放送番組審議会

9月(第131回)

概要

 岩手朝日テレビの第131回番組審議会が平成21年9月24日(木)、盛岡市盛岡駅西通の岩手朝日テレビで開かれた。

 合評内容は「岩手が聖地を沸かせた!~花巻東がめざした日本一~」

  • 春の選抜から日本一を目指した事、諦めない事を夏の大会を通じて見る者に感動を与えた。
  • 壮行会も大盛り上がりで会場に入れない人もたくさんいた。ただ視聴者や観客の声をあまり拾っていなかったのは、残念であった。
  • 選手同士がかける言葉、野球人としての礼儀や育ちのよさが目立った。
  • 今回の高校野球は、非常に泣けました。
  • 全員野球という意味は、社会に出ても通じることである。
  • この番組は、中高生の教育番組にも良いと思う。
  • 内容的にタイトルと結びつけるのは無理がある。
  • 選手の内面にまで踏み込み過ぎて、それに応えようとする選手の真面目さが痛ましい。
  • 過剰とも言える報道はこれからの18歳に心の負担になるのでは。
  • 一つのテーマをもう少し掘り下げて放送して欲しかった。

という意見が出た。

出席委員は、増子義孝委員長、小田島利昭委員、笠川さゆり委員、そのだつくし委員、弭間俊則委員、村田久委員の6名。欠席委員は、吉田政司委員の1名。

議事録

1.開催日時 平成 21年 9月 24日(木)午前 11時~

2.開催場所 本社3階 会議室

3.委員の出席

委員総数  7名

出席委員数 6名

委員長 増子 義孝

委員 小田島 利昭

委員 笠川 さゆり

委員 そのだ つくし

委員 弭間 俊則

委員 村田 久

欠席委員数 1名

委員 吉田 政司

会社側出席者名

代表取締役社長 富永 健治

常務取締役 辻 一成

取締役報道制作局長 小椋 和雄

編成業務局長兼放送番組審議会事務局長

小林 直紀

報道制作部部長 佐々木 貴

番組審議会事務局 佐藤 清一

4.議 題

(1)番組合評

「岩手が聖地を沸かせた!~花巻東がめざした日本一~」

(2)10月単発番組について

(3)次回審議会

開 催 日:平成21年10月29日(木)11時~

本社 3階会議室

合評課題:「小学生クラス対抗30人31脚全国大会2009」

放送日時:平成21年10月17日(土)

10時10分~10時50分

5.概 要

◎ 社長あいさつの後、編成局長より10月の単発番組と9月の視聴率の状況を説明した。

◎ 春の選抜から日本一を目指した事、諦めない事を夏の大会を通じて見る者に感動を与えた。

◎ 壮行会も大盛り上がりで会場に入れない人もたくさんいた。ただ視聴者や観客の声をあまり拾っていなかったのは、残念であった。

◎ 選手同士がかける言葉、野球人としての礼儀や育ちのよさが目立った。

◎ 今回の高校野球は、非常に泣けました。

◎ 全員野球という意味は、社会に出ても通じることである。

◎ この番組は、中高生の教育番組にも良いと思う。

◎ 内容的にタイトルと結びつけるのは無理がある。

◎ 選手の内面にまで踏み込み過ぎて、それに応えようとする選手の真面目さが痛ましい。

◎ 過剰とも言える報道はこれからの18歳に心の負担になるのでは。

◎ 一つのテーマをもう少し掘り下げて放送して欲しかった。

6.議事の内容

小林事務局長

 それでは、只今より、第131回岩手朝日テレビ放送番組審議会を始めます。

 それでは、増子委員長、議事をお願いいたします。

増子委員長

 それでは富永社長、一言お願いします。

富永社長

 本日もお忙しい中、お集まり頂きましてありがとうございます。

 今年の夏の甲子園大会では、花巻東高等学校が見事な成績を収めてくれまして、岩手県の方々は自信を得た感じではないでしょうか。

 また、ものづくり大賞という系列20局参加の自社製作番組で弊社の番組である「おれたちの盛岡冷麺」がみごと最優秀賞を獲得いたしました。先週系列局の社長会がテレビ朝日でありまして、表彰状を頂いてきました。

 非常にうれしく思います。

 本日も合評番組の意見を頂戴いたしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

増子委員長

 ありがとうございました。

 何かご質問等ございませんか?

