放送番組審議会

6月(第29回)

概要

 局側から7月スタートの新番組(月、木、土曜日のドラマ)と単発番組(石原裕次郎13回忌など)について説明した。

 今月の講評番組は「スーパーモーニング」。主婦向けの話題が多く、内容は面白いと評価する声もあった。半面、この時期は野村沙知代さんを取り上げることが多く、どの委員も「やりすぎではないか」「一方的な攻撃が多い」と過剰報道ぶりを問題にした。サッチー報道が続くのは視聴率がらみであるとどの委員も認識している様子はうかがえた。しかし取り上げ方が明らかにバランスをなくして一方的であり、個人攻撃になっているのは、報道の在り方としては問題が多いとの指摘があった。女性委員からは同情する声もあった。

議事録

1.開催年月日    平成11年6月25日(水)

2.開催場所     株式会社岩手朝日テレビ本社演奏所会議室

3.委員の出席

           委員総数   11名

           出席委員数   8名

  出席委員の氏名

  奥寺一雄委員長、大島正蔵委員、大堀勉委員、佐々木友江委員、

  照井章夫委員、箱崎敬吉委員、盛内政志委員、山川清委員

  欠席委員の氏名

  大橋瑠璃子副委員長、佐々木明子委員、三好京三委員

  放送事業者側出席者名

  蓮見代表取締役社長、桑折専務取締役、横舘報道制作局長、

  菊地技術局長、佐々木営業局長、河邊業務局長

4.議 題

  (1)7月の番組編成について

  (2)「スーパーモーニング」について

  (3)次回の開催日および課題について

  (4)その他

5.議事の概要

 局側から7月スタートの新番組(月、木、土曜日のドラマ)と単発番組(石原裕次郎13回忌など)について説明した。

 今月の講評番組は「スーパーモーニング」。主婦向けの話題が多く、内容は面白いと評価する声もあった。半面、この時期は野村沙知代さんを取り上げることが多く、どの委員も「やりすぎではないか」「一方的な攻撃が多い」と過剰報道ぶりを問題にした。サッチー報道が続くのは視聴率がらみであるとどの委員も認識している様子はうかがえた。しかし取り上げ方が明らかにバランスをなくして一方的であり、個人攻撃になっているのは、報道の在り方としては問題が多いとの指摘があった。女性委員からは同情する声もあった。

6.議事の内容

◎桑折事務局長

 それではちょっと時間が早いんですが、全員揃われましたので、第29回の番組審議会を始めさせていただきます。この前も申し上げましたが、平成8年の9月にご就任いただいた委員の方々には次の第30回の審議会を持ちまして、区切りを付けさせていただくということになります。

 それから当社では昨日株主総会がありまして、社内態勢に変更もありました。では新社長からご挨拶申し上げます。

◎蓮見社長

 お早ようございます。昨日株主総会がありまして、正式に社長に選任されましたのでどうぞよろしくお願いします。望月社長は代表権のある会長に、桑折常務は専務に、常務には東京支社長の村上がそれぞれ就任しました。あわせてよろしくお願いします。

 今回は「スーパーモーニング」の番組講評をお願いするわけですが、この番組に関連して、最近民放連の方で問題になってきているのは「青少年と放送」という問題です。「青少年に与えるテレビの影響」という問題で、放送局にもうちょっと自主規制をしなさい、はっきりいえば自分の子供に見せたくない番組は作るなということを郵政省から言われて、民放連で討議しています。最近の子供たちは地域社会との接触は昔ほどないです。昔は地域社会から色々なことを学んだんですが、今はそういうことはない。したがってテレビが子供たちにそういうことを教えなければならないという役割があるはずなんですが、そういう意識が少し薄れてきているということもありますので、このことをもう少し真剣に検討しようという気運が今テレビ業界の中ででてきています。これは郵政省に言われるまでもなく、放送局が自主的にやらなければならないわけで改めて問題にするほうがおかしいかとも思うんですが、そういうことも含めてこの番組の講評を先生方にしていただきたいと思いますので今日もひとつよろしくお願いします。

◎桑折事務局長

 では奥寺委員長、議事をお願いします。

◎奥寺委員長

 では議事に入ります。まず7月の番組編成について佐々木局長からお願いします。

◎佐々木営業局長

 それでは7月の番組編成について、皆様のお手元にあるプリントに基づいて説明させていただきます。

 まず始めにテレビ朝日系列が4月から特にゴールデン・プライムタイムに関連して「娯楽革命」と名うって、かなり充実した番組をやってきていまして、少しずつ効果は上がってきたんですが、さらなる充実をはかるため5つの番組を新にスタートさせます。

