放送番組審議会

9月(第1回)

概要

委員長、副委員長を選任し、番組基準と10月からの基本番組、サービス放送について説明した。

議事録

1.開催日時      平成8年9月5日(木) 午前11時

2.開催場所      ホテルメトロポリタン盛岡ニューウィング3F
            「星雲西」

3.委員の出席
           委員の総数     12名
           出席委員数     10名

     アイウエオ順     大堀  勉(岩手医科大 理事長)
                奥寺 一雄(盛岡タイムス社長)
                大橋瑠璃子(岩手県教育委員)
                佐々木友江(有限会社友愛社長)
                山口徳治郎(山口北州印刷社長)
                三好 京三(作家)
                箱崎 安弘(東北銀行常務)
                盛内 政志(岩手県芸術文化協会会長)                       箱崎 敬吉(岩手県体育協会理事長)
                佐々木明子(主婦)
           欠席委員2人
                瀬戸内寂聴(作家、天台寺住職)
                原田 利夫(アサヒピール岩手支店長)
           岩手朝目テレビ側出席者
                望月  茂(代表取締役社長)
                蓮見 博民(代表取締役専務)
                桑折 勇一(番組審議会事務局長)
                升谷 正勝(業務局長)
                横舘 英雄(報道制作局長)
                菊地 ー行(技術局長)
                河邊  喬 (業務局次長)

4.議題

(1)委員長、副委員長の選任について
(2)社長挨拶
(3)岩手朝日テレビの番組基準と番組編成の基本計画
(4)10月の番組について
(5)次回の開催日および講評番組について

5.議事の概要
委員長、副委員長を選任し、番組基準と10月からの基本番組、サービス放送について説明した。

6.議事の内容
【桑折事務局長】
 定刻になりました。これから岩手朝日テレビ第一回番組審議会を開催致します。審議会委員は、12名の方々にお引き受けいただいております。本日は、このうち瀬戸内寂聴、原田利夫の両委員が、ご都合が悪く欠席されておりますが、岩手医科大理事長大堀勉さん,盛岡タイムス社長奥寺一雄さん、県教育委員大橋瑠璃子さん、県建設業女性マネージングスタッフ協議会会長佐々木友江さん、山口北州印刷株式会社社長山口徳治郎さん、作家の三好京三さん、東北銀行常務取締役箱崎安弘さん、県芸術文化協会会長盛内政志さん、県体育協会理事長箱崎敬吉さん、企画編集者佐々木明子さんの委員10人のみなさまにご出席いただきました。なお、本日は当社制作スタッフが、会議の取材に入っております。番組審議会は、会議の結果を公表することを義務づけられており、のちに放送をします。また記録を残すためにテープレコーダも用意させてもらいましたことをご了承ください。
 それでは、当社の代表取締役社長望月茂よりごあいさつ申し上げます。

【望月社長】
 委員の皆様におかれましては、日ごろ大変多忙な身でありながら、私共の委員就任要請を快くお聞き入れくださいましたことをお礼申し上げます。
 番組審議会は、適正なる放送を実現するため、放送法三条により設置を義務づけられております。昨年来、オウム報道などをめぐり、テレビに対する世論は厳しいものになっております。私共も開局に当たり、従来の放送基準にとどまらず、今後は放送倫理にも留意した放送を心掛けるべきものと考えております。
 私共は、ローカル局として、適正な内容であるとともに、地域に密着した放送を展開して参ります。委員の皆様からは、率直なご意見を賜り、誤らない万向へ進めていくつもりであります。
 開局準備について、ご報告しておきますが、7月には放送機器のセットが終わり、8月1日から試験電波を出し始めました。建物の方も予定通り進行しており、9月13日には開局準備事務所から引っ越しが出来る見通しで、20日には正式に引き渡しを受けます。24日からは、本番並のサービス放送も開始します。
 社員一同心を一つにして、県民の期待に応えられる放送局をめざしますので、委員の皆様方にもよろしくご指導のほどをお願い致します。
 それでは、番組審議会委員の委嘱状をお渡しいたします。

【桑折事務局長】
 委員長、副委員長を決めていただきます。審議会規程では、委員の互選によることと決められています。まず委員長を選んでいただき、副委員長は委員長の指名で決めることにいたします。どなたか、委員長候補を推薦願えませんか。

