心のアーカイブ 伊波伴准

子どもたちの笑顔~山田町(豊間根・織笠)

Go!Go!子育て応援宣言!!での絵本読み聞かせ活動で山田町を訪れました。
中心部が大きな被害を受けた山田町に行くのは初めて。
海沿いは、きれいに片づきつつありますが、
そうするともともと建物があったところに土台だけがのこり、
土台だけが沿道につづく光景は、胸が痛みます。

ここにあった様々な生活は、今はありません。
厳しい現実です。
はじめに訪れたのは豊間根保育園。
豊間根地区自体は、津波の被害はあまりなかったそうですが、
公共施設などが避難所として使われ、
豊間根保育園も、周辺に避難してきた人たちのうち、
小さい子どものいる家族を受け入れ、ピークの時には70人が避難していたそうです。

子どもたちは津波を見ていないそうですが、
テレビや新聞の影響からか、当初は「津波ごっこ」していたそうですが、
夏を過ぎてからは無くなり、ずいぶん落ち着いているそうです。

およそ50人の園児が遊戯室に集まり、
ここで読み聞かせをしたのは
「うんちっち」(ステファニーブレイク/作、ふしみみさを/訳)、
「森の絵本」(長田弘/文、荒井良二/画)、
「うんこ!」(サトシン/作、西村敏雄/絵)、
「よくばりすぎたねこ」(さとうわきこ/作・絵)の4冊です。

元気を出してもらおうと、最初に「うんちっち」、
その後にしっかりと「森の絵本」を読み、
「次は何がいい?」と子どもたちに聞いたところ、
とてもいい勢いで「うんちっち、うんちっち、うんちっちー!」
と言われたため、
「うんこ!」を予定外で読むことにしました。

子どもたちはとても元気いっぱいに笑ってくれました。
静かな絵本も、元気な絵本もきちんと聞いてくれた子どもたちに感謝です。

続いてお邪魔したのは、織笠保育園。
ここはさらに胸が痛くなる光景が広がっていました。
地区はほとんど建物が残っていません。ここも土台だけが並んでいる状態です。
道路も、アスファルトがはがれたのか、砂利だけのところがあります。
その織笠地区の斜面、かなり高い位置に織笠保育園があります。
園だけが高台なので、津波被害からは免れました。

震災直後は、避難所としても使われていて、4月からは一時預かりで保育を再開。
8月からようやく通常の保育が再開されたそうです。
通園している園児のうち7割が仮設住宅。厳しい現実です。
一方で、園は地域の高齢者にとっても重要な“寄り合い”の役割もあるそうです。
子どもの笑顔は、大人にとって、希望の光です。

関係者の話で印象的だったのは、地域の雰囲気。
地域全体が元気を出せない雰囲気がまだ残っているそうです。
このような中で、県内外からのボランティアが入ることはとても元気づけられると話していました。
絵本の読み聞かせが少しでも元気につながれば、と感じます。

織笠保育園では、
「森の絵本」(長田弘/文、荒井良二/画)、
「うんちっち」(ステファニーブレイク/作、ふしみみさを/訳)、
「へんしんトンネル」(あきやまただし/作・絵)、
「よくばりすぎたねこ」(さとうわきこ/作・絵)を読みました。

「森の絵本」の中には「あなたの大切なものはなんですか?」という問いかけの文章があります。
このフレーズを読んだところ、園児の一人が「家族!」と大きな声で返事をしてくれました。

思いがけない言葉で、びっくり。うれしさと感激で、言葉が一瞬止まってしまいました。
家族、と答えた園児。

家族・・・良い言葉です。

大きくなったら、きっと、町のために活躍してくれると感じました。
園児たちから沢山の元気をもらった、山田町での読み聞かせでした。

2011 年 12 月 14 日 20 時 31 分 51 秒