸々性を感じませんでしたが、考えてみますと若い世代の家庭に、反復して提起して良い話題だと思います。ただし、全体的に番組のテンポが速すぎ、詰め込み過ぎてじっくり味わう暇がないという印象がありました。また、番組内でアンケートの結果やその統計を提示しますが、それが「白書」なのでしょうか。政府刊行の白書には表れない、社会的・経済的・生活的な関心事により接近していく方法と批評性を持って、良い番組を作っていって欲しいなと思います。

山川 委員

 この番組は、自分の興味がある内容にはついて行きますが、興味が無いと大した番組じゃないと感じると思います。恋愛遍歴などは、平均値で数字を出すことによって、「そこまではいい、それ以上は悪い」といった、モラルや常識を変えてしまうかも知れません。番組の意図として、恐らく視聴者を番組に参加させようということがあると思います。しかし、視聴率が良い番組にはある意味、視聴者は参加している訳です。意識上で参加しているから視聴率に反映されるのだと思います。ドラマでもスポーツ中継でも同様です。ですから、単純な工夫や小手先だけで視聴者を参加させようというやり方はちょっと間違っていると感じながら見ました。回を追う毎にテーマにする題材が減っていくと思いますが、そうなった時に先ほど及川委員からあったように、低俗なテーマには走らないで欲しいと思います。

宮野 委員

 3回番組を見て感じたことは、見るかどうかはテーマに左右されることです。娯楽番組としては可もなく不可もなくという感じです。と言っても、見終わって何も残らないのかと言うと、妻が結婚前に付き合うのは平均4人だとか、娘は父親と平均8.4歳まで一緒に風呂に入るだとか、後で何かの話をする時に少しは役立つかな、程度は残ります。ただ、毎週見なければという気持ちにもなれなくて、どう付き合っていいのか解らない番組だなと思いました。

松尾 委員

 物事を探求したり、知られざる姿を紹介する番組は各局で様々ありますが、その中ではバラエティ寄りだなと思いました。司会の小倉智昭さん、岡江久美子さんは爽やかで良い印象を持ちました。結果はCMの後という番組が多いのですが、疑問が提示されてデータと結果がすぐに出るという作りで、見ていてのストレスは少なかったです。テンポが早いと感じることには個人差がありますが、自分の波長に合えば惹き込まれますし、もう少しゆっくりとじっくりと、というテーマもありました。

 番組宣伝で「今回のテーマはこれです」というのがありますが、正直言うとその時点で興味を引くテーマはありませんでした。しかし見ると惹き込まれるという感じでした。ですから宣伝の時点で見たいと思わせるようなテーマであればと思います。身の回りにありながら普通すぎず、かけ離れすぎないというテーマを探すことが、今後のテーマだと思います。

松本 委員

 私も、テーマの設定がポイントになる番組だと思います。興味をそそられるようなテーマであれば見ようと思うのでしょうが、そうではない時、いかに面白く掘り下げていくか、掘り下げる角度を工夫するかが大事だと思いました。

 日本人の動向やアンケートを元にした番組でしたら、何年か前に他局で放送していた「クイズ100人に聞きました」という番組の形式が向いていると思い、比較しながら見てしまいました。以上です。

増子 委員長

 身の回りにあって普段はあまり考えもしないテーマを取り上げていますね。見ているうちにだんだんと惹き込まれて、さりげない所に手間をかけている番組だなと感じました。家族でリラックスして会話をしながら見られるテーマが多くて、人畜無害で非常に好感が持てる番組です。

 それから、どなたかおっしゃったように、見ている側がCMに毒されているせいか、結果が出る前にどうせCMに入るのだろうと思って見ていると、CMには入らずにそのまま番組が続くという、ある意味新鮮な感じがしますね。

 それでは、テレビ全般についてのご意見をお願いします。

松本 委員

 桑折専務のご挨拶で、埼玉のダイオキシン訴訟勝訴のお話がありましたが、あの報道の仕方には謙虚になって考えて頂きたいし、引っかかる部分もあります。ニュースステーション、ひいてはテレビ朝日全体のイメージとしてずっと残ると思いますので、勝訴はしたけれども、きちんと線引きをして頂きたい気がします。

 それから、5月1日のニュースステーションの遠野の桜中継はとても綺麗で関心して見ました。

 また、テレビ全般に関して最近思うことは、放送時間帯によってふさわしい内容とそうではない内容があるのではないかと感じます。例えば、朝のニュースで、殺人事件や放火、幼児虐待などを取り上げる回数が多くて、恐いことに見ている側が慣れてきてしまっています。食卓を囲む子ども達も「また殺人だって。親が子ども殺したんだって。」という会話を交わしている。事件は現実に起こっていますが、そんな内容ばかりというのは如何かと思います。放送時間帯にあったニュースを、という点に配慮して頂きたいと思いながら見ております。