【佐々木友江委員】
 同じマスコミの方ということで、委員長には盛岡タイムスの奥寺社長を推薦致したいとおもいます。

【桑折事務局長】
 ただいま、奥寺社長を、との声がありましたが、いかがでしようか。

【委員側】
 賛成。異議なし。

【桑折事務局長】
 ありがとうございます。委員長は奥寺社長にお願い致します。

【奥寺委員長】
 ご指名をいだだきました奥寺であります。同じマスコミといっても、この業界は、奥が深く理解が至らない面がありますが、せっかくのご推薦でありますので、一年間に限ってお引き受けをいたしたいと思います。

【桑折事務局長】
 奥寺委員長に、副委員長の推薦をお願いします。

【奥寺委員長】
 女性の方にぜひお願い致したい。理詰めで、物事をきちんと進める点で、県におられたときから尊敬を申し上げておりました、大橋さんにお願い致したいと思います。大橋さんは、場慣れしておられますし、きっと、後ろから私に注意をしてくれるはずです。

【桑折事務局長】
 奥寺委員長から、大橋瑠璃子委員ご推薦がありました。いかがでしようか。

【委員側】
 賛成。異議無し。

【桑折事務局長】
 それでは、大橋先生に副委員長をお願いすることといたします。この後の進行は委員長、副委員長にお願いをいたします。その前に、大橋副委員長にごあいさつをいただきます。

【大橋副委員長】
 ご指名をお断りすることは、よほどの事でない限りすべきでないと考えますので、お引き受け致します。過分のご期待ですが、精一杯努めます。

【奥寺委員長】
 それでは、議事に入りたいと思います。きょう予定されています議題は、岩手朝日テレビの番組・編成基準について、10月の番組について、と次回開催日と講評番組についてであります。
 まず最初の、番組・編成基準について、テレビ局の方から説明をしていただきます。

【升谷業務局長】
 業務局長の升谷であります。岩手朝日テレビの番組基準につきまして、ご説明を申し上げます。日本民間放送連盟は、昭和33年に放送基準を決め、その後改正を加えながら、加盟各局に順守を求めています。前文で「民間放送は、公共の福祉、文化の向上、産業と経済の繁栄に役立ち、平和な社会の実現に寄与することを使命とする」とうたっています。
 当社も今月中に民放連加盟が認められる見通しであり、基本的に民放連制定の放送基準を順守して行くことになります。
 さらに、岩手県内四番目の民間テレビ局として、県民に親しまれ、かつ県民のために役立つテレビ放送をするため、岩手朝日テレビとして番組基準を決めております。
 番組ごとの基準は、次の通りであります。
 報道番組は、ニュース、実況中継および時事問題に関する解説、評論などを内容とし、放送に当たっては、テレビジャーナリズムの特性を活かし、正確、迅速、公正に取り扱う。スポーツに関する番組についても、これに準じます。
 教育番組は、学問、芸術、技芸、技術などの分野において、視聴者の生涯にわたる自己啓発に資するとともに、能力の開発、資質の向上などに役立つ内容とする。放送に当たっては、その対象を明確にし、有益かつ適切な内容を効果的に編集します。
 教養番組は、社会、経済、科学、文芸、美術などさまざまな領域において、広く国民の知識見聞を広め、情操を培い、倫理性を高めるとともに、視聴者にとって豊かな生活の情報源となるような内容とする。放送に当たっては、その意図するところが分かりやすく、親しみやすく視聴されるよう配慮いたします。
 娯楽番組は、ドラマ、芸術、音楽、映画、演劇など視聴者に喜びと安らぎを与え、明日への活力の糧となるような幅広い内容とする。放送に当たっては、健全な社会生活の潤滑油の役割を果たし、生活内容を豊かにする、明るく楽しい番組とするよう配慮します。
 広告の放送については、より多くの事業などがこれを利用できるように配慮し、視聴者の生活に役立つ各種情報を提供することにより、公共の福祉と産業経済の繁栄に寄与ずるものとする。放送に当たっては、社内外の調査考査機関を利用して、公正な広告放送を期することとします。
 次に番組編集の基本計画について申し上げます。
 番組の編成にあたっては、教育、教養、報道、娯楽などすべての番組をそれぞれの性格に応じて地域社会の視聴対象および生活時間を考慮し、各番組相互間の調和と適正を保つようつとめます。
 午前中の放送時間帯は、地域社会に密着した教育、教養番組を主体とし、若干のニュース、こども向番組を編成します。
 昼休み放送時間帯は、昼休みの一般視聴者を対象としたニュースと娯楽番組、教養番組を編成します。
 午後の主婦、家庭向け時間帯は、一般家庭、とくに主婦向けの教育、教養、娯楽番組を編成します。
 児童向け時間帯の夕刻は、児童向けの教養、娯楽番組を編成します。
 夜は、一般家庭向け娯楽番組に多少の教養、報道番組を編成します。
 土曜日の午後および日曜日は、一般家庭向けの娯楽番組を主体に編成します。
 教育番組は、健全な国民としての知識、技能等の資質を培うのに直接役立たせようとする積極的意図のもとに編成します。
 教養番組は、学芸など一般精神文化に対する理解を深め、人間の諸能力を調和的に発達させ、円満な人格を培養するのに役立たせようとする積極的な意図のもとに編成します。 報道は、真実を公平かつ迅速に伝達し、地域社会住民の社会的関心を満足させるようつさめます。
 報道番組は、一般にわかりやすい表現を用い、事実と事実以外の推定は明確に区別し、視聴者に誤解を与えることのないようにします。
 娯楽番組は、内容の低俗化を排し、音楽、ドラマ、映画、ショウ、スポーツ、演芸番組等を調和よく編成し、常に社会の秩序、道徳、良俗に反することのないように作品の品位および表現方法について十分配慮します。
 最後に広告放送は、公衆の経済生活と産業経済の発展に資するものであって、番組の内容とよく調和し、その量は広告放送基準に示された範囲内で行うものとします。