 それでは、10月の単発番組と視聴率についてお願いします。

小林編成局長

 来月は期首期末という時期であり、レギュラー番組をベースとした番組になっております。

 10月17日は30人31脚岩手大会の放送を致します。9月27日に滝沢村のアピオにて行われました予選大会の模様を放送いたします。

 また今回もスポーツが全般的に多くフィギュアスケートは、すべてテレビ朝日での放送を予定しております。

 また視聴率では、8月、9月共に民放4局の中で3位であり、9月に入りようやく7%となりました。17時台のニュースの数字を若干落としている状況です。第2週はこれから数字が出る予定です。

 いきなり黄金伝説は、25.8%と高い数字を獲得しています。

 それと全国番組審議会についてですが、10月22日に愛媛県松山市で開催されます。今回も増子委員長と村田先生に出席いただいて参加いたします。また、今回の合評課題は「放送全般について」という事ですので、先生方で何か意見などございましたら、どうぞよろしくお願いいたします。

 以上です。

増子委員長

 ありがとうございました。何かご質問ございますか。

 それでは合評課題に移ります。

小田島委員

 今回の甲子園大会は、他人事ではなく、雄星君のお父さんが仕事でつながっているので、興奮しながら見ていました。

 春の選抜は甲子園に応援に行きましたが、あのときに日本一を目指した事、あきらめない事、それが試合を通じて、

 私の心に通じるものがありました。

 全体的に良かったことは、ナレーションの山田さんの語り方、それぞれの試合、選手一人ひとりの夢などが見ていて伝わりましたね。

 番組の構成として、花巻東高校の日本一になる意味や、選手たちのプライベートな部分、自分たちなりにどうして日本一になりたいのか等番組を見て良く理解できたように思います。それは本当にあきらめないで一生懸命頑張る姿、練習する姿などをうまく捉えていたように思います。

 野球の聖地を沸かせた高校生であり、26日の壮行会もかなり盛り上がっていましたね。会場に入れない人もたくさんいたようです。

 ただ、少し残念なのは、視聴者や観客の声をあまり拾っていなかったのでもう少し生のインタビューや感情を露にして欲しかったと思います。以上です。

笠川委員

 毎年、高校野球というと、あまり興味がないのですが、花巻東高校が甲子園に出場して、今回試合やダイジェスト版等を見て、ずっと飽きることなく見てしまいました。

 山田さんのナレーションも聞きやすく、とても好感が持てました。

 選手同士がかけ合う言葉、野球人としての礼儀や育ちのよさが目立っていました。言葉遣いや、親の躾、先生の指導の良さがとても良く感じ取れました。

 なんといいますか、日本一を目指す原点が伝わってきました。合評課題であり、2回見たのでこのような意見が出るのかもしれませんが、掘り下げる部分が少し物足りないな。と感じましたが、全体的には良かったのではないでしょうか。

そのだつくし委員

 今回の高校野球は非常に泣けました。感動しながら見ていました。山田さんのナレーションもすんなり溶け込んでとても良かったとおもいます。

 監督の最後の言葉も感動しました。

 選手の後姿、グローブのシーン、この夏は野球だけで終わった。とても楽しい夏だった。その気持ちが番組の中から感じ取れました。

 短い時間の中で凝縮されていて、とても良かったとおもいます。とても面白く見ていました。

弭間委員

 この番組は高校野球の一つのダイジェスト版かなという感じで見ていましたが、タイトルにもなっていますが、一つのストーリーになっていましたね。

 私にも子供がおりますが、この番組は中高生の教育番組にも良いと思いましたね。全員野球という意味、これは社会に出ても通ずるところがありますから。今回の試合でももうダメだ。あきらめない部分、ピンチの時でもあきらめずに苦しいときを乗り越えて試合に勝った喜び、うれしさなど良く捉えていたと思います。とても好番組でした。