 まず月曜日の19時から20時、5日(月)よりスタート「激マジ!~ティーンの本音~」。島田紳助が司会進行です。

 同じく月曜日20時から20時54分、12日(月)よりスタート「月曜ドラマ・イン 天国のKiss」。主演の奥菜恵のラブファンタジー。

 木曜日20時から20時54分、1日(木)スタート「木曜ミステリー 京都始末屋事件ファイル」。これは京都を舞台にしたミステリーの第3作目です。今度は寺の住職と売れない探偵が「始末屋」を結成して理不尽な悪と戦うといった内容です。

 木曜日21時から21時54分、8日(木)スタート「木曜ドラマ てっぺん」。出演は坂井真紀他。若い女性がターゲットの番組です。

 それから6月26日(土)からスタートですが、土曜日20時から20時54分「サタデードラマ 笑うせえるすまん」。藤子不二雄A原作のブラックユーモアのまんがのドラマ化。出演は伊東四朗、藤村俊二他です。

 次に7月の単発番組を説明します。

 現在すでにスタートしておりますが、6月14日(月)から7月9日(金)までの18時45分から19時まで「純情応援歌99~生徒がつくった学校紹介~」があります。

 3日(土)13時から14時55分は「石原裕次郎13回忌特別番組」今年は石原裕次郎の13回忌ということで2時間にわたってスペシャル番組を編成します。

 3日(土)16時から16時30分は「伊藤彬 新北上市長に聞く」(仮)。IATの制作です。

 それから5日から大相撲名古屋場所が始まりますので、4日(日)から深夜に「OH!相撲」が始まります。

 同じく4日(日)15時30分から17時25分「日曜ワイド 小柳ルミ子泣いた笑った感動のタスマニア物語」。小柳ルミ子がシドニーやタスマニアの雄大な自然を満喫します。

 5日(日)20時から22時18分「ネイチャリングスペシャル チョモランマの渚~世界初!地球最高峰に幻の海を見た~」テレビ朝日のネイチャリングスペシャルは非常に好評です。三浦洋一がチョモランマに挑みます。

 6日(火)20時から21時48分「大型時代劇スペシャル 霧の橋の決闘!みちのく紅天女と必殺男」。出演は古谷一行、伍代夏子、山本陽子他です。

 それからいよいよ7月10日から夏の高校野球岩手県大会が始まります。IATでは初日から決勝戦まで岩手県営球場を中心に生中継で放送します。今年も90校が参加し熱戦が期待されます。

 10日(土)から21日(水)の18時45分から19時まで「夏 瞬間’99 白球ダイジェスト」としてその日の試合の模様をダイジェストにしてお送りします。

 それから11日(日)、12日(月)の2日間は、「第20回全米シニアオープンゴルフ」の3日目と最終日の模様をアメリカアイオワ州のデイモンゴルフクラブからお送りします。

 15日(木)からは「第128回全英オープンゴルフ」。イギリスのカーヌスティより15日(木)の初日から18日(日)の最終日まで、4日間にわたって放送します。日本からは尾崎将司・直道兄弟、丸山茂樹他が出場します。

 18日(日)16時から17時25分「サンデープレゼント 第15回じゃがいもの会チャリテリーショー応援歌’99」。芸能人が集まって、ボランテイア活動を行なっているじゃがいもの会は毎年チャリティーショーを行なっていますが、その模様を放送します。

 18日(日)は全米オープンの他に18時30分から20時54分「ゴールデンナイター 阪神対巨人」を甲子園球場から中継します。

 21日(水)から31日(土)は「甲子園への道」。これはテレビ朝日制作です。

 24日(土)18時30分から20時54分「サンヨーオールスターゲーム 全パ対全セ第1戦」を西武ドーム球場からお送りします。

 25日(日)14時から15時55分「日曜ワイドアンダルシア紀行~そして知られざるスペイン~」。秋吉久美子と石田純一の二人がスペインのアンダルシア地方を中心に紹介する番組です。