【奥寺委員長】
 岩手朝日テレビの番組編成基準について説明してもらいました。次にこれからの番組について、説明があります。

【河邊業務局次長】
 業務局次長の河邊です。目前に迫りました開局時の10月番組についてご説明いたします。お手元に縦長のタイムテーブルをお配りしています。基本番組表であります。
 朝は、5時55分かち放送が始まります。まず、「やじうまワイド」。これは、各新聞を政治面から社会面まで、記事を紹介し、コメントします。通勤前の忙しい時間には新聞を読まなくても「その目の話題を知ることが出来ます。
 8時には、「スーパーモーニング」。奥様向けにいろいろの話題を興味深くとりあげます。
 12時にはいって、「ワイド!スクランブル」です。これはNHKアナウンサーだった中村克洋が、水前寺清子といつしょに司会をします。
 14時になりますと、主婦をターダツトとする「徹子の部屋」です。黒柳徹子さんが、毎回ゲストを迎えて対談形式で進めます。20年以上も続いている番組です。
 17時30分は、当社の報道制作が一番力をいれている自社制作番組「IAT・きらめきワイド」です。各テレビ局は18時から、ニュースを始めますが、私共は30分早める訳で、全力投球で臨むつもりです。
 このあとは、17時58分のキー局からの「ステーションEYE」に続きます。
 19時台から21時台は、ゴールデンタイムです。この間はほとんどが、テレビ朝日、あるいは大阪の朝日放送制作のネット番組です。ドラマ、ドキュメンタリー、ワイドもの、時代劇などいろいろです。
 22時は、ご存じの「ニュースステーション」です。テレビ朝日系の軸になる番組で、久米宏と小宮悦子が司会に当たります。
 24時台に入りまして、「トゥナイト」。これも古い番組で、少しお色気も加えて若者向けに工夫してあります。
 放送終了は25時30分。ただし、月1回の金曜日は、これも好評の「朝まで生テレビ」が29時まであります。
 次に土曜日にまいりまして、朝8時から「あまから問答」。現役の政治家、各大臣との対談形式です。「朝だ!生です 旅サラダ」は大阪の朝日放送放送ネット。
 12時台の八波一起「TVイーハトーブ」は東北六県向けに、仙台東日本放送が制作し放送します。
 15時は、宮尾すすむの「出前カラオケ」。これも「きらめき・ワイド」と並ぶ自社制作番組で、宮尾すすむが司会をします。我が社のキャッチフレーズ「いつもすぐそば」の通りに、各市町村、企業団体にカラオケセットを持ち込んで出演してもらいます。
 日曜日に参りまして、朝9時からは「題名のない音楽会」。これも大変な長寿番組で、黛敏郎司会の硬派音楽番組です。
 10時からは「サンデーブロジェクト」。田原総一郎が司会をし、主に政治家、話題のゲストを呼び、辛口の解説をします。
 21時は、「日曜洋画劇場」があります。淀川長治さんが解説をしておりますが、我が系列では開局以来の長寿番組です。
 大相撲ダイジェストは、11月の九州場所から入ることになります。
以上が大体の番組紹介であります。
 次にサービス放送についてでありますが、9月24日から開始します。初日は11時半からニュースステーションが終わる23時20分まで。
 翌日はスーパーモーニングの8時から放送を始め、その翌日は放送開始時間を繰り上げ、終了を「トゥナイト」まで延ばして、時間を広げます。
 27目の金曜日は、たまたま「朝まで生テレビ」がありますので、PRを兼ねて終了まで放送します。
 9月30日、ベルト番組が月曜からスタートしますので、本放送の10月1日並の放送をいたします。
 10月1、2週の番組ですが、基本的には先ほどの基本番組表と同じでありまずが、各局とも改編期のゴールデンタイムは、スペシャルものをいれ、特別編成をします。したがつてレギュラー番組は3週目からとなります。
 たまたま、今回はSG(スワローズ対ジャイアンツ戦)が10月1、2日にはいっております。巨人が優勝するようだと、視聴率は上がり、10月開局にはうってつけとなります。
 午前10時と午後の15時以降は、IAT開局記念セールスの特別編成となっています。
1週2週目はスペシャル番組が入って参ります。
 以上が、サービス放送、開局時の特別編成の概略であります。