村田委員

 先ず最初に、サブタイトルに期待はずれでした。いかにもミステリアスなタイトルにいったいどんな番組で、どんな秘密が明かされるのか。どのように物語が展開されていくのかを興味深く見ていましたが、内容的にタイトルと結びつけるのは無理があって、少なからず期待はずれのような感じがしました。

 大筋には、ドキュメンタリーとしてわかりやすい構成にはなっていましたが、タイトルに結び付けようと言う思惑からか、雄星君の内面まで踏みこむ取材が随所に見られ、それに応えようとする雄星君の真面目さと話しぶりが、かえって痛ましく映っていたように思います。

 また、日本球団への決意表明の後に見せた涙の理由を取材した場面が映っていましたは、そこまでやる必要性がどこにあるのでしょう。

 自分は野球界に選ばれたという自意識が強すぎてこうしなければいけない、こうあるべきだ。そういう考えが全体的にあふれていました。その裏側には取材陣の過熱さが影響しているのではないでしょうか。

 20年に1人の逸材という前評判なのかもしれませんが。過剰とも取れる報道はこれから出発する18歳の心の負担になるのではないでしょうか。とても疑問に残ります。このドキュメンタリーに対する思いは各自違うとは思いますが、もう少し報道のあり方、取材に配慮して欲しいと思います。天性の才能をつぶす事がないように今後の取材のあり方に期待いたします。

増子委員長

 今回の合評のご意見は好意的ですね。ゲーム自体が正にドラマチックでいろいろなシーンを何度も放送していますしね。

 同じシーンでもどのような切り口で放送するのかを興味深く見ていました。前半部分しか見ることができなくて、後半を見られなかったのです。前半はあまり面白くなかったですね。もう少し掘り下げて放送して欲しかったように思います。

 一つのテーマをもう少し突っ込んでインタビューできなかったのかな。何か物足りなさを感じました。

 また、花巻東高校の野球選手は県外の選手はいないのですね。来年は勝てるのでしょうか。その辺りのコメントもう少し聞きたかったですね。

 山田さんどうぞ意見お聞かせください。

報道制作山田

 皆さんから貴重なご意見ありがとうございます。

 今回、番組を作るに当たって、試合は面白い、一つにまとまったもの。記録にのこるようなものを作りたい一心で制作いたしました。

 NHKさんでも特集を組んで放送していましたが、我が局ではおもしろさを前面に出せる番組を作りたいと思いあのような作品になりました。

 また花巻東さんの選手さんはなれているせいか、コメントが上手ですね。相当程度、雄星君を柱にした土台のつくりになってしまいました。雄星君の怪我や雄星君の日本一になるテーマ、感情などが基本となってしまったと思います。もう少し選手全体として、花巻東高校の日本一を目指す姿を掘り下げた内容にすべきだったと思っております。

増子委員長

 何か他にございませんか。では次回についてお願いします。

小林事務局長

 では次回についてですが、「小学生30人31脚全国大会2009岩手大会ハピネス共済会カップ」を合評課題にしております。是非ご覧になって貴重なご意見をお願いいたします。

増子委員長

 それでは終了します。ありがとうございました。

7.審議機関の答申または改善意見に対してとった措置

ご指摘頂いた点を、今後の番組作りの参考とすることとした。

8.審議機関の答申または意見の概要の公表

朝日新聞10月7日岩手県版に審議概要を掲載。

系列各局に議事録を送付。

本社受付に議事録を常備、閲覧に供す。

インターネットホームページに掲載。

9.その他の参考事項

特になし

10.配布資料

  10月単発番組編成予定表

  8月岩手地区視聴率