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盛岡市・滝沢市の住宅地 クマ目撃相次ぐ 通報8件以上 住民に不安広がる 専門家の見解 被害に遭わないために【岩手】
30日朝、岩手県盛岡市や滝沢市の住宅地でクマの目撃が相次ぎました。けが人は確認されておらず、警察は注意を呼びかけています。
最初にクマが目撃されたのは盛岡市月が丘の住宅地で、午前6時ごろ、住民が警察に通報しました。
その後、クマはおよそ2キロ離れた滝沢市牧野林の盛岡北高近くでも目撃されるなど、市民からの通報は少なくとも8件寄せられています。
また、午前7時20分ごろにはパトロール中の警察官が盛岡市の県営運動公園近くの水路を走るクマを目撃しましたが、以降、足取りがわからなくなっています。
県営運動公園から500メートルほどの場所にある城北小学校です。
クマの目撃を受け下校時は保護者が迎えに来る措置をとりました。
目撃されたクマは成獣で、同じ個体と見られています。今のところ人や物への被害は確認されていませんが、盛岡市月が丘では午後4時前に再び成獣のクマが目撃されていて、警察が注意を呼びかけています。
4月、県内では市街地でのクマの出没が相次いでいます。
2日、盛岡市内で撮影されたのは住宅の庭をゆうゆうと歩くクマ。
この日は同じクマと見られる目撃情報が市内で相次ぎ、最終的には盛岡駅近くの寺に現れました。
24日には釜石市の住宅街で。住宅の塀と壁の間に挟まり、身動きが取れなくなっていました。
クマはなぜ人の近くに現れるのでしょうか。
専門家は、これらのクマにはある特徴があるといいます。
(岩手大学農学部山内貴義准教授)
「かなり人に慣れた個体」
ブナの不作などからおととしは人里へと降りてくるクマが多く、人への被害が過去最多となりました。
(岩手大学農学部山内貴義准教授)
「かなり住宅地の方まで進出してこのへんに美味しい食べ物があるというのを学習してしまって、あまり人を恐れないような個体が冬眠明けに街まで出てきてしまっているという可能性は考えられる、クマからすれば人はもう何もしてこないというと学習してしまっている可能性もなくはないと思う」
冬眠明けでクマの活動が活発になる春。今後も市街地へのクマの出没は続くのでしょうか。
(岩手大学農学部山内貴義准教授)
「出没自体は基本的には抑えられるはず」
山内教授によると5月以降は山菜や花などクマの餌が増えるため、山にこもることが多くなるということです。
しかし人馴れした個体もいるため引き続き注意は必要だとしています。
(岩手大学農学部山内貴義准教授)
「桜が終わるとさくらんぼがなるんですよ実は。でそのさくらんぼ人間は食べられないんですけどクマは大好きなので、このあと公園とか河川沿いのさくらんぼをめがけてクマがやってくる可能性がある」
県は県内全域に「ツキノワグマの出没に関する注意報」を出して、被害の防止を呼びかけています。
では人里でクマの被害に遭わないために私たちができることは何でしょうか。
県によると、まずはクマを寄せ付けるものを置かないことが大切だということです。
具体的には屋外あるいはクマが侵入できる納屋に生ゴミのほか果物や穀物、ペットフードなどクマのエサとなるものを置かないようにして下さい。
そして一般的にクマは隠れるところがない見通しの良い場所を嫌うため、やぶの刈り取りも有効だということです。
また今はレジャーや山菜採りで山に入る人が増える時期です。
その際は複数人で行動し、クマが活発に活動する明け方、夕方の入山は避けること。
鈴など音が鳴るもの、スプレーなどの撃退グッズを身につけること。
また糞や足跡を見たら引き返すようにして下さい。