 その後16時から17時25分「サンデープレゼント 松阪伝説第1章~怪物本人が語った松阪大輔のすべて」。松阪大輔の特集を放送します。

 同じ日の18時30分から20時54分「サンヨーオールスターゲーム 全パ対全セ 第2戦」。甲子園球場から中継します。

 31日(土)13時から15時55分「ウンナンの炎のチャレンジャー3時間スペシャル」。

 同じ日の16時30分から17時25分「高校野球岩手大会優勝特別番組。甲子園に向けての意気込みなどを聞きます。

 18時から20時「1999Jリーグたらみオールスターサッカー」

 7月は高校野球とゴルフ他スポーツ番組を中心とした単発番組編成になっております。

◎奥寺委員長

 ありがとうございます。続いて番組講評に移ります。今回は「スーパーモーニング」です。では大島さんからお願いします。

◎大島委員

 あまり見ることができなかたので、部分的にお話します。まず8時からの冒頭20分ぐらい芸能ニュース欄というの感じをやっていました。前日の芸能ニュースをやるわけですがちょっと物足りない気がしました。番組全体としましては、ターゲットがその前の「やじうまワイド」は出勤前のサラリーマンという感じですが、そのあとの「スーパーモーニング」は専業主婦の方が旦那さんや子供さんを送りだした後家事をしながら見る番組かなと思いました。専業主婦の方々が共通の話題づくりの番組ということで、民放各社がほぼ同じように作っているのかなと思いました。TBS系列だけは別なんですが、視聴率の面からいってもどちらがいいかはわかりませんね。

 いづれにしましてもずっと見ていますとサッチーばかりですね。ターゲットは主婦層なんでしょうが、個々の内容についてはいささか首をひねるものがありました。

◎大堀委員

 確かに今おっしゃったとおりだと思いますが、だいたい時間帯が8時から10時まで見られる人が対象ですね。ちょこちょこ見ることはあるんですが、通して2時間見るのは中々困難です。今回は2度ほどVTRで見たんですが、それでも2時間続けてみるのは相当な努力がいるなという気がしました。色々な芸能ニュースを数多くどんどんやりますから興味のある人にとっては、色々なことを知ることができていいかなとも思います。

 とにかくたくさんの項目があって、ニシキヘビとか美智子妃殿下とか今流行っている宇多田ヒカルとか。その中でもかなりの時間を費やしているのがサッチー問題でして、面白半分に見ていればいいのかも知れませんが、毎日毎日やりすぎではないかと思いました。中身についてはもうちょっと工夫があったほうがいいのかなと思います。

◎佐々木(友)

 8時から10時という時間にテレビっていうのは見たことがないなと思います。ビデオにとって何本か見ました。8時から8時15分ぐらいまでの予告のような所は文字が色分けされていたり、今何を言っているかということが文字で表されていたり、耳の遠い人でも分かりやすくていいと思いました。

 何日か見ていて、女性週刊誌のような内容であまり真剣に見るものでもないのかなと思いました。野村夫人のことがずいぶんでていて、毎日これでもかこれでもかと言われていて、一人の女性としてかわいそうになったり、どうしたらこういうふうなことになったのか、何が原因なのか色々なことを考えました。

 この時間ゆっくりこのテレビを見られる身分になりたいと最後に思いました。

◎照井委員

 私も日常見られる時間帯ではないので、ビデオを4回ほどとって見ました。4回とも野村沙知代さんを主体としている部分が大部分でした。私からすれば、なんでこんなに毎日報道しなければならないんだろうと、早い話が興味本位の番組でしかないのではないかという感じで見ました。

 それからこの番組がきっかけとなったのかも知れませんが、民事訴訟まで発展したケースもありますが、これにしても個々の判断でやればいいのではないかと思います。ちょっとマスコミの騒ぎすぎではないのかなという感覚で見させていただきました。以上です。

◎箱崎(敬)委員

 中心は野村沙知代報道につきるということでしょうか。民放はどのチャンネルでも取り上げていますけれど、とりわけ一番熱心なのはこの「スーパーモーニング」ではないかと思います。少しやりすぎではと思う半面、視聴者参加型にエスカレートしていて局側からすれば批判があっても視聴率は落ちるまではやめないということだと思います。それだけにどのような結末になっていくのか、テレビの影響が大きいだけにその放送責任も大きいのではないかと思います。しばらくは今後の推移を見守るしかないというのが率直な意見です。

 講評はそんなところですが、先日テレビ朝日系列の代表者会議に奥寺委員長さんの代理として出席しました。会議の議題は放送番組全般についてで、初めに各社の委員代表が一人3分を目処に意見を発表して、後半は局側からの問題点に関する見解が述べられたところで時間切れとなりました。各代表からの意見ではダイオキシンや臓器問題に見られたような報道ニュースの在り方、青少年向けの番組、環境問題への取り組みということがめぼしいことであったと思います。私からはこの審議会でも話題になった2点について意見を述べました。一つはこの4月の改編で夕方5時代のスタートになりました、「スーパーJチャンネル」について、15分程度のローカルニュースだけではなくて、もう少し地方のことを取り上げてくれれば、地方と中央との相乗効果で一層番組がしまって視聴率も高くなるのではないかという意見で、もう一つは番組のゲストの人選について、「たけしの万物創世紀」を例にとって、中はにほとんど無意味なゲストもいるのでせっかくのいい番組がもったいないので人選を考えてほしいという意見を述べました。これに対して担当局長から見解がありました。「スーパーJ」についてはローカルは今後も一層重視して、充実していきたい。2点目のゲストについては痛いところを付かれたが、視聴率を取りやすい人選であるという見解でした。視聴率も大事ですが、視聴率以外にも番組を評価する物差しがないものかなという気持ちで局側の説明を聞きました。以上簡単に概要を報告しました。