松尾 委員

 最近のニュースはどの局を見ても、同じような場面を映し、同じような見解をしています。例えば最近の国会関連は特にそうです。違った角度から報道して欲しいと思います。特にニュースステーションには期待しております。それから、日曜早朝と金曜夜の子ども向け番組は、番組審議会ではあまり取り上げることは少ないですが、この状態をずっと続けて欲しいと思います。

宮野 委員

 最近の総裁選やハンセン病訴訟などから感じるのはマスコミの強さです。世間が知らないことを報道する力は勿論ですが、広がった波紋をどのように収拾していく過程にもマスコミの力量に頼る部分があると思いますのが、楽しみな反面恐さも感じます。松尾さんの意見と同じなのですが、例えばここ数日のハンセン病訴訟の取り上げ方は、どの局も似たようなものでした。その時々の最新のテーマを取り上げるのは勿論のことでしょうが、そのニュースがどのようにこれから展開して収拾されていくのかという過程、流れも教えて貰えたらいいなと思います。報道に対する一般人の期待はどんどん大きくなると思いますので、方向性をきちんと示した報道をして頂きたいと思います。テレビ朝日は他局の娯楽を重要視した姿勢とはちょっと違った、世論を推していく重要な位置にいる気がしますので、その辺りを考えて頂きたいと思います。

 それから、テレビ朝日のスポーツ中継の実況中継をするアナウンサーはとても上手ですので、世界水泳にもとても期待しております。もっと世界水泳の宣伝を沢山して欲しいと思います。

 それから、大相撲ダイジェストの時間が少し遅いので、相撲好きな年配の方も沢山おりますので、是非早朝にでもやって欲しいです。

山川 委員

 民放各局は会社を運営する上で、他局との差別化がテーマだと思います。小売業界ではとにかく「安い」ことが良いことだという方向へ進んでおりますが、果たしてテレビ業界でも小売業界で言う「安い」方向だけ、即ち、視聴率を稼ぐことで差別化を図るという傾向があるのではないかと感じます。先行するものに迎合する、安易さがあると思います。「安い」意外の消費者サービスの方向性もあるはずですので、番組作りにおいてもそういった努力は必要だと思います。

及川 委員

 一連の所沢ダイオキシン報道に関して、テレビ朝日系列の番組審議委員長である桂委員長が朝日新聞にコメントを寄せておりましたが、「不明確な部分を残す汚染数値が感性に訴える結果となってしまった。あるべきダイオキシン政策を追求する『提言報道』としては弱点を残していた。」という率直な指摘をされております。所沢地域の農家にしてみれば、風評被害的な被害を受けたのですから、この先のことは別としても、強い反省が求められると思います。また、報道における正確さに本当に気をつけなくてはならないと思います。提言報道的なものに関しては、あまり特ダネ意識を持たずに、やはり多方面からの情報を収集してきちんと調べて、正確に報道するべきだと思いました。この問題をきっかけにして、報道に関する規制の動きが自民党内部からも強く起きたことを考えましても、改めて反省するべきだと思います。

 また関連として、個人情報の保護法案があります。個人情報を保護するという建前でありながら、政府の統制の元にマスメディアや個々の表現者を置こうとする狙いがはっきりしている訳です。恐らく、テレビ朝日としても反対を表明しておるとは思いますが、ニュースステーションのような場を通して、今回の訴訟に関わる反省に立てば立つほど、断固として報道の自由、言論の自由を守るために繰り返し反対を表明していく必要があると思います。

斎藤 委員

 スポーツ新聞の視聴率ランキングでニュースステーションが高視聴率の時があります。それではいつも高視聴率かと言えば、そういう訳でもないのが不思議です。最近、ヘリコプターと軽飛行機が衝突して墜落した事件がありました。視聴者は原因と結果さえ解れば良いのに、CGを駆使して克明に伝えてますがあれは本当に必要な情報なのでしょうか。むしろ訓練飛行区域が市街地の上空であるとか、そういったことにもっと力を入れた報道し、我々も認識したほうが良いと思います。とかく知らなくても良いことばかり熱心に報道している感があります。

 最近のドラマでは、「長崎ぶらぶら節」が映画よりも原作に近くて大変良かったです。最近にない秀作だなと思いました。

 それから、スポーツニュースでの球団名の呼び方が他局とは違っていて、例えば「ダイエー」ではなくて「ホークス」と呼ぶのがちょっと解りにくいと思います。以上です。

植本 委員

 「タイムショック21」が、クイズの流れがスムーズになってゲストも多数出るようになり、安定して楽しめるクイズ番組になってきたと思います。また「題名のない音楽会」は、毎回アイデアが楽しいですし、専門的な部分もしっかりしていて、本当に音楽が楽しめる番組ですので、これからも続けて頂きたいと思います。

 最近は、ワイドショーしか見なかったかも知れない主婦もニュース番組を見るようになってきたと言われています。テレビ朝日が取り組んできたニュース性を追う、真摯に取り組む番組づくり、例えばニュースステーションやサンデープロジェクト、朝まで生テレビなど、今まで築き上げてきたものが信頼に変わり、今後、テレビ局として更に発展してくのではないかなと、最近特に感じます。