【奥寺委員長】
 ただいまの説明に対して、皆さんの意見、感想を伺います。

【大橋委員】
 これまで、岩手では見られなかった魅力的な番組がそろっているようで、大変楽しみです。私が一番好きなのは、黒柳徹子さんの「徹子の部屋」です。黒柳さんの人柄のせいもありますが、対談相手の方々のいろいろの人生が見えるところが魅力です。この番組のような、他局にはない、特色を出していただきたい。

【佐々木友江委員】
 建設業界の若い技能者を呼び込む運動をしています。土木という言葉さえ、汚らわしいものと受け取られるのは、残念です。お米も大根もニンジンも、土が育ててくれています。番組のどこかで、土の大事さを訴えてほしい。

【三好委員】
 望月社長のローカル色を強く出したい、という方針には大賛成。昼のワイドショーなどでは、各民放が同じ題材を取り上げているのを見ると、がっかりする。もっと、個性を出してほしい。私は、すぐれた教育小説も書いているが、素晴らしいポルノも書いている。小説も同じだが、テレビも面白くなくては価値がない。お色気番組大いに結構。遠慮しないでやるべきだ。

【盛内委員】
 健全なる娯楽番組がほしい。サスペンスものは視聴率が高いと思うが、やたら殺人が出てくるのは、困る。人をころさなくても、サスペンスは成り立つ。歴史、音楽、紀行ものは、教養番組と思うが、時間が短い。土曜日の朝一番に「つるピカハゲ丸くん」のアニメーションが入っているが、差別用語ではないか。

【横舘報道制作局長】
 これは人気マンガのアニメーションです。差別用語は悪意で使った場合は問題ですが、この場合は楽しさを強調していますので、差別ではないと思います。

【奥寺委員長】
 それでは、最後の議題であります次回の開催日と講評番組を決めることといたします。

【桑折事務局長】
 お手元の番組審議会規程にありますように、審議会の会議は毎月一回を定例とし、必要ある場合は随時招集することになります。各局の例でも、毎月下旬に設定しているようです。
 当番議会は、原則として毎月の第三木曜日当たりを開催日としては如何でしょうか。

【委員側】
 みなさん都合もあるでしょうから、柔軟に考えたらいいのではないか。

【桑折事務局長】
 第三木曜日は、あくまで原則とします。

【奥寺委員長】
 講評番組について、テレビ局のお考えを聞きます。

【升谷業務局長】
 皆さんお忙しい方ばかりですので、なかなか、すべての番組を見ていただくという訳にはまいりません。そこでこの番組だけはぜひご覧いただくこととして、ご視聴いただきました他の番組と併せて、ご意見を頂戴したいと思います。
 最初の講評番組は、放送開始時間を他局より30分早めて、全力をあげて取り組みます夕方のローカルニュース「IAT・きらめきワイド」といたしたいと思います。これは、月曜から金曜の17時半から30分間の番組です。
 来月の番組審議会の席で、ご感想ご意見を聞かせていただきます。

【奥寺委員長】
 予定された議事は終了しました。ご協力いただきありがとうございました。次回につきましては、事務局より改めて連絡を願います。

【桑折事務局長】
 後日、ご案内申し上げます。本日はありがとうございました。

7.審議機関の答申または改善意見に対して取った措置
 特記事項なし

8.審議会の答申または意見の概要公表
 放送番組の基準に対する意見は新聞紙上にて公表