◎盛内委員

 番組の間に挟まっている情報に興味を持ちました。「極楽ひも生活」などある意味でおもしろく見ました。それから「日本の社長」シリーズのアサヒペンの社長の生活なども興味を持って見ました。宮尾すすむが聞き役になっていましたね。それからナイチンゲール記章の話題がありましたが、この時約70才の美智子さまを皇后陛下と呼ばずに、美智子さまと今だに呼ぶんですね。それから言葉についてですが、宇多田ヒカルについてある女の子が「鳥肌がたつほどかっこいい」と言ったんですよ。これはまちがっていますね。この言葉はゾッとしたときや嫌で身震いがした時に使うもので、かっこいいとかきれいだとかいうときに使うものではないんです。まったく逆の使い方なので、こういう言葉使いはカットしてほしいですね。

◎山川委員

 私も2回ビデオで見ました。2回ともサッチーの話が中心でした。井戸端会議の域なのかなと思いました。ただこのサッチーの追い方はちょっと異常ではないかと思います。過去まで暴いて。みんなで不満を言いたいんだけれど言えないような存在の女性、或いは男性を作り上げている感じがします。そういう権利がメディアにあるのかとも思います。もし追及するんだったら、事実をバランスよく伝えなければいけないのではないかと思います。事実の伝え方を間違えると、真実がまがってしまいます。サッチーの報道を見ているとマスコミが彼女を抹殺するためのキャンペーンをしているんじゃないかと思わせるぐらい極端ですね。ですからいい人か悪い人かは別にしてやるんだったら両極からきちっと伝えてほしいと思います。

◎奥寺委員長

 ありがとうございました。サッチーについてはやっぱりいつまでやるんだろうという感じはありますね。

◎蓮見社長

 もうすでにテレビ朝日にはずいぶん苦情がきています。視聴率の問題もありますが、制作者の良識、メデイアのレベルの問題ですね。

◎佐々木(友)委員

 一つ質問します。高校総体についての番組は7月には全然ないのですか。

◎横舘報道制作局長

 すでに夕方のニュースでインターハイの特集をやらせていただきました。あとは特にないですね。

◎桑折事務局長

 大会が始まりましたらニュースの時間枠でやることになると思います。

◎佐々木(友)委員

 子供たちが一生懸命やっているのを紹介したら励みになるのでどこかで取り上げていただいたらありがたいなと思いました。

◎山川委員

 高校総体は学生の大会ではありますが、すごいイベントなんですよ。県としてももっと大きく取り上げるべきイベントです。

◎桑折事務局長

 それでは来月の番組審議会ですが、日にちは7月23日(金)、番組については7月10日から始まる高校野球岩手大会中継全般についてでお願いします。

◎横舘報道制作局長

 高校野球中継は例年どおり県営野球場での試合を中心に7月10日の開会式から中継します。21日終了予定です。中継試合数は約40試合です。

◎桑折事務局長

 それでは本日はこれで終わります。有難うございました。

7.審議機関の答申又は改善意見に対して取った措置

  議事録をキー局と系列各局及び関係機関に送付した。

8.審議会の答申又は意見の概要を公表した場合におけるその公表の内容、方法

  インターネットホームページに審議の概要を掲載。

  朝日新聞岩手版に審議の概要を掲載。

9.その他

  特記事項なし。

速報

 岩手朝日テレビの第29回番組審議会(委員長奥寺一雄盛岡タイムス社長)が、25日盛岡市盛岡駅西通の同本社で、委員9人が集まって開かれ、「スーパーモーニング」(月~金の午前8時~10時)について審議した。

 この番組に連日登場している野村沙知代さんについて、どの委員も触れ、「個人攻撃が目立つ。しかも深追いしすぎる」「一方的でバランスを失っている」「テレビが視聴者をあおっている」など、取り上げ方を批判した。

 局側から7月の番組改編を説明、土曜日午後8時のサタデードラマは「笑ウせぇるすまん」に変わる。また、「第81回全国高校野球岩手大会」を7月10日から21日まで生中継する。