小川口 委員

 今朝、大卒の新入社員から、「ハンセン病って何ですか。」という質問を受けました。私くらいの年代ですと経緯や背景は当然知っていますから、意外な思いがしました。しかし、考えてみたら若い人たちは「ハンセン病」という名称は最近のニュースで取り上げられているから知っていても、詳しいことは知らないのかもしれませんね

 それから最近、昼食を摂るために食堂に入りましたところ、他局の撮影クルーが入店してきました。そして、何の説明もしないでライトやカメラを食事をしている私達に向けて、撮影や取材を始めてしていました。どういった意図の撮影なのかは、事前若しくは事後に説明があってもいいのではないかと思いました。事件や事故現場での撮影、取材ならば察知がつきますが、普通の生活の中に断り無くカメラが入ることに、疑問を感じました。

 テレビ番組では、プロ野球中継をよく見ますが、応援の鳴り物がうるさいのが気になります。それに、アナウンサーも解説者も少し喋り過ぎの感じもしますし、ゲストにアマチュア的な人を招くのもどうかと思います。もっとアメリカ的に、プレイそのものをじっくりと見させて欲しいです。それから、中継の延長が9時20分前後でいつも終わってしまうのが残念です。プロ野球ファンとしては最後まで中継を見たい感じもあります。以上です。

増子 委員長

 ありがとうございました。皆さんのご意見は、私なりに消化して委員代表者会議で紹介させて頂きたいと思います。

 小川口委員のおっしゃった食事中の撮影や、所沢のダイオキシン報道は、取材の基礎が出来てない、緊張感に欠けた取材だという感じを受けます。事前の説明は当然の事ですし、報道の内容にそもそも間違いがあってはいけないのです。このような事は基礎中の基礎で、議論の対象ではないし謝罪すべきだと思います。

 だからといって、ダイオキシン報道はしないほうが良かったかと言えば、決してそうではありません。報道することによって様々なデータの公表や改善がなされました。放っておいたらいつまでも変わらなかったであろう事が報道によって変わったという意味で、マスコミの影響は多大だと思います。しかし、報道の内容に間違いがあったことと、報道した意義は分けて考えるべきと思います。

 それから、報道によってダメージを受ける人がいる可能性もあるから、緊張関係に欠ける報道ではいけないと思います。及川委員のおっしゃったように、これを機に報道規制、テレビ規制をしようという動きがあります。ニュースステーションのように政治を批判してしかも影響力を持つ番組は、潰したいという声は昔からあります。本能寺はそこにある訳で、単純に俗悪番組を規制するという部分だけでその法案に賛成することは非常に危険だと思います。実際に意図するのは何かを、我々は見極めないといけません。ですから隙を見せるような報道をしてはいけないと思います。取材する時には、必ずそれに反対する人がいることを意識して、緊張しつつ取材して頂きたいと思います。

 また、最近はニュースが面白いという意見がありました。私もそう感じています。テレビ朝日はニュースに優れた局というイメージがありますから、差異化を考えた時に、ニュースを大切に考えることも一つの方向だと思います。他にご意見はございますか。

斎藤 委員

 テレビ報道の一つの役目として、啓蒙することがあると思います。私も小川口委員と同じで、昨日ハンセン病についての質問を受けました。ですから、ハンセン病の報道であれば、どういう病気でどんな歴史があるのかをしっかりと解説し、また伝染病や病気に関する知識を啓蒙することが役割の一つだと思います。また、ダイオキシン報道ならば、報道の使命感というのは、ああいったことを発表して啓蒙することだと思います。それがテレビやマスコミの務めのはずだなと思いました。

増子 委員長

 学生と話しをすると、新聞を全く読んでいないことが感じられます。新聞を読めば、例えばハンセン病の解説もありますし。真珠湾攻撃にしても3割くらいの学生しか知りませんね。そんなところから説明していると、講義がなかなか先に進まなくなります。

 他にご意見はございますか。それでは、皆さんのご意見は代表者会議で報告致したいと思います。

佐々木 事務局長

 それでは、委員代表者会議の報告は、来月の番組審議会で致したいと思います。次回の開催は6月27日です。合評番組は「たけし・所のWA風が来た!」についてのご意見を聞かせて頂きたいと思います。よろしくお願い致します。

増子 委員長

 それでは番組審議会を終了致します。ありがとうございました。

7.審議機関の答申または改善意見に対してとった措置

特になし

8.審議機関の答申または意見の概要の公表

5/26付 朝日新聞岩手県版に審議概要を掲載。

系列各局に議事録を送付。

本社受付に議事録を常備、閲覧に供す。

インターネットホームページに掲載。

9.その他の参考事項

特になし

10.配布資料

◎ 4月度単発番組編成予定表

◎ 4月基本編成

◎ 2001年春期首編成