なかおにっき 中尾考作

甲子園でも頑張れ

「一体どうしたの?」

初戦に続いて“らしくない”エラーがでた宮本涼選手に

3回戦の軽米戦後、ほかの報道陣がいなくなったのを見計らって声をかけました。

「自分でも分からないんです」

声にはいつもの力がありませんでした。

去年、一関学院は初戦敗退。

実況席にいた私は、試合後すぐに駆け下り、選手たちのインタビューをとりました。

エースの飯田翔投手、そして2年生で唯一スタメンだった宮本選手・・・

そのときのインタビューが忘れられません。

試合でかれた声と涙でほとんど聞き取れない中でこれだけははっきりと言いました。

「絶対に甲子園に行きます」

今年の決勝戦の朝、彼は1年前のあの日と同じことを言いました。

そして、それを現実にしました。

大会序盤、本来の宮本選手のプレーは見られませんでした。

想像も出来ないほどのプレッシャーを抱えていたのでしょう。

しかし、一関学院は勝ちあがってきました。

試合ごとに違った選手が活躍し、

そして、決勝戦で試合を決めたのは他でもない宮本選手だったと思います。

光栄なことに優勝インタビューをさせていただきました。

初戦敗退の涙のインタビューから1年。

ここで彼のインタビューをすることになるとは。

そして、先日はIATにも来てくれました。

敗れたチームの思いも背負って、その目は確かに甲子園での試合を見ていました。

もう「おめでとう」ではなく「頑張れ」と言わないといけないときですね。

甲子園でも頑張れ!一関学院!!

2010 年 8 月 2 日 10 時 09 分 59 秒