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盛岡市内で29日もクマの目撃相次ぐ 中心部流れる北上川沿い 県教育長も危機感【岩手・盛岡市】

 中心市街地や住宅地、学校の周辺など人間の生活圏にクマが出没している岩手県盛岡市。29日もクマの目撃情報が相次ぎました。

 視聴者から岩手朝日テレビに寄せられた28日午前2時すぎの盛岡市本町通の映像では、1頭のクマが周囲を気にしながら雨に濡れたアスファルトの道路の上を歩く姿がとらえられています。

 一方、構内にクマが出没し、28日午後からすべての講義がとりやめとなった岩手大学では、29日午前も警戒活動中の警察官などがクマを発見し、その後、近くを流れる北上川沿いで目撃されました。

 市によりますと、体長およそ1メートルとみられるクマは、さらに雫石川方面に移動したということです。

 市と警察は同じ個体とみています。

 相次ぐクマの出没を受けて周辺の学校は対応に追われました。

 岩手大学と北上川をはさんで対岸にある厨川小学校では、朝は通常の登校でしたが付近でクマの目撃情報があったことから保護者に対し午後、児童が下校する際の迎えを依頼しました。

 市や警察は周辺の住民に注意を呼びかけています。

 県の佐藤一男教育長は29日の定例会見で危機感を述べ、児童や生徒、教職員らの安全確保のため県の関係部署と連携して対応する考えを示しました。

 なお、岩手大学は市役所や大学職員による構内巡視や目撃情報を総合的に判断した結果、現在は大学構内からクマが離れた可能性が高いと考えられるとして、30日から授業を再開することを決